ごっとさんのブログ

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高齢化する「引きこもり」問題点は

2019-04-13 10:26:21 | 時事
高齢化する「引きこもり」について、最近注目される記事が出ており、中高年の引きこもりは推計61万人余りで、39歳以下を上回るというものです。

これは単なる人数だけでなく、引きこもりの期間やその定義なども掲載されていました。若者の引きこもりが問題になってかなり立ちますので、そのまま高齢化が進んでいるとしたら、非常の厳しい状況と感じました。

ところがこの調査方法を詳しく調べると、本当に信頼できる数字かという気もします。内閣府は引きこもりの実態を把握するために、若者を対象に調査してきましたが長期化する人が増えていることから、昨年12月40歳から64歳を対象とする初めての調査を行い、全国の男女5000人のうち3248人から回答を得ました。

調査で自室からほとんど出ないや、趣味の用事の時だけ外出するなどの状況が半年以上続いている人を広い意味での「引きこもり」と定義した結果、これに当たる人の割合は1.45%となりました。

これが内閣府の調査結果ですが、予算の問題なのか社会的にそれなりに希少な属性についてアンケート調査をやっており、本当にその数字をベースに考えて大丈夫なのかという部分があります。

引きこもりのように社会的に切り離されてしまっているかもしれない家庭については実数を測定するのが難しいので、アンケートによって有効回答から割合を調べるという方法になるのも分かりますが、今回のように1.45%しか該当せず、振れ幅が大きくなり実態調査としてはもう少し丁寧な方法を考えるべきだと感じます。

今回の有効回答数が3,248人のうち、広義の引きこもりに該当する回答は「47人」であり、全体の1.45%です。その40歳〜64歳の人口は4200万人なので、これをかけておおむね61万人と推計したわけです。

やはりこの数値は予備調査的な意味しかないような気がします。実際は色々なマスメディアも「61万人」という数値で報道していますので、いわば独り歩きしてしまっている状態と言えます。

これをもとに80代の親が50代の子供の面倒を見るといった「8050問題」なども話題になっています。確かに高齢の引きこもりは相当数いるはずで問題であることは確かですが、何か対処するとしてもある程度は正確な人数の把握が基本だと思われます。

特にこういった「引きこもり」は、本人や家庭環境によってケースはバラバラになっています。若者の引きこもりなども含めて、対応は本当に難しそうですが、何かしないといけないような人数であることも確かなようです。

「親の責任」だけでは片づけられない、社会問題と言えるような気もします。