現在ガンの治療法としては、外科手術、化学療法(抗ガン剤)、放射線療法が3大療法として行われています。
これに第4の治療法として登場したのが、本庶先生の発見から保険適用となったオプジーボなどの抗体医薬を用いた免疫療法です。
ただしこの免疫療法は、免疫の働きを抑えるタンパク質を抗体を用いて無効にするものですが、このタンパク質はガン細胞にだけ発現するわけではなく、全ての細胞も持っています。そのため副作用の問題や有効率が低いという点は、これから改良すべきと思っています。
現在は第5の治療法というべき、ガンの革新的治療方法が承認を目指して先陣争いを繰り広げています。「実用化が近い」と目される第5の治療方法の筆頭候補がウイルス療法です。
ウイルスは種類によって、インフルエンザから重篤な伝染病までさまざまな感染症を引き起こします。このウイルスの細胞を壊す力を使って、ガンを攻撃する方法を東京大学医科学研究所などが開発しています。
この手法はガン細胞にウイルスを感染させウイルスを増殖させ、ガン細胞にだけ攻撃力が増したウイルスでガン細胞を破壊するものです。ウイルスは細胞の表面の糖鎖を識別して、そのウイルスに合った細胞に侵入するという性質を持っています。
ガン細胞に特異的な表面糖鎖を認識するようなウイルスを作り出せれば、ガン細胞特異的なウイルスとなるわけです。現在対象のガンは悪性脳腫瘍の中でも悪性度の高い膠芽腫としており、ウイルスの名はヘルペスウイルス「G47デルタ」と呼ばれています。
このウイルスは、ヘルペスウイルスを遺伝子改変することによって、ガン細胞だけを狙って攻撃する特異的な性質を持っています。研究グループは、このウイルスを用いて治療効果の検討を目的とした医師主導の第Ⅱ相臨床試験(治験)を実施しました。
中間解析の結果、治療開始から1年経過した患者13人について、主要評価項目である治療開始後の1年生存割合が92.3%ととなり、他の複数の治験結果から算出された現行の標準治療の1年生存割合(15%)と比べ、高い有効性を示しました。
この良好な成績から、年内にもPMDA(医薬品医療機器総合機構)への承認申請を目指すとしています。この研究は、「優先的に審査する」という先駆け審査指定制度の対象になっています。
順調に行けば、来年中にも日本初の「ガン治療ウイルス薬」として保険適用される可能性が高いようです。また信州大学と共同で、免疫刺激型の新たなガン治療ウイルスを皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)に応用する治験も着しており、対象のガン種が広がる期待もあります。
このように第5の治療法としての可能性は広がっているようです。
これに第4の治療法として登場したのが、本庶先生の発見から保険適用となったオプジーボなどの抗体医薬を用いた免疫療法です。
ただしこの免疫療法は、免疫の働きを抑えるタンパク質を抗体を用いて無効にするものですが、このタンパク質はガン細胞にだけ発現するわけではなく、全ての細胞も持っています。そのため副作用の問題や有効率が低いという点は、これから改良すべきと思っています。
現在は第5の治療法というべき、ガンの革新的治療方法が承認を目指して先陣争いを繰り広げています。「実用化が近い」と目される第5の治療方法の筆頭候補がウイルス療法です。
ウイルスは種類によって、インフルエンザから重篤な伝染病までさまざまな感染症を引き起こします。このウイルスの細胞を壊す力を使って、ガンを攻撃する方法を東京大学医科学研究所などが開発しています。
この手法はガン細胞にウイルスを感染させウイルスを増殖させ、ガン細胞にだけ攻撃力が増したウイルスでガン細胞を破壊するものです。ウイルスは細胞の表面の糖鎖を識別して、そのウイルスに合った細胞に侵入するという性質を持っています。
ガン細胞に特異的な表面糖鎖を認識するようなウイルスを作り出せれば、ガン細胞特異的なウイルスとなるわけです。現在対象のガンは悪性脳腫瘍の中でも悪性度の高い膠芽腫としており、ウイルスの名はヘルペスウイルス「G47デルタ」と呼ばれています。
このウイルスは、ヘルペスウイルスを遺伝子改変することによって、ガン細胞だけを狙って攻撃する特異的な性質を持っています。研究グループは、このウイルスを用いて治療効果の検討を目的とした医師主導の第Ⅱ相臨床試験(治験)を実施しました。
中間解析の結果、治療開始から1年経過した患者13人について、主要評価項目である治療開始後の1年生存割合が92.3%ととなり、他の複数の治験結果から算出された現行の標準治療の1年生存割合(15%)と比べ、高い有効性を示しました。
この良好な成績から、年内にもPMDA(医薬品医療機器総合機構)への承認申請を目指すとしています。この研究は、「優先的に審査する」という先駆け審査指定制度の対象になっています。
順調に行けば、来年中にも日本初の「ガン治療ウイルス薬」として保険適用される可能性が高いようです。また信州大学と共同で、免疫刺激型の新たなガン治療ウイルスを皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)に応用する治験も着しており、対象のガン種が広がる期待もあります。
このように第5の治療法としての可能性は広がっているようです。