ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

若者の酒離れ 本当の理由は

2018-09-30 10:19:43 | その他
色々な理由から若者の酒離れが進んでいるようです。厚生労働省の調査によると、飲酒習慣のある男性は20~29歳ではわずか10.9%しかありません。

この調査は2016年に実施した「国民健康栄養調査」の飲酒の状況というものですが、若年層になるほど酒を飲まない実態が浮き彫りになっています。

飲酒習慣のある人が最も多いのは、男性では50~59歳の46.1%で、40~49歳は37.9%、30~39歳は29.0%と一貫して減り続け、20~29歳ではわずか10.9%しかありません。女性も男性ほど顕著ではないのですが、やはり同様の傾向があるようです。

階級・階層社会の専門家は、非正規で働く若者が増えて低所得のため、酒を飲むだけの余裕がないというのが最大の要因と分析しています。酒は飲まなければ生きていけないというものではなく、あくまで嗜好品ですので酒代は真っ先に削られるとしています。

派遣社員やアルバイトなど非正規で働き、極端に生活水準が低い「アンダークラス」と呼ばれる階級が増加の一途をたどっています。ある試算によれば、2015年時点でアンダークラスは929万人で、労働者の3人に1人が非正規というのが現状で、所得の減少はフリーター化する若年層で著しいようです。

このような非正規のシフト制の職場だと労働時間もまちまちなので、みんなが一斉に仕事が終わって帰りに飲むという機会もありません。かつて「1億総中流」と呼ばれたころは、日本人の大多数はビールと日本酒を中心とする「酒文化」を共有してきましたが、それが崩壊の危機にあるようです。

日本の歪んだ酒税法も若者の酒離れを助長する要因としています。特にビールの税率が突出して高く。1リットル当たり220円で、350ミリリットル缶で77円もかかっています。一方ワインは1リットル当たり80円となっています。別にワインは金持ちが飲む酒というわけではありませんが、あまり若者は飲まないのかもしれません。

世代論からの分析もあり、アルコール飲料に限らず、車やAV機器への関心が低下し、買わない世代が登場しました。

1980年前後に生まれた「バブル後世代」で、収入に見合った支出をしない「嫌消費」層となっているようです。この世代は就職氷河期に就職活動をして社会に翻弄され、常に将来に不安を持っているから消費を控えています。

またそれまで組織や仲間意識を重視してきた会社は、個人の実力主義賃金体系へ移行しています。仕事が終わったらみんなでとりあえずビールというサラリーマン文化が消滅しました。この世代は超個人主義だから、上司に誘われても平気で断るわけです。

さらに交際費が使えなくなり、ますますサラリーマンたちの足は酒場から遠のいてしまったとしています。この意見に全面的に賛成するわけではありませんが、若干納得できるような気もします。

海の中の小さい生き物が天候を左右?

2018-09-29 10:32:14 | 自然
海洋の中には肉眼で見ることのできない小さな生き物であふれています。

新しい研究によれば、あるウイルスに感染した植物プランクトンが雲の形成に関与し、地球の気候にも影響を与える可能性があるかもしれないようです。

これは花のような形をした円石藻(エミリアニア)という微細藻で、世界中のあらゆる場所に遍在する植物プランクトンです。2015年には、円石藻がEhVウイルスに感染すると大気中に広まり、そのウイルスを拡散させていることが、イスラエルのワイツマン科学研究所のグループによって報告されています。

さらに感染した植物プランクトンが膨大な量の円石(ココリス)を大気に放出することで、天候に影響を与える可能性があることを発見しています。

この円石藻や円石というものを全く知りませんでしたが、細胞直径が5-100μm程度の微細藻で、細胞の表面に円石という炭酸カルシウムの鱗片を持っています。この円石は通常円形から楕円形ですが、かなり色々な形状を持っているようです。

円石が空中に放出されることは珍しいことでは無く。日常的に放出されています。しかしウイルスに感染すると膨大な量の円石が放出され、海中の成分を含んだ微粒子「海洋エアロゾル」として大気中に漂います。それが雲の形成など気候に大きな影響を与えるとしています。

ワイツマン科学研究所の研究グループは、実際にどれほどの影響をしているのか調査をするために、実験室サイズの円石放出システムを作ってウイルスの円石藻に対する影響を定量化しました。

