ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

高速増殖炉もんじゅ廃炉に

2016-09-30 10:33:19 | 時事
非常に長期間、多額の金をかけてほとんど稼働することのなかった高速増殖炉「もんじゅ」がついに廃炉となることが決まったようです。

もんじゅは1991年に完成し、1994年には臨界点まで達し、発電したようですが1995年にナトリウム漏えい事故を起こし、その後はほとんど稼働していないようです。

もんじゅについてはあまり詳しくはわからないのですが、いわゆる核燃料サイクルの重要な位置にいます。これは原子力発電によって出てくる、使用済み核燃料をいかに有効利用するかという、原子力政策全体にかかわってくる重要な問題です。

まず使用済み核燃料を再処理工場によりプルトニウムを取り出します。この抽出プルトニウムをMOX燃料工業により、次の原子炉燃料に加工し、それを使って実際の原子炉を運転するのが「もんじゅ」ということになるわけです。私の認識はこの程度ですが、実はもんじゅは冷却にナトリウムを使用するということで印象に残っています。

ナトリウムは我々有機化学者にとっては、比較的に身近なに存在する物質で、試薬として反応に使用する以外にも色々用途が存在しました。(ただし40年も前のことで、現在はほとんど使われていません)このナトリウムは非常に怖い化合物として扱っていました。

ナトリウムはかなり軟らかい金属で、ナイフなどで簡単に切ることができるのですが、水に接触すると瞬時に反応し、水素ガスが発生します。普通ですと周りに空気がある、つまり酸素がありますので簡単に爆発してしまうわけです。特に溶融ナトリウム(簡単に液体になり水銀のようなイメージです)はこの発火性が強く、かなり取り扱いに注意していても、空気中の湿気により発火する可能性が高く、あまりやりたくない実験の一つでした。

また誤って手に触れたりすると、やはり水分により苛性ソーダとなりますので、かなりひどい薬傷になるという本当に怖いものでした。当然理由はあるはずですが、こんなものを冷却に使う装置とはいったいどんなものか、想像すらできませんでした。ですから稼働して1年程度でナトリウム漏れ事故が起きたのは当然のような気がしていました。

しかしこの高速炉の研究がうまくいくかどうかは、原子力政策の根源にかかわっているとも言えます。たぶんドイツやイギリスが撤退しているということは、本当に難しいことなのかもしれません。今回「もんじゅは」廃炉とするようですが、この高速炉研究はフランスと組んで続けるようですので、かなり高額になる可能性はありますが、続けるべき研究のような気がします。

脂肪肝のメカニズム解明

2016-09-29 10:47:45 | 健康・医療
大阪大の研究グループは、肝臓に中性脂肪がたまる脂肪肝が、脂肪などの分解作用を抑えるたんぱく質の増加によって引き起こされることを解明しました。脂肪肝の治療薬の開発につながる可能性を秘めた研究成果と期待されています。

肝臓は多数の肝細胞の集合体ですが、中性脂肪などの脂肪滴がたまった肝細胞が、全体の1割を超すと脂肪肝と呼ぶのが一般的なようです。慢性の脂肪肝は肥満や糖尿病、高脂血症などによって引き起こされるいわゆる生活習慣病ですが、これ自身はそれほど問題がないとされていたようです。

しかし近年は肝硬変の一里塚として、脂肪肝は万病のもと的な考え方が浸透しているようです。しかし具体的な治療法はなく、食事療法だけとなっています。また診断法も簡単なものがなく、色々なCTを組み合わせて、肝臓と脾臓の比を取ったりと正確に出すのはかなり大変なようです。ですから脂肪肝という名前はついているのですが、それほど注目されていないのが現状のようです。

今回の研究ではこの生活習慣病である脂肪肝が、日本では4人に1人が患っているとされるほど多く、重症化例も増加しているようです。脂肪肝の肝臓では脂肪など細胞内の不要物を分解する「オートファジー(自食作用)」の働きが弱まっていることが知られていましたが、詳しいメカニズムは分かっていませんでした。

このオートファジーという機構は、ヒトのような哺乳類だけではなく酵母のような真核生物にも備わっている、生命の基本的な作用です。本来は体内の栄養素などが不足した時に、タンパク質を分解するという物ですが、細胞内に侵入した病原菌などを排除するような、生体の恒常性維持にもかかわっているとされています。

この研究グループは、このオートファジーを抑える働きを持つ「ルビコン」というたんぱく質に注目しました。マウスに脂肪の多い餌を与えたところ、肝臓でルビコンが増えることを確認したとしていますが、この結果と脂肪肝形成との関連はよくわかりません。また、遺伝子操作でルビコンが働かないようにしたマウスは、脂肪を取り続けても肝臓に脂肪がたまりにくいことが分かったようです。

このルビコンというたんぱく質が、本来どのような役割を担っているのかは分かりませんが、ルビコンの作用阻害剤のようなものができれば、脂肪肝の予防や治療につながるとしています。しかし私の感じでは、このオートファジーというのは生命の根幹にかかわることですので、その作用物質に何かすると予想外の副作用が出るような気もしています。

日本発 ガン新薬

2016-09-28 11:08:21 | 
新聞にタイトルの記事が特集されましたが、これはガンの新薬の話というよりは、京都大学名誉教授の本庶佑(ほんじょたすく)先生の業績の話でした。

このタイミングでこういった記事が出るというのは、来週から発表になるノーベル賞が絡んでいるのかもしれません。本庶先生は今年度の医学生理学賞の候補とされています。また日本人のノーベル賞受賞が出ることは嬉しいことですが、その前置きとしてこの記事を紹介します。

本庶先生は京都大学でアポトーシスに関連する遺伝子を探索していました。「アポトーシス」というのは細胞が自ら死を選ぶ現象で、免疫とも関連すると言われていました。自ら死を選ぶというのも変な表現ですが、例えばガン関連で例を挙げて簡単に説明します。

細胞の遺伝子は色々なことで、例えば紫外線で有ったり発ガン物質などで傷つけられたり、分裂の際のコピーミスなどで一部正常でない遺伝子となってしまいます。これを修復する機構はあり、大部分は正常に直されるのですが、いわば修復不可能な遺伝子も出てくるわけです。

こういった正常でない遺伝子を持った細胞は、最悪の場合ガン化したりする可能性もあります。こういう時この正常でない遺伝子を持った細胞は、ある作用により自分から死を選んで死滅してしまうという機構が知られており、これおアポトーシスといっています。

具体的手法は省略しますが、本庶先生のグループはこれに重要な役割をする遺伝子の生産物として、「PD-1」と名付けたものを見つけました。これが1992年のことです。ところがこのPD-1をいろいろ調べたり、この欠損マウスを作ったりしてもアポトーシスが起きないことが分かりました。

そこでこのPD-1の役割をいろいろ調べたのですが、これが作れないマウスを観察していると、1年後に免疫が過剰に働いて起きる腎炎を発症したのです。これらの結果から、PD-1は免疫が過剰に働かないように、抑える働きをしていることが分かったわけです。

この仕組みを調べていくと、活性化した免疫細胞の表面にあるPD-1が、別の細胞の表面にあるPD-L1という物質と結合すると、その細胞への攻撃を止める指令を出すことが分かりました。ガン細胞でもPD-1を持った免疫細胞にPD-L1を結合させ、免疫の攻撃から逃れているということが推定されたわけです。実際にこのPD-1を持たないマウスにガン細胞を移植しても増殖しないことが確認できました。

こうして日米の製薬メーカーと共同で、このPD-1の抗体を作り働かないようにさせ、ガン細胞を免疫によって攻撃するという全く新しい治療法が確立できたわけです。現在はこの薬もかなり適用が広がり、どの程度の治療効果が出るか興味がもたれます。

東レPPO女子テニス 続

2016-09-27 10:35:32 | テニス
前回日本の新鋭、18歳の大坂なおみが順調に勝ち上がり、準決勝進出を決めたところまで書きました。

この東レパンパシフィックオープンは、日本の女子の大会では最大で、世界のトップクラスの選手が出場していますので、そのなかで準決勝つまりベスト4に入るというのは本当にすごいことです。

大坂はトップハーフに入っていましたので、準決勝は第1シードで世界ランキング3位の選手と当るだろうと思っていました。ところが準々決勝でこの選手がフルセット末敗れ、大坂の相手はランキング20位のウクライナのスビトリナに代わったのです。

この辺りが現在の女子の面白いところで、男子と異なりかなり上位選手が敗れる波乱が起きています。これならば大坂にも少しはチャンスがあると期待したのですが、残念ながらこの日は麻雀で見ることができません。念のためテレビ放映を調べたところ、BS-TBSでライブ中継する予定が出ていました。

