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ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

若作りすれば、身体も脳も老化しない

2025-05-21 10:32:09 | 健康・医療
私は78歳になりましたので、もう十分年寄りとなっています。ただ感覚としては数年前から特に弱ったという気はしていません。

運動などが嫌いですので、そういった歳を感じるようなことをしていないのかもしれません。ここでは「私はもう80歳だ」と実感するのと、「私はまだ80歳だ」と感じるのが大切としています。

確かにもうをまだに置き換えただけで、ずいぶんポジティブな印象になります。使う言葉を変えただけで、脳が良い方向にシフトチェンジしたということを意味するようです。興味深いのは、老人脳にならないためのマインドの作り方で、主観年齢で生きていくことを進めています。

たとえば、85歳でも自分では50歳と思えば、主観年齢は50歳です。すると面白いことに、50歳のような行動をとるようになってくるとしています。主観年齢を若くすることは、脳の老化も防いでくれるようです。

そのことに関連し、韓国の研究で明らかになったという興味深いエビデンスも明らかにされています。59~84歳の被験者68人の主観年齢と脳の状態を分析した結果、主観年齢をを実年齢より若いと答えた被験者は、灰白質の密度が高く記憶力もよく、うつの傾向も低いことがわかったようです。

ヘアサロン実験というものですが、27歳から83歳の女性47名に対して、髪のカラーリングを行い、実年齢よりも若く見えるようにしました。髪を染めて若く見えるようになった人たちの血圧が、若い頃の血圧に戻っていたのです。

世の中には、若作りをしている年配の人に対して、年齢不相応で恥ずかしいなどと陰口を叩く人もいます。ところがそれは勘違いで、若作りは身体にとっても脳にとってもよい方向に左右するということです。

そればかりか、見た目年齢は血管年齢にも関係しているといわれています。実年齢より見た目が若い人と実年齢より見た目が更けている人の血管年齢を調査したところ、次のような結果が出ました。

見た目が若い人→実年齢より血管年齢が若い79%、見た目が更けている人→実年齢より血管年齢が若い19%。見た目が実年齢よりも老けている場合、81%の人が血管年齢まで高くなるということのようです。

こうしたことからもわかる通り、自分は若いという意識を持ち続けることは効果があるようです。逆に言えば老いた、歳をとった、もう若くないなど脳にとってのNGワードは避けるべきだということにもなります。

歳をとっているというイメージは、死亡リスクまで高めます。自分の年齢に対して実年齢よりも8~13歳高く感じている人は、死亡リスクや病気リスクが通常より18~35%高かったという結果が出ています。

私はあまり若作りは好きでないので、せいぜい若いと思うことにします。

MRI検査で体内に有害金属が残留する可能性

2025-05-19 10:34:28 | 健康・医療
私はこの歳になるまで、20年以上前に交通事故にあったときにMRI検査を受けたことがあるだけです。MRIは有機化学でよく使うNMRのように核磁気共鳴が原理と思っていましたが、どうも造影剤なども使うようです。

最近MRI検査によって、人体に有害な金属が残る理由を解明する研究結果が発表されました。この研究は、アメリカのニューメキシコ大学のチームが実施したもので、MRI画像診断でつかわれる希少金属ガドリニウムが健康に及ぼすリスクを調査したものです。

私は無機化学はあまり詳しくないのですが、それでも金属類ぐらいは把握しているつもりでしたが、このガドリニウムという金属は全く知らないものでした。通常この金属は体外へ排出され、ほとんどの人に副作用はないとされています。

しかしガドリニウムの粒子が脳、腎臓、さらには血液や尿の中に数年後まで残留していた事例が先行研究で報告されています。

アメリカ食品医薬品局(FDA)によると、ガドリニウムの残留と最も関係が深い健康被害は腎性全身性繊維症と呼ばれる症状で、腎機能障害を持つ患者に見られます。腎性全身性繊維症は、皮膚の腫脹や硬化、心臓、肺、関節に激しい痛みを引き起こします。

アメリカ食品医薬品局は、腎機能が正常な患者にも複数の臓器障害が報告されているとしつつも、ガドリニウムの残留との因果関係は立証されていないとしています。今回の研究では、ガドリニウムとシュウ酸との関係性に注目しました。

食品にも含まれるシュウ酸は、金属イオンと結合して腎結石などの疾患を引き起こすことが知られています。シュウ酸が造影剤から微量のガドリニウムを析出させ、ナノ粒子を形成し複数の臓器に浸潤することが実験で確認されました。

