that blog-ish thingy

ブログ的なアレです。

ネタがないので本の紹介でも。

2009年06月04日 | 本・映画・音楽レビュー
ネタがないです。
なので最近読んで面白いなと思った本のこと書きます。

御宿かわせみ三十二:十三歳の仲人 - 平岩弓枝

どこでどう手に入れたのか全く憶えていないのだけれども、とりあえず文庫で持っていたので読んでみた。

面白い。

ざっくりと言ってしまうと、「かわせみ」という宿屋で起きる色々なイベントを、時に面白おかしく、時に切なく描いた江戸っ子義理人情短編小説と言ったところか。

そういう意味では、雰囲気は鬼平犯科帳に似ている。
時代設定もそこそこ近いし。

ただ、鬼平よりもマイルド。
鬼平がブラックコーヒーならば、御宿かわせみはラテと言ったところか。
スターバックス風に言うのであれば、鬼平がエクストラホットトリプルグランデマキアートで、御宿かわせみがトールバニラソイラテ。
(別に言い直す必要無かったけど)

いずれにしても、かなりオススメ。
予備知識もいらないし、そういう意味では歴史小説が苦手な人にも優しい作品。

ちなみにこの「御宿かわせみ」はシリーズものらしいので、また日本に帰った際にでも大量購入してみようと思う。



覇王の家 - 司馬遼太郎

武田信玄、真田昌幸、真田幸村(信繁)あたりが個人的には好きだ。
それは彼らの頑固さ、一途さが美しいからだろうか。
「滅びの美学」という表現は大袈裟だから使いたくは無いのだが、彼らの生き様は、桜などにも似た華やかさ、潔さ、儚さがあり、美しさはより強烈に印象付けられる。

そういうこともあってか、徳川家康はかなり苦手。
フテブテしくて、ネチッこくて・・・もう見苦しいったらありゃしない。

で、この「覇王の家」は徳川家康の話。
何で買ったんだろ?とセルフツッコミを入れながらも試しに読んでみると・・・。

うーん、なるほどね。
フテブテしくて、ネチッこいのは印象としては変わらないけれども、まぁ、そういうことだったのね、仕方ないね、と。

そういう意味では多少なりとも徳川家康に対する心象は良くなったかな?
相変わらず「あまり好きになれない戦国武将」であることには変わりはないけれども。

まぁ、司馬遼太郎なので小説としてはかなり面白いですけど、他の作品に見られるような爽快感はあまり無いので予めご注意ください。



伊坂幸太郎の

オーデュポンの祈り
ラッシュライフ
重力ピエロ
グラスホッパー

例えば東野圭吾であれば「小説の旨みを最大限に活かしながら、理系スパイスを絶妙にブレンドした小説」なんて形で表現が出来る。
海堂尊も「医療業界へのシャウト」もしくは「緩い風呂(熱い部分とぬるい部分が混在しているという意味で)」なんて言えるかもしれない。

いずれの場合も、「これっ!」という際立った特徴があるし、その限りにおいては他の作家たちとの比較も出来る。

が、伊坂幸太郎に関してはそれが出来ない。
掴みどころが無い。
他の作者ともイマイチ比較が出来ない。

もう、何て言えば良いのかなぁ・・・天才?奇人?変態?
なんか、そういうすごく特殊な評価しか出来ないんだよなぁ・・・。

まぁ、そういうわけです。
騙されたと思って読んでみてください。
かなり面白いです。
好き嫌いはだいぶあると思いますけど。



以上、読んで面白いなと思った作品でした。
次は何読むかなー。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする