今日のうた

思いつくままに書いています

023:柱(梅田啓子)

2015-03-23 09:24:21 | ⑥題詠blog2015
戦いに死して柱と数えられ神になりたり 若人(わこうど)のまま


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022:砕(梅田啓子)

2015-03-23 09:19:04 | ⑥題詠blog2015
砕けたるグラスが元に戻るごと巻き戻したしあの日の夜に

砕けたるグラスが元に戻るごと巻き戻したいあの日の夜に (推敲)

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021:小(梅田啓子)

2015-03-23 09:12:58 | ⑥題詠blog2015
ごちそうをお仏壇へと供えたり小さきわれのひとひの仕事


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020:亜(梅田啓子)

2015-03-22 09:07:26 | ⑥題詠blog2015
鏡餅のようにどつかり坐ってた ちゃぶ台返しの小林亜星


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019:靴(梅田啓子)

2015-03-21 10:03:27 | ⑥題詠blog2015
おびただしき靴の積まれし収容所 なまあたたかき記憶もつ靴


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018:救(梅田啓子)

2015-03-21 09:54:03 | ⑥題詠blog2015
藻のからむ沼に落ちゆくわが足が救われたしとつよくつよくと

藻のからむ沼に落ちゆくわが足が救われたいとつよくつよくと(推敲)



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017:画面(梅田啓子)

2015-03-10 09:49:31 | ⑥題詠blog2015
テレビ画面が旅のすべてでありし母いっしょに温泉いきたかったよ

テレビ画面が旅のすべてでありし母 いっしょに温泉いきたかったよ(推敲)



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016:荒(梅田啓子)

2015-03-09 09:05:34 | ⑥題詠blog2015
荒荒しい愛はいらない ゆうぐれの町にあかりがぽつぽつ灯る

荒荒しい愛はいらない夕ぐれの町にあかりがほつほつ灯る (推敲)


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015:衛(梅田啓子)

2015-03-04 10:15:09 | ⑥題詠blog2015
死してなお地球をめぐるライカ犬 無人の人工衛星に



※1985年公開のスウェーデン映画「マイ ライフ アズ ア ドッグ」より
 この映画の主人公12歳の少年イングマルは、12歳とは思えないくらい無邪気で、
 笑顔が愛くるしい。
 だが心に闇を抱えていて、寂しくなったり辛くなったりした時は、空を見あげてこう思う。
 「あのライカ犬より、僕の人生はまだましだ」

 ライカ犬は、ソ連の宇宙船スプートニク2号(1954~1957年)に積まれた
 メス犬のこと。
 わずかな水と空気しか与えられず、実験のため人間よりも早く宇宙船に乗せられたのだ。
 打ち上げ数時間後に、加熱とストレスで死んだというウワサや、打ち上げ10日後に
 毒入りの餌で安楽死させられたというウワサがある。

 イングマルのお父さんは南の海で行方不明に、お母さんは重い病にかかっている。
 お兄ちゃんはいじめてばかりいる。飼っていた犬も死んでしまう。
 そのうちお母さんが亡くなり、親戚の家に預けられる。
 おじさん一家やおばあちゃん、村の人たちとの何気ないエピソードがあったかい。
 ボクシングを通して、サガという美少女と出会う。
 サガは女であることを隠し、ボクシングを続けている。
 だが胸のふくらみが隠せなくなり、ボクシングをやめることになる。
 イングマルとサガとのふれあいは爽やかだ。
 サガのボーイッシュな美しさとともに、ずっと私の心に残っている。

 当時、6歳と7歳の娘をつれて映画館に行った。
 最初の場面からお兄ちゃんのいたずらが過ぎて、娘たちの教育上、
 このまま帰った方がよいのではないかと、やきもきしたものだ。
 娘たちは覚えているだろうか。




(画像はお借りしました)


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014:込(梅田啓子)

2015-03-03 09:20:48 | ⑥題詠blog2015
ようやくに視線の先が定まりぬつめ込まれたる東西線に

ようやくに視線の先の定まれりつめ込まれたる東西線に (推敲)

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013:刊(梅田啓子)

2015-03-02 09:20:37 | ⑥題詠blog2015
としを取ることのやすらぎ おじさんと肩を並べて週刊誌よむ


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012:おろか(梅田啓子)

