非常に長期間、多額の金をかけてほとんど稼働することのなかった高速増殖炉「もんじゅ」がついに廃炉となることが決まったようです。
もんじゅは1991年に完成し、1994年には臨界点まで達し、発電したようですが1995年にナトリウム漏えい事故を起こし、その後はほとんど稼働していないようです。
もんじゅについてはあまり詳しくはわからないのですが、いわゆる核燃料サイクルの重要な位置にいます。これは原子力発電によって出てくる、使用済み核燃料をいかに有効利用するかという、原子力政策全体にかかわってくる重要な問題です。
まず使用済み核燃料を再処理工場によりプルトニウムを取り出します。この抽出プルトニウムをMOX燃料工業により、次の原子炉燃料に加工し、それを使って実際の原子炉を運転するのが「もんじゅ」ということになるわけです。私の認識はこの程度ですが、実はもんじゅは冷却にナトリウムを使用するということで印象に残っています。
ナトリウムは我々有機化学者にとっては、比較的に身近なに存在する物質で、試薬として反応に使用する以外にも色々用途が存在しました。(ただし40年も前のことで、現在はほとんど使われていません)このナトリウムは非常に怖い化合物として扱っていました。
ナトリウムはかなり軟らかい金属で、ナイフなどで簡単に切ることができるのですが、水に接触すると瞬時に反応し、水素ガスが発生します。普通ですと周りに空気がある、つまり酸素がありますので簡単に爆発してしまうわけです。特に溶融ナトリウム(簡単に液体になり水銀のようなイメージです)はこの発火性が強く、かなり取り扱いに注意していても、空気中の湿気により発火する可能性が高く、あまりやりたくない実験の一つでした。
また誤って手に触れたりすると、やはり水分により苛性ソーダとなりますので、かなりひどい薬傷になるという本当に怖いものでした。当然理由はあるはずですが、こんなものを冷却に使う装置とはいったいどんなものか、想像すらできませんでした。ですから稼働して1年程度でナトリウム漏れ事故が起きたのは当然のような気がしていました。
しかしこの高速炉の研究がうまくいくかどうかは、原子力政策の根源にかかわっているとも言えます。たぶんドイツやイギリスが撤退しているということは、本当に難しいことなのかもしれません。今回「もんじゅは」廃炉とするようですが、この高速炉研究はフランスと組んで続けるようですので、かなり高額になる可能性はありますが、続けるべき研究のような気がします。
もんじゅは1991年に完成し、1994年には臨界点まで達し、発電したようですが1995年にナトリウム漏えい事故を起こし、その後はほとんど稼働していないようです。
もんじゅについてはあまり詳しくはわからないのですが、いわゆる核燃料サイクルの重要な位置にいます。これは原子力発電によって出てくる、使用済み核燃料をいかに有効利用するかという、原子力政策全体にかかわってくる重要な問題です。
まず使用済み核燃料を再処理工場によりプルトニウムを取り出します。この抽出プルトニウムをMOX燃料工業により、次の原子炉燃料に加工し、それを使って実際の原子炉を運転するのが「もんじゅ」ということになるわけです。私の認識はこの程度ですが、実はもんじゅは冷却にナトリウムを使用するということで印象に残っています。
ナトリウムは我々有機化学者にとっては、比較的に身近なに存在する物質で、試薬として反応に使用する以外にも色々用途が存在しました。(ただし40年も前のことで、現在はほとんど使われていません)このナトリウムは非常に怖い化合物として扱っていました。
ナトリウムはかなり軟らかい金属で、ナイフなどで簡単に切ることができるのですが、水に接触すると瞬時に反応し、水素ガスが発生します。普通ですと周りに空気がある、つまり酸素がありますので簡単に爆発してしまうわけです。特に溶融ナトリウム(簡単に液体になり水銀のようなイメージです)はこの発火性が強く、かなり取り扱いに注意していても、空気中の湿気により発火する可能性が高く、あまりやりたくない実験の一つでした。
また誤って手に触れたりすると、やはり水分により苛性ソーダとなりますので、かなりひどい薬傷になるという本当に怖いものでした。当然理由はあるはずですが、こんなものを冷却に使う装置とはいったいどんなものか、想像すらできませんでした。ですから稼働して1年程度でナトリウム漏れ事故が起きたのは当然のような気がしていました。
しかしこの高速炉の研究がうまくいくかどうかは、原子力政策の根源にかかわっているとも言えます。たぶんドイツやイギリスが撤退しているということは、本当に難しいことなのかもしれません。今回「もんじゅは」廃炉とするようですが、この高速炉研究はフランスと組んで続けるようですので、かなり高額になる可能性はありますが、続けるべき研究のような気がします。