ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

今年最後の忘年会

2017-12-31 10:59:27 | 日記
毎年恒例になっている昔の仲間との忘年会を昨日行いました。このところ毎年31日はこの話題を書いていますが、もうこの忘年会をやらないと年末の気分にならないような気がしています。

この高校時代の仲間は私も入れて8人ですが、今年はかなりショッキングな出来事がありました。まず今年9月にそのうちの一人のY君が脳梗塞になったとのことでした。それほどひどくはなかったようで、後遺症もなく忘年会には出てこられるということでやや安心しました。

ところが大学教授をしていたS君が、定年になったはずなのに連絡が取れないという幹事からのメールが来たので、電話してみました。するとS君も今年6月に脳梗塞になり2か月ほど入院し、リバビリも終わって下宿に帰っているということでした。

大学は4月で退官したのですが、事情がありまだ下宿で一人暮らしだったようです。たまたま床屋で発症したためすぐに処置ができたようですが、一人の時に発症したら危ないところでした。後遺症としては若干失語症の傾向が出て、なかなか言葉が出ないということでしたが、電話で話している限りはそれほど違和感はありませんでした。

しかし仲間のうち2人が脳梗塞というのは、歳を考えるとありうる話ですがかなりショックでした。

昨日はいつものように幹事とSK君を迎えに行き車で向かいました。店は和風の居酒屋でしたが、鍋を中心としたなかなかおいしい店でした。

話題の中心はやはりY君の脳梗塞の話となりましたが、発症した時は右半身がマヒしたようになったものの、その後すっかり消えて今は普通に生活しているようです。それでも酒は最初のビールだけで、後はソフトドリンクを飲んでいました。

私が今日は欠席となったS君の話をしたりと、病気の話題が多くなってしまいました。なかなか盛り上がって1次会が終わり麻雀ができるか心配しましたが、Y君がいつものように雀荘を予約してあり例年通りの締めの麻雀となりました。

始めてすぐの東の1局、私の手は配牌で暗刻と対子が多くチイトイ的な手となりました。割と早い段階で3暗刻ができたのですが、もう一つのトイツができないのです。中盤前にE君からリーチがかかった時、なんと対子の4万を自模り四暗刻単騎を聴牌したのです。

この時手の内は4竹と7竹でしたので、当然4竹を勝負しました。これで7竹が出やすいことを期待したのですが、予想通り2巡後ぐらいにF君から7竹が出て見事役満が完成しました。なんと始めてから5分もたたないうちに半荘が終わってしまいました。

ついていないF君はその後も全くダメで、一人沈みの大負けとなりました。11時過ぎに終わりE君とF君を送って帰りましたが、私にとっては良い忘年会となりました。

2017年科学10大ニュース

2017-12-30 10:35:19 | 時事
年末恒例の今年の科学10大ニュースが新聞に掲載されました。このブログも12月30日は毎年このニュースになっています。

昨年は大隅先生のノーベル賞受賞や熊本地震と大きなニュースがありましたが、どうも今年は科学に関してはあまり面白いものが少ないようです。

トップがヒアリを国内で確認というニュースでした。ヒアリはこのブログでも取り上げましたが、強い毒を持ったものがコンテナから入り込んでいるようです。尼崎で見つかってから東京や大阪、福岡など12都府県で見つかっています。

これだけ世界中から多くの物資が入っている以上、外来生物が混入してしまうことは有る意味やむを得ないような気もします。いくら特定外来生物に指定したり、水際対策に力を入れても国内に既に定着しているのではないでしょうか。こういった外来生物は在来生物にかなり影響を及ぼすものですが、これも自然の動きとしてあきらめることのような気がします。

2位が地球温暖化対策の国際ルールであるパリ協定からアメリカが離脱するというものでした。トランプ大統領は国内産業や労働者の雇用を守るとして、パリ協定からの離脱は公約でした。

この地球温暖化対策という世界的取り組みから、アメリカという大国が抜けてしまうのは問題なのかもしれません。私としては温暖化の原因が炭酸ガスであるということはあまり信じていませんので、この運動自体が放出権の売買などやや胡散臭い気もしています。

次が千葉県市原市の地層が、77万~12万年前の地質時代を代表する候補地に選ばれたことでした。上部組織で正式決定すれば、この年代は「チバニアン」と呼ばれるようです。私はこういった方面には全く疎いので、これがどういった意味を持つのか実感として全く分かりませんが、この方面としては大きな出来事なのかもしれません。

