Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

新指導要領「なべなべそこぬけ」

2009-01-05 00:23:34 | 体育
 2009年度の『楽しい体育の授業』で連載をいただいた。
 テーマは「新指導要領で体育授業はこう変わる/1年生」である。
 4月号は体ほぐしがテーマになっている。

 私が1年生を担任したときの記録を読み返してみた。
 1時間目に着替えの指導,整列と集合ゲームをし,2時間目に集合ゲームと太鼓に合わせた走,そして体ほぐし「なべなべそこぬけ」を行っている。ただし,2人組→4人組と進んだところで時間切れとなり終了している。

 この記録(2006年4月18日)から読み取れることは,次のことである。

 ①太鼓の数を聞いてペアを作る活動は,スムーズにできた。
 ②2人組のなべなべそこぬけは,問題なくできた。
 ③4人組は,できないグループが多かった。
 ④できたグループもあったが,できるコツが他のグループに広がっていかなかった。
 ⑤仕方がないので,教師がコツを伝授した。
 
 注目すべきは,④である。
 
 わずかだが,できたグループがあったのである。しかし,できないグループはそのままだったということである。
 つまり,上手にできたグループの動きを理解することができなかった,もしくは観察していなかったのである。
 
 ここに教師の手立てが必要である。
 私のこのときの実践では,やむなく直接コツを教えている。
 しかし,教師が一方的に教えるのではなく,子どもたちが自分の頭と体でコツをつかむように仕向けていくとよい。
 テクニカルポイントを発見させるのである。
 つまり,論理的思考をさせるのである。
 
 論理的思考を促すのは,発問である。

「どうやったら○○さんのグループのようにできるのでしょうか」

 例えば,「2人が手を挙げて,その中をほかの2人がくぐる」などと答える子どもがいるはずである。
 話す言語活動が行われることになる。
 
「○○さんのグループの動きをまねしてみよう」

 このように指示することによって,4人の間にコミュニケーションが生まれる。
 どうすればできるか話し合い,誰が手を挙げるかを決めていく。
 協力しなければ,4人組は成功しない。
 
 この4人組の動きが基本になる。8人組以降の動きの原理は同じである。
 つまり,4人組の動きが「習得」,8人組以降の動きは「活用」に当たる。

チョークの色

2009-01-04 21:39:40 | 教師修業
 12月10日の研究授業で印象的だったことのひとつに,チョークの色がある。
 授業者は,板書に茶色のチョークを使い,「茶色で書いたところは,ノートには書きません」と指示した。すると,子どもが「え?それ,茶色なの?赤だと思った」と反応した。
 茶色は判別しにくいということである。

 また,私の勤務校の少人数指導担当の先生は,よく青のチョークを使う。
 ノートに青鉛筆で書くべき事項を青チョークで板書しているようだが,はっきり言って見えにくい。

 勤務校には,白,黄,赤,青,紫,緑,茶色のチョークが置いてある。
 私が使うのは,基本的に白と黄色だけである。たまに赤も使うが,ごくまれである。文字を書くときに青,紫,緑,茶色のチョークを使うことは絶対にない。

 なぜか。
 色が見えにくいからである。

 文部科学省から2003年に出された『色覚に関する指導の資料』というパンフレットがある。
 そこに,次のようにはっきり書かれている。

「白と黄のチョークを主体に使います。」
「黒板上に赤,緑,青,茶色などの暗い色のチョークを使用すると,見えにくいため,避けるようにします。」

 さらに板書例まで図示されている。

 男子の5%,女子の0.2%は色覚異常である。特にこのような人たちにとっては,色の判別はつきにくいのである。

 また,色チョークを使えば使うほど,ごちゃごちゃして分かりにくい板書になるような気がする。

 パンフレットには,次のようにも記されている。

「あえて,白と黄以外の色チョークを使用する場合には,アンダーラインや囲みをつけるなどの色以外の情報を加えます。」

 どうしても使いたい場合は,蛍光チョークを使うとよいと教わったこともある。
 実際使ってみたこともあるが,私の感覚ではやはり赤は見づらかった。
 また,蛍光の黄色チョークよりも,普通の黄色チョークの方が見やすいように感じた。
 
 また,採点・添削についても,次のように記されている。

「細字の赤ペン・ボールペンは避け,色鉛筆などの太字の朱色を使用します。」
「色覚異常の児童生徒は,暗い所では,細字の赤と黒の識別が難しいことがあるので,採点や添削に際しては,色鉛筆などの太字の朱色等を使用します。」

 私はほとんどの場合,赤鉛筆(朱色・VERMILION)を使う。たまに赤のサインペン,水性マジックを使うこともある。
 TOSSの先生方は赤鉛筆を使うが,それには上記のようなメリットもあったのである。