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ゴーマニズム宣言 新戦争論 1―(1)

2015-08-31 05:46:12 | ⑤エッセーと物語
小林よしのり著『ゴーマニズム宣言 新戦争論 1』を興味深く読みました。
大いに頷ける言葉あり、私の知識では納得できない箇所がありですが、
おぼろげながらも、戦争というものの正体が見えてくるように感じました。
心に残った言葉を引用させて頂きます。

(1)遠隔操作できるウオーロボットは味方の死傷者を一切出すことなく、
   敵を殲滅(せんめつ)させた。だが問題は、操縦者が罪悪感から
   PTSDになることだった。
   そこで防衛省は少年志願兵を募集した。
   14歳で退役だが、罪悪感が芽ばえたら、その時点で資格停止である。

   だがその後の調査では、退役まで何事もなく任務を果たした少年が、
   成長するにつれ、様々な症状を示すことが明らかになった。
   対人関係が上手くいかない者、暴力的になる者、子供の頃の記憶を消滅させる者、
   そして自殺率が異様な高さになった。

   そこで画期的な技術が導入された。
   誰でも遊べる【コンバット・アプリ】である。
   もはや資格は問わない。誰もが戦場と繋(つな)がるゲームの誕生だった。
   戦場はコンピューター・グラフィックに転換して、殺人のリアリティを
   圧倒的に減殺させた。
   女・子供もそれをゲームと信じて熱中した。
   地球の裏側で自分が罪なき人々を虐殺しているとは誰も思わなかった。

   戦争は完全に日常に持ち込まれた。

   ゲームではない!
   肉を裂き、
   血しぶきを上げ、
   瞳孔(どうこう)を開き、
   恐怖に顔をひきつらせ、
   悲痛に涙は涸(か)れ、
   怒りをほとばしらせ・・・
   憎悪で悶絶(もんぜつ)しながら・・・
   呪い・・・
   呪い・・・
   呪って、
   絶命する。
   それが戦場の現実なのだ!

   戦争をゲームと思ってないか?
   憎悪と呪いを受けとめる覚悟で
   戦場に行けるか!?

   アメリカのイラク侵略がなければ、イスラム国は生まれていない。

   アメリカ流の弱肉強食の資本主義で、世界を覆いつくそうとする
   グローバリズムによって、情報が国境を容易に超えるようになったこと、
   貧困層に落ちた若者が夢を持てなくなったこと、
   ・・・などの要因が、イスラム国のジハード(聖戦)に
   魅力を感じる若者を育てている。
   この傾向は止(や)まないだろう。

   オバマ大統領はイラク戦争を終わらせるのが目標だったが、
   とうとうイラクだけでなく、シリア空爆にまで踏み切った。
   また罪なき民衆が空爆の下で犠牲になっているのである。
   もうアメリカは中東の砂塵(さじん)の迷路から抜け出せないかもしれない。
   中東の国境線には無理がある!
   欧米が力ずくで擬似国境線にイスラムを封じ込めるのも限界が来るだろう。


(2)戦争は政治の延長であり、二国間の国益の衝突を解決する手段として、
   外交交渉が決裂したときに、武力解決が選択されるという説がある。
   この説から、戦争の目的には、合理性があると思い込みがちなのだが、
   イラク戦争はもっとバカバカしい原因で始まった。
   イラク戦争当時も、真の目的は石油だとか、経済合理性で解決する者もいたが、
   実はそんなわかりやすい目的ではない。

   イラク戦争は、9・11同時多発テロの「衝撃」を利用して、
   ブッシュ大統領の「熱狂」と、ネオコンの「妄想」が生み出した、
   極めて非合理的な戦争であった。
   9・11以降の「熱狂」醒(さ)めやらぬブッシュのテキサス親父的な
   フセイン=悪=やっつけるべしという信念に、
   ネオコン(新保守主義者)が「中東民主化構想」という理論づけを行ったことが
   この戦争の強力な推進力になったのである。

   日本も無関係ではない。国内にも、国際社会にも、
   アメリカのイラク戦争への支持を積極的に訴え、
   戦闘終了後の占領中、(占領中=戦争中なのだ)
   「復興支援」の建て前でサマワに自衛隊を出したのである。

   イラク戦争を支持した日本の選択について、
   政府もマスコミも国民もなぜ検証しないのか?

   行き当たりばったりの外交でよしとする国家では、
   第二次世界大戦のような破局を招く危険がある。
   集団的自衛権の行使容認が閣議決定され、
   いつアメリカの要請で海外派兵の局面が来るかもわからない。

   Show the flag!
   Boots on the ground!

   今度は武力衝突も覚悟しなければならない。

   わし(作者)はイラク戦争を反省するか否かが、日本の未来を決定づけてしまう、
   重大な運命の分かれ目になると考えている。
   日本はアメリカと共に、中東で、アラブを敵に回して、
   永遠に戦うことになるかもしれない!
   中国が恐いから、北朝鮮が恐いから、アラブ人を殺せでいいのか?
   当時わしが「親米ポチ」と呼んだ者たち、
   親米がもはや「恐米」となってしまった論客、政治家、官僚たちが、
   アメリカ人の妄想にだまされたのがイラク戦争だった。

   2001年9月11日――アメリカ同時多発テロで約3000人が死亡。
   すべてはここから始まった。

   9月20日――ブッシュ大統領はこう演説した。
   すべての国、すべての地域は、今こそ一つの決断を下さなけばならない。

   我々につくか、テロリストにつくのかいずれかだ!

   米国中がナショナリズムに覆われて、異論を許さぬ空気が形成された。
   米国人が異常なのは、その空気を世界にまで拡げようとしたことだ。

(3)日本は先の大戦で、米軍に全国200以上の都市を無差別空襲され、
   死者33万人、負傷者43万人の犠牲者を出し、(国際法違反)
   広島・長崎に2個の原爆を落とされ、30万人が殺戮された。(国際法違反)
   まさに大虐殺である。
   日本人ならこの恨みを少しは持続させているか、と思ったら、全然違った。
   彼ら(保守派)は全員、敗戦後の占領政策でアメリカに魂を抜かれ、
   「親米保守」になっていたのである。

   9月15日――アーミテージ国務副長官が柳井駐米大使に、
   「ショー・ザ・フラッグ」と発言。
   日本でも「対テロ戦争」への参加を示す旗を立ててくれと言うのだ。

   10月7日――テロの報復として米国がアフガニスタンを攻撃。

   抵抗する者をすべて「テロリスト」で括(くく)って、巨大な暴力装置で
   弾圧・殲滅(せんめつ)すれば万事解決と言えるのは危険である。
   「テロとの戦い」を口実に空爆を繰り返すアフガニスタンで、
   何人の無辜(むこ)の民が誤爆で死んでいるのか、親米保守派はまったく鈍感だった。

   2002年1月29日――ブッシュ大統領が一般教書演説でイラクを非難する
   「悪の枢軸」発言。
   ブッシュの言う「悪の枢軸」とは、イラク、イラン、北朝鮮である。

