<訃報>作曲家の松村禎三さん死去 オペラや映画音楽で活躍
8月7日19時48分配信 毎日新聞
オペラ「沈黙」(遠藤周作原作)など綿密な管弦楽法を用いた精神的に深い作品と、「父と暮せば」(黒木和雄監督)など叙情性豊かな映画音楽で独自の世界を開いた作曲家で東京芸大名誉教授の松村禎三(まつむら・ていぞう)さんが6日、肺炎のため死去した。78歳。葬儀は7日に家族のみで行われ、後日、お別れ会を開く。喪主は長男祐介(ゆうすけ)さん。 京都市生まれ。旧制三高卒業後、池内友次郎、伊福部昭に師事し、1955年、音楽コンクール(現日本音楽コンクール)作曲部門で1位になった。68年、尾高賞を受賞した「管弦楽のための前奏曲」で、東洋と西洋を融合し、音の生理をねばり強く追求する独自の世界を確立。13年かけて作曲したオペラ「沈黙」は精神性と娯楽性を高い次元で両立させ、94年、毎日芸術賞を受賞した。「忍ぶ川」「海と毒薬」など映画音楽も数多く手掛けた。サントリー音楽賞、京都音楽賞など数多くの多くの受賞歴がある。【梅津時比古】 僕の中では、松村さんといえば、映画音楽の記憶が強い。とりわけ、黒木和雄監督の作品には、いつもこの人の名前があった。岩波映画に籍を置いていた時代の初期のドキュメント作品から、ATG作品など前衛的な作品を次々と世に送り出した作品から、遺作となった「紙屋悦子の青春」まで。 クラシック的な重厚な調べもあれば、民俗音楽的な旋律もあり、現代音楽的な解体を象徴するような音調もあった。黒木作品をみるたびに、いつもサウンドトラックを収録したいなあ、と思わせられたものだ。・・・合掌!! |
「父と暮らせば」は井上ひさしさんの原作で、主演は宮沢りえでした。宮沢りえってそれまでそんなに好きじゃなかったんですが、この映画のおかげで格が上がりました。泣けました…。相撲部屋のおかみさんにならなくて良かったなと思いました。
「紙谷悦子の青春」も絶対観なければ…と思いました。
黒木監督のほとんどの作品は、松村さんですね。
とても、ドキュメントタッチの作品と合っています。