貧乏人からは絞れるだけ絞り取り、富裕層や大企業には手厚く処遇する。
これでは格差が拡がるばかりだ。
最近、こうした格差社会を扱った映画が目につく。
ケン・ローチ監督の「わたしは、ダニエル・ブレイク」、「万引き家族」、
「ジョーカー」、そして「パラサイト(ビデオ化されたら観ます)」・・・・・・。
観ていて胸が張り裂けそうになる。
この小説の主人公も、社会の底辺で生きている。
私は詩人の高橋順子さんの文章から、夫の車谷さんを知った。
車谷長吉(くるまたに・ちょうきつ)著『赤目四十八瀧(あかめしじゅうやたき)
心中未遂』を読む。
尼崎にたどり着いた主人公は、老朽アパートの狭い一室で
一日中、病死した牛や豚の臓物を切り刻んで串に刺している。
エアコンのない部屋で、腐臭がきつい。
そこで生活するうちに、様々な職業の人間を知ることになる。
彫物師、元パンパンをしていた人、ヤクザなど。
私小説のジャンルに入るようだが、そこで繰りひろげられる生活は
まるで節穴から覗いているように生々しい。
臓物から発する腐臭が、今も頭の中にへばりついている。
寺島しのぶ主演で映画化されているようなので、観ようと思う。
映画を観た。
小説にないエピソードや自然描写があり、またお金の額が違っていたりして
このようにして映画化されるのか、と興味深く観ていた。
ところが段々違和感が生じてきた。
最初にあった乾いた感じは終わりになるにつれて、まるで純愛物のような
小説とはかけ離れたものになっていったのだ。
寺島しのぶも最初にあった凄みが消えて、可愛いキャラになってしまった。
分かりやすさを押し付けるあまり、電車の中で彼女がキャラメルを食べるシーンは
全くもって無用の長物、と思う。
こうした分かりやすさがないと、日本アカデミー賞はもらえないのでしょうか、
岡田裕介名誉会長殿。
(第43回日本アカデミー賞で、「新聞記者」が3賞に選ばれた。
今年は気持ちのいい風が吹いたようだ。
2019年12月24日のブログ「新聞記者」です。)
↓
https://blog.goo.ne.jp/keichan1192/e/4eebc8757947115ed0f6aea37392782c
その中で勢子ねえさん役の大楠道代は、小説の世界そのままに生きていた。
この映画には2つのポスターがある。
①のポスターにクレームが付いて、②のポスターになったのだろうか。
①は小説の世界にふさわしく、②はこの映画の最後のシーンのような
清らかな純愛物のようだ。
あんなに小説では臭いが充満していたが、映画では全く感じなかった。
映画の自然描写は、観光案内のようにきれいでした。
①
②
(画像はお借りしました)
これでは格差が拡がるばかりだ。
最近、こうした格差社会を扱った映画が目につく。
ケン・ローチ監督の「わたしは、ダニエル・ブレイク」、「万引き家族」、
「ジョーカー」、そして「パラサイト(ビデオ化されたら観ます)」・・・・・・。
観ていて胸が張り裂けそうになる。
この小説の主人公も、社会の底辺で生きている。
私は詩人の高橋順子さんの文章から、夫の車谷さんを知った。
車谷長吉(くるまたに・ちょうきつ)著『赤目四十八瀧(あかめしじゅうやたき)
心中未遂』を読む。
尼崎にたどり着いた主人公は、老朽アパートの狭い一室で
一日中、病死した牛や豚の臓物を切り刻んで串に刺している。
エアコンのない部屋で、腐臭がきつい。
そこで生活するうちに、様々な職業の人間を知ることになる。
彫物師、元パンパンをしていた人、ヤクザなど。
私小説のジャンルに入るようだが、そこで繰りひろげられる生活は
まるで節穴から覗いているように生々しい。
臓物から発する腐臭が、今も頭の中にへばりついている。
寺島しのぶ主演で映画化されているようなので、観ようと思う。
映画を観た。
小説にないエピソードや自然描写があり、またお金の額が違っていたりして
このようにして映画化されるのか、と興味深く観ていた。
ところが段々違和感が生じてきた。
最初にあった乾いた感じは終わりになるにつれて、まるで純愛物のような
小説とはかけ離れたものになっていったのだ。
寺島しのぶも最初にあった凄みが消えて、可愛いキャラになってしまった。
分かりやすさを押し付けるあまり、電車の中で彼女がキャラメルを食べるシーンは
全くもって無用の長物、と思う。
こうした分かりやすさがないと、日本アカデミー賞はもらえないのでしょうか、
岡田裕介名誉会長殿。
(第43回日本アカデミー賞で、「新聞記者」が3賞に選ばれた。
今年は気持ちのいい風が吹いたようだ。
2019年12月24日のブログ「新聞記者」です。)
↓
https://blog.goo.ne.jp/keichan1192/e/4eebc8757947115ed0f6aea37392782c
その中で勢子ねえさん役の大楠道代は、小説の世界そのままに生きていた。
この映画には2つのポスターがある。
①のポスターにクレームが付いて、②のポスターになったのだろうか。
①は小説の世界にふさわしく、②はこの映画の最後のシーンのような
清らかな純愛物のようだ。
あんなに小説では臭いが充満していたが、映画では全く感じなかった。
映画の自然描写は、観光案内のようにきれいでした。
①
②
(画像はお借りしました)