月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

べにやまたけ

2022-05-08 08:41:23 | キノコ創作

春山に

おき火の如し赤茸(あかなば)の

花に負けじともゆる思いは


《春の林にベニヤマタケを見つけた。その赤さは、炎をあげぬまま煌々と燃える炭のおき火のように、同じ季節に咲き誇る花たちに負けないほどの気持ちをあらわにしているものであろう。》


ベニヤマタケは鮮やかな色のものが多いアカヤマタケ属の仲間。

春から秋まで、わりと季節を選ばず発生するキノコだが、ことに九州や山口県において、春、野焼きの跡地に生えてくるものが「あかなば」と呼ばれ、古くから食卓にも饗されたようだ。

特段に美味しいというわけでもないが、長い冬を耐えた者だけがわかる喜びを味わうといった意味で、山辺に暮らすものにささやかとは言え特別な幸せを感じさせるものであったことだろう。

火のような鮮やかな赤さを食することで、我が身のうちの命の火を新たにした、そんな思いを抱かせるキノコだったかもしれない。



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【検証】トリュフって本当に美味しいの?(浪人編)

2022-05-01 11:11:37 | キノコ料理
最後に、オリジナルのトリュフレシピを。

って言っても、難しいのはムリなので、可能な限り簡単なやつでいこう。
それは『目玉焼きトリュフご飯』

実はトリュフ料理の裏メニューとして「卵かけトリュフご飯」というのが有名なんだけど、これの発展版にあたる。でも侮るなかれ、卵かけご飯より断然うまいことは保証する。
ていうか、トリュフがあろうがなかろうが、普通にうまいんだよね、目玉焼きご飯。


卵かけご飯では、どうしても白身が余分な水分を運んで水っぽくなる上に、歯ごたえはないし、味の変化に乏しく、生臭さも気になる。
火を使わないで作れるのはありがたいけど、トリュフにはもったいないなぁ、というのが私の個人的な評価だ。

その点、目玉焼きは白身を固めて水っぽさを解消するのみならず、プルプルの弾力や焦げ目の香りをプラスして生臭さを軽減、さらに黄身も半熟になって味を濃厚にするメリットがある。単純に油も食味をアップさせるしね。
たったひと手間かけるだけで、ただの卵ご飯がトリュフを味わうのにふさわしい料理へと変貌を遂げるのだ。

ただし!焼き方に失敗は許されない。確実な目玉焼きを伝授しよう。

①フライパンに油をひいて中火でよく熱し、卵を落とす。
②火を弱火にして少し待つ。白身に軽く焼き目がつき、箸でつかめそうな固さになった頃合いで裏返す。
③裏返したら火を消し、そのまま少し放置する。(もし黄身をつぶしてしまったら白身が固まり次第すぐに引き上げる)
④黄身のあたりを押さえてみて、好みの硬さに仕上がったと思ったら完成。

日本では裏返すのは邪道だけど、海外ではふつうらしい。
フタが不要で時短ができる、焼き加減のコントロールもしやすく、見た目は悪いけど味がいいので両面焼きをオススメしたい。

これをご飯に乗っけて、卵が熱いうちに黄身を少しつぶしたら、その上にトリュフ醤油をかけて完成。
混ぜすぎないように混ぜながらスプーンでいただく。

もちろんトリュフ卵+しょう油で調理しても可。目玉焼きのわきで野菜を炒めて付け合わせるのもいいね。

白身のプリッとした歯ざわりや黄身のトロリとした濃厚な味をトリュフの香りが膨らませて、口の中に多様なグラデーションが広がるのを堪能できるはずだ。

シンプルの中にも奥行きを生む、これぞトリュフ料理の真骨頂と言えよう。

ニオイに慣れが必要・好みに個人差あり・ムダに高価・・・食べるにはハードルの多すぎる謎に満ちたきのこ・トリュフ。
もし運良く入手できた方は、この数々の難関をも楽しみつつ、いろいろとお試しいただきたい。

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【検証】トリュフって本当に美味しいの?(大学入試編)

2022-04-27 06:52:22 | キノコ料理
トリュフの評価をまとめてみたい。

やはりトリュフの真価はそのニオイにある。味とか歯ごたえとかを楽しむキノコではない。
え?トリュフをまるまる使ったアヒージョはゴリゴリ食感が美味いって??そんなの無視!無視!