その結果生成された粒子について量が極めて多いこと、密度が高いこと、そしてサイズが大きいことが分かりました。研究グループは粒子サイズの円石が雲の形成に関わっていることはすでによく知られており、さらに円石は大気中でほかのエアロゾルや水滴に化学反応を示し、雲の水分凝結を助長する可能性があるとしています。

また実験室サイズのミニチュアモデルで示せることには限界があり、将来的にはこれらの植物プランクトンや海洋エアロゾルの排出を現実世界で観察したいと考えているようです。

今回の研究は人類がもたらした気候変動や地球温暖化への技術的なソリューションを模索するのに役立つ可能性もあります。そこで必要なのが、気候の複雑さや生物が果たす重要な役割を踏まえたうえで、議論されるべきだと指摘しています。

海洋中の植物プランクトンの量は想像を絶するほど大量だということは聴いていましたが、それから放出されるものが気候にまで影響しているというのはなかなか面白いことのような気がしています。

猫も気分が表情に現れるのか

2018-09-28 10:39:46 | 
家の猫たちについてはこのブログでも紹介しましたが、家猫4匹とプラスαの猫3匹と賑やかに暮らしています。

この猫達は食べ物にそれぞれ好みがあるようで、よく食べるようにかみさんは色々苦労をしています。この食べているときの表情などあまり気に留めていませんでしたが、こういうグルメなネコはおいしいかまずいかでかなり表情が異なるという研究結果が発表されました。

この研究結果によると、ネコは美味しいと感じているとき、匂いを嗅ぐ、目を半分閉じる、舌を少し出す、鼻をなめる、下あごで一回噛むという表情をすることが報告されています。一方、ネコが不味いと感じているとき、口を大きく開けて舌を出すという表情をするようです。

家の猫達がこんな表情で食べているか、あまり観察したことはありませんが、家では餌をずっと出していますので、一回にはほんの少ししか食べませんのでそう言った機会がありませんでした。

この研究者たちは、こういったネコの表情の意味を考察しています。まず美味しい表情として匂いをかぐ動作は、好ましくない味あるいは水と比較して好ましい味に対して長く行われることが観察されており、ネコは嗅覚を使っても美味しさを判断している可能性が指摘されています。

目を半分閉じる表情は、乳幼児や類人猿、うさぎにも共通して見られる動きで、主にリラックスしている状態を意味します。舌を少し出す動きは、ヒト(この動きはヒトでは舌鼓を打つと表現される動きです)、ヒト以外の類人猿、ラット、うさぎ、馬にも共通して見られる動きで、ネコも例外ではないというところです。

鼻をなめる動きと下あごで一回噛む動きも、乳幼児や類人猿、ラットにも共通して見られる動きとしています。

次が不味い時の表情ですが、口を大きく開け舌を出すというのはやはりヒト以外の類人猿、ラット、ウサギ、馬にも共通して見られる動きで、主に苦い味に対してなされる表情です。これはヒトが何かを吐き出すときの表情に似ているようです。

ヒトの場合は鼻にしわがよる、いわゆる嫌悪の表情ですが、これはネコもしているのを見ますが、今回の研究では観察されなかったようです。

この研究は様々な水溶液を用いて行われました。具体的にはネコ全般が好きな味の水、嫌いな味の水、そして比較対象として水が用意され、さらにそれぞれの水溶液を混ぜ合わせた濃度の異なる水溶液が用意されました。

ネコは身勝手な動物ですので、実験も大変そうですが、こういった結果はキャットフードの開発の新たな手法として利用できるのかもしれません。家では出したエサがなくなるかどうかだけ注意していましたが、食べているときに観察すれば面白いのかもしれません。

タンパク質は動物性と植物性で異なるのか

2018-09-27 10:37:17 | その他
近年菜食主義の人が増え、環境的にも優しいとされていますが、植物性タンパク質だけで大丈夫なのか、筋肉をつけるには動物性の肉が必要なのかという研究がされています。

イギリスでは最近になって動物への愛が増しているようで、2016年には植物をベースに作られた食品の売り上げが1600%も上昇し、それ以後も変わらず上り調子となっているようです。

効率的に筋肉をつけていくために必要な要素といえば、食事からの十分な栄養素と定期的なトレーニングであり、食生活において欠かせないものはタンパク質となっています。

2017年の研究では、身体の筋肉量自体を増やすのには、植物性でも動物性でも効果は同じと出ているようです。研究者がこの二つを比べてみたところ、タンパク質の種類と筋肉量には直接的な関連性が見られず、それよりも重要だったのはタンパク質の摂取量で、量がしっかりとれていれば豆腐や大豆などでも筋肉量は保てるという結果でした。

