けんけんブログ -guide diary-

国際山岳ガイド近藤謙司の冒険案内記!
“ハイキングからチョモランマまで”

プジャの怪しい白い粉

2009-05-08 22:23:03 | エベレスト09
けんけん@エベレストBCです。
昨夜は、寒すぎてブログ更新ができませんでしたが、
電気はパワーフィルム絶好調で全ての電気機器が動いてます!

さて、昨日はチベット仏教の安全祈願“プジャ”でした。
石組みの祭壇にタルチョ、ルンダ、カタ、そしてAG旗と
おまけの鯉のぼりを飾りました。
写真は、プジャで久々にビールで乾杯をする面々!いい顔!

お菓子、お米、ビール、コーラ等のお供え物と
祈願の対象物となるアイゼン、ピッケル、靴、
ハーネスなどを並べてお祈りをささげます。

お経を読むのは、ネパールスタッフのラム・バブ。
ラマ坊さんの資格を持っている真面目な男です。

ひと通りのお経が終わると、最後に“ツァンパ”という
麦焦がしの白い粉が配られて、いっせいに天に投げられ、
頬や額、肩にも擦り付けられます。

この粉が身体につけば百人力!いや千人力!
登頂のパワーを出す魔法の粉かもしれません。

しかし…

プジャ終了後、 例の西稜に残されていた東京ドームのような
懸垂氷河が崩壊し、下を歩いている登山者を巻き込みました。
奇跡は、そう何度も続かない…
まさかと思ったのは、C1に残っているマックの存在。

C1から下るときには、無線連絡するって言ってたから大丈夫と思うけど、
念のために連絡すると、C1にまだいました。

C1は、風が強く、バーナーでお湯を沸かすことが困難で、
出発が遅れて、のんびり仕度しているとの事。
もし、C1が無風でマックが予定通り朝早くに下山開始していたら…
ぞっとします。

それでもルートは、デブリで壊れ、新しい雪でクレバスが隠れて見えず、
そして、さらに次の氷河が落ちてくる可能性もあり、マックを無線で誘導。
氷河の真下の手前で息を整え、一気に100m位を駆け下りてもらいました。

なんか本当にエベレストの神や皆が守ってくれている気がしてきました。
無事に戻ったマック!
今日も、隊員たちはのんびりモードで、
コックのマイラにメンチカツを教えたり、洗濯をしたり…って感じでしたが、
ネパールスタッフは、ルート工作と荷揚げのために
今日から既に上部キャンプに向けて出発しました。
C4(アタックキャンプ)までの準備が整うまではBCに戻りません。

AG本隊も、明日から、C3への高度順応に出発しますが、
一日遅れで帰ってきたマックと体調がいまいちのタカちゃんはBCで
2~3日休んでもらいます。

皆さん、是非是非、二人が元気出るよう、応援お願いします!
そして、氷河が落ち着いていてくれることも祈ってください。

天気予報的には、悪い周期に入ってしまうんですが、
なんとか高所順応を済ませたいと思っています。

純ちゃん先生、哲王先生、そしてけんけんの3人は早朝に出発し、
あのアイスフォールを登り、できれば、C1を通り越して
C2にダイレクトに入りたいと思います!!

<けんけんチーム予定>
5月9日 BC→C2
5月10日 C2→C3→C2
5月11日 C2→BC

では、またBCに戻りましたら直接アップしますね。