2015-02-28 10:44:36 | ⑥題詠blog2015
虎の子はおろか命を奪われぬ 老いらくの恋うたかたの恋


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011:怪(梅田啓子)

2015-02-28 09:14:25 | ⑥題詠blog2015
怪しげに手招きをする男(おのこ)おり 一歩ふみ出し尿意に目覚む


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010:玉(梅田啓子)

2015-02-20 09:37:25 | ⑥題詠blog2015
玉という美しき字をあてがわれ死を強いられしアッツ島玉砕



※広辞苑によると「玉砕」とは、「玉が美しく砕けるように、名誉や忠義を重んじて、
 いさぎよく死ぬこと」とある。国家とは本質を知られたくない企みがある時に、
 美しい言葉を使いたがるものなのだろうか。
 「美しい」とか、「平和のため」とか、「国民のみなさんの命」とかは、
 落とし所を心得た人が巧みに使うので要注意です。

 アッツ島はアリューシャン列島の小さな島です。
 (太平洋戦争中は日本軍が占拠し、熱田島と命名)
 別冊宝島 『大きな地図で読み解く太平洋戦争のすべて』によると、アッツ島玉砕とは
 「1943年5月12~29日、米陸軍1万余に対し島を守備していた2700弱の
 将校が抗戦援軍の見込みもないまま17日間に及んだ戦闘で守備隊は玉砕」とあります。
 更に次のように続いています。

「アッツ島にいた守備隊は、司令官の山崎保代大佐以下2638名。備蓄していた武器弾薬は
 多くなく、食料も少なかった。翌日から米軍の本格的な攻撃が開始された。
 日本も構築した陣から機関銃や小銃で迎撃するが、銃座の位置が露見すると
 米軍の野砲や艦砲、艦載機の機銃などにより、次々と撃破される。
 守備隊は戦線を縮小しながら高地に籠り、寡兵ながら激しい抵抗を見せた。

 苦しい戦いが続く中、山崎大佐は大本営に武器弾薬・食料の輸送と部隊の増援を
 何度も求めた。
 大本営は・・・救援作戦を企図した。しかし、輸送作戦に採算が持てず、21日には作戦を
 中止してしまう。アッツ島は見捨てられてしまったのだ。
 その決定がなされた日、それまで頑健な抵抗を保持していた陣地も抜かれてしまう。
 残存兵力は半数以下まで落ち込み、武器弾薬・食料は欠乏状態に。

 大本営は山崎大佐に対し、
 『最後にいたらば潔く玉砕し、皇国軍人精神の成果を発揮することを望む』と指示。
 この命令を受けアッツ島では、負傷兵の多くが自決したという。
 29日、山崎大佐は、負傷しながらも生存していた300余名を率いて
 最後の突撃を敢行した。
 決死の覚悟の突撃で米師団司令部に肉薄したが、猛反撃を受けて玉砕してしまった。

 アメリカ軍の侵攻に応じて死守命令を受けて玉砕した島は、マキン、タラワ、クェゼリン、
 ルオット、アッツ、サイパン、テニアン、グアム、ペリリュー島、アンガウル、硫黄島、
 沖縄の12ヶ所といわれている。しかし実際に総員絶滅した島は数多く、
 実態さえ明らかになっていない島もある」(引用ここまで)

2015年4月、約1万700名が玉砕したパラオ共和国・ペリリュー島の慰霊碑
「西太平洋戦没者の碑」に、天皇、皇后両陛下が訪問される予定という。
為政者はこのことの意味を、深く考えて欲しいと思います。


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009:異(梅田啓子)

2015-02-19 09:15:27 | ⑥題詠blog2015
戒めに言葉を混乱させし神なにゆえ異(い)なる民族作れり



※旧約聖書のことは分りませんが、「バベルの塔」のいきさつは理解できます。
 こう民族紛争が起きると、こんな単純な質問を神様にしたくなります。
 今日(2月19日)は二十四節気のひとつ、雨水(うすい)です。
 氷が解け、雪が雨に変わる頃です。憎しみが解けることを祈りつつ。

 この日には必ず、雨宮雅子さんの次の歌を思い出します。

 「素足とふうつくしきもの奔るなり雨水(うすい)ときけば雪消(ゆきげ)ときけば」
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