   2月27日――米軍が発表した「対テロ戦争貢献リスト」から、日本が落ちる。
   親米保守派にはこういうことがコンプレックスになるのだ。

   7月8日――ブッシュ大統領が宣言。
   「フセイン政権は排除されなければならない!」

   8月26日――チェイニー米国副大統領。
   「イラクの核脅威は、予防的攻撃の正当性を証明している」

   9月12日――ブッシュ大統領、国連総会で演説。
   「サダム・フセインは大量破壊兵器を開発し続けています。
    イラク政権のふるまいは、国連の権威に対する脅威であり、平和に対する脅威です!」

   アフガニスタンを崩壊させてもビン・ラディンの行方は知れない。
   9・11の屈辱とフラストレーションを解消するにはまだ足りない。
   ブッシュは、まだ醒めない「熱狂」の大波に乗って、
   「テロとの戦い」を踏み越える次の戦争を画策していた。
   そのためには、フセインが大量破壊兵器を隠し持っていなければならない。

   イラクは罪をでっち上げられようとしていた。

   さて、ここで日本国内で異様な言論を展開した人物がいる。
   「日本はアングロサクソンについて行けば百年安泰」と主張する岡崎久彦である。
   彼は小泉内閣でも安倍内閣でも安全保障のブレーンの役割を果たしていた。

   9月14日――岡崎は産経新聞でこう主張したのだ。
   「米国がイラクを攻撃すればパレスチナ問題も解決するかもしれない。
    イランも大きく影響され、中東全体が変わる契機になる。
    北朝鮮は震え上がり、中国もおとなしくなる。
    台湾問題も中国側が引っ込む形で解決する可能性がある。
    成功の可能性は90%。
    世界史的な「アメリカ帝国」ができようとしている。
    こうして「パックス・アメリカーナ」が実現したら、
    米国は世界の中で問題を起こす国があると、
    米市民の命を犠牲にしてもそれを抑え込むだろう」

   ところがこの妄想的な感覚を当時の自称保守派は共有していたのである。
   アメリカに敗戦し、占領された時代を知る世代は、アメリカへの恐怖に支配されていた。
   保守論壇の大御所に影響された若手も似たようなものだった。
   「親米」はもはや「恐怖」に達していたのだ。

   アメリカがフセイン政権を崩壊させて、イラクを民主化させれば、
   そこから中東全域に「民主化のドミノ倒し」が起こるだろう!
   アメリカは一旦その気になったら、何が何でも戦争する。
   理由も目的もでっち上げるし、その強引さは止められない。    (2につづく)



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ゴーマニズム宣言 新戦争論 1―(2)

2015-08-31 05:45:53 | ⑤エッセーと物語
(1のつづき)

(3)ベトナム戦争の原因になった「トンキン湾事件」だって、アメリカの自作自演だった。
   そうまでして侵略戦争をやっておいて、泥沼になって敗退したのだ。
   1971年6月「ニューヨークタイムズ」が「ペンタゴン・ペーパーズ」を入手。
   ベトナム戦争のきっかけとなった「トンキン湾事件」はアメリカが侵略戦争の
   口実をでっち上げるための陰謀だったと判明した!

   1964年8月、北ベトナム沖のトンキン湾で、北ベトナム軍の哨戒艇が
   アメリカ海軍の駆逐艦に2発の魚雷を発射したという事件が捏造され、
   アメリカはこれを口実に北爆を開始したのだ。
   アメリカは枯葉剤を空中から撒(ま)いて、森林を破壊し、地上を丸裸にして、
   ベトコンを殺戮(さつりく)しようとした。
   枯葉剤には猛毒のダイオキシンが含まれ、奇形児や障害児が生まれた。

   ソンミ村では、米軍による民間人の虐殺も行われた。
   この事件は「ゲリラ部隊との戦い」という虚偽の報告がされていたが、
   ジャーナリストらの働きによって、米軍による老人・妊婦・乳幼児・子供など
   無抵抗な村民を無差別に殺戮する大虐殺だったことが判明した。

   ベトナムを攻撃する米軍は、沖縄の米軍基地から発進していたわけで、
   間接的に日本は協力していたということも認識しておかなければならない。

   1975年4月、北による南ベトナムのサイゴン陥落によって
   この戦争は終結した。翌年、南北ベトナムは統一した。
   
   戦争となるとナショナリズムが一気に盛り上がるが、
   戦争中に反戦運動が盛り上がるのもアメリカだ。
   戦争が終われば、マスコミも事実を検証し、反戦ムードも高まる。
   日本人のように【お上に依存する】体質ではないから、
   【権力を警戒する】面もアメリカは持っている。

   敗戦後のアメリカでは、映画・演劇などで傑作が続出する。
   ベトナム戦争――『ディア・ハンター』『地獄の黙示録』、『ヘアー』
   『ミス・サイゴン』
   アフガン・イラク戦争――『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』
   『ローン・サバイバー』
   戦争の影を落とす――『ダーク・ナイト』(バットマン)『アバター』

(4)9月17日――フセイン大統領は国連の要求通り、大量破壊兵器の査察団の受け入れを
   表明した。

   今は中国に恐怖してるが、当時、日本にとっての脅威は北朝鮮だった。
   北朝鮮が恐いからイラク戦争を支持せよと言う「親米ポチ」は多かったのだ。

   9月24日――イギリスの下院において、ブレア首相はこう断言した。
   「イラクは、化学兵器と生物兵器を保有している。イラクのミサイルは
    45分で展開できる」

   10月23日――日米外務・防衛当局の安全保障審議官級会合(ミニSSC)で
   ローレス国防次官補代理が「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」発言。

   11月8日――国連決議1441国連安保理の満場一致で採決。
   その内容は、完全無条件の査察受け入れであって、イラク側から見れば、
   国家の尊厳を踏みにじる、完全な主権侵害だった。

   この間、日本は国連において、まず決議1441号が採決されるよう全力を挙げる。
   次いで米国のイラク攻撃を前提に、これを国連憲章上、正当化すべく、武力行使を明確に
   認める新たな決議を行うよう努力する。
   日本は徹底してアメリカの利益のために行動していたのだ!

   11月13日――フセイン政権、国連決議1441受諾を表明。

   11月――コリン・パウエル米国務長官は述べた。
   「サダム・フセインはガス壊疽(えそ)、ペスト、チフス、コレラ、天然痘など、
    数十種類もの病原菌の研究に着手した」

   12月7日――イラク、国連決議1441に基づく1万3000ページもの
   大量破壊兵器に関する申告書を提出。

   だが今も安倍首相は、
   「大量破壊兵器がないことをフセインが証明しなかったことが悪い」と言っている。

(いつもながら自分勝手な、無茶苦茶な論理だ)

   大量兵器が「ある」と言いがかりをつけた側が、その証拠を
   出さなければならないのに・・・
   アメリカはその責任を果たさなかった!