それでも別な研究では(被験者は男性のみです)、ホエイタンパクなどの動物性のタンパク質の方が、ウエイトトレーニングで筋肉をつけるには効果的であるという結果も出ています。

この理由としてタンパク質の構成単位であるアミノ酸の「ロイシン」が動物性タンパク質に多く含まれているためのようです。動物性タンパク質には8~11%ほどロイシンを含んでいますが、植物性タンパク質は6~8%となっています。

ただこの量を補うために植物性タンパク質を増やすことで(運動後は2~3グラムが良いとされています)、動物性と同じ効果を得ることも可能としています。

大学生の男子生徒を対象とした2015年の研究で、筋肉トレーニング後、米タンパク質(ロイシン量3.5グラム)を食べたグループとホエイタンパク質(ロイシン量5.5グラム)を摂取したグループの筋肉量を比べたところ、筋肉の付き方には大きな違いはなかったようです。

現時点では女性を対象とした研究や、長期に及ぶ研究はまだ行われていませんが、ロイシンの摂取がカギを握っているのは重要な発見のようです。このロイシン量を増やすためにサプリメントなどを利用するのは、何となくよくないような気もしますが、理論的には効果があるのかもしれません。

筋肉を付けたい場合のタンパク質の理想摂取量は、自分の体重×1.2グラムとされています。しかしタンパク質が必ずしもすべてを決めているわけではなく、たとえば炭水化物は筋肉の分解を防ぎ、運動するための燃料にもなっています。

私は菜食主義ではなく、肉も魚も食べていますのでどうでもいいことですが、特定のアミノ酸が重要というのは面白い知見のような気がします。

血液型とかかり易い病気

2018-09-26 10:15:25 | 自然
血液型というと日本では、「性格診断」や「占い」のイメージが強いのですが、海外の医療機関では、血液型によって「病気のリスク」が変わるという相関関係が最新研究によって明らかにされつつあるようです。

私は血液型というのは細胞の表面抗原の種類によって決まるものですので、それで性格が変わるというのは全く信じていません。このブログでも3か月ほど前に、血液型と免疫力の話しを取り上げましたが、それなりに科学的な証拠が出ているもののようです。

欧米では30~40年にわたって蓄積された患者の個人データを駆使した最新の研究により、血液型によって病気の発症リスクが異なることが明らかになりつつあります。

日本では「血液型性格分類」が好きですが、すでに大規模調査によって、血液型と性格に関連がないことは科学的に証明されています。どうも日本では性格との相関にばかり関心が集まり、世界の研究とは別な方向へ向いてしまったようです。

日本人の血液型は、多い順にA型が38%、O型が31%、B型が22%、AB型9%の割合で分布しており、この方法を「ABO式血液型」と呼ばれています。

血液型と病気との関連を理解する上で重要なことは、それぞれの血液型が血漿中に異なる「抗体」を持っていることです。抗体はウイルスや細菌などの異物を体内から追い出す働きを持っています。この抗体に関しては、前のブログで詳しく取り上げましたのでここでは省略しますが、この抗体が病気発症のリスクと関わっていると考えられています。

例えば血液型によって「罹り易い病気」とされている研究結果は、以下のようなものがあります。
「A型」胃ガンリスクは、最も低いO型と比較して約1.2倍高い(2010年/スウェーデン・カロリンスカ大学)
「B型」膵臓ガンリスクが、最も低いO型と比較して約1.7倍高い(2009年/アメリカ・国立がん研究所)
「AB型」脳卒中リスクが、最も低いO型と比較して1.83倍高い(2014年/アメリカ・バーモント大学)
「O型」胃潰瘍リスクが、最も低いA型と比較して1.15倍高い(2017年/医学雑誌)

こういった血液型に関する世界の研究機関による研究は上記以外にも多数存在しています。こういった研究結果を受け、血液型をどう考えるべきか難しいところです。しかし血液型による発症リスクの関係はあるようですが、日常の生活習慣の方が、はるかに病気ののリスクを左右することは確かです。

私の感じでは血液型(私はO型ですが)は生まれついてのものですので、面白い相関関係が出た程度に受け取っておけば良いような気がします。