そのニオイというのは、人によって感じ方が異なるが、日本で一番ふつうに見るイボセイヨウショウロの場合
①のりの佃煮のニオイ
②ボンドのようなニオイ
③キノコっぽいニオイ

の大きく3つに分かれると思う。
①と②は料理する前から強く感じるが、スライスして実際に食べるとき強く感じるのは③である気がする。
この③のニオイが食べるときに「鼻腔をくすぐる」っていうんだろうか、鼻の裏側を通っていくのを強く感じ、これが食欲を促しているように思う。

ここで思い出してほしいのは「良いニオイも強すぎれば悪臭に感じる」ということ。これは裏返せば「悪臭も薄めれば良いニオイ」ということでもある。①のニオイはともかく、あまり良いニオイとは言えない②ですら、適度に薄まることで料理の味を高めているかもしれない。
まあ、これは良くも悪くも紙一重なので、トリュフの評価に個人差が大きいのも、このへんが1枚噛んでいる気がする。

さて今度は食材としての特徴を見てみよう。
①油や卵、チーズ、パスタ、米、みそ醤油、白身魚、豆腐、アイスなど、さまざまな食材と相性がいい
②ニオイが揮発性なので、高温調理はダメ
③ニオイが長所で、それ自体は味があまりない

②はさておき、ありふれた食材で①と③に当てはまるものが1つある。

ニンニクだ。

国籍を問わず、ありとあらゆる食材にマッチする。さほどニンニクが好きではない日本人ですら、餃子や焼肉、パスタなんかにニンニクがないとどうにも物足りないと感じてしまう。ニオイが強すぎると悪臭と感じてしまう点でもトリュフと共通だ。

だからトリュフを『キノコ界のニンニク』と考えると分かりやすいかもしれない。

料理の食味そのものを向上させるというよりは、食欲をかき立てる。味覚を狂わすと言ってもいいかも知れない。空腹が料理を美味しくするように、ニオイが料理を美味しく「感じさせる」のだ。もしかしたら一種の中毒性もあるかも知れない。
人の心を惑わすという意の言葉で「蠱惑的(こわくてき)」というのがあるが、まさしくそれにあたると思う。

ただ、ニンニクとトリュフには決定的な違いがある。

値段である。
ニンニクはスーパーで簡単に買えるし、なんなら自分で栽培だってできるが、トリュフはそうもいかない。ずっと高価だ。
もしトリュフとニンニクに同じような効果があると考えるなら、いくら希少とはいえ、トリュフに大枚をはたくのはバカバカしいことだと思う。

でも、とあるトリュフ愛好者がこう言っていた。
「われわれは、高価な食材を食べている、というその事自体にも高揚感を感じる。この高揚感、快感こそがトリュフに欠かせない、いわば最高のスパイスなのだ」と。

なるほどな・・・。
とことん「蠱惑的」な食材だねぇ、トリュフって。


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【検証】トリュフって本当に美味しいの?(高3編)

2022-04-24 23:56:58 | キノコ料理
そして当日。テーブルには想像を超えた豪華なメニューが並んだ。

○ポタージュ(おろしトリュフ入り)
○冷や奴(トリュフオイル&岩塩)
○タコとホタテのカルパッチョ(トリュフオイル入り)
○チーズのトリュフ入りガレット
○トリュフ卵のスクランブルエッグ
○バターライス
○トリュフ醤油の焼きおにぎり
○バニラアイス(トリュフオイルがけ)

前菜からメイン、デザートまで、トリュフ尽くし!
和洋取り混ぜて、これは研究のしがいがあるぜ!!