   2003年1月9日――国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)と国際原子力機関
   (IAEA)から国連安保理へ中間評価報告。
   イラクが国連決議に違反したと疑われるような証拠、痕跡はないという結論だった。

   1月25日――ラムズフェルド国防長官は、
   「独仏は古いヨーロッパであり、新しいヨーロッパに属する国々は
    米国の側についている!」
   なんという傲慢な!
   イラク戦争に反対するドイツとフランスを「古いヨーロッパ」と堂々となじっている。
   ラムズフェルドは「ネオコン」の机上の空論に完全に感化されていた。

   1月27日――査察団最終報告書を発表。
   米国の圧力で中間報告書よりも大きく「クロ」に傾いていたが・・・
   やはり、「決定的な証拠は全くない」との内容だった!

   1月28日――ブッシュ大統領が演説。
   「バグダッドがナイジェリアから核兵器に利用できる酸化ウラニウム500トンを
    買おうとした」
   後で、イギリス諜報機関から入手したこの情報も、嘘であったことが判明した。

   2月5日――イラクが大量破壊兵器を隠し持っていることを示す「新証拠」を
   パウエルが安保理で提示。
   もちろん、そんなものありはしない。

   2月6日――91~98年の元国連大量破壊兵器査察団(UNSCOM)団長、
   スコット・リッターが東大駒場キャンパスで講演。
   リッターの査察団に対して、アメリカ政府は、査察を歪(ゆが)ませる
   様々な介入をしたが、それでも査察団は大量破壊兵器工場の100%、
   兵器の90~95%を確証できる形で、破壊・破棄したと述べた。
   さらにリッターは米政府が査察そのものを否定し、大量破壊兵器の破棄ではなく、
   フセイン体制転覆を狙っていること、
   パウエル報告には、イラクが大量破壊兵器を開発・保有していることを示す
   確たる証拠は何一つ含んでいないことを厳しく批判。

   2月10日――仏独露が査察継続を求める共同宣言。

   2月14日――査察団の再報告。
   武装解除の進展を積極的に評価し、査察の継続と強化を主張。

   2月15日――全世界60カ国400都市1000万人の大規模反戦デモ。
   戦争ありきで突き進むアメリカの危険に異議を唱える人々は、国際社会では多かった。

   3月1日――トルコが国内の米国駐留を拒否する国会決議可決。

   3月6日――ブッシュが単独行動を明言。
   「イラクに対する軍事行動は国連決議に縛られない!」

   3月7日――査察団再追加報告を提出。
   イラク全土での査察が可能で、数カ月査察を継続せよとの内容。

   3月10日――アナン事務総長、警告。
   「安保理の承認がない攻撃は、国際法への侮辱であり国連憲章に合致しない!」
   国連はアメリカの単独行動を戒めようとしていた。
   だが・・・日本は国連よりもアメリカについて行こうとしていた。
   
   シラク仏大統領、拒否権行使を明言。
   フランスは米国の同盟国だったが開戦に反対した。
   その後、米英からの批判や罵倒(ばとう)は熾烈を極めた。
   フランス製品の購入ボイコットも行われた。
   「サダム・フセインの友人」とまで言われ、米有力紙は「米国の敵」とまで書いた。
   それでもフランスはイラク戦争には反対を貫いた。

   3月15日――安保理で決議案が反対多数で否決される見通しとなり
   米国は安保理での採決を避け、【独断で開戦に】踏み切ることを決定。

   3月17日――ブッシュ大統領がイラクに対して、テレビ演説で最後通告。
   「イラク政権が最も恐ろしい兵器を所持し、隠しているのは疑いない!」
   ブッシュは、フセイン一族と主要閣僚の48時間以内の国外退去を命じる。

   3月18日――フセイン大統領、徹底抗戦を宣言。
   侵略者と戦い敵を撃退する。

   3月19日(2003年)――イラク戦争開始!
   米国軍による空襲、「イラクの自由作戦」だ。
   いよいよ妄想に取り憑(つ)かれたアメリカの侵略戦争が始まった。

   小泉首相は即座に表明した。
   「米国の武力行使開始を理解し、支持いたします」

   3月20日――クウェート領内から、地上部隊がイラク領内へ侵攻を開始。
   地上戦が始まる。

   4月7日――アメリカ軍は、バグダッドの宮殿の一つを占拠と発表。

   4月11日――アメリカ政府はフセイン政権が事実上、崩壊したと発表。

   産経新聞編集特別委員、古森義久は産経新聞紙上にて、米軍主導によるイラクの
   新たな国づくりなどにより、「世界の秩序を根本から変えかねない
   新しい歴史の幕を開けた。
   この作戦の目覚ましい成果は軍事面で見る限り、歴史的な大成功」と論評。

   5月1日――ブッシュ大統領が「大規模戦闘終始宣言」。
   アメリカ兵の死者は128人。イラク人死者数・不明。
   これは「戦争」の終結ではない。「戦闘」の終結である。
   戦闘行為は、国をぶっ壊せば終わる場合もある。日本のように。
   だが、主権を持つ新たな国家を作らなければ戦争は終わらない。
   講和条約が結べないからだ。
   占領中に、抵抗する武力闘争が起これば、「戦闘」も開始されるのだ。
  
   まさにイラクはその後、反米勢力による自爆テロが相次いで米兵の死者数は増え続けた。
   スンニ派が排除されて、シーア派が復権する。
   そしてクルド人は北方に自治を強め、イラクは分裂状態になった。
   イスラム原理主義を封じ、テロリストを国に入れなかったフセイン政権が
   崩壊したために、アルカイダの勢力もイラクに侵入し、無法地帯になってしまった。
   
   6月――アーミテージが「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」発言。
   占領を手伝えと日本を誘っている。

   12月13日――イラク中部ダウルでフセイン大統領を拘束。
   
   小泉純一郎首相をはじめ、産経新聞社説、中西輝政、石井英夫、田久保忠衛、
   森本敏など、
   開戦前に、「戦争の目的は大量破壊兵器の廃棄」と言っていたもの全員が、
   「戦争目的はイラクの民主化」とすりかえる。
   「戦争に正義も大義もない」と居直る者まで出る。  (3につづく)

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ゴーマニズム宣言 新戦争論 1―(3)

2015-08-31 05:45:35 | ⑤エッセーと物語
(2のつづき)

(4)2月(2004年)――日本の陸上自衛隊本隊がイラクのサマワに派遣。
   自衛隊は「復興支援」の名目で、「非戦闘地域」(?)に行くという
   ごまかしで派遣されたが、オランダ軍に守られる屈辱を味わったようだ。
   だが、幸いイラク人からは、「日本は米英とは違う。イラク人には
   武器を向けることもなく、復興の手助けをしてくれた」と感謝された。
   
   「集団的自衛権」で行ってないからこその評価かもしれない。

   4月8日――イラク、日本人人質事件が発生。
   政治家も自称保守派も「自己責任」と言いだした。

   4月28日――アブグレイブ刑務所において、米兵のイラク人に対する虐待が
   行われていた事件の第一報がCBSで報道される。

   米兵が中東の価値観をまったく理解せずに、占領している実態が暴かれた。
   アラブ人の反米感情は高まる一方だった。

   6月2日――イラク暫定政権発足。

   8月上旬――多国籍軍と、ムクタダ・サドル率いるシーア派民兵団
   「マフディ軍」の間で、大規模な戦闘勃発。

   9月13日――パウエル米国務長官、イラクの大量破壊兵器についてこう表明した。
   「いかなる備蓄も見つかっておらず、この先も発見されることはないだろう」

   9月28日――ブレア英首相、大量破壊兵器情報が誤っていたことを認め、謝罪。

   10月6日――イラク調査団の団長チャールズ・デュエルファーは、開戦時イラクに
   大量破壊兵器は存在しなかったという最終報告を提出。
   続々、自らの誤りを認める米英の様子が伝えられたが、
   日本の政治家・自称保守派の言論人は、だんまりを決め込んだ。
   何のための戦争だったか?何のために人を殺したのか?
   それを考える気は全然ないようだった。

(自らの過ちを認めない、誰も責任を取らないのは、日本のお家芸なのか!