また人それぞれの代謝環境によって、ナノ粒子の形成傾向が異なることについても指摘しています。一部の人に深刻な症状がでるのは、ガドリニウムと結合しやすい体質が影響している可能性を示しています。

ガドリニウムが体内に残っていた患者のうち、約半数は造影剤を一度しか投与されていなかったことが判明しています。

異物である金属ナノ粒子に細胞が反応し、体全体に危険信号を送っているなど、何らかの要因が反応を増幅させている可能性を示しており、その仕組みの一端を解明する糸口になると見ています。

現在研究チームは、造影剤のリスクを高めている要因を特定するため、血液、尿、爪、毛髪サンプルを用いて、ガドリニウムの蓄積を検証するための国際的なデータベースの構築を進めているようです。

なぜ運動で寿命が延びるのか

2025-05-18 10:35:42 | 健康・医療
どんな健康に関する記述を見ても、必ず適度な運動という文言が入っています。

ただ私はこのブログでも書いているように歩くのが嫌いです。どこかに出かけるのも必ず自転車を使いますし、なるべく歩かなくてすむ方法を選んでいます。運動の基本が歩くことのようですので、私は運動不足になっているようです。

ただ理論的には運動は身体に悪いという説もあるようです。運動は酸化ストレスを誘導し、酸化ストレスは老化や病気につながりやすく、筋肉組織の破壊を増やすし炎症も起こします。それなのになぜ運動が健康に良いのでしょうか。

定期的な運動はあらゆる老化の特徴に良い効果をもたらすとされています。その理由の一つは、ホルミシス(有害なものが少量では益となること)という作用かもしれません。

この作用が働くと、一定量のストレスが自然防御能の多くを活性化させるため、身体を守るのに役立つことがあります。程度な運動は代謝率を上げるので、細胞内に酸素遊離基が増えます。かつてこの遊離基は完全に有害だと思われてきました。

ところが遊離基には複雑な効果があり、有益なものもあることがわかってきました。たとえば細胞がひどく損傷する危険があるとき、遊離基からの警告によって内部の抗酸化防御を高めることができます。

このようにホルミシスは、酸化ストレスから体を守る仕組みを活発にする作用であり、回復力を強めるものだと考えられます。つまり有害なものにさらされることによって、回復力を強化するのです。

運動に伴う短時間の酸化ストレスにさらされると、ストレス全般への防御力が高まり、そのおかげで老化が遅くなるのです。運動はAMP活性化プロテインキナーゼという酵素を刺激します。これは細胞のエネルギー状態の恒常性を保ち、脂質代謝を制御する酵素です。

運動はまた、栄養源を感知するタンパク質mTORをも刺激し、これは寿命には良くない働きをしますが、それでも運動のメリットは欠点をはるかに上回ります。ホルミシスに加えて、定期的な運動は細胞内のタンパク質をリサイクルする仕組みを刺激します。

これは損なわれたタンパク質の恒常性、すなわち傷ついたタンパク質の蓄積という老化の特徴に直接効き目があります。傷のないタンパク質はDNAを修復しますが、DNAはいつもダメージを受けているので、この修復はとても重要です。

もし修復されなかったら、ガンが発生するかもしれません。傷ついたたんぱく質を分解し、それぞれの要素を使って健康なたんぱく質を作る自食作用を、運動は効果的に刺激します。

このように本来健康に悪い運動も、ホルミシスによって有益なものとなっているようです。

統合失調症などの病は遺伝か育ちか

2025-05-15 10:34:27 | 健康・医療
アメリカで生まれた4つ子姉妹は、22~23歳にかけて全員が統合失調症を発症しました。研究者は彼女たちの事例を通じて発症原因が遺伝か環境かを探り、学者たちの意見や研究結果からその答えを導こうとしました。

1960年代には、ソラジン(最初の精神病治療薬)革命のせいでこの議論の帰結が猶更重大になりました。遺伝的特質、すなわち生まれを重視する人にとって、抗精神病薬の影響力は統合失調症が生物学的プロセスであることを立証しました。

育ちの側を持つセラピストたちにとっては、ソラジンの類は症状を抑え込んでいるにすぎず、いわば見せかけの精神安定剤であり、この疾患を引き起こしたに違いない無意識の衝動を探ることに代わるものではないとしていました。

