ごっとさんのブログ

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高血圧の降圧目標値

2019-04-04 10:04:26 | 自然
これまで「上(収縮期血圧)140/下(拡張期血圧)90」と言われていた高血圧の基準が見直されるのではないかと注目されています。

これは日本高血圧学会が4月に改定する予定の高血圧治療ガイドライン2019で、130/80未満まで降圧目標値が引き下げられる方針が示されました。

現在日本には、140以上の高血圧患者が推定4300万人いるとされています。もしそれが130に引き下げられると、6300万人の高血圧患者であふれ、国民の2人に1人が高血圧と認定されることになります。

ただしこれはあくまで降圧目標という値で、高血圧とは呼べないけれど、心臓血管病の発症リスクが高まる領域にある人に対して、生活習慣の改善が必要と促すために設定されたものと説明されています。

これは欧米で高血圧基準値の見直しが行われ、その最近の流れを受けたもののようです。アメリカでは2017年に130/80以上がすべて高血圧症と診断されるように基準が改訂されました。

2018年には欧州高血圧学会が基準値を140/90で据え置いたまま、降圧目標を130/80未満に引き下げています。これらの大きな根拠となったのが、アメリカ国立心肺血液研究所が行った臨床試験の結果です。

2015年に発表された臨床試験では、高血圧患者9,361人を対象に実施され、投薬によって140未満と120未満の2クラスに設定してそれぞれの心筋梗塞や脳卒中の発生率と全死亡率を比較したものです。

120未満の人は140未満の人に比べて、心筋梗塞や脳卒中の発生率で約25%、全死亡率で約27%低いという結果が出ています。この調査が血圧は低いほど健康で長生きできるという理屈の裏付けになりました。

私はこの結果を批判するわけではありませんが、血圧というのは性別や年齢が深く関わっているものと考えています。私の様に高齢になってくると、血管は固く細くなってきます。この血管にスムーズに血液を流すためには、当然力がかかるつまり血圧が上がってくるわけです。

昔は血圧は年齢プラス90が正常と言われた時期もありました。私の場合は160でも正常となるわけで、こういった定義の方がうまく加齢による血圧上昇を考慮した値と言えそうな気がします。

これが一律140以下という値に変わった理由はよく分かりませんが、うがった見方をすれば製薬会社の陰謀のような気もします。降圧剤はあるメカニズムで血圧を下げると、人間の身体はそれを回避するルートを作ってしまい、降圧剤が効かなくなってしまいます。

当然別の作用の薬に替えるといったように、薬を変えながら飲み続けるのが本当に良いのかやや疑問に思っています。今回のように国民の半数が高血圧になるような基準値の設定は、何かが間違っていると言えるような気がします。