 佐野研二郎さんが制作した2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレムが、
 使用を中止して取り下げられることになった。
 2015年9月1日の記者会見で、組織委の事務総長・武藤敏郎さんは、責任の所在を
 問われていた。
 【責任は全員で分担します】・・・一見、良識ある回答のように思わせて、
 なんという無責任な!
 この甘さ、このゆるさが、日本を筋の通らない国にしてしまったのではないのか!
 誰も責任を問われることがないから、その場限りの無責任なことが平気でできるのだ。
 【赤信号、みんなで渡れば怖くない】
 このいい加減体質、自己保身体質が日本全体を覆っているように、私には思えてならない)

   11月8日――夜明け作戦。米軍とイラク政府軍の連合部隊が、
   ファルージャへ再侵攻し、数日をかけて制圧した。

   11月16日――モースルの武装勢力掃討のため侵攻。

   12月1日――治安悪化と選挙に備え、米軍を1万2000人増派。
   13万8000人から15万人態勢となる。

   12月29日――米軍が選挙対策のため、バグダッド南部とバビロン州北部で、
   武装勢力の殺害と拘束を目的とした約1カ月の大規模作戦を開始。
   中西輝政ら「恐米派」が誇らしげに言っていた「イラク戦争の短期終結」は、
   完全に幻だった。

   もう一度言う。「戦闘」と「戦争」は違うのだ。
   国軍がなくなってもゲリラ戦は続けられる。
   戦闘員と民間人の区別がつかないから、ゲリラ戦が最も恐ろしい戦争である。

   2005年、イラクでは年明けから反選挙テロが相次いで、市民の死傷者が多数出る。
   治安状況は2005年から2007年頃が極めて悪く、大勢のイラク人が
   国外避難していた。

   3月3日――米兵の死者が1502人となる。米国では軍入隊志願者が急減し、
   定員確保が課題となる。

   3月16日――選出議員による初の国民議会が開催。

   3月31日――アメリカの独立調査委員会が最終報告書を発表。
   開戦前のCIAあるいは英情報機関の判断はほとんどすべて完全な誤りだったと結論!

  ●米英では「独立調査委」まで作ってイラク戦争を検証するが、日本では何もやらない。
   むしろ、この時の外交交渉の経過文書を日本政府は隠しているくらいだ。

   4月28日――移行政府が発足。大統領はクルド人のジャラル・タラバニ。
   暫定政権解消。

   5月――イラク全土で武装勢力のテロ攻撃。移行政府に反発するものと思われる。
   死者合計数百人。

   9月9日――パウエル国務長官、開戦前の大量破壊兵器に関する発言を、
   【人生の汚点】と発言。

   10月6日――米軍の兵力を13万6000人から15万2000人に
   増強すると発表。

   12月14日――ブッシュ米大統領がイラク開戦理由の一つである大量破壊兵器の
   情報に誤りがあったことを認める。
   「(大量破壊兵器などの)情報の多くは結果的に間違っていました」

  ●戦争を始めたブッシュですら認めたことを、小泉首相も安倍首相も、
   現在まで明確に認めていない。政治家にこんな無責任が許されるのか?
   安倍首相:「大量破壊兵器がないことをフセインが証明しなかったことが悪い」

(太平洋戦争も、イラク戦争も、福島第一原子力発電所の事故も、十分に検証すらしていない。
 こんな自浄作用の無い国、誰も過ちを認めない国、誰も責任を取らない国で
 安倍首相は、「集団的自衛権が行使されても、犠牲者が出ることはない」とまで言い切る。)

   12月22日――ブレア英首相が翌年前半の英軍撤収を検討している旨を首相として
   初めて発表。

   年末までに開戦からの米軍の死者が2200人に達した。

   2006年1月31日――開戦からの英軍の死者が100人に到達。

   2月22日――シーア派聖地サーマツラーのアスカリ廟(びょう)で爆発テロ。
   シーア・スンニ両派が衝突し、戦闘終結宣言後、最大の200人以上が死亡。

   3月19日――アッラーウィー前首相(暫定政府)が現状を「内戦状態」だと断言。

   3月31日――ライス国務長官がこう表明した。
   「我々は戦術的に多くの誤りをおかした」

   4月8日――エジプトのムバーラク大統領が「内戦はほぼ始まっている」と発言。
   イランがシーア派に影響力を持つことにも懸念を表明。

   4月22日――統一イラク同盟(UIA)が首相にヌーリー・マリキを擁立。
   スンニ派とクルド人も容認し、連邦議会が再開。

   5月20日――正式政府が発足。

  ●7月17日――陸上自衛隊、撤退完了。
   航空自衛隊は残ったが、実は毎日のように武装した米兵や爆弾を輸送していたのである。
   もちろんこれは明白な憲法違反である。

   12月30日――バグダッドで、フセイン元大統領の死刑執行。

   年末までに開戦以降の米軍の戦死者が3000人に達する。

   2007年1月10日――ブッシュ大統領は2万1500人のイラクへの増派を決定。

   2月14日――マリキ首相は計9万人を投入し、アメリカ軍と共に
   「法の執行作戦」を開始。

   3月16日――米国防総省は4400人の増派を発表。

   2008年、米紙ロサンゼルス・タイムズ記者・ボブ・ドローギンが著した
   『カーブボール』が、「大量破壊兵器」情報はたった一人のイラク人、
   コードネーム「カーブボール」に全面的に頼り、裏もとってなかったことを暴露した。

   3月24日――開戦以降のイラク駐留米軍の戦死者が4000人に達した。

   2009年1月――イラク駐留米軍の地位協定発効。

   2月――オバマ大統領、戦闘部隊の撤退計画発表。
   「撤退」という言葉ではあまり屈辱的な印象はないが、実際は「お手上げ」
   だから逃げたい、つまり「退却」と言った方が正解だろう。
   戦闘後の「占領政策」に失敗して、嫌になったから放り出して逃げる、
   これは「敗北」である。
   イラク戦争は「敗戦」したのだ。

   6月――米軍戦闘部隊が都市部から退却!

   7月――英軍が退却!死者数179.

   2011年3月――連邦議会選挙挙国一致内閣組織。

   8月――最後の戦闘旅団が退却!
   オバマ大統領、戦闘任務終結を宣言。
   ここでも「戦闘」を使っており、まだ「戦争」は終わっていない。

   2011年2月――亡命イラク人、コードネーム「カーブボール」本人が
   英紙ガーディアンで真相を証言。

   12月――治安維持・部隊育成が目的の駐留部隊も退却。
   米軍退却・完了! 
   米軍の死者数4486人。

   結局、一国を破壊して再建することなく、アメリカは逃げ帰った。
   イラク戦争は国連安保理の許可を得ない武力行為であり、国連憲章違反であった。
   「大量破壊兵器」が存在しなかった。

   WHOはイラクで2003年3月から2006年6月までに15万1000人が
   死亡したと推定。
   アメリカのジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公共衛生大学院の研究では
   約65万5000人のイラク人が死亡したと推定している。

   米国ではこのイラク戦争に関する「公的な謝罪」はしていない。
   白リン弾や劣化ウラン弾の使用や、アブグレイブ刑務所での拷問など、
   戦争犯罪に対する謝罪も必要だろう。
   国連人権委員会は一体何をしているのだろう?

   日本人は日本政府を追及し、国連はアメリカを追及するのが 
   世界平和のための真の正義である!

   イラク戦争は終結することなく、内戦状態に突入した。
   中東は「民主化のドミノ倒し」どころか、「混沌(こんとん)化ドミノ倒し」の
   様相になっている。
   
   現在のイラクの状況も把握しておかなければならない。
   「集団的自衛権」が行使できるようになったのだから、自衛隊が行く可能性もあるのだ。
   米軍退却後もイラクの状況は悪化する一方・・・
   失敗国家・・・というか、もう国家の体(てい)をなしていない有り様だ。

   2011年末、マリキ首相は、スンニ派の政治勢力を排除し始めた。

   2012年、地域によって脅威の度合いは異なるものの、イラク政府機関、治安組織、
   宗教関連施設、民間人等に対する攻撃や爆弾テロ、宗派対立をあおろうとする
   攻撃等がひんぱんに発生。死者数は毎月300人超だった。

   2013年、シーア派からの権力奪還を狙うスンニ派が、政権を揺さぶるためテロ攻撃を
   頻発させ、ここ数年で見られなかった頻度の大規模テロが首都バグダッド、イラク北部、
   中部を中心に連続して発生。死者数が1000人を超える月もあった。   
   (4につづく)


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ゴーマニズム宣言 新戦争論 1―(4)

2015-08-31 05:45:07 | ⑤エッセーと物語
3のつづき

(4)2014年1月――イスラム教スンニ派の過激派「イラク・シリアの
   イスラム国(ISIS)」が、シリアから侵入してきてファルージャを掌握!
   恐るべき武装勢力が台頭してきた。
   ISISはアルカイダから排除されるほど過激で残忍な集団である。

   3月――ISISがサマラを襲撃。
   ISISはシーア派勢力の強いマリキ政権に反発するスンニ派の住民を味方につけ、
   急激に勢力を拡大してきた。

   厭戦(えんせん)気分の高まったアメリカの期待を担うオバマ大統領は、
   2016年のアフガン撤退を視野に入れ、「イラク・アフガン戦争の完全終結を」を
   目指していた。そのシナリオが狂い始めたのである。
     
   6月――ISISは、モースル、ティクリート、タルアファル、西部カイムの
   シリア国境検問所や北部アジールの油田など重要インフラを制圧。
   首都バグダッドに迫り、政府軍と激戦になる。

   ISISはシリア北部からイラク中部にまたがる「イスラム国」の樹立を宣言した!
   オバマ大統領はイラク軍を支援するために1400人の兵力を駐留させたが、
   11月にはさらに1500人の追加派遣を承認。
   イラク軍の戦闘能力次第では、地上軍派遣もありうると米軍首脳は見ている。
   
   一方、クルド自治政府の治安部隊は北部の油田地帯キルクークを制圧。
   イラクはシーア派支配地域、スンニ派支配地域、クルド人支配地域の
   3つに分裂する可能性が高くなっている。

   イラク戦争開戦以来のイラク人の犠牲者は「控えめな推定」で50万人。
   7割以上が民間人で、今も年間1万人の死者を出している。

   イラクは圧倒的な男権を誇示する独裁者がいたから、国としてまとまりがあったんだ。
   民主主義が万能の価値観だなんて、間違いだとしっかり学べ!        

(5)防衛省は2007年11月13日、「テロ対策特措法」または「イラク特措法」に基づき
   派遣された自衛隊員のうち、在職中に死亡した者が2007年末の段階で
   35人いると発表した。
   内訳は、
   陸上自衛隊14人。うち自殺7人。病死1人。死因が事故、または不明6人。
   海上自衛隊20人。うち自殺8人。病死6人。死因が事故、または不明6人。
   航空自衛隊1人。うち自殺1人。

   2014年4月16日の報道によると、イラク派遣から帰還した自衛隊員の自殺は
   さらに増えて28人になっていた!
   これは人口比で換算すると日本平均の18倍の自殺率である。
   この自殺の多さは明らかに戦場でのストレスから、帰国後、
   PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した結果だろう。

   陸上自衛隊はサマワに行ったが、深夜、就寝中でも、ロケット弾が宿営地内に
   着弾したことが13回計22発あった。
   陸自は住民に概(おおむ)ね受け入れられたが、2006年6月の撤収決定時調査では、
   「自衛隊は占領軍である」と言う住民も約12%はあった。
   隊員が油断できない環境ではあっただろう。

   海上自衛隊はテロ特措法でインド洋に行き、米軍などの艦船に洋上補給をしていたが、
   アフガニスタンの作戦に対する支援だったのに、イラク向け作戦にも
   転用された疑惑がある。
   洋上での海賊やテロにも警戒が必要だろうし、酷暑も苛酷だっただろう。

   航空自衛隊もイラクに行ったが、C-130輸送機による人道復興物資を
   運ぶ任務だった。
   輸送機は地上からのミサイル攻撃に狙われる恐れがあるので、ストレスは
   大きかっただろう。
   武装兵員を空輸した行動は憲法違反であるとする名古屋高裁の判決が出ている。

   非戦闘地域に派遣するという当時の小泉政権の方針だったが、実態はそんなに甘くない。

   平成26年7月1日、安倍政権によって集団的自衛権の行使容認が閣議決定された。
   「日本が他国の戦争に巻き込まれることはない。
    自衛隊が、かっての湾岸戦争やイラク戦争のような戦争に参加することはない」・・・
   などと安倍首相は以前と何ひとつ変わらないかのような詭弁(きべん)を弄するが、
   【法理上はそうではない】

   個別的自衛権しかなかった時でさえ、特措法を作って占領地に行ったり、
   憲法違反をしてまで米軍の後方支援をやってしまっている。

   【集団的自衛権が行使できたら、もっと堂々と米軍と一体化できるだけだ】

   そもそも集団的自衛権は自国が攻撃されてなくても、他国の軍隊を支援する
   【権利】なのだから、他国の戦争に巻きこまれるのは当たり前である。
   
   安倍首相が現時点で「戦争には巻き込まれない」といくら言っても、
   日本は「人治主義」の国ではない。
   【法治国家】である。
   「法理上」の保証がなければ、首相の言葉など信じられるわけがない。

   集団的自衛権が行使できるようになって、またアメリカからの強い要請があった場合、
   【今度こそ断れまい】

   Show the flag!
   Boots on the ground!

