ごっとさんのブログ

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自覚症状のない「隠れ脂肪肝」

2019-04-18 10:08:57 | 健康・医療
肝臓へ中性脂肪が過剰に蓄積されている「脂肪肝」は、飲酒習慣のある人がなりやすいとされてきた症状ですが、近年食べ過ぎや運動不足を原因とする患者が増えているようです。

自覚症状もなく健康診断でも分からない「隠れ脂肪肝」の人は国内で1000万人近くいると指摘する声もあります。脂肪肝は放っておくと肝硬変や肝臓ガンに進行するだけでなく、他の臓器や血管のガンになるリスクも高めることが最近の研究で分かってきました。

健康な肝臓の場合、非常時の栄養供給源として細胞の3~4%に中性脂肪が蓄積さています。脂肪肝は肝臓の細胞の5%以上に中性脂肪が蓄積された状態を指します。

脂肪肝自体は、生活習慣の改善などで健康な状態に戻すことができますが、放置した場合が問題となります。

脂肪肝のうち2割程度は肝臓の炎症につながり、炎症を起こすと肝臓の細胞の一部が壊れます。壊れた肝臓の細胞は修復されますが、それを繰り返しているうちにだんだん線維化(硬化)が進行し、肝臓が硬くなり、肝臓全体が網の目状の線維に埋め尽くされた状態が肝硬変です。

こうなると健康な肝臓に戻ることは極めて難しく、肝機能が低下するだけではなく、肝臓ガンの発症の可能性も高まると考えられています。脂肪肝の間なら健康な肝臓に戻れますが、肝硬変や肝臓ガンに進行すると後戻りできません。

肝臓は本来再生能力が高く、病気になっても自覚症状が現れないことが多いため、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。特にアルコール性ではない脂肪肝のうち、半数以上は血液検査に表れないようです。

血液検査の肝機能の数値は、脂肪肝を直接見ているわけではなく、細胞のダメージを見ています。アルコールが原因の場合は、その毒性から細胞のダメージが大きいので数値となって表れやすいのですが、食べ過ぎや運動不足による脂肪肝は、比較的細胞の破壊が少なく、数値に出ない場合が多いとしています。

2017年にアメリカヂューク大学の研究者が発表した調査によると、脂肪肝患者の4人に1人が炎症を伴う脂肪肝炎を発症し、その内25%が肝硬変に進行し、さらにその25%に肝臓ガンが発生するといいます。

この隠れ脂肪肝を検査する方法として、超音波を使って肝臓の状態を調べる最新機器「フィブロスキャン」が開発されました。しかし設置している医療機関は限られ、日本全国でも100施設程度しかありません。

通常の超音波検査は、肝臓の約30%で脂肪化が進んでいないと脂肪肝と識別できないようです。このように自覚症状もなく検査でも見つかりにくい「隠れ脂肪肝」ですので、生活習慣を改善するしか方法がないようですが、これもよく言われる割には実現は難しそうです。

私は現在の生活習慣を変える気はありませんので、肝臓が頑張ってくれることを祈っています。