国立精神保健研究所の研究員は、研究結果が育ちではなく生まれがこの論争に勝つという証拠になると考えていました。別の研究員は、養子になって統合失調症を発症した人々の記録を調べました。

精神疾患のある養子の多くが、精神疾患が多発している家族にたまたま引き取られている可能性を排除しました。養子たちを対象群(生まれた家庭で育った統合失調症患者)と比較しました。その結果記録された症例が、病歴のある人々との近接ではなく、生物学的特性と結びついていました。

全体として、統合失調症の病歴がある家族は、そうでない家族の4倍もこの疾患を未来の世代へ伝える可能性が高くなりました。

その他いろいろ検証した結果、統合失調症はこの疾患を発症しやすい遺伝的要因を持たない人には、決して押し付けることも移すこともできないと結論付けました。

統合失調症の多遺伝子理論という論文は、統合失調症は多くの遺伝子の一群が、さまざまな環境因子に活性化されることでによって引き起こされると主張しました。

疾患を優性遺伝子1つあるいは劣性遺伝子2つの仕業と考える代わりに、遺伝病派には易罹患性閾値があるという見解を示しました。それを過ぎると、発症する人が出る理論上の境目です。

共同して人をこの閾値に近づける原因は、遺伝的なものかもしれないし、環境かもしれません。こうした要因が最低必要量に達しないと、人は統合失調症の遺伝的遺産を抱えつつも、症状が現れないまま一生を送ることがありうるとしています。

この説はストレス脆弱性仮説として知られるようになりました。生まれが育ちによって活性化されるという考え方で、何十年も後、この研究には並外れた先見性があったとみられるようになります。

その後の研究からも統合失調症は単純に遺伝か環境かは調べられていますが、なかなか結論は出ていないようです。

病気になりやすい人が飲むお酒の種類

2025-05-14 10:34:27 | 健康・医療
私は毎晩夕食のときにビールのロング缶半分ほどを飲んでいます。その後風呂上がりに寝酒として、ウイスキーの水割りをちびちび飲んでから寝ています。

これは習慣であり楽しみの一つですので、何かメリットがあるかはあまり考えていませんが、寝つきがよくなったような気がしています。

1963年に始まった「CIRCS研究」は、日本人の健康の普遍的な法則を見出すために1万人を60年間追跡調査した日本の財産的研究です。医療×統計の技術を駆使して、生涯健康的に長生きする人の習慣を定点観測で研究し続けた世界最長の統計研究であり、絶大な信頼性を誇っています。

圧倒的なエビデンスを誇る本研究が突き止めたのは、健康な人ほど健康になる習慣を無意識のうちに実践している事実です。ここでは飲酒の習慣について紹介します。まずここで出てくる疫学ですが、医療と統計を組み合わせた実践的学問といえるようです。

病気が起こる原因や、どうやったら予防できるかということを、ヒトの集団を対象として調べることにより明らかにする学問と定義できます。海外の研究で、赤ワインをよく飲む人には循環器系疾患が少ないことがわかっています。

確かにフランス人は昼から赤ワインを飲むような生活をしていますが、心筋梗塞が少ないことで知られています。日本人にも赤ワインが同様の効果があるかについてはわかりません。赤白問わず日本人の場合、まだワインの消費量が少なく、エビデンスがとれる状態にはないのです。

お酒の種類とその影響について調べた範囲内で言えば、焼酎をよく飲む人に死亡率が高いことがわかっています。また海外の研究でも焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を飲む人が、最も死亡率が高いことが報告されています。

調査を始める前の段階では、ビールや日本酒などの醸造酒をたくさん飲む人の死亡率が高いのではないかと考えられましたが、実際には焼酎だけとか1敗目はビールでも続きは焼酎に変えるといった飲み方をする人にリスクが高くなりました。

その理由は不確かであるものの、どうも焼酎好きの人は量を飲みすぎてしまう傾向にあるのではないかと思われます。その調査は、申告制で行われました。

ビールやワインなら比較的正しい量が伝えやすいのですが、焼酎の場合水やお茶などで割って飲むことが多く、また途中で足したりしがちです。故意かどうか別にして、焼酎が好きな人はその量について、やや少なめに申告している傾向があるようです。

つまり他の種類の酒と比べて焼酎が身体に悪いことではなく、焼酎好きの人は飲みすぎになりがちだから死亡率も高かったのではないかと推測しています。

酒の功罪はいろいろありますが、飲みすぎが身体に悪いことは確かなようです。