ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

今年最後の恒例忘年会

2018-12-31 10:20:34 | 日記
このところ大晦日は毎年恒例の昔の仲間の忘年会の話で締めくくっています。

今年も例年のように昨日忘年会を行いましたが、若干問題が発生しました。万年幹事のYT君が場所を決めたり、料理の手配などすべてやってくれたのですが、前日私のところに電話がかかって来ました。

YT君の妹さんのご主人が同じぐらいの歳ですが、認知症での施設で急死したというのです。妹さんも半月ほど前にくも膜下出血で入院中であり、この家にはお子さんがいないのでYT君がすべて仕切らないといけないようです。その為忘年会には出席できず、私が幹事代行をやることになりました。

このところ酔い覚ましの麻雀が恒例になっていますので、車で出かけ途中S君を拾って少し前に会場に到着しました。店の人に聞くと酒や食事の手配はすべて終わっており、YT君の分のキャンセルも済んでいました。

今回はSK君が欠席でしたので6名とやや少ない人数の忘年会となりました。それでも時間前に全員が揃いいつものように賑やかに始まりました。今年1年は全員特に問題もなく無事に終わったようです。

途中この会がどのくらい続いているかという話になり、新潟に行っていたYM君が帰ってきてすぐに仲間になり、それから37年経つということが分かりました。このメンバーは年に2,3回しか逢っていませんが、この30日の忘年会は40年以上続いていることになります。

色々な話の流れから2次会はいつもの麻雀ではなくカラオケに行くことになりました。誰が言い出したかわかりませんが、皆それほど歌好き問い訳ではなかったのですが、こういったとき大体リードするE君あたりが言い出したのかもしれません。

8時半ぐらいにこの居酒屋はお開きにしてカラオケに向かいました。こういう時はこの近所に住んでいるYM君が店の設定などやってくれました。

酔い覚ましに繁華街を歩いていると非常に人が多く、こんな暮れが押し詰まっても賑やかさが残っていました。この町は大手の工場などが撤退し一時はずいぶん寂しくなってしまったのですが、また賑やかさが戻りつつあるようです。

このメンバーでのカラオケは10年ぶりぐらいですが、当たり前ですがこの歳になると新しい歌などなく、昔歌っていたものばかりでした。

今回はやや心配なことも少し出てきました。非常に歌もうまく良い声のYM君が大きく音程を外してしまうのです。昨年軽い脳梗塞を起こしましたので、その後遺症なのかもしれません。

またS君の言動に認知症の初期症状が出ているようでした。この歳になると何は起きてもおかしくないのですが、後何年楽しく集まれるのか、若干気にしながら帰ってきました。

コウモリはなぜ夜行性

2018-12-30 10:38:10 | 自然
コウモリは夜行性で夜狩りをすることが知られていますが、最近昼間に狩りをする珍しいコウモリが見つかりました。

これはマレー半島の東30キロの沖合に浮かぶティオマン島で、陸上を歩くナマズや空を飛ぶヒヨケザルなどたくさんの動物が暮らしています。この島では、数匹のブライスキクガシラコウモリが真昼に昆虫を追いかけて飛ぶ姿が観察されました。

昼間に活動するコウモリが見つかったのはこれが初めてではなく、昼行性のコウモリについて3件の例が報告されています。これらのコウモリはすべて「島」で暮らしているという共通性を持っていました。

これは進化における、コウモリはなぜ夜行性になったのかという謎を解く手がかりとなるようです。地球上に生息するコウモリはおよそ1400種で、果物や花の蜜、虫、ときにはカエルを食べますが、ほぼ例外なく夜間に狩りをします。

40年以上前から提唱されている仮説は、「コウモリは鳥に追われて夜行性になった」というものです。ツバメのようにコウモリと同じ獲物(昆虫など)を食べる鳥たちに追いやられる、あるいはタカやハヤブサなどコウモリを捕食する鳥に追いやられることで、コウモリが今の姿に進化した5400万年前には、すでに夜行性になっていたとする仮説です。

もう一つの仮説が、「コウモリは熱に弱いため夜行性になった」という説もあります。黒くて薄い翼が太陽光線を吸収しやすく、昼間外にいると高温になりすぎる恐れがあるというものです。

イギリスアバディーン大学の研究チームは、約30年前にコウモリの夜行性に関する研究を始めました。これらの仮説を検証するため、コウモリの天敵がいない、コウモリと獲物が競合する動物がいない島を探しました。

