サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

ストップ・モーション・アニメ/レイ・ハリーハウゼン(特殊撮影監督)/92歳

2013年05月08日 | 毎日がメメント・モリ

レイ・ハリーハウゼン氏(特殊撮影監督)が死去

読売新聞 5月8日(水)14時35分配信

 レイ・ハリーハウゼン氏 92歳(特殊撮影監督)AP通信によると、入院先のロンドンの病院で7日死去。米ロサンゼルス出身。

 ミニチュアの人形を1コマずつポーズを変えて連続撮影し、動いているように見せる「ストップ・モーション・アニメーション」の手法を確立。映画「シンドバッド7回目の航海」(1958年)や「タイタンの戦い」(81年)などの特殊撮影を担当した。92年にアカデミー特別賞を受賞した。(ロンドン)

特撮映画の開拓者/レイ・ハリーハウゼンのすべて』という1時間ほどのドキュメントがある。何度見ても飽きない。
92年にアカデミー特別賞を贈られたときの映像もある。

案内役のトム・ハンクスが、過去の映画で自分が一番だと思ったのは、ハリーハウゼンの『アルゴ探検隊の大冒険』(63年)だと賛辞を贈っている。
ギリシャ神話に登場するさまざまなクリーチャーたちを造形し、ハリーハウゼンの驚くべき技巧である「ストップモーションアニメ+実写」のなかで、七つの首を持つ竜のような怪物であるヒュドラや『シンドバッド七回目の冒険』(58年)で観客を驚かせた「骸骨剣士」が七体も登場して、僕らを釘付けにしたあの作品である。
壇上に招いたのは、高校時代からの親友であり、ともにファンタジーの世界を生涯をかけて追い求めたレイ・ブラッドベリであり、高齢のふたりが抱き合う場面では僕の方もウルっときてしまった。

ハリーハウゼンの本格的なデヴュー作は『原子怪獣現わる』(53年)で僕の生まれた年の作品だ。
レイ・ブラッドベリの短編「霧笛」から着想されており、水爆実験でよみがえったゴジラがニューヨークを破壊する。
この作品から着想されて、日本の特撮映画の代名詞となった『ゴジラ』が翌年(54年)に撮られたのはファンなら誰でも知っていることだ。

現在は、CGが発達したから、ハリーハウゼンの世界なんて古びた世界だと思う人がいるかもしれないがまったく違う。
ルーカスだってキャメロンだってリドリー・スコットだって、みんなハリーハウゼンの特撮に心を動かされ、その子供のように、この世界に導かれたのだ。
ハリーハウゼンが幼い頃『キングコング』の映像に心を奪われ、そこから自分の生涯のテーマを見出したように。

記憶をたどれば、僕がラリーハウゼンの作品を映画館で見た最初は、『恐竜百万年』(66年)だった。
石器時代を舞台にした作品自体は『紀元前百万年』のリメイクだが、ラリーハウゼンの古生物の造形は圧倒的だった。

実は、その映画を見に行ったのは、ポスターでビキニ姿で写っていたラクエル・ウエルチに惹かれたからだ。
小学生だったが、彼女のスチール写真を密かに宝物にしていた(笑)。

ともあれ、僕にとっては、この作品でラリーハウゼンに導かれ、そこから何十年も映画の魔力に引き込まれるひとつの記念すべき作品との出会いであったのだ。
ちょうどその頃出会ったレイ・ブラッドベリによって、ファンタジーやSFやの文学作品にこれまた何十年も引き込まれたのと同じように・・・合掌!

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