さて、料理はどれも美味しかったのだけど、全部を取り上げると長くなるので、トリュフ的にインパクトのあったものを順にピックアップすることにしよう。

①トリュフ卵のスクランブルエッグ
素材にトリュフ臭が染み込んでる分、いちばんトリュフのにおいを強烈に感じたのはこれだった。卵や油と相性がいいので味も間違いがない。ただ、人によってはトリュフ臭がきつすぎるという意見もあった。良いにおいも強すぎれば悪臭と感じる。好みに合わせて卵とトリュフを閉じこめる時間を調節したほうがいいのかも。

②トリュフ醤油の焼きおにぎり
これは日本人殺しのレシピである。無意識のうちにガッツリ醤油中毒、かつダシ中毒になっているというのに、そこにさらにトリュフが加勢するのだ。まさしく邪悪と言えよう。
イメージとしてはトリュフがだし醤油の旨味や香り、ご飯の甘みやモチモチとした歯ざわりを掩護射撃する感じ。主役の能力を引き出すのがトリュフの役目だ。焼きおにぎりのような温かいメニューの方がトリュフ臭が引き立ちやすい。

③バニラアイス(トリュフオイルがけ)
冷製メニューではややトリュフの香りが後退して感じるため、どうしても温かいメニューの方が評価が高くなるが、バニラアイスは面白かった。アイスが冷たいせいで、常温のトリュフオイルが押し出されて上に立ち昇るのかもしれない。豆腐もそうだが、素材がシンプルなのでトリュフの効果がわかりやすい。
ただのアイスに較べると、味に変化と奥行きが加わるような気がする。
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【検証】トリュフって本当に美味しいの??(高2編)

2022-04-12 11:30:05 | キノコ料理
トリュフパーティー開催に先立って、時短も兼ねて、いくつか簡単な仕込みをするよう指示を受けた。

1つ目はトリュフオイル。
オリーブオイルにトリュフ香りを移したものだ。
鍋にオリーブオイルとスライスしたトリュフを入れ、弱火で加熱するだけ。今回はその後に加熱していない生のトリュフとオリーブオイルを追加して、瓶に3日ほど寝かせた。作った直後はさほどでもなかったが、三日寝かせるとかなり香りが強く漂うものになった。

2つ目はトリュフ醤油。
市販の麺つゆにスライスしたトリュフを加えて香りを移しただけのもの。
トリュフと言えば洋食と考えがちだけど、じつは味噌や醤油とも相性がいい。旨みの源、アミノ酸を豊富に含むこれらの調味料は、トリュフの香りでさらに潜在能力が引き出される。
しかも今回使うのはダシたっぷりの麵つゆである。これぞキングオブ邪道。鬼に金棒。弁慶にスティンガーミサイル。

3つ目はトリュフ卵だ。
卵は殻を通して呼吸しているのをご存知だろうか。この性質と、匂いを吸着しやすいたんぱく質の性質も利用して、トリュフの香りを移した卵を作る。
作り方はとても簡単。生卵を割らずにそのままトリュフと同じ入れ物に入れて数日放置するだけ。大量生産してもトリュフが目減りしないので、コストパフォーマンスがハンパない。


ただし、生卵の表面はサルモネラ菌がついている可能性があるので、衛生面には配慮が必要だ。

トリュフは熟するにしたがって香りが変わっていく。ベストな状態で利用できるといいのだが、ケチってちまちま使っていくうちにピークを過ぎれば香りは弱くなるし、最終的にカビてダメになってしまうことも多い。こうやって香りを他の物に移すことで保存性が良くなるし、調理するときも便利で使い方の幅が広がる。

ただし、加工しても香りはやはりだんだん弱くなるし、ものによってはカビが生えたりもするので、できるだけ早めに使いきりたい。
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【検証】トリュフって本当に美味しいの?(高1編)

2021-12-30 12:35:57 | キノコ料理
トリュフを食べるに当たって、1つの問題があった。
家族にトリュフ嫌いがいることだ。

トリュフは冷蔵庫で保存中でも、結露などをケアしないとカビてしまうので、熟し具合の確認も含めてちょくちょく外に出す必要があるのだが、その度に「クサい!早くしまって!」と怒られる。しかもやんわりとかではない。けっこう本気の怒り方、いわゆる「マジギレ」だ。慌ててそそくさとトリュフを冷蔵庫にしまい、気まずい空気に耐えなければならない。

家族を怒らさないためにどうにかしたいが、トリュフのニオイはいかんせん強力過ぎる。せまい私の家でコトを隠密に運ぶのは困難だ。けっきょく、こそこそとひとり朝早く起きてから、換気扇を全開で回しつつ、目玉焼きの上にのせたり、卵ご飯に入れたりするのがせいぜい・・・これはかなり情けない。何が悲しくて高級食材をこんな貧乏くさい食べ方せねばならんのじゃ〜!

