番組が始まると、スタジオ内に2、3人のAD(アシスタント・ディレクター)が居ます。彼らは、台本の他に、ストップウォッチを必ず持っています。
番組の始まる前に、副調整室にいる、ディレクターと時計合わせをします。番組が始まる前からこのADさんによる秒読みが始まります。
「本番10分前…」
番組が始まりました。コマーシャルが流れます。次に番組のタイトルが流れています。
「スタジオまで30秒前…15秒前…10秒前…5秒前」
ここまでADさんの声は大きいのですが
やがてスタジオ内に映像が切り替わりますが…、
「4、3、2、1…」は小声で囁きます。
ADさんはスタジオ内で手を振って合図をします。
リハーサル時のラップタイムと、本番の時間の流れをADさんは見守っています。
副調整室内のディレクターも時間を気にします。
番組の時間の管理はディレクターとスタジオ内のADさんだけです。
テレビ番組がVTR録画になって、ドラマなど数シーンづつ収録していくようになります
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部分撮りの先輩の映画にスクリプターと称する女性がいます…。
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テレビでも何とか時間だけでも計ってもらえないかということでしょうか…。
いつか、タイムキーパーといわれる女性が出現します。
彼女はストップウォッチで番組の時間を計ります。
副調整室内は、音声エンジニア、映像スイッチャー、ディレクターが沢山の映像モ
ニターの前にいます。
この3人の間にタイムキーパーは座ります。
部分撮りのシーンの時間も計測します。
リハーサルのラップタイムからこぼれると、××秒短いとか△△秒長いとか用紙に
記録して、デレクターに告げ、スタッフにインターカムでスタジオに告げます。
映画の場合の仕上がり時間はいくらかルーズですが、ラジオ、テレビ番組の放送時
間は厳密ですから、タイムキーパーは責任ある仕事です。
もし、番組の時間がこぼれた場合は、機械的にバッサリ切り換えられてしまいます。
各地の年末風景など特別番組で、各局の年末風景シーンをリレーで切り替えていく
番組があります。
打ち合わせで、各局の持ち時間や切り替わる時間は厳密に決めてあるのですが、
着替え時間が遅れたり、各局の持ち時間がオーバーすることがあります。
次の局に渡す時間は決まっているのに、時間より遅れて切り替わると、次の局に渡す
時間は決まっていますから、自局の持ち時間は少なくなります。
タイムキーパーは即座に不足時間を計算してディレクター、ADに告げます。
タイムキーバーさんやADさんのストップウォッチは、アナログ針でしたが、
時間計算の出来るデジタル型でSEIKO SOUND PRODUCERが出て仲間内で大流行になりました。
使い道がないのに、私も持っています…。
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