西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ミサ(2)

2017-02-14 17:52:20 | 音楽一般
Gloria(栄光) 
 
Gloria in excelsis Deo,               
グローリア イン エクスケルスィース デオー
                 
et in terra pax hominibus bonae voluntatis. 
エト イン テッラー パークス ホミニブス ボナエ ウォルンターティス
    
Laudamus te, benedicimus te,  
ラウダームス テー ベネディーキムス テー
      
adoramus te, glorificamus te.       
アドーラームス テー グローリフィカームス テー
      
Gratias agimus tibi propter magnam gloriam tuam. 
グラーティアース アギムス ティビ(ー) プロプテル マグナム グローリアム トゥアム

Domine Deus, Rex caelestis, Deus Pater omnipotens. 
ドミネ デウス レークス カエレスティース デウス パテル オムニポテーンス
      
Domine Fili unigenite, Jesu Christe, altissime.  
ドミネ フィーリー ウーニゲニテ イェースー クリステ アルティッスィメ
    
Domine Deus, Agnus Dei, Filius Patris.  
ドミネ デウス アグヌス デイー フィーリウス パトリス
          
Qui tollis peccata mundi, miserere nobis.  
クィー トッリス ペッカータ ムンディー ミセレーレ ノービース
  
Qui tollis peccata mundi,  
クィー トッリス ペッカータ ムンディー

suscipe deprecationem nostram.     
ススキペ デープレカーティオーネム ノストラム

Qui sedes ad dexteram Patris, miserere nobis.  
クィー セデース アド デクステラム パトリス ミセレーレ ノービース

Quoniam tu solus Sanctus, tu solus Dominus, 
クォニアム トゥー ソールス サンクトゥス トゥー ソールス ドミヌス

tu solus Altissimus, Jesu Christe. 
トゥー ソールス アルティッスィムス イェースー クリステ

Cum Sancto spiritu in gloria Dei Patris. 
クム サンクトー スピーリトゥー イン グローリアー デイー パトリス

Amen.          
アーメン


excelsis excelsus(形)lofty(非常に高い)が、ここではexcelsum(名)an elevated station(高い場所)の意で使われ、その複数奪格形                 
hominibus homo(通)人、の複与格形
bonae bonus(形)良い・善い、の女性単数属格
voluntatis voluntas(女)意志・意図、の単属
Laudamus laudo(1)ほめる、の能動相直説法複数1人称
benedicimus benedico(3)祝福する、の能動相直説法複数1人称
adoramus adoro(1)崇める、の同前
glorificamus この語は、所持する2つの辞書に出ていなかった。しかしgloriとficamusの合成であることがわかる。前者はgloria(女)栄光、から。後者はfacio(3b)する・作る、の変形。第一変化動詞となっている。形は同前。
Gratias gratia(1)感謝・恩義、の複数対格
agimus ago(3)行う、の能動相直説法複数1人称、gratias ago で「感謝する」の意の熟語
propter(前)~のために
caelestis coelestisとなっていたが、辞書によると誤りのよう。caelestis (形)of heaven(天の)の男性単数呼格
omnipotens omnipotens(形)almighty・omnipotent(全能の)の男性単数呼格
Domine Fili unigenite, Jesu Christe, altissime この行はすべて呼格形。
fili filius(2)息子、の本来の呼格形はfilieだが、約音によりこの形になる。
unigenite この語も、所持する2つの辞書に出ていなかったが、uniとgenitusの合成であることがわかる。前者はunus(数)一つ、から。後者はgigno(3)生む、の完了分詞genitus、から。
altissime altus(形)高い、の最上級altissimus、より。
agnus(2)仔羊、の単数主格形          
Qui qui(関代)で、男性単数主格
tollis tollo(3)取り除く、の能動相直説法現在単数2人称
peccata peccatum(2)罪、の複数対格
mundi mundus(2)世界、の単数属格
miserere misereor(2)(形式所相動詞)憐れむ、の命令法現在単数2人称
nobis nos(我々)の与格または奪格形。misereorは普通属格を支配するが、ここは形式所相動詞に多く見られるように奪格を取っていると考える。   
suscipe suscipio(3b)引受ける・始める、の能動相命令法現在単数2人称
deprecationem deprecatio(女)appeal(訴え・嘆願)、の単数対格
sedes sedeo(2)座る、の能動相直接法現在単数2人称
quoniam(接)~だから
solus(代名詞的形容詞)ただ一人(一つ)の、男性単数主格
spiritu spiritus(4)霊魂、の単数奪格形

(筆者訳)
いと高きところには神に栄光が、
そして地には善意の人々に平和が。
我らは汝をほめ、汝を祝福する。
我らは汝を崇め、汝を賞賛する。
我らは汝の大いなる栄光ゆえに汝に感謝する。
主なるひとり子よ、至高のイエス・キリストよ。
主なる神よ、神の仔羊、父の子。
あなたは世の罪を除き給う、我らを憐れみ給え。
あなたは世の罪を除き給う
我らの願いを聞き入れよ。
あなたは父の右に座っておられる、我らを憐れみ給え。
あなたただ一人が聖なるお方だから、あなたがただ一人が主であられる、
あなたがただ一人が至高なるお方、イエス・キリストよ。
聖霊とともに、父なる神の栄光のうちに、
アーメン(そうでありますように)

ラテン語の名詞は、変化で分類すると、第一変化名詞から第五変化名詞までの5つに分けられる。動詞に倣い、(1)(2)(3)(4)(5)と記号で表すことにする。(1)は-aで終る女性名詞、(2)は-usで終る男性名詞と-umで終る中性名詞、(3)は男女中性名詞が含まれる。(4)は-usで終る男性名詞、(5)は-esで終る女性名詞、である。(1)(2)(4)(5)について、これ以外のものも少数あり、そのうちの多くは例外に当たると考えてよい。これらのものについて示す時、および(3)については、(1男)(2女)(3男)(4中)(5男)などと示すことにする。男性女性共通の名詞は、通性と呼ばれ、(通)と示す。格については、ラテン語は、主格(~は)、属格(~の)、与格(~に)、対格(~を)、奪格(~から・~によって・~と共に)、呼格(~よ)の6つあり、意味はそれぞれに示した通りであるが、他の用法も多く見られる。呼格は、-usで終る第二変化名詞(男性名詞と例外的な女性名詞がある)の単数で-eの形を持つが、第二変化名詞の複数形を含め、これ以外のすべての変化において、主格と共通である。

形容詞は、名詞の第一変化(女性)と第二変化(男性・中性)の変化語尾からなるものと第三変化と同じ変化語尾を持つものとがあるだけである。

名詞、形容詞とも変化の中には基本形から少し離れた変化をするものもある。