日本での開催の大会で、日本人選手が準決勝まで行ったのですから、当然のような気がしますが、やはりテニスが錦織人気で注目度も上がってきたのかもしれません。おかげで録画しておいてゆっくり見ることができました。

しかし麻雀から帰ったときのかみさんの第一声が「大坂勝ったよ」でしたので結果が分かっていたのですが、なかなか良い試合でした。スビトリナのストロークがさえ、大坂はあまり良いところなく1セットを1-6という大差で取られてしまいました。しかしここで粘っていくというのは、18歳とは思えない大坂の強さで、ワンチャンスをものにし6-3で2セットを取りました。こうなると流れは大坂になり、相手のミスも増えファイナルセットを6-2でとり、見事逆転勝利したのです。

何とこの大会初めての決勝進出ですが、スポーツニュースなどでも小さな扱いで、大坂人気は出ていないようです。

さて決勝の相手ですが、ここでも波乱が起き、第2シードの昨年の覇者が敗れウオズニアッキ選手となりました。彼女は現在28位ですが、元世界女王でけがのため順位を落とし、今年になり復調してきた選手なので、当然の相手かもしれません。

当然BS-TBSの生中継ですので、少し前からテレビの前に陣取りワクワクしながら応援しました。この元世界女王ウオズニアッキに対しても、ほとんど同等のテニスをして素晴らしい接戦となりました。ところが5-5となったところでサーブがおかしくなり、7-5でこのセットを取られてしまいました。

どうも連戦の疲れからか右肩が痛いようで、得意の弾丸サーブどころか入れるのがやっとになってしまいました。こうなると力が発揮できず簡単にストレート負けとなってしまいました。

それでも準優勝はたいしたもので、表彰式では下手な日本語のスピーチでしたが、来シーズンに大きな楽しみができた大会となりました。

9月度定例麻雀大会

2016-09-26 10:38:48 | ギャンブル
24日の土曜日かなりの雨の中定例の麻雀大会を開催しました。

先日このブログにも書きましたように、夜ベッドに入ると咳が出てしまう日が続いていましたが、この日の3日前ぐらいからやっとこれが治まり、ゆっくり眠れるようになりました。これで体調が完全に良くなったのか、実はやや不安がありました。

電車で30分もかけて出かけ、6,7時間も麻雀を続けられるか、これで問題なければ完全に復調したことになります。麻雀は特に体を動かすわけではなく、打ち方もいろいろできますが、少なくともかなり集中力がないと、なかなか勝てないゲームです。

定刻の10分ほど前に集合場所に行くと、すでに2人来ていました。ところがここでもう一人から電話があり、昼食のレストランでやっと料理が来たので10分ほど遅れるとのことでした。そこで先にいつもの雀荘にいったところ、なんと満席で断られてしまったのです。かなり強い雨の中少し離れた雀荘を探したり、送れるメンバーを待ったりといろいろありましたが、何とか落ち着くことができました。

このところ酒もやや控えていたのですが、いつものようにビールで乾杯して始めました。私の手としてはそれほど良くはないのですが、そこそこの手で上がることができていました。ところがKSさんが親になり明らかについてきました。リーチをかければ自模ってしまうし、親満に近いような手を3度も上がってしまいました。

この親はなんとか流したのですが、その後もKSさんのツキは続き、かなり危険な牌を勝負しても当たらず、うまく上がってしまいます。当然この半荘はKSさんのトップで終わりましたが、私は若干沈みの2位と健闘した方でした。

問題は次の半荘でした。確か東ラスぐらいの時に、KSが国士無双風のきりをしてきました。若干気にしていたのですが中盤付近でKSさん以外からリーチがかかり、すぐにもう一人も追いかけてきました。二人リーチでは勝負にならず、素直に降りていました。この時トイツの1竹を切ろうとしたのですが、一人は現物でもう一人は4竹2竹を切っていますので、安全と思ったのですが、KSさんが「おお」とか言いながら牌を開いたのです。

何と国士無双が出来上がっていました。当然私はこれでハコテンとなり、ここで終了したのですが、非常に大きなマイナスとなってしまいました。このメンバーではかなり長いことやっていますが、たぶん初めての役満だったようです。

この後もKSさんのツキは止まらず、何と連続4半荘トップを取るという珍しいことになりました。最後の半荘で私がトップになり、トータルはやや沈んだ2位となりましたが、結局KSさんの大勝で終わりました。

私は最後まで体調が悪くなることもなく、楽しく打てましたのでそちらの方でほっとしました。