このあと,子どもたちの横に立って一緒に校長の話を聞いていたが,思いもよらぬ事件が起こった。
1人ジャンパーのフードをかぶっているのが目に入った。
A君である。
激高するとパニックになり,手がつけられないほど暴れる。最もマークすべき存在の一人である。
「どうしたのですか。帽子をかぶって」
「髪を切ってきたので…」
「でも,いつまでもこんなものをかぶっているわけにはいきません。取りましょう」
「いや…」
「いいから取りなさい」
抵抗するのも構わず,力任せにフードを引っ張った。
「ビリッ」。
初めはファスナーが外れたのだと思ったが,そうではなくジャンパーが破れてしまったのである。
これは一大事である。
パニックになり,大暴れすることを覚悟した。
A君はジャンパーの破れた部分を気にして,しばらく触っていた。
「ごめん。これは先生が悪かった。破れてしまったみたいだ。あとで直すから」と言ってきかせた。
すると,意外なことにA君は落ち着いた。
ジャンパーの破れなど全く気にしなくなり,校歌も歌っていた。
このあと,ジャンパーは特別支援コーディネーターの先生に直していただいた。
教室に戻り,本格的な子どもたちとの出合いである。
事前に考えたシナリオ通りに進めていく。
「おはようございます」と挨拶すると,「おはようございまーす」と返してきた。
「5年生らしい挨拶ではありません。『まーす』などとだらだら伸ばしません」と言い,即座にやり直しを命じた。
このやり直しをさせることもシナリオ通りである。
1人1人の名前を呼んでいった。
「先生がしてほしい返事は『はい』ではありません。『はいっ!!』です」と言ってから呼名した。
きりっとしたいい返事が返ってくる。
1人1人に「いい返事です」「満点です」「元気があっていいです」と評価していった。
その後,自己紹介をし,質問タイムに入った。
「先生には秘密や特技がたくさんあります。
でも,先生は嘘つきなので,めったに本当のことは言いません。
言っていることの70パーセントは嘘です。
ただ,今日はみんなとの出合いの記念日だから,今から3分間だけは本当のことを言いましょう」
と言ってから始めた。
出た質問は,「結婚しているのか」「誰と結婚したのか」「何歳か」である。
「何歳か」の質問の頃には3分経っていたので,28歳と嘘を答えた。
1人ジャンパーのフードをかぶっているのが目に入った。
A君である。
激高するとパニックになり,手がつけられないほど暴れる。最もマークすべき存在の一人である。
「どうしたのですか。帽子をかぶって」
「髪を切ってきたので…」
「でも,いつまでもこんなものをかぶっているわけにはいきません。取りましょう」
「いや…」
「いいから取りなさい」
抵抗するのも構わず,力任せにフードを引っ張った。
「ビリッ」。
初めはファスナーが外れたのだと思ったが,そうではなくジャンパーが破れてしまったのである。
これは一大事である。
パニックになり,大暴れすることを覚悟した。
A君はジャンパーの破れた部分を気にして,しばらく触っていた。
「ごめん。これは先生が悪かった。破れてしまったみたいだ。あとで直すから」と言ってきかせた。
すると,意外なことにA君は落ち着いた。
ジャンパーの破れなど全く気にしなくなり,校歌も歌っていた。
このあと,ジャンパーは特別支援コーディネーターの先生に直していただいた。
教室に戻り,本格的な子どもたちとの出合いである。
事前に考えたシナリオ通りに進めていく。
「おはようございます」と挨拶すると,「おはようございまーす」と返してきた。
「5年生らしい挨拶ではありません。『まーす』などとだらだら伸ばしません」と言い,即座にやり直しを命じた。
このやり直しをさせることもシナリオ通りである。
1人1人の名前を呼んでいった。
「先生がしてほしい返事は『はい』ではありません。『はいっ!!』です」と言ってから呼名した。
きりっとしたいい返事が返ってくる。
1人1人に「いい返事です」「満点です」「元気があっていいです」と評価していった。
その後,自己紹介をし,質問タイムに入った。
「先生には秘密や特技がたくさんあります。
でも,先生は嘘つきなので,めったに本当のことは言いません。
言っていることの70パーセントは嘘です。
ただ,今日はみんなとの出合いの記念日だから,今から3分間だけは本当のことを言いましょう」
と言ってから始めた。
出た質問は,「結婚しているのか」「誰と結婚したのか」「何歳か」である。
「何歳か」の質問の頃には3分経っていたので,28歳と嘘を答えた。