ここで妙案が浮かんだ。
トリュフを料理好きのキノコ先生に頼んで料理してもらおう。きのこ会の仲間も呼んでトリュフパーティーだ!(もちろんトリュフ嫌いの人は呼ばない)
確実においしいトリュフ料理が食べられるし、感想も聞ける。何より楽しそうだ。これはじつに名案。

かくして今年、再びいただくことのできたトリュフは、先生の宅に持ちこまれたのであった。【続く】
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【検証】トリュフって本当に美味しいの?(中2編)

2021-12-23 16:35:12 | キノコ料理
最後の最後で何かに気づいたような気がしたものの、カビたトリュフではどうにもならない。モヤモヤとした思いだけを残して、そのままトリュフのことは忘却の中に消えていった。

再びそれが呼び起こされたのは、それから2年後のことだった。

こんどは別の菌友からトリュフが送られてきたのである。大謝謝!
小ぶりなサイズながら、今回はにおいがハンパなく強い。冷蔵庫に入れておくと庫内が佃煮臭であふれかえるほどだ。これがおそらく完熟品なのだろうと納得する。

とりあえず適当にオムレツにでもしてみた。

!!

食べてみてはっきりした。やっぱり何かが以前とは違う。
確実に「良いにおい」だと認識できるようになっているのだ。

におい自体は前回より強いものの、においの質が変わったわけではない。相変わらず佃煮臭と、ボンドっぽい化学系のにおいがする。一言で言えば「クサい」。前と同じだ。でもそれを良いにおいと感じる。その理由はおそらく・・・「自分の認識が変化したから」だろう。

たとえばウーロン茶という飲み物がある。
今でこそソフトドリンクの定番として定着しているけど、私が中学生くらいの時分には、まだ多くの人にとって未知の存在だった。私などは「お金を出してお茶を買うなんてバカバカしい」と本気で思ってたくらいだから無理もない。
それを初めて飲んだときは衝撃を受けたものだ。「ぐえ。マズいお茶!」と。
でもそれから幾度か飲むうちに、不思議と違和感がなくなり受け入れていって、今ではむしろ好きな飲み物の部類に入っている。

トリュフもこれと同じではないのだろうか。
新しい感覚を受け入れるには、ある程度の回数と時間が必要なのだ。
何回か繰り返すうちに馴染んでいき、ある時を境にして、まるでトンネルでも通じたかのようにその感覚が開発される。「慣れる」のだ。

トリュフは高級品。せいぜい祝いの席のフルコースで出てくるくらいで、普通の人はめったに口にすることがない。たまにトリュフ料理を食べるくらいでは「え、こんなもん?よくわからんわー」で終わってしまうのも無理はないかもしれない。

なるほどなー。
いや、でもこれが良いニオイだとしても、あんなに大金を積んで手に入れようとは思わんぞ。そのへんはもうちょっと掘り下げて考える必要があるかも。
【続く】
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【検証】トリュフって本当に美味しいの?(中編)

2021-12-15 23:15:18 | キノコ料理
トリュフを初めて目にしたのは、4年前にさかのぼる。

菌友より贈られてきた貴重な品は、数にして4つ。サイズはなかなかの大きさだ。
まだ熟成が足りないのか、さほど香りは発していなかったので、冷蔵庫でカビないように保管しつつ熟するのを待つことにした。

すると程なくして、独特の香りを発するようになった。
一般に言われるように「海苔の佃煮」に似たにおい。それに加えて、ちょっとボンドにも似た化学薬品っぽいにおいも混ざっている。佃煮臭に比べるとこちらはあまりいいにおいとは言えず、本当にトリュフってこのにおいでいいんだろうな??食べていいのか??それともまだ熟成が足りんのか?などと疑心暗鬼にとらわれる。

