過去のブログでも何度か指摘させていただいたが、現在の朴韓国大統領の振る舞いは日本が経験した鳩山元総理&民主党政権と酷似している。鳩山元総理を筆頭とする民主党政権の最大の弱点は外交センスの低さであり、今回の朴大統領の訪米での振る舞いの中に、その外交オンチさを確信した。
まず、今回の朴大統領の訪米の最大の目的は何か?それは、今後3年間以上に渡るパートナーシップを確立するために、相互の信頼関係を築くことである。北朝鮮問題という直接的な課題はあるが、その課題にしても信頼関係なくしては上手く機能することはあり得ない。だから、お互いが如何に信頼するに足る人物であるかを確認しあうのが最重要項目のはずなのだが、多分、朴大統領はそれに失敗したであろう。
というのは、今現在というタイミングをどう捉えるかであるが、もっともアメリカが気にかけているのは紛れも無くイスラエルを取り巻く情勢である。先日、イスラエルはイスラム教シーア派組織ヒズボラにイラン製ミサイルが輸送されるのを防ぐため、見かけ上は関係ない輸送系路上のシリアへの爆撃を行った。勿論、シリアもその辺の事情を承知の上での行動だろうから、ある意味では覚悟は出来ているのだろうが、当然ながら世界に対してはイスラエルの違法行為を訴えて、イスラム諸国の一致結束を呼びかけることになる。過去の歴史からも、アメリカがイスラエルを擁護するのは目に見えているから、こちらの方で本格的な戦争が勃発すれば、アメリカはとてもではないが北朝鮮に対して現在の兵力(ないしは有事に至れば、これまで以上の兵力)を割けたりはしないから、北朝鮮に対する出口戦略をそろそろ実行に移したいのが本音である。
しかし、北朝鮮はこの様な事態をお見通しであり、まさにこのチャンスを逃すはずがない。もし仮に私が金正恩なら、アメリカが本気にはなり難い軽微な挑発をこまめに繰り返し、そこでアメリカが軍事制裁に踏み切らないという実績を幾つか作り上げ、さり気なく「ここまでは大丈夫」というハードルを引き上げる工作を仕掛けるだろう。これにより緊張感はいっそう高まり、イスラエル問題と連動させてアメリカの譲歩を引き出そうとする考えである。しかし、アメリカは今度譲歩すれば次は確実に北朝鮮がアメリカ本土を攻撃可能な核を持つことに繋がるから、絶対に譲歩などはできない。結果的に、「その程度のことは韓国国内で何とかしてくれ・・・」ということになるかも知れない。しかし、韓国は既に国内経済がガタついて、北朝鮮にびびりまくっているから、それを見越した北朝鮮は韓国に更に無理難題を仕掛けてくるだろう。
この様な事態を回避するには、少なくとも日米韓での連携を強化し、少しも隙がない状態を演出しなければならないのは明白であるが、この期に及んで朴大統領は「日本外し」「日本叩き」にアメリカが協力するよう求めた訳である。実務家のオバマ大統領は、鳩山元総理の口先だけの「Trust me!」発言に懲りて、「俺は俺がやるべき仕事をきっちり責任を持ってやるから、あなたもそれに応えて下さい!」という自らの責任を自覚した発言及び行動を期待しているだろう。それに対し、朴大統領が何をしたかと言えば、「自分のやるべき仕事は棚に上げさせてもらったうえで、人には明らかに無茶な要求を平然と求めてくる」ということである。沖縄の米軍基地の返還に絡み、「私は国内に対してリスクを負って責任ある行動をしているのだから、アメリカにもちゃんとしてもらわねば困る」という強いメッセージを発信した安倍総理とは対極にある。
アメリカにとって最も厄介なのは、韓国と中国が過剰に接近し、朝鮮半島における米軍の軍事力を大幅に縮小せざるを得ない事態である。勿論、イランがらみで縮小したいのは山々であるが、フィリピンなどを見ても明らかなように、一度バランスを崩すとその後の状態回復に要するエネルギーはその何倍にもなる。だから、少なくとも金正恩体制が続き、核の危機が更に高まる危険性をはらんだ状態で、韓国が過剰に中国に接近するのはリスク以外の何物でもない。このタイミングで中国が北朝鮮への金融制裁を実行したのは何とも意味深であるが、もし仮に韓国が中国の意に沿って行動することへのご褒美だとすれば、既に韓国は中国の属国への道を歩み始めたと言わざるを得ない。中国も裏で何らかのことを行い北朝鮮を「生かさぬように、殺さぬように」と寸止め状態で生きながらえさせるであろうから、結局、韓国は失うものばかりで何も得るものがない状態となる。
だから、韓国の中国へのすり寄りは、結果として政権批判を行う国内勢力への対策としての意味しかない。中国と協調した日本叩きは短期的には効果があるのだろうが、実は韓国人は日本以上に中国が嫌いであり、中国人は日本以上に韓国が嫌いなのである。だから、結局、日本叩きに対してはアメリカから何一つ引き出すことが出来ず、さらにはジリ貧の韓国経済が悪化し、トドメに北朝鮮が何らかの行動を仕掛けてきたならば、朴政権は長くは持たないだろう。日本叩きなど単なる鬱憤晴らしでしかないが、中国の属国化は何千年もの歴史への逆行であるから、韓国国民がそれに納得する訳がない。結局、ポピュリズムの政治として韓国の歴史に汚点を残すのだろう。この様な状況で韓国経済が崩壊し、1997年の通貨危機の再来があったなら・・・。ひょっとしたら、民主党政権での日本とは比較にならないほどの高い授業料を韓国は払うことになるのかも知れない。
気が付くなら今のうちなのだが、オンチの人はオンチであることには気づけないのだろう。可哀そうだが・・・。
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まず、今回の朴大統領の訪米の最大の目的は何か?それは、今後3年間以上に渡るパートナーシップを確立するために、相互の信頼関係を築くことである。北朝鮮問題という直接的な課題はあるが、その課題にしても信頼関係なくしては上手く機能することはあり得ない。だから、お互いが如何に信頼するに足る人物であるかを確認しあうのが最重要項目のはずなのだが、多分、朴大統領はそれに失敗したであろう。
というのは、今現在というタイミングをどう捉えるかであるが、もっともアメリカが気にかけているのは紛れも無くイスラエルを取り巻く情勢である。先日、イスラエルはイスラム教シーア派組織ヒズボラにイラン製ミサイルが輸送されるのを防ぐため、見かけ上は関係ない輸送系路上のシリアへの爆撃を行った。勿論、シリアもその辺の事情を承知の上での行動だろうから、ある意味では覚悟は出来ているのだろうが、当然ながら世界に対してはイスラエルの違法行為を訴えて、イスラム諸国の一致結束を呼びかけることになる。過去の歴史からも、アメリカがイスラエルを擁護するのは目に見えているから、こちらの方で本格的な戦争が勃発すれば、アメリカはとてもではないが北朝鮮に対して現在の兵力(ないしは有事に至れば、これまで以上の兵力)を割けたりはしないから、北朝鮮に対する出口戦略をそろそろ実行に移したいのが本音である。
しかし、北朝鮮はこの様な事態をお見通しであり、まさにこのチャンスを逃すはずがない。もし仮に私が金正恩なら、アメリカが本気にはなり難い軽微な挑発をこまめに繰り返し、そこでアメリカが軍事制裁に踏み切らないという実績を幾つか作り上げ、さり気なく「ここまでは大丈夫」というハードルを引き上げる工作を仕掛けるだろう。これにより緊張感はいっそう高まり、イスラエル問題と連動させてアメリカの譲歩を引き出そうとする考えである。しかし、アメリカは今度譲歩すれば次は確実に北朝鮮がアメリカ本土を攻撃可能な核を持つことに繋がるから、絶対に譲歩などはできない。結果的に、「その程度のことは韓国国内で何とかしてくれ・・・」ということになるかも知れない。しかし、韓国は既に国内経済がガタついて、北朝鮮にびびりまくっているから、それを見越した北朝鮮は韓国に更に無理難題を仕掛けてくるだろう。
この様な事態を回避するには、少なくとも日米韓での連携を強化し、少しも隙がない状態を演出しなければならないのは明白であるが、この期に及んで朴大統領は「日本外し」「日本叩き」にアメリカが協力するよう求めた訳である。実務家のオバマ大統領は、鳩山元総理の口先だけの「Trust me!」発言に懲りて、「俺は俺がやるべき仕事をきっちり責任を持ってやるから、あなたもそれに応えて下さい!」という自らの責任を自覚した発言及び行動を期待しているだろう。それに対し、朴大統領が何をしたかと言えば、「自分のやるべき仕事は棚に上げさせてもらったうえで、人には明らかに無茶な要求を平然と求めてくる」ということである。沖縄の米軍基地の返還に絡み、「私は国内に対してリスクを負って責任ある行動をしているのだから、アメリカにもちゃんとしてもらわねば困る」という強いメッセージを発信した安倍総理とは対極にある。
アメリカにとって最も厄介なのは、韓国と中国が過剰に接近し、朝鮮半島における米軍の軍事力を大幅に縮小せざるを得ない事態である。勿論、イランがらみで縮小したいのは山々であるが、フィリピンなどを見ても明らかなように、一度バランスを崩すとその後の状態回復に要するエネルギーはその何倍にもなる。だから、少なくとも金正恩体制が続き、核の危機が更に高まる危険性をはらんだ状態で、韓国が過剰に中国に接近するのはリスク以外の何物でもない。このタイミングで中国が北朝鮮への金融制裁を実行したのは何とも意味深であるが、もし仮に韓国が中国の意に沿って行動することへのご褒美だとすれば、既に韓国は中国の属国への道を歩み始めたと言わざるを得ない。中国も裏で何らかのことを行い北朝鮮を「生かさぬように、殺さぬように」と寸止め状態で生きながらえさせるであろうから、結局、韓国は失うものばかりで何も得るものがない状態となる。
だから、韓国の中国へのすり寄りは、結果として政権批判を行う国内勢力への対策としての意味しかない。中国と協調した日本叩きは短期的には効果があるのだろうが、実は韓国人は日本以上に中国が嫌いであり、中国人は日本以上に韓国が嫌いなのである。だから、結局、日本叩きに対してはアメリカから何一つ引き出すことが出来ず、さらにはジリ貧の韓国経済が悪化し、トドメに北朝鮮が何らかの行動を仕掛けてきたならば、朴政権は長くは持たないだろう。日本叩きなど単なる鬱憤晴らしでしかないが、中国の属国化は何千年もの歴史への逆行であるから、韓国国民がそれに納得する訳がない。結局、ポピュリズムの政治として韓国の歴史に汚点を残すのだろう。この様な状況で韓国経済が崩壊し、1997年の通貨危機の再来があったなら・・・。ひょっとしたら、民主党政権での日本とは比較にならないほどの高い授業料を韓国は払うことになるのかも知れない。
気が付くなら今のうちなのだが、オンチの人はオンチであることには気づけないのだろう。可哀そうだが・・・。
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