Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

チョークの色

2009-01-04 21:39:40 | 教師修業
 12月10日の研究授業で印象的だったことのひとつに,チョークの色がある。
 授業者は,板書に茶色のチョークを使い,「茶色で書いたところは,ノートには書きません」と指示した。すると,子どもが「え?それ,茶色なの?赤だと思った」と反応した。
 茶色は判別しにくいということである。

 また,私の勤務校の少人数指導担当の先生は,よく青のチョークを使う。
 ノートに青鉛筆で書くべき事項を青チョークで板書しているようだが,はっきり言って見えにくい。

 勤務校には,白,黄,赤,青,紫,緑,茶色のチョークが置いてある。
 私が使うのは,基本的に白と黄色だけである。たまに赤も使うが,ごくまれである。文字を書くときに青,紫,緑,茶色のチョークを使うことは絶対にない。

 なぜか。
 色が見えにくいからである。

 文部科学省から2003年に出された『色覚に関する指導の資料』というパンフレットがある。
 そこに,次のようにはっきり書かれている。

「白と黄のチョークを主体に使います。」
「黒板上に赤,緑,青,茶色などの暗い色のチョークを使用すると,見えにくいため,避けるようにします。」

 さらに板書例まで図示されている。

 男子の5%,女子の0.2%は色覚異常である。特にこのような人たちにとっては,色の判別はつきにくいのである。

 また,色チョークを使えば使うほど,ごちゃごちゃして分かりにくい板書になるような気がする。

 パンフレットには,次のようにも記されている。

「あえて,白と黄以外の色チョークを使用する場合には,アンダーラインや囲みをつけるなどの色以外の情報を加えます。」

 どうしても使いたい場合は,蛍光チョークを使うとよいと教わったこともある。
 実際使ってみたこともあるが,私の感覚ではやはり赤は見づらかった。
 また,蛍光の黄色チョークよりも,普通の黄色チョークの方が見やすいように感じた。
 
 また,採点・添削についても,次のように記されている。

「細字の赤ペン・ボールペンは避け,色鉛筆などの太字の朱色を使用します。」
「色覚異常の児童生徒は,暗い所では,細字の赤と黒の識別が難しいことがあるので,採点や添削に際しては,色鉛筆などの太字の朱色等を使用します。」

 私はほとんどの場合,赤鉛筆(朱色・VERMILION)を使う。たまに赤のサインペン,水性マジックを使うこともある。
 TOSSの先生方は赤鉛筆を使うが,それには上記のようなメリットもあったのである。