その他私の興味がある分野では、AIが囲碁で躍進というニュースも入っていました。このところAI関連はこのブログでも取り上げていますが、本当に目覚ましい進歩をしているようです。すでにこの「アルファ碁」以上のソフトも出ているようですので、囲碁は完全にAIに負けてしまったといっていいような気がします。

生命科学では他人のiPS細胞で手術というニュースがありました。iPS細胞も実用化に向けていろいろ進んでいますが、とにかく膨大な費用を抑える方向を見つけてほしい気がします。

その他「地震の予知前提の対策を見直し」や「中性子性の合体を観測」、「軍事研究禁止の声明」といった事項が入っていました。今年も本当にいろいろなニュースがありましたが、科学に関してはあまり躍進した年とは言えないようです。


「遺伝か環境か」の議論は本当に不毛なのか

2017-12-29 10:39:04 | その他
あらゆる能力は遺伝的であり、能力の個人差は遺伝の影響を30~60%受けているという主張の行動遺伝学者のコラムを読みました。

筆者によれば個人差の多くが遺伝的であるということは科学的に証明されているとのことです。私はこの意見にはやや同意できないところもあるのですが、面白い見方ではありますので紹介してみます。

個人差は遺伝の影響が大きいという科学的知見があっても、これと反対の「学力は育て方と努力次第」という主張の方が圧倒的に多く、そのほうが希望を与えるので反論も多く出ています。

まず「私の親は学歴が低いのに私は一流大学には入れた(またはその逆)」、だから遺伝は関係ないという反論を「トンビが鷹」説としています。次が「何かの環境の変化がきっかけで(または努力)でこんなに変われた」だから遺伝は関係ないというのを「ビリギャル説」としています。

その他遺伝のことは知らないという無知論説や遺伝と環境は分けられないという不可知論説などを反論として出しています。当然「環境が大事だ」という反論もありこれを環境教の信者としています。

「トンビが鷹説」については、簡単なメンデルの法則で説明しています。例としてエンドウ豆の「丸」と「しわ」を上げていますが、これを掛け合わせると子はすべて「丸」となるのが優勢の法則です。ところがこの「丸」どうしの子供は4分の1の確率で「しわ」でてくるのが分離の法則です。

したがって親子や兄弟でも全く違った表現型になることは別に不思議なことでは無いとしています。ここでは遺伝とは形質の相対的な類似性を生む仕組みでもあるが、ゲノム全体で見ればこの世の誰とも全く異なる全く新たな個性的な組み合わせを生む仕組みであるとしています。

次が「ビリギャル説」ですが、行動遺伝学では学習しないでも知っているというような、本能のような意味ではなく、学習して習得される能力の個人差に遺伝的な差があるという意味のようです。

或ることについて学習したことがなく、そのためにできない・知らない人にとっては、きっかけを得れば知識を習得するために費やした努力の効果は絶大となります。つまりどんなに遺伝的に良い資質を持っていても、それを使う環境になければ発揮されることは有りません。こう書くと環境の方が重要な気がしますが、環境が変わっても遺伝的なものがなければうまくはいかないというのがこの「ビリギャル説」に対する反論です。

ここからこのコラムは教育とはという論点で展開していますが、この程度にしておきます。私はすべてが遺伝的に決まるということは賛成できませんが、生まれつきの個人差はあるような気もしています。

ガン治療革命 ガン治療の転換期か

2017-12-28 10:41:31 | 健康・医療
ガンの治療が転換期を迎えようとしているようです。国が推進する「ガンゲノム医療」とはなんなのか解説記事を見ました。

新聞やテレビなどで「ガンゲノム医療」という言葉を目にする頻度が高くなっています。一人ひとりの遺伝情報から異常な遺伝子を特定し、その異常に適した手段でアプローチするという極めて個別性の高い治療法です。

アメリカのオバマ前大統領が演説で述べた「プレシジョン・メディシン」という概念がこれに当たります。日本語で精密医療とか個別化医療などと訳されていますが、国内でもこのほど度策定された「第3期ガン対策推進基本計画」で、ガンゲノム医療の推進が目標に掲げられ注目されています。