   今後はサマワでの自衛隊のように、他国の軍に守ってもらうことはない。
   殺し殺される戦闘を初めて体験することになろう。
   帰国したらPTSDになって自殺する者ももっと増えるだろう。

   イラクへの自衛隊の派遣時には、防衛大学の退校者や、任官後の早期退職者が急増した。
   ピーク時の2005年には入校者の38・4%が防大や自衛隊から消えている。
   これからは自衛隊の応募者が減るかもしれない。

   「恐米ポチ」は、日米同盟がに日本の命綱と思っていて、米軍と自衛隊を一体化させる。
   日本をアメリカの属国にする。
   「恐米ポチ」は、好戦国・アメリカとの同盟関係が、国連決議より重要だと
   イラク戦争で主張した。侵略戦争を肯定することは絶対に許されない!

   保守とは本来、歴史から学ぶことであり、歴史を無視する「設計主義」を否定する
   態度のことである。 国の歴史・文化にふさわしい民主主義があるのであって、
   国の数だけ民主主義はあると考えるべきである。  
  (2015年1月30日第1刷発行)

(こうしたアメリカに付いて地球の裏側まで行き、ともに闘うリスクは計り知れないものがある。
 一度、踏み出してしまったら、もう取り返しがつかなくなるのだ。
 安倍首相はその危険性を、どれだけ理解しているのだろうか。
 私は安保法案に断固反対します!)



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フツーの私が声を上げる 取り返しのつかないことになる その前に 4

2015-08-31 04:31:44 | ②一市民運動
3のつづき

2015年8月30日、国会議事堂周辺を12万人の人々が埋めつくし、また全国で
少なくとも350か所で抗議行動が行われました。
これまでで最大の拡がりです。ニュース番組でも一斉に取り上げられました。(NHKも)
安倍政権がこの声を無視すれば、抗議の声は倍・倍に増えていくはずです。

(47)「【スピーチ全文掲載】『政党の立場を超え、安倍政権打倒に向け
     全力をあげていく!』
     ――生活・小沢一郎氏代表が初スピーチ 8・30国会前12万人抗議行集会で
     野党4党党首が大集結!IWJ Independent Web Journal」

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/260795

(48)「安保法案抗議集会:国会議事堂取り囲み『戦争法案反対!』8月30日 
     毎日新聞・動画」(削除されました)

http://mainichi.jp/select/news/20150830k0000e040122000c.html

(49)「2015/8/30国会前安保法案反対デモ」

https://www.youtube.com/watch?v=n3aLFV7AF_w

(50)「安保法案反対、全国で一斉抗議 国会前でも廃案訴え 8月30日 
     朝日新聞デジタル」

http://www.asahi.com/articles/ASH8Z6HH6H8ZUTIL01W.html

(51)「坂本龍一 SEALDs応援に登場 戦争法案反対@国会前8/30」

https://www.youtube.com/watch?v=12fmPyCKMG4

(52)「法案反対!」国会前10万人のうねり 全国各地でも 8月30日 テレ朝ニュース」
     (削除されました)

http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000057758.html

(53)「『安保法案、力を振り絞って廃案に』8・30国会10万人行動で岡田代表 」

https://www.youtube.com/watch?v=eun4SKCdbgQ

(54)「2015年8月30日 国会前で自由の森学園による「レ・ミゼラブル」の熱唱 」

https://www.youtube.com/watch?v=jRMIMbAMKwQ

(55)「届かぬ民意 危機感結集 全国200カ所以上で安保法案反対 8月31日 
     東京新聞」(削除されました)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015083102000127.html

(60)「安保法案反対を訴え 沖縄行動に2500人 8月31日 琉球新報」

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-248106-storytopic-3.html

(61)「安保法案「反対」、各地で 8月31日 中日新聞」
     (削除されました)

http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20150831/CK2015083102000032.html

(62)「国会議事堂前デモ 歩道に人があふれた瞬間(2015年8月30日)
     -Japanese Protest activity 2015.8.30-」

https://www.youtube.com/watch?v=g-cTh3cdAe4#t=25

(63)「8月30日、安保法制反対の抗議活動/日比谷公園から国会前へ」

https://www.youtube.com/watch?v=6ohr-TAI14M

(64)「今国会で最大規模の安保反対デモ 列島各地でも(15/08/31) 」
     (削除されました)

https://www.youtube.com/watch?v=IN9s-BLDg7Q

(65)「参加者数12万、それとも3万? 国会前の反安保集会 9月2日 東京新聞」
     (削除されました)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015090201001723.html

※9月3日の新聞に掲載された週刊誌の広告や、橋下発言に、「安保法案反対」の動きを
 摘み取ろうとする悪意が感じられます。あせり?悪あがき?

(66)「安保法制 国会の外に響く声を聞け 9月2日 西日本新聞」
     (削除されました)

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/192570

(67)「『最悪の政権は取りかえを』 小林節氏が千葉で講演 9月3日 東京新聞」
     (削除されました)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20150903/CK2015090302000178.html

(68)「WE ARE SEALDs. 2015 May―September」

https://www.youtube.com/watch?v=yQDv7rflGtI

(69)「安保法案 自民内も異論 総務会「デモ重い」意見相次ぐ 9月2日 東京新聞」
     (削除されました)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015090202000136.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter

(70)「●自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs) 戦後70年宣言文」
    「日本国憲法」について大切な言葉が書かれています。
    ブックマークに入れましたので、是非、お読みください。

http://site231363-4631-285.strikingly.com/

(71)「【安保法案反対デモ】 なぜ今 “普通の女性たち” が立ち上がっているのだろうか?/
     そもそも総研 9月3日『モーニング・バード』 @動画」

http://www.at-douga.com/?p=14524

(72)「国会前:安保法案反対 学生団体が抗議集会 9月4日 毎日新聞」

http://mainichi.jp/movie/movie.html?id=896375779002


(画像を意見広告からお借りしました)


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フツーの私が声を上げる 取り返しのつかないことになる その前に 3

2015-08-27 17:54:36 | ②一市民運動
2のつづき

どのスピーチもご自分の言葉で語っていて、素晴らしいです。
次の寺田さんのスピーチを聴きながら、涙がぼろぼろ出ました。
こんなに真摯に日本のこれからを考え、語っているのを聴き、清々しい気持ちになりました。
大人は、面倒くさいとか、解らないとか、難しいとか、自分に関係ないとか、
逃げないでください。
犠牲になるのはいつも若者なのですから。
是非、寺田さんの言葉に耳を傾けてください。

(31)「SEALDsKansai京都デモ(8月23日)寺田ともかさんのスピーチ」

https://www.youtube.com/watch?v=x6HiL6iNt98#t=10

(32)「石坂啓氏 スピーチ 『とめよう戦争法案、集まろう国会へ 6.14 国会包囲行動』
     戦争させない・9条壊すな!総がかり行動 戦争反対国会前集会 」

https://www.youtube.com/watch?v=DvdEpk2kUWI
    
(33)「WDW熊本 戦争法案絶対反対×若者集会2015 8 16」

https://www.youtube.com/watch?v=E5Q_2hqvUIs

(34)「澤地久枝さんのアピール『アベ政治を許さない』 6月24日 国会前」

https://www.youtube.com/watch?v=PAUvWHi_L2Q

(35)「鎌田慧氏 スピーチ『とめよう戦争法案、集まろう国会へ 6.14 国会包囲行動』
     戦争させない・9条壊すな!総がかり行動 戦争反対国会前集会」

https://www.youtube.com/watch?v=ORl_PiJROjQ

(36)「2015.6.24国会包囲行動 佐高信さん」

https://www.youtube.com/watch?v=7LrL2juebTI

(37)「安保法案反対の学生4人『無期限ハンスト』開始 『日常を犠牲にしてでも訴えたい』
     8月27日 弁護士ドットコムNEWS」

http://www.bengo4.com/internet/n_3601/

(38)「安保法案反対 全国ママの会、参院議員にメッセージ 8月28日、
     北海道新聞ウェブ」

http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0173005.html

(39)「大阪:安保法案反対 「1万人」集会 7月18日 毎日新聞・動画」

http://mainichi.jp/movie/movie.html?id=887560434002

(40)「安保法案に反対 学者など150人が訴え 2015年7月20日」

https://www.youtube.com/watch?v=KkAavbtAH3Y

(41)「中高年も黙ってない 安保法案反対「ミドルズ」結成 8月22日 毎日新聞・動画」

http://mainichi.jp/movie/movie.html?id=894325766002

(42)「安保法案:ふるえるデモに450人 6月28日 毎日新聞・動画」

http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20150628ddlk01010033000c.html

(43)「安保法案反対:30日「全国100万人行動 国会前など 8月28日毎日新聞・動画」
    (削除されました)

http://mainichi.jp/select/news/20150829k0000m040060000c.html

(44)「戦争法案に反対する東海地方の若者緊急街宣 ダイジェスト版 8月23日 名古屋」

https://www.youtube.com/watch?v=BGqz-ezqWO8

(45)「女性5000人が国会囲む、安保法制反対訴え 6月20日 国会前」

http://www.dailymotion.com/video/x2uqb8s

(46)「【スピーチ全文掲載】『好き放題やっている安倍総理へ、
     僕らはこの怒りを絶対に燃やし
     続けます』――“アジアの玄関口”福岡から来た学生がもの申す!
     10万人国会前抗議直前のSEALDs金曜行動で訴え  8月28日 国会前
     IWJ Independent Web Journal」」

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/260302

※NHKさん、安倍政権の【よいしょ】だけでなく、こうした動きをニュースで
 放送してください。
 2015年8月25日に、元NHKプロデューサーがNHKを告発しています。
 「NHKは安倍さんと心中するな!永田浩三さんアピール」
 是非、永田さんの悲痛な叫びを聴いてください。

 https://www.youtube.com/watch?v=TV5KQnaOLe0     4につづく

●画像は「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」からお借りしました。
 読みにくいかもしれませんので、改めて書きます。
 戦争法案廃案!
 安倍政権退陣!
 8.30国会10万人・全国100万人大行動
 
 8月30日(日)14:00~ 場所:国会議事堂周辺ほか
 ※全国各地で同時行動にとりくんでください!

  お問い合わせ先 http://sogakari.com 
 (地図などが載っています)


(画像を意見広告からお借りしました)


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フツーの私が声を上げる 取り返しのつかないことになる その前に 2

2015-08-26 05:36:05 | ②一市民運動
1のつづき

この動きはこれからの日本の、民主主義を守り抜くのか売り渡してしまうのかの
「天下分け目の関ヶ原」になることは確かです。

(14)「内田樹先生スピーチ@SEALDS KANSAI 戦争法案に反対する
     京都デモ 2015 08 23」

https://www.youtube.com/watch?v=ebC-DZhZ5tk

(15)2015 7 17 白井聡スピーチ 字幕付き / SEALDs国会前抗議

https://www.youtube.com/watch?v=O2j4znB_muw

(16)「水島朝穂・早大教授スピーチ 安全保障関連法に反対する学生と学者の共同行動 〜
     戦争法案に反対する国会前抗議行動 7月31日」

https://www.youtube.com/watch?v=5pLgxpRZo88

(17)「澤地久枝さんのアピール『アベ政治を許さない』6月24日、レイバーネットTV」

https://www.youtube.com/watch?v=PAUvWHi_L2Q

(18)「戦争法案廃案! 強行採決反対! 7.14大集会 ノーカット版
     日比谷野外音楽堂2万人参加
     安倍政権NO! 戦争させない 9条こわすな!総がかり行動実行委員会 」

https://www.youtube.com/watch?v=cQJ4Dlc5erg

(19)「7・26 戦争立法反対!ママの渋谷ジャック! 渋谷駅前」

https://www.youtube.com/watch?v=dQUNyfOo3FU

(20)「8.2戦争法案に反対する高校生渋谷デモ」

https://www.youtube.com/watch?v=dKJODn7J32s

(21)「安全保障関連法案に反対する学生と学者の共同行動 7月31日、国会正門前」
 
https://www.youtube.com/watch?v=PRUztiPuJPk

(22)「SEALDs戦争法案反対国会前抗議行動7.15上野千鶴子さん」

https://www.youtube.com/watch?v=cPgtbrGVM0E

(23)「ハチ公前で安保法案反対集会 大学生ら数千人 6月27日 朝日新聞デジタル」

http://www.asahi.com/articles/ASH6W65XSH6WUTIL01K.html

(24)「沖縄弁護士会、安保法案反対でデモ 『憲法破壊する』と危機感 7月3日 
     琉球新報」

https://www.youtube.com/watch?v=MdwoehS3XlM

(25)「山口二郎氏 スピーチ + コール 『戦争法案廃案!強行採決反対!7.15国会前行動』」

https://www.youtube.com/watch?v=R1fuI4VIc_Q

(26)「岡田克也氏 スピーチ + コール 『戦争法案廃案!強行採決反対!7.15国会前行動』

https://www.youtube.com/watch?v=2_u8IVR2vgg

(27)「強行採決糾弾!戦争法案廃案!7.15国会包囲行動 日本共産党志位委員長 」

https://www.youtube.com/watch?v=E42kcZTwCjs

(28)「とめよう戦争法案!6・14国会包囲行動 鳥越俊太郎さん」

https://www.youtube.com/watch?v=zULrbnXAHCo

(29)「『争いを葬れ』喪服の行進 名古屋で安保法案反対デモ 6月27日 
     朝日新聞デジタル」

http://www.asahi.com/articles/ASH6W43HQH6WOIPE007.html

(30)「100歳ジャーナリスト むのさん講演 『平和が大切』後からでは遅い 
     8月26日、東京新聞」 (削除されました)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015082602000136.html  
3につづく

●画像は「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」からお借りしました。
 読みにくいかもしれませんので、改めて書きます。
 戦争法案廃案!
 安倍政権退陣!
 8.30国会10万人・全国100万人大行動
 
 8月30日(日)14:00~ 場所:国会議事堂周辺ほか
 ※全国各地で同時行動にとりくんでください!

