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AIは人の知能になれるのか

2025-02-22 10:32:49 | その他
昨年のノーベル賞は、私のわかる分野でなかったためほとんど気にしていませんでした。この物理学賞の受賞者が、いつの日かAIは自我を持ち、人間を排除するのではないかという警告を出しているようです。

ただ現在ではほとんどの専門家がこの警告を否定しています。その理由は人工知能(AI)と人間の知能は本質的に異なるためとしています。しかし知能とは何なのか、その概念を再定義し、人間とAIの知能の違いを探求する必要があるようです。

またチャットGPTの基礎技術となる深層学習の生みの親でありAIの父と呼ばれる受賞者もインタビューで同様な懸念を示しています。さまざまな悪影響が制御不能に陥るという驚異も心配しなくてはならない。人間より賢いシステムが生まれ、支配するのではないかとしています。

彼はインタビューにこう答えています。私は50年もの間、AIを人間の脳に近づけようとして開発を重ねてきた。脳の方が機械的に優れていると信じていたからだが、2023年に感を改めた。現在対話型AIは人間の脳の100分の1の規模でも数千倍の知識がある。

おそらく大規模言語モデルは、脳よりも効率的に学習できる、というものです。チャットGPTに代表される生成AIは、機能を限定されることなく、幅広い学習ができる汎用性を持っており、AIが何を学ぶかを人間が制御できなくなってしまう懸念は理解できます。

囲碁や将棋に強いAIをトレーニングしたつもりが同時に暗殺プランを計画するのにも優れてしまったら、恐ろしいことといえるでしょう。

ここでは曖昧模糊とした知能を再定義し、AIと人類が持つ脳という臓器が生み出すヒトの知能との共通点と相違点を整理したうえで、自立的なAIが自己フィードバックにより改良を繰り返すことによって、人間を上回る知能が誕生するというシンギュラリティに達するという仮説の妥当性を考えてみます。

この著者は粉粒体の動力学などの分野で物理シミュレーションを行う研究を行い、近年は生命情報学を用いたゲノム解析を行っている物理学者です。

チャットGPTに代表される大規模言語モデルは、その構造を見る限り物理学の非線形非平衡多自由度系と何ら変わりがないとしています。これから知能と呼べるものは、生成AIであれ人の知能であれ、現実世界のシミュレーターであるという点で共通しているそうです。

結論としてはAIが人類のような知能を獲得することは非常に難しいものであり、シンギュラリティを否定しています。

この物理学的知能の話はよく理解できないので省略しますが、知能とはなかなか難しいものであることは確かなようです。


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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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ナノサイエンス (CCSCモデルファン)
2025-07-29 10:56:29
最近はChatGPT(LLM)や生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術とは違った日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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