そしてポルトガルの西の沖にあるサン・ミゲル島を研究場所に選びました。この島には昆虫を食べるコウモリ、アゾレスヤマコウモリが生息し、昼間に飛ぶ姿がよく見られることが知られていました。

またこの島には競合したり天敵となる鳥がほとんどいないので、最初に調査する場所に適していると思われました。コウモリが夜行性である理由を理解しようとするには、昼行性のコウモリを観察して何をしているのか、何が起こっているのかを知る必要があるためです。

また1995年研究チームは高温説を検証するために、サモアに派遣し気温が上昇する日中に活動するサモアオオコウモリを調査しました。こういった色々な島での調査の結果、コウモリが夜行性になった原因は補色関係にあるという点が裏付けられました。

ただ難しい点としては、昼行性のコウモリが生息している島であっても、別のコウモリは夜行性の場合があったりします。結局コウモリは非常に高い適応力を身につけているという結論になっているようです。

私の家の近所でも小さな橋の上などで夜コウモリが飛んでいるのを見かけますが、昼はどこに隠れているのか面白いものです。


アルツハイマー病の発症についての新しい説

2018-12-29 10:42:00 | 健康・医療
アルツハイマー病がアミロイドβと呼ばれるタンパク質の脳内沈殿により起こることは広く認められています。

アルツハイマー病の患者のアミロイド遺伝子は正常と変わりないことの方が多く、なぜ正常遺伝子から異常タンパク質が作られるのか現在も議論が続いています。

最近アメリカサンフォードバーンハム研究所から新説が提唱されました。この遺伝子が正常であっても、異常なアミロイドが合成される説明としてプリオン仮説があります。

これは狂牛病から分かってきた発症機構で、何らかの要因でタンパク質の折りたたみが狂うと、それが正常タンパク質に働いて、異常タンパク質に替えてしまうというものです。これがアミロイドタンパク質でも起こって、異常なタンパク質が脳内に拡散し、正常のアミロイドを異常型に変化させて、蓄積して脳細胞を殺すとするのがアルツハイマー病のプリオン仮説です。

今回の発表では、異常なアミロイドタンパク質をコードする遺伝子が、細胞内で遺伝子組み換え(突然変異)により合成され、しかもその異常DNAから転写されたmRNAがもう一度DNAに読み直され、染色体の新しい場所にウイルスの様に組み込まれ、異常タンパク質をコードする遺伝子のコピーが増えていくというものです。

プリオン仮説では、正常アミロイドがタンパク質に翻訳された後異常型に変化するので、mRNAに異常が見つかるとは限りません。

研究グループはアルツハイマー病の脳と正常な脳で異常なアミロイド-mRNAを検出する方法を開発しました。こうして見つけた5種類のmRNAはタンパク質へと翻訳され、その中には異常アミロイドとして知られる構造も存在していました。

実際はゲノムレベルで組み換えが起こってもそれはほんの一部の細胞での話で、異常遺伝子が増幅することはないと思われます。これが広く拡散するのは、プリオン仮説のように、異常アミロイドが正常アミロイドを変質させる可能性もあります。

また染色体内でコピー数を増やしていく、トランスポゾンという現象が起きていると考えられるようです。トランスポゾンというのは、染色体を飛び出して他の場所に移るウイルスの主な動きで、これがこの遺伝子でも起きている可能性があるとしています。

全体的にかなり難しい理論で、私も完全に理解できないため、おかしな文章になっているような気もします。それでもアルツハイマー病発症の新しいメカニズムが提唱され、この病気の研究も進んでいるようです。

しかしこのように発症原因が解明されても、治療に全くつながらないというのが、この病気の難しいところかもしれません。

日本語が読めない日本人

2018-12-28 10:22:51 | その他
何カ月か前になりますが、「AIvs教科書が読めない子供たち」という本を読み、「なるほど」と大いに賛同しました。

この本の紹介をこのブログにまとめようとしましたが、なかなか簡潔にすることができずそのままになっています。今回この著者が開発した「リーディングスキルテスト」についての解説記事がありました。

現在このテストを色々な教育機関や企業などが実施し、日本語を読む力の向上に向けた取り組みがなされているようです。このテスト(以下RSTとします)は、日本語で書かれた文章の基礎的な読解力を判定するテストで、中学校、高校の各教科書や新聞の記事を素材にして、問題を作成しています。

問題には以下の6つのタイプがありますが、これらはいずれも人工知能(AI)がほとんど理解することができないような種類です。先の本で著者は、今後AIが進化していっても、基本的に理解できない分野があるので、その点は人間が活躍するところとしています。

