ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
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痛み止めはどうして効くのか

2019-04-01 10:10:54 | 
医療機関で処方されたり、ドラックストアで購入したりして痛み止めを使っている人も多いと思います。

飲み薬や貼り薬など様々なタイプがありますが、鎮痛薬の効きかたについてのやさしい解説がありました。私は頭痛などの痛みがあまり出ない方で、テニスで膝をひねって貼り薬をもらう程度で、あまり鎮痛薬のお世話になったことはありません。

アメリカではアスピリンの信奉者が多く、ちょっと体調が悪いと飲むという習慣があるようです。

痛みのメカニズムについては、例えばぎっくり腰の場合は、歩くのが難しいほど強い腰痛が起きます。その原因は背骨の関節炎症などで、その刺激に対して「受容器」と呼ばれる器官が反応します。

受容器は熱や物理的、化学的な刺激に反応する種類がそれぞれ決まっており、身体中に存在します。受容器が刺激を受け取っても、すぐにそれが伝達されるわけではなく、刺激は一定以上になった時電気エネルギーが発生します。

電気信号は受容器から感覚神経を通って脊髄へ届きます。そこで次の神経へと受け継がれ、脳の中心部にある視床へ伝わります。そこからさらに大脳の痛みを感じる部分に行きつき始めて痛みと認識されるわけです。

代表的な痛み止めのアスピリンは、痛みの伝達が始まる部分の周辺で働き、炎症が起きると電気エネルギーの発生頻度を増やす物質が出てくるのですが、その合成を防げます。

このタイプに痛み止めは「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症剤)」と呼ばれ、ロキソニンもその一つです。NSAIDsは、胃腸や腎機能への副作用があることが知られています。

そのため同様の仕組みでより胃や腸の副作用が少ないように開発されたのが「COX2阻害剤」というタイプで、セレコキシブなどの薬がそれに当たります。

一方でヒトの身体には、痛みが伝わる経路と逆方向に痛みを感じにくくする神経の経路も備わっています。視床から脊髄に逆戻りする経路で、ここを活性化することで痛みを抑える薬があります。

代表的なのがモルヒネで、現在では類似の作用を持つ合成化合物と合わせて「オピオイド」と呼ばれています。その他何か月も痛みが続く「慢性痛」が起きることもあります。これは神経の異常で、脊髄で神経伝達物質が異常に放出されることで起きます。

この過剰放出を抑える薬としてブレガバリンが開発されました。痛みは身体の異常を知らせる重要なシグナルですが、もっとも単純な苦痛であり、如何にこれを取るかは人にとって重要な課題といえます。

色々な鎮痛薬の中でその人の痛みにあったものを選ぶ必要がありそうですが、なかなか難しそうな気がします。