西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

マーラー・交響曲第8番「千人の交響曲」

2007-09-12 09:23:13 | 音楽一般
今日は、マーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」が初演された日です(1910年、ミュンヘン)。
この曲の副題を見た時、ただ大勢で演奏すればいいということではないだろう、などと思ったことがありました。別にベートーベンの弦楽四重奏曲の世界を素晴らしいものと思っていたからということでもなかったでしょう。1000人はあまりにも仰々しく思えたのです。しかし後になって、マーラーの交響曲を聴くようになり、その第1番「巨人」から第7番「夜の歌」までの道程を見るならば、このような大規模な交響曲が次に来るというのも故ないわけではなかったのでしょう。マーラーがその時表したかったことは、このような表現方法を取るのが、過ぎたことでは決してなかったのです。しかし、「大地の歌」を挟んで、第9番はまた、いや寧ろ室内楽的な規模の状態にまで抑えられた交響曲が生まれたのだった。これもまた必然であったのかも知れない。
この8番は、5番や4番など多く慣れ親しんだマーラーの交響曲に比べると、まだ十分に聴いているとは言えないところですが、「のだめ」で何回かこの交響曲が顔を見せた時がありました。その時、何かまだ気付いてなかったことに気付いたような気がしました。要するに、まだ自分の中で十分咀嚼するまでにはなっていなかったということです。
ゲーテの「ファウスト」が、音楽の世界でも大きな影響を及ぼしているということを書きましたが、この第2部にも出てきます。というよりもマーラーの思想の中核になっているように思います。第1部では、ラテン語、第2部ではドイツ語で歌われていますが、その歌詞もしっかり熟知したうえで、じっくりこの曲の持つ意味を考えたいと思っています。



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