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中国・聯想へのPC事業売却、8日にも合意発表

2004年12月08日 | なんとなくアレなやつ
中国・聯想へのPC事業売却、8日にも合意発表 IBM (朝日新聞) - goo ニュース

中国のレノボ:IBMのパソコン事業買収ならコンピューター世界3位(Bloomberg.co.jp)

いやー。驚いた。
同業他社としては、かなりびっくりニュース。何が何なのか、一瞬さっぱり分からなかった。
しかも突然だもんな。まあ、事前に何か示唆するような真似はしないだろうけど・・・。

どれくらい衝撃的で有り得ないかというと、俺がいきなりVanilla MoodのYuiちゃんから「好きです!付き合ってください!」と言われるくらい衝撃的で有り得ない。

何が起きたかというと、単純にIBMがPC部門をあきらめて、レノボという会社に売却したということ。おかげで、レノボは世界市場3位に、というお話し。

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世界のパソコンメーカー、トップ10(出荷数)
1. Dell Inc.
2. Hewlett-Packard Co.
3. IBM Corp.
4. Fujitsu/Fujitsu Siemens
5. Toshiba Corp.
6. Acer Inc.
7. NEC Corp.
8. Lenovo (Legend)
9. Gateway Inc.
10. Apple Computer Inc.

(Bloomberg.co.jp)
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確かにPC販売というものは薄利多売。売ってなんぼの世界。
特にDELLが低価格でPCを売り始めてからは、価格競争に拍車がかかり、すずめの涙からするめの涙くらいの利益になってしまった(例えになってないけど)。

そんな激戦区の中で、メーカーにとってのPCというものはある種意味合いが変わっていった。
単純に箱を売るのではなく、それに付随するソフトにおける収益を見出すというものだ。
例えば、自前のプロバイダーのスタートアップキットを付ける、だとか、自前のソフトウェアをつけるだとか。PCの利益を得るという体制から、PCという媒体を売りその付属品で利益を増す、という体制へとシフトしていった。そして、メーカーはこのソフトウェア他を「付加価値」と呼んでいた。

こういった付加価値と言われている付属品は、メーカーが付加価値と「思いこんでいたい」だけで、実際は付加価値でもなんでもない。実際には、OSだけ載っていれば、他ソフトは別口で購入するユーザの方が多いのではないだろうか?私もメーカー勤務でありながら、個人のPC購入後、ほとんどのソフトをすぐに消した。きっとある程度PCが使える人なら、誰しもがそうするはずである。

実はそこを狙ったのがDELL。ソフトの類はハードには付けず、最低限のものだけを提供する。必要であれば、PCのスペックをオプションでカスタマイズすることも出来る。
日本のメーカーが「PC+ソフト」を、「企業戦略」だとか「付加価値」だとか「総合サービス力」なんぞわめいている間にDELLに足元をすくわれた、というのが現状なのではないだろうか。

今度は個人向けではなく一般企業向けのPC販売に注目すると、「ユーザのIT環境のをトータルに構築・管理する」というものがメーカー戦略として打ち上げられていた。つまり、サーバ、クライアントPC、ハード保守、ネットワーク設計・構築・メンテ、ITソリューション・・・と何から何までをカバーするというのが、なんとなく常識だった。そこで「当社製品でインフラを固める事により、さらに効果的なITインフラを構築出来る」という謳い文句の元、半ば強制的にPCもセット販売していた、というのが現状ではないだろうか。

さて、話しを戻すと、今回IBMがPC部門だけを切り離したというのは、一種、新しい時代の扉が開かれたような気がしてならない。恐らくIBMが視野に入れているのは「ハード・ソフト・サービス」の分離化、そして「クライアント・企業向け」の分離化。つまり、今後は自社得意分野に特化した企業を目指すべきというのがIBMの方針なのだろう。

今後IBMは、サーバや大型汎用機への力を集中させるだろうし、他サービス的な方向へと移行するだろう。というよりも、既にしている。最近IBMがやたら謳っている「ON DEMAND SERVICE」や「ITIL」への本格的な着手がまさにその象徴だろう。また、今までスパコン世界一をキープしていたNECを追い越すために、莫大な投資をしてスパコン世界一を取り戻した、というのもサーバに集中する上では、ある種必須項目だったのだろう。

企業戦略はご立派、恐れ入ったが、今後のレノボはどうなるのだろうか。
正直、世界3位と言いながらも、現状はかなり厳しいと思う。

日本、欧米に限った事ではないのだが、国民というものは、多かれ少なかれ愛国心というものを抱いている。アメリカは、最近でこそ少しずつ変わってきてはいるものの「やっぱり自国製品の方が愛着があるし、信用が出来る」という固定観念を持っている人が多い。個人消費部門においては、家計がひっ迫されているという現状があるから、日本や中国の安価な廉価品を購入する人が多いが、とかく「ビジネス」になると、邦人企業が地元企業のシェアを食うことは、非常に厳しい。

日本もきっと似たりよったりだ。結局「いやー、うちはずっと○○さんにお願いしてるからねぇ」と新しいものを受け入れにくいきらいがある。

レノボも、IBMの地盤をそのまま引き継ぐと行っても、きっとグローバル企業になれるのはまだ当面先なのだろう。ただし、唯一望みがあるとすれば、さっきの「愛国心」的な要素が和らぎ、シックスシグマやトヨタ生産方式などなど、コスト削減徹底が本当の意味で徹底されること、ではないだろうか?

多くの企業がコスト削減と謳いながら、様々な策を講じているものと思われるが、どこまで徹底されているかというと甚だ疑問だ。「接待費」や「タクシー代」なんて言葉がまだはびこっている時点でおかしい。

この本当の意味でのコスト削減が実施されれば、PCの購入費や維持費なんて真っ先に目をつけられる。とにかく安価な廉価品を求めるに決まっている。そうなればレノボ(とDELL)の独壇場だろう。「PC+ソフト」だとか「スペックが・・・」なんて言っているようじゃ、たちまちにレノボにシェアを食われてしまうだろう。

といったような具合で、殴り書きで書いてみたものの、途中で面倒くさくなったので終わり。
ま、所詮、平社員の偉そうな客観的な意見。どうでもいいよ。
相場師じゃないんだから、今後どうなるかなんて分からないよ。もしかしたらレノボが明日倒産してるかもしれないし。
どうなるかなんてその時考えりゃいいんだよ。

俺は、今そんなことよりも、Vanilla MoodのYuiちゃんの事で頭がいっぱいなのれす。
むふふ・・・。
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戦略アル撤退 (ビズチャイナ)
2004-12-10 01:47:44
 【2004年12月8日 ビズチャイナ】IBMのPC事業撤退には戦略があると見るべきだ。IBMは「法人顧客に高付加価値のソリューションを供給する世界的リーダーになる」と公言し、利益が見込めるシステム・ソリューション事業に特化していく方針を明らかにしている。IBMは「パワーマイクロプロセッサー」のオープン基本技術を普及、推進する企業連合「Power.org」をこのほど15社で結成。カスタマイズが可能なマイクロチップ「パワーマイクロプロセッサー」がいずれ中国のサーバー基準になると踏んでいる。
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