ともかく、試してみることにしよう。
あまり複雑な料理はできないので、できるだけシンプルなレシピから挑戦してみた。
目玉焼き、ポテトフライ、卵かけご飯、リゾット・・・

さて、その感想は
「うーーーん??こんなもんか・・・??」

佃煮臭とボンドぽいにおいに加えて、菌臭というのか、キノコっぽい少し土くさいにおいがスライスしたことで加わった。トリュフ自体はゴリゴリした食感で、この歯ざわりに良さがあるとは思えないので、やっぱり香りがトリュフの真骨頂のはずなんだけど・・・その価値がさっぱりわからない。

熟成が足りんかったんだろうか。あるいは調理の仕方がまずいのか?それとも自分の味覚がおかしい??
SNS上で絶賛してやまない声を聞くので、そのギャップに謎は深まるばかり。

そうこうしてるうちにこの年のチャレンジは終了する。
もっと熟成したら違うのかもしれんと最後の1つを保管しつづけていたが、大して変化のないうちにカビが生えてきてしまったのだ。泣く泣く廃棄することに。あ〜あ、もったいない。

でもせめて捨てるのならと思い、トリュフが生えそうな環境の所に行って不法投棄することにした。どのみちカビてからじゃ手遅れだけどな(^_^;)

捨てる前に最後のお別れのつもりで、においを嗅いでみた。
あれ?なんか今までとは違う感覚にとらわれた。
これって・・・いいにおい??

カビがいいにおいを出してる?いや、そんな事はない。熟成してにおいが変化した?いや、それもない。でも、なんだか突然に空腹を感じてご飯が食べたくなってしまったのだ。

変化したのはトリュフのにおいじゃない。
だとしたら変わったのは・・・自分の鼻??
【続く】
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【検証】トリュフって本当に美味しいの??(前編)

2021-12-09 00:01:39 | キノコ料理
長らく書こうと思って書けなかったトリュフの話。

トリュフとは、世界三大珍味の1つとされ、ヨーロッパでは日本における松茸のごとく高値で取引きされるという、アレのことだ。
ただ、日本では名前こそ知られるものの、その存在が一般に浸透しているとは言いがたかった。しかしである。黒トリュフの一種であるイボセイヨウショウロを始め、いくつかの種類がじつは日本でも産することがテレビで報じられたため、ひそかなるトリュフブームが今、静かに燃え上がり始めている、というのがキノコ界でのもっぱらのウワサなのだ。

実際にトリュフは日本でも、そこまで珍しくない、というレベルで採れるらしい。ただその分布には偏りがあって、どこでも採れるというわけではなく、それにも増して、地下に生えるという特性から、採集にはそれなりの経験と勘と根気が必要になる。私も折にふれて怪しい場所を探してはいるものの、三重はトリュフに向いた地ではないせいもあってか、まだ見つけられないでいる。

ところが!!
世の中は良くしたもので、稀にトリュフをおすそ分けしてくださる神様のような方が現れることがある。おお、はるか遠い地から後光がさしている。ありがたやありがたや・・・

さて、長い前フリはこのくらいにしておいて、本題に入ろう。

私には、素朴な疑問がある。それは、あまり大っぴらに言いづらいんだが、誰かが問わないといけない疑問だ。そう、それは・・・「トリュフって本当に美味しいの??」

たとえば、かのマツタケは日本でこそ褒め称えられて高値がついているが、欧米では「クサい」と一蹴されてしまうという。トリュフも日本人にとっては同じようなものなのではあるまいか?「高級」という言葉に踊らされているだけで、実はその価値が分からない「猫に小判」「豚にティファニー」「馬の寝床にトゥルースリーパー」なのではあるまいか??