ところが実際にRSTを実施して見ると、人間も理解できていないということを問題として提起しているわけです。

さて問題のタイプですが、最初が係り受け解析:文節どうしの関係性(主語と述語の関係、修飾語と非修飾語の関係など)、次が照応解決:指示代名詞が指すものや、省略された主語や目的語の理解となります。

以下箇条書きにしますが、同義文判定:2つの文章の意味が同一であるか、推論:文の構造を理解したうえで、常識などを動員して文の意味を理解する力、イメージ同定:文章と図形やグラフを比べて、内容が一致しているかどうかを認識する能力、具体的同定:定義を読んでそれと合致する具体例を認識する力。

本来はこれらの問題の具体例を示すとわかりやすいのですが、非常に長くなってしまいますので割愛します。最新の調査によると、「イメージ同定」と「具体例同定」を苦手とする子供が多いことが分かっています。

「イメージ同定」の正答率は中学1年で約3割、高校1年で5割弱で、「具体例同定」は理数問題だと中1で2割弱、高1で3割弱という低い正解率でした。

RSTにはこれまで学校や企業など324機関が参加し、7万人超が受験しています。受験者の年齢層は小学校6年生から社会人まで多岐にわたっています。この分析結果では、全学年が参加した高校の偏差値と、正答率とに強い相関関係がありました。

つまり生徒の学力と読解力には相関があるということです。これは読解力の不足が学力不足の一因となっている可能性を示唆しています。

その他色々な自治体や企業の取り組みも紹介されていますが、どこも教科書を読む力が不足していることが明らかになっているようです。これをどう解決するかはまだ具体的なものは出ていないようですが、AIの進化とは関係なく一刻も早く取り組むべき課題のような気がします。

ベニクラゲの若返り能力

2018-12-27 10:16:20 | 自然
クラゲは癒しの生物として各地の水族館で人気が高いようです。

私もかなり好きで水族館などに行くと、ボーと見ているだけなのですが、確かに癒されるような気分になります。

今回紹介するベニクラゲ類は、異色の存在で地球上の150万種の動物中で「若返り」能力が確認されているほぼ唯一の生き物と言われています。この若返りは「花に舞うチョウが青虫に戻るのに等しい現象」とされています。

ベニクラゲの場合は、刺激を受けた成体が岩などに固着して生きるポリプと呼ばれる幼生に戻り、逆方向に歳を取ることで、発生初期段階に若返ります。この戻ったポリプの枝にふくらみが生じそれがクラゲへと成長します。

ベニクラゲでは人生のやり直しが可能というわけです。この若返り現象は当初、欧州を舞台に研究されていました。1996年にイタリアのサレント大学で研究が進み、研究論文が発表されています。

日本では京都大学の研究チームが2000年に、ベニクラゲを未ろ過の海水で飼育したところ、ひとりでに若返り現象が起きていました。汚れを含む海水による刺激が引き金になったようです。ベニクラゲ類は極域を除く世界の海に生息し、日本産のベニクラゲも若返り能力を持つことが、鹿児島湾の固体で確認されています。

私も海洋系の研究所に出向していた時、クラゲの飼育を見学していたことがあります。私の研究室のテーマではなかったので、どこの国から輸入したかなど詳細はわかりませんが、サカサクラゲという面白い種類でした。

その名の通り傘の部分を下に、触手のような部分が上で本当に普通のクラゲとは逆の向きになって泳いでいました。

クラゲは生体からポリプと呼ばれる幼生(これも何段階かあったような気がします)が出てきて、これが離れて岩や海藻に付着して育ち成体になるということを繰り返します。ところが水層で飼育していると3代目まではポリプが出るのに、これが最後でそれ以上の世代交代をしなくなるといわれていました。

このあたりがなぜかを調べるところから研究していたようです。私はこの色々な段階の幼生の入った水層などの変化を見るのが好きで、良く見学に行っていました。

さてベニクラゲの若返り実験は、沖縄産の固体を使い、過密飼育というストレスを与えることによって若返りの引き金にするという実験で、2011年までの2年間で同一個体を10回若返すことに成功しています。

またクラゲの体を針で着くという原始的な刺激法で、この記録を14回まで伸ばしたようです。こういったメカニズムを解明して若返りの薬につなげたいとしているようですが、かなり時間がかかりそうな気がします。

こういった海洋生物はまだまだ未知の部分が多く、研究すればいくらでも面白いことが出てきそうな気がします。