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血液一滴で13種類のガンをチェック

2019-04-28 10:36:24 | 健康・医療
国立ガン研究センターの研究グループが開発した、血液1滴で複数種類のガンを調べられる検査が注目されています。

この検査は採取した血液からマイクロRNAを調べて、ガンがないかを調べるというものです。マイクロRNAとは、細胞間の情報伝達の役割を担う小さな核酸です。

人間の細胞の中には2600種類のマイクロRNAが存在すると言われており、そのうち1000種類が血液を巡っています。ガンの人は、健康な人と異なる種類や量のマイクロRNAが見られ、どの種類かでガンの種類が特定できるというのが基本となっています。

マイクロRNAは21-25塩基という非常に短い1本鎖RNAであり、人を含む真核生物において遺伝子転写後の発現調節に関与すると言われています。近年このマイクロRNAがガンの発症にも関与しており、ガンの種類によって決まったマイクロRNAが発現していることが分かってきました。

したがって血液中のマイクロRNAを調べることによって、胃・食道・肺・肝臓・胆道・膵臓・大腸など13種類のがんが判別出来るようです。

どのくらいの種類を調べればよいかは、多くを調べるほど精度は上がりますが、コストがかかるため、例えば大腸ガンであれば3種類のマイクロRNAを調べれば十分なことが分かってきています。

しかしガンの種類によってどれくらいがよいかは異なり、現在は研究段階にあるようです。ガンの検査の中には、痛みを伴ったり時間がかかったりするものが少なくなく、患者の負担も多いためガン検診の受診率が伸びない一因になっています。

この様に血液検査であれば、受ける人の負担が少なく簡単に受診できるようになります。マイクロRNAの検査では、ガンのⅠ〜Ⅳ期に関係なく高い感度は変わりません。また通常の内視鏡検査では大腸ガンは肛門近くにあるものは感度が高く、大腸の奥の方にあるものは感度が低くなりますが、マイクロRNAでは部位に関わらず感度が同じになります。

腫瘍マーカー、画像診断、自覚症状などどれをとっても、ガンが大きくならないと異常として表れません。しかしこの検査は初期でも高い感度で発見できるため、膵臓ガンのように発見時には進行していることが多いガンも早期発見が期待できます。

このプロジェクトは今年で5年になるようですが、実際のガン検診でどれくらいガン患者が見つかるかの研究を行い、実用化するのは5年後ぐらいになるようです。

現在はマイクロRNA以外にも血液検査でガンを発見する試みは多いようですが、確立できるのはまだまだ先のようです。私が元気なうちに実用化できるかわかりませんが、内視鏡のように負担が大きいものに代わってくれれば受診して見たい気もします。