足かけ数年にわたる検証を経て、真相がいまここに明かされる!!
【続く】
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しわたけ

2021-11-21 00:56:57 | キノコ
山で妙なキノコを見つけた。

立ち枯れの木にへばりつくタイプのキノコで、遠目にはサルノコシカケっぽいやつかなー、と思ったのだが、近くで見ると妙にナマっぽい。質感としては、にかわ質っぽい雰囲気があって、キクラゲとサルノコシカケの中間、といったところだ。

形も変だ。何をどうしたらこんな形になったものか、タコの吸盤みたいになったり平ぺったかったりと不定形で、表面も、正体不明の海洋生物のようなシワが寄っている。

こんな特徴的なキノコなら調べればすぐ分かるだろうとタカをくくってたが、それは甘い考えだったらしく、図鑑を何冊調べてもなかなか分からなかった。でもどうやら、シワタケというキノコってことで良さそうだ。

本来はもっと普通にひさしのような形をしているはずなのだか、こういう形になることもあるらしい。検索をかけてみると、クワガタブリーダーが虫を育てるのに良いらしく、もっとも一般的なオオヒラタケに代わるものとしてシワタケ菌床が売られているとのことだ。

こんなマイナーなキノコを・・・彼らの飽くなき探究心には頭が下がる。
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しらうおたけ

2021-11-02 02:53:39 | キノコ
古い倒木から、しらす干しみたいな小さなキノコがきれいに並んで生えている。シラウオタケだ。

このキノコは少し特殊な生態をしている。簡単に言えば「光合成をして暮らしているキノコ」なのだ。

よく梅の木や松の木なんかの幹に、コケみたいなのが張り付いてるのを見ることがないだろうか?あれはコケではなく「地衣類」と呼ばれる生き物で、菌類が光合成をする細菌と共生することで生まれた、言わば「植物化した菌類」なのだ。

よくよく見ると、木だけじゃなく地面にも石にもコンクリプロックにも、ありとあらゆる場所で観察できる地衣類だが、その中に、たまにキノコを作る種類がある。シラウオタケはその仲間の1つなのだ。シラウオタケの足もとが必ず緑色で覆われているのは、そういったわけである。

生態的には珍しいキノコだが、少なくとも私の住むあたりでは、少し標高を上げるだけでわりとよく見つかる。まるで測ったかのようにソーシャルディスタンスをとって整列しているのが面白い。
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カエンタケを触ると皮膚がただれる・・・って実はウソ??

2021-10-25 02:15:02 | キノコ
近頃、カエンタケの記事を目にすることがあった。

カエンタケはどちらかと言えば夏のキノコなので、こんな季節になー、と思うわけだけど、それはさておき、その見出しは例によって『触るだけで被害』となっている。

基本的に毒キノコは食べさえしなければ害はない。だけど、カエンタケだけは例外的に、皮膚にも直接害の及ぶ猛毒・トリコテセン類を持ち、「触るだけでも危険」という触れ込みで巷でも有名になっている。

ところがだ。これだけ注意喚起されてる一方で、カエンタケを触って被害を受けたという報告は一件も見たことがない。これはどういうことか?注意喚起が功を奏しているからか?

もちろんそれはある。でもそれ以上に、カエンタケを触って皮膚がどうにかなることは滅多に無い、という事実がある。

実は私も自分の体で人体実験をしてみたことがある。普通に触ってても何も起きないので、業を煮やして折ったカエンタケの断面を腕にゴシゴシこすりつけてみたのだが、それでも何ともなかった。これはどう言うことか。カエンタケの毒はぜんぜん大したことないのか??

答えはNOだ。
過去に中毒死亡事故を起こした際には、中毒患者の吐瀉物が付着して手足の皮膚がただれたとあるし、他にカエンタケの成分抽出に当たっていた研究者の皮膚がかぶれた、カエンタケの切片を顕微鏡で観察する際に顔の皮膚がヒリついた、などの話を仲間うちで聞いたことがある。
強力な毒があることは、やはり間違いない。

さて、これをどう考えたらいいのだろう?


