ごっとさんのブログ

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メタボから来る腎不全

2019-04-05 10:05:08 | 健康・医療
メタボリックシンドロームを長年放置していると、加齢と相まって腎機能が急速に低下し、70代や80代になって突然「腎不全」と診断される可能性があるようです。

メタボの改善はもとより、定期的な健康診断で腎機能をチェックすることが重要ですが、ダメージを受けた腎機能を正常に戻すのは難しいようです。

腎機能の低下は、1つの腎臓に約100万個存在すると言われるネフロン(腎小体とそれに連なる細尿管を合わせた腎臓の単位)に関わります。ネフロンが壊れて腎臓が線維化した状態を戻す研究は、いろいろと進められていますが、他の臓器にも影響を及ぼすこともあり、かなり難しいと考えられています。

腎臓の線維化は、例えば皮膚が傷ついたときに修復する機能に関わり、傷口をふさぐために皮膚が線維化してきます。腎機能を守るために線維化を抑制する化合物を投与すると、傷が治りにくくなるようなことが起こり得ます。

いかに腎臓の線維化だけを抑制するか、また腎臓のかなめともいえる微細な血管で構成される0.2ミリほどの糸球体は、一度破壊されてしまうと元に戻りません。

腎臓そのものの再生医療の研究は国内で進んでいますが、腎臓が血液をろ過して尿を作るための糸球体や尿細管の構成細胞はさまざまなものがあり、さらにホルモン分泌やビタミンDの活性化などの機能を持つため、開発はかなり困難なようです。

腎不全改善の研究は進められていますが、実用化への道はまだ遠いのが現状です。悪い生活習慣によるメタボが起因の腎機能低下は、メタボ改善、生活習慣の改善で食い止めるしかないと言われています。

メタボというと心筋梗塞や脳卒中、認知症に関わることが取り上げられることが多いのですが、その先に腎不全もあることを理解しないといけないようです。

自覚症状がなく、健康診断でも異常が分からない腎機能低下の指標は、メタボの数値が目安となり、数値が正常になれば腎機能低下の抑止につながります。一般に動脈硬化を防ぐために、動物性脂肪を控えて魚などの脂に含まれるオメガ3不飽和脂肪酸を取ることが良いとされていますが、この食生活は腎機能も守るとされています。

このようにメタボを改善することが推奨されていますが、メタボになるかどうかは遺伝的影響が多いような気がします。

私は体質的にやせ形になっていますのであまり気にすることはないのですが、太りやすい体質だとかなり気を付けても簡単にメタボになってしまうようです。それを食生活で改善しないと腎不全の恐れがあると指摘するのは、そういう体質の人にはやや気の毒なような気もします。

確かに動脈硬化や腎臓のネフロン破壊も無症状で進みますので、注意することは必要かもしれません。