西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

選集ーショスタコーヴィチ

2015-07-18 14:32:57 | 音楽一般


シベリウス、グリーグの後は何を、と思っていたら、長年とっている「モーストリー・クラシック」7月号が届いた。ショスタコーヴィチ《保存版》とある。確かに内容は読み応え十分。それで迷わず「ショスタコーヴィチ」となった。BRILLIANTで27枚組。実はこれ以前、交響曲全集(バルシャイ指揮)が出ていて、交響曲の全集なら、すでにコンドラシン(LP)とロジェストベンスキー(CD)があるので買うつもりはなかったが、協奏曲、室内楽のほぼ全曲が加わったので迷わず購入。しかし全然聴いていなかった。しかしこれには歌劇「カテリーナ・イズマイロヴァ」「鼻」それに歌曲などはなかったが、これを上回るものは出ないだろうと思っていた。そうしたらBRILLIANTさん、見事にそれを裏切り、なんと49枚組を出した。昔だったら即購入したが、整理整頓時代の私はやめることにした。いつ聴くの? 今でしょ。 とはなかなかできそうもない。
そういうことでこの27枚組を聴いて今現在交響曲10番まで聴いたところ。BGMのように。

ショスタコーヴィチの作品群を見るとなかなかおもしろいことに気づく。
交響曲と弦楽四重奏曲が15番まで。ピアノ、バイオリン、チェロの各協奏曲が2曲、バイオリン、ビオラ、チェロのソナタが各1曲。作曲開始当初からそうするつもりだったとは思えないが、69年の生涯を終え、そのような作品数が残された。

ビオラ・ソナタの作曲者は極めて少ないと思うが、ショスタコーヴィチは最後の作品(Op.147)にこれを作曲した。それで思いつくのは、バルトークである。バルトークの場合は、ビオラと言っても、ビオラ協奏曲だが、ビオラは生涯の最後に取り上げたくなる弦楽器なのだろうか。もっとも、ショスタコーヴィチと違って、バルトークは自分で最後まで完成できずに未完で残された。

ショスタコーヴィチの歌曲に、11曲からなるミケランジェロ歌曲集がある。ビオラ・ソナタの2つ前の作品番号(Op.145)が付いている。ミケランジェロ歌曲集と言うと、ヴォルフを思い出す。やはり晩年の作品だ。こちらは3曲のセット。もう1曲書こうとしたらしいが。もちろん画家であり、彫刻家である偉大なルネサンスの巨匠であるが、日本では詩人としてはあまり評価されていないのかその詩集は目にすることがないように思う。このショスタコーヴィチの歌曲集は、ピアノ版と管弦楽版の2種あるが、ゆっくり詩を玩味しながら聴いて、ショスタコーヴィチが訴えたいものを感じ取りたいと思うのであるが、いつできるか。同じことはヴォルフの作品についてもいつも思うことだ。