おそらくこういうことだと思う。
動物には、人が触ると激痛を受けるものが結構ある。
たとえばクラゲのカツオノエボシやドクガなどは、その毒から人々に嫌われる。
彼らは獲物をとらえたり身を守ったりするため、刺胞や毒針毛など、毒を相手の体に打ち込む仕組みを持っている。だから触れただけで危険なのだ。

一方で、カエンタケはそのような仕組みをいっさい持たない。持っている毒がいくら強力でも、それはカエンタケの体外には出ないので、ただ触るだけなら大丈夫、という訳だ。

問題はどう言う条件だとこの毒が作用するか、ということだが、これはまだよく分からない。
カエンタケの表面は問題が少ないとしても、断面は危険に違いない。でも私の実験から考えるに、断面も触るだけなら大したことが無いかもしれない。もしかしたら水分を媒介させないと、毒成分は滲み出てこないのかも。

どこに触れるかも重要だ。たとえば手の皮膚は強いし、顔の皮膚は弱い。目や唇・口内などの粘膜はダイレクトに毒が届くのでいっそう危険だ。カエンタケを食べると、消化されて出てきた毒成分が粘膜だらけの消化管を駆け巡るわけだから、胃腸の表面が全部ただれる。そりゃ悲惨だよな・・・。

腐りかけのカエンタケが雨にぬれてたら触るだけでも危なそうだ。体質的に皮膚が弱い人もデータが無いので分からない。
ま、やっぱりお世辞にもカエンタケが安全とは言えんな。

とは言え、巷の印象にあるような「近づくだけでヤバいキノコ」という存在には程遠いものであることは間違いない。
物心つかない子供が折り取って口に入れたりすればもちろん危険だ。カエンタケをベタベタ触った手で目を擦ったり鼻をほじったりしたら、それもかなり心配。腐りかけのカエンタケも危ないが、その頃には赤い色もあせて何がなんだか分からないので、興味をかき立てられることは少ないかも。まあその辺りにさえ気をつけていればいい。要するに触るなってことだけど(笑)

少なくともスズメバチやマムシ、マダニほどの脅威ではないんじゃなかろうか。なんせ、向こうから噛み付いてくることは無いんだからね。

と言うことで、キノコ愛好家として、私はカエンタケの駆除には反対。注意喚起か、せいぜい立入禁止までで対応すべし、と主張イタシマスのでご理解のほどを!


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ヒスイガサはフカミドリヤマタケじゃなかった??

2021-10-19 21:05:11 | キノコ
以前投稿したヒスイガサだが、この10月に再び発生してきた。基本的に夏のキノコって認識だったけど、ここのとこの暖かさに誘われて生えてきたものか。
それはそうと、今頃になって新しいことに気づいた。

このヒスイガサという名前は、実はアマチュアの手によってそれっぽくつけられた仮の名前で、まだ正式な名前は無い。
ただ、青森のハイアマチュア・工藤伸一先生の手により日本菌学会において簡単な報告が出されており、そこで、よく似た特徴のキノコに「フカミドリヤマタケ」という名前が与えられている。簡単な解説とはいえ、濃緑色で小型、夏に草地に生えるという特徴は他にそうそう見られるものではないので、おそらく同じものだろう、つまりヒスイガサ=フカミドリヤマタケ、という認識でいた。

ところがだ。

青森県きのこ会の協力のもと工藤先生が2017年に発行した『青森県産きのこ図鑑』。この図鑑、ヌメリガサ類を長年追い続けてきた先生の著書だけあって、ヌメリガサの掲載がやたら充実しているのだが、その中のフカミドリヤマタケのページを見てみると・・・


うん??なんか自分の知ってるヒスイガサと全然違う。
緑色が妙に薄い。いや、単に古くなって色あせただけなのかもしれんけど。
あと傘が大きい。図鑑によれば直径2.5センチとある。ヒスイガサは1~1.5センチがせいぜいと言ったところだ。
柄も傘に対して太い感じがするし、ヒダも印象がすこし異なる気がする。


あまり勝手な判断はできないが、フカミドリヤマタケ≠ヒスイガサとしてもいいような気がする。
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たまむくえたけ