従来のように「Yという病気」にたいしておこなう治療ではなく、「AさんのYという病気」を対象とする、まさに「個別化医療」といえるものです。

私はこのブログでも何回か書いていますように、ガンという病気は遺伝子の異常による細胞の病気と定義しています。ですから現在は胃ガンとか肺ガンというように、臓器別でガンを分類していますが、遺伝子のどこが変異して発症したかは個々のガンによって変わるはずです。

ですから同じ肺ガンといってもAさんの肺ガンとBさんの肺ガンでは遺伝子の異常部位は当然異なっている、つまり同じ病気ではないというのが持論です。例えば手術によって腫瘍部位を完全に切除してしまえばどんな変異であろうと治るわけですが、抗ガン剤治療などは効きやすいガンとほとんど無効のガンが存在してしまうわけです。

抗ガン剤の有効率が30%つまり10人に対して3人しか効かないというのも、異なるガンであるということで説明できるような気がします。

ですから私は昔からガンゲノム医療をするべきだと考えていましたが、遺伝子解析技術が非常に進まないと難しいだろう思っていました。やっとそういったことが可能な時期になってきたのかもしれません。

現在だと臓器別のガンの治療薬を使いますので、同じ薬を使っても患者によって薬効に差が生じます。患者からすると「当たり外れ」があり、治療して見ないと分からないという面が当然ありました。

そこで患者のガン細胞の遺伝子情報を解析し、変異の起きている遺伝子を突き止め、その遺伝子変異に対して効果のある薬を使うことで、より確実性の高い治療を行おうというのが、ガンゲノム医療の基本的な考え方となります。

ここでどの遺伝子異常になにが適当な薬剤というデータはあまり見たことがありませんが、医薬メーカーにはそういったデータもあるはずですので、より効果の高い薬を使用できる可能性は高いと考えられます。

先に述べたようにガン細胞の遺伝子異常を突き止めるのにどの程度の時間と費用が掛かるのかわかりませんが、ぜひ進めてほしい分野です。

労働組合は機能しているか

2017-12-27 10:37:01 | 時事
先日タイトルのように「労働組合は機能しているか」というコラムを見ました。

私は特殊な業務ではありましたが、長いこと会社員として勤務し、若いころは労働組合の役員などもやってきました。私の世代は学生時代は学生運動の真っただ中におり、就職してからも労働組合活動というものに何の違和感もなく入っていきました。

実際は管理職となり、組合とは会社側として接する機会の方が長かったのですが、労働組合というものが徐々に変化していったことは確かです。

労働組合は、戦後の民主化の中で組織化が進み、正社員中心の企業別組合が主流になりました。これは日本特有の組合で、海外ではほとんどが職種別組合となっています。このため私の所属していた組合も会社とのなれ合いの、御用組合と批判したものです。

1989年には、ナショナルセンターとして連合が誕生しました。基本的には組合員のための組織ですが、高度成長期には春闘による賃上げや労働条件の改善が、組合のない中小企業労働者やパートタイマーにも波及する形で、組合員以外にも一定の役割を果たしてきました。

ところが90年代末に環境が激変し、経営者は短期的な視点を重視し株主を重んじ、従業員を育成するというより、使い捨てへと変質していきました。この辺りは社会環境の変化もありましたが、やはり労働組合が有効な手を打てなかったこともこの傾向に拍車をかけたような気がします。

この時は政府も労働者派遣法などを改正し、高度専門職に限定されていた派遣が製造業まで広がりました。この結果、企業の正社員が減り、2003年には非正規で働く人の割合が労働者全体の3割を超えたのです。

この流れは08年のリーマンショック後の雇止めの混乱を受けて変わることを期待しましたが、全く変わりませんでした。この間労働組合は、パート労働法の改正や最低賃金の引き上げなどを行いましたが、問題となる非正規社員をどうするかはほとんど進まなかったような気がします。

企業の生産性向上に協力して配分を求める組織も多く、正社員を非正規に置き換えることの対応が抜け落ちていました。連合は非正規労働センターなど立ち上げましたが、労働組合全体の問題にはなっていない気がします。

この同じ仕事をしながら条件に格差がある職場が増え続けていくことを是正するのも労働組合の問題だと思っています。現在進めている働き方改革を政府や経営者に任せるだけではなく、同じ労働者としての組合の力が必要でしょう。

そういった点では現在の労働組合は未だに組合員の権利を守るだけで、本来の機能を果たしていないような気がします。