2021-10-18 01:19:24 | キノコ
雨が降ると、キノコが出る。

これは半分当たっているし、半分当たっていない。
必ずしもキノコの発生の引き金は雨だけではなく、たとえば地温だったり、あるいは栄養状態であったりするからだ。でもキノコの中で、割と雨に早く反応する種類もある。特に畑に生えるキノコなんかはそうだと思う。

畑に生えるキノコは、茶色くて小さい地味なものが多く、正直なところ、種類もわからないことが多い。でも「たま」には名前のわかるものがある。

タマムクエタケはそんなキノコの1つ。キノコを見る限りはほとんどなんの特徴もなく、調べるのにもほとんど取っ掛かりがないのだが、少し根本の地面をほじくって見るとわかる。地下から「タマ」が出てくるのだ。


見た目は木の実のような直径7〜8ミリの茶色の玉には白い菌糸が無数にからんでいて、それが菌類のものだとわかる。これは「菌核」と呼ばれるもので、ちょっと乱暴に言えば、植物で言うところの「イモ」にあたる。高温や低温、乾燥に耐えるためだろうか、こういう菌核を作るキノコは他にもいくつも知られている。

調べてみるとキノコはタマから直接出る感じてはなく、タマから伸びた菌糸の中からキノコを出している感じだ。同じような環境にキンカクイチメガサという名前のキノコも知られているが、そちらは柄がやや太く、ヒダが紫褐色を帯びるらしい。
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やまどりたけもどき

2021-10-09 23:26:41 | キノコ
夏は遠くなりにけり

今やすっかり秋だが、秋になるとキノコ(本業)が忙しすぎてキノコ(趣味)をしている時間と体力がなくなるという恒例のナゾ現象が起こるので、夏キノコを回想してお茶を濁すことにしよう。

さて、写真はヤマドリタケモドキ、別名・ポルチーニ。身近に生える夏キノコとしては最高峰の食用キノコ・・・のはずなんだけど、いくつか取り扱い説明が必要になる。
①慣れないと判別がちょっと難しい
②おいしいのは幼菌
③速攻で成長して速攻で腐る
④やたらとキノコバエに好かれる。連中の消化液により速攻で腐る
⑤乾燥すると香りが活きる。ただし失敗すると腐る

腐る、腐る、腐る。そう、とにかく腐る。
なので「高級キノコ」なんてもてはやされても、市場には全く流通しない。しょうがない、日本の梅雨は高温多湿。外から雨、中からコバエに攻め立てられては巨大なキノコ城もあえなく陥落するというものだ。
山で食べごろのヤマドリタケモドキに出くわしたとしたら、それだけですごく幸運と言えよう。

さて、①の判別に関してアドバイス。
実はヤマドリタケモドキ、ものによって見た目がかなり違う。たとえば東北あたりに生えるのを写真で見ると、んんん~??ってなる。どうも違う種類がいくつか混じっているらしい。
それでも判別するときに見る点ははっきりしている。

①デカい(最大で直径20センチくらい)
②柄がベージュ色
③柄の上の方を見ると柄と同じベージュ色の網目模様がある(すごく薄いこともある)
キノコをタテに真っ二つに切ると
④肉に変色性は無い
⑤管孔(傘の裏側)は黄色っぽい

細かく見るとまだあるけど、目立つのはそれくらいかな。

間違えやすいのは
◎ホオベニシロアシイグチ(傘は灰色系、管孔は白で茶色く変色、柄は白く、下までびっしり網目模様、酸っぱい)
◎チャニガイグチ(管孔は白で茶色く変色、柄も触ると変色、薄茶色の柄に茶色の網目模様、少し苦い)
◎クロアワタケ類(管孔は白で茶色く変色、薄茶色の柄に茶色で縦長の網目模様、真っ二つに割ると柄の下の方が黄色い)
◎ウツロイイグチ(ヤマドリタケモドキより小さい、管孔は黄色系、柄にだんだら模様があるが網目は無い)

◎あと、他のヤマドリタケ類(ヤマドリタケ、ススケヤマドリタケ、コガネヤマドリ、キアシヤマドリ(仮)のほか、無名・仮名称の物が複数ある)も。

うおー!多いしややこしいし・・・この辺が区別できればもうイグチマスターやんけー!!












コメント
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