  お問い合わせ先 http://sogakari.com 
 (地図などが載っています)


(画像を意見広告からお借りしました)


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フツーの私が声を上げる 取り返しのつかないことになる その前に 1

2015-08-25 06:50:21 | ②一市民運動
戦争法案に反対する動きを逐次、アップさせて頂きます。
【フツーの私が声を上げる 取り返しのつかないことになる前に】

(1)「戦争法案に反対する全国一斉抗議行動 長崎 2015.8.23」

https://vimeo.com/137107066

(2)「戦争立法に反対する若者の緊急デモ 長崎」
    
https://vimeo.com/134553117

(3)「安保法案:黙っていたら採決される…全国64カ所一斉デモ 8月23日、渋谷区 
    毎日新聞」(削除されました)

http://sp.mainichi.jp/select/news/20150824k0000m040052000c.html

(4)「安保法制:「戦争法案止めっぺし」 大学生ら、シールズ東北結成 
    仙台でデモ /宮城 8月9日 毎日新聞」

http://sp.mainichi.jp/area/miyagi/news/20150810ddlk04010115000c.html

(5)「2015年8月23日(日)SEALDs表参道デモの武蔵野美術大学 建築学科の女性スピーチ」

https://www.youtube.com/watch?v=aswL6JKpFhQ

(6)「2015年07月31日安保SEALDs国会前デモ」

https://www.youtube.com/watch?v=oZjcJAAv9Is

(7)「『SEALDs』と学者の会が合体 反安保法案共同デモ 7月31日 
    朝日新聞デジタル」

https://www.youtube.com/watch?v=v1Qz-nSrV54

(8)「20150823 SADL大阪 戦争法案を止める緊急デモ① 1300人参加」

https://www.youtube.com/watch?v=lemS3dEiAyA

(9)「古賀茂明氏、津田大介氏らも参加!6.12 SEALDs主催 戦争立法反対・国会前抗議
    『若い人たちが、大人を動かしつつある』」

https://www.youtube.com/watch?v=t7CkrLFsYFc 

(10)「【スピーチ掲載】元内閣総理大臣・村山富市氏スピーチ 7月24日」

https://www.youtube.com/watch?v=RbEQxlDepko 

(11)「SEALDs:戦争立法に反対する渋谷デモ:
     Students led anti-war legislation protest in Tokyo (2015/6/14) 」

https://www.youtube.com/watch?v=WGb4Mq7riI0

(12)「寂聴さん「戦争近づいてる 国会前で安保法案反対訴え」6月18日、
     朝日新聞デジタル」

http://www.asahi.com/articles/ASH6K575QH6KPTFC00V.html

(13)「6.14 安保法案反対 2万5000人が国会取り囲む(テレ朝,TBS,NHK,テレ東,日テレ)」
     (著作権侵害に関する第三者通報が複数寄せられたため削除されたそうです)

https://www.youtube.com/watch?v=-8c0v9LIyDk          2につづく

※コピペの仕方
 1.文字などを選択(左クリックしたまま必要な文字をスクロール=左右に動かすと色が変わります)
 2.右クリック
 3.「コピー」を選択
 4.貼り付けたいところ(Googleの検索欄)にカーソルを置く
 5.右クリック
 6.「貼り付け」を選択

●画像は「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」からお借りしました。
 読みにくいかもしれませんので、改めて書きます。
 戦争法案廃案!
 安倍政権退陣!
 8.30国会10万人・全国100万人大行動
 
 8月30日(日)14:00~ 場所:国会議事堂周辺ほか
 ※全国各地で同時行動にとりくんでください!

  お問い合わせ先 http://sogakari.com 
 (地図などが載っています)

 
(画像を意見広告からお借りしました)


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妄動

2015-08-22 16:49:03 | ②一市民運動
NHKスペシャル「アニメドキュメント あの日 僕らは戦場で――少年兵の告白――」を観る。
沖縄では少年たちが『護郷隊』として、戦場に駆り出されていた。

護郷隊とは、
主にやんばる地域の十代の少年らで組織された第三、第四遊撃隊の秘密名。
それぞれ第一護郷隊、第二護郷隊と称した。
スパイ養成機関として知られる陸軍中野学校出身の将校が派遣され、
主に同地域を中心にゲリラ戦を展開することが任務とされた。
地の利を生かす狙いがあったが、全く知らない土地に配置された少年も多く、
162人が戦死した。
(2015年6月22日琉球新報より引用)

年端(としは)もいかない沖縄の子供たちを、スパイとして、あるいはゲリラ戦の兵士として、
米軍キャンプ地などに送り出し、戦争に利用していたのだ。
もし見つかっても、子どもであれば疑われないだろうという思惑からだ。
そのために陸軍中野学校出身の将校が指導に当たったというのだから、酷(むご)い話である。

『護郷隊』の一人であった方が、インタビューで「妄動」という言葉を使っている。
妄動・・・理非の分別もなく行動すること。
軍事教育により、あるいは戦場における殺戮を見過ぎたことにより、
身近な人が死んでいくことにも、人を殺すことにも、何の感慨も持たなくなる。
友だちが隣りで射殺されても、何も感じなくなるというのだ。
わずか15~17歳くらいの子どもにそれを強いたのだから、人間は酷すぎる
安倍首相は、集団的自衛権の行使による自衛隊の海外派兵について、
訓練によって危険のないように努めるとか、戦闘が行われていない地域に限定するとか、
戦闘が始まったら直ちに撤収するとか言っているが、こういうドキュメンタリー番組を
これまでに観たことがあるのだろうか。
小林よしのり著『新戦争論 ゴーマニズム宣言1』に出てくる「コンバット・アプリ」の
ようにしか、戦争を考えていないのではないかと疑ってしまう。

酷い事実は更に続く。
『護郷隊』の一員として闘い、負傷して歩けなくなった子供を、足手まといに
なるからといって軍医が射殺したという。

更に、1945年6月23日は沖縄が米軍に占領された日だ。(慰霊の日と呼ばれている)
この日に正規軍は敗北したが、『護郷隊』の子どもたちだけは、ゲリラ戦を継続するよう
指示されたという。
また、1945年6月23日には、「義勇兵役法」が制定された。
これは男子15歳以上、女子17歳以上の戦闘への参加が可能になるというものだ。
これにより2800万人が動員できるようになった。

戦争は一旦始まれば、予測不能の事態に陥る。
まさかこんなことが・・・ということが日常的に起こり得るのが戦争だ。
戦闘地域も非戦闘地域もない。いくら訓練しても、そんなものは通用しない。
子どももお年寄りも、女も赤ちゃんも関係なく巻き込まれる。
血が噴き出し、肉が飛び、骨が見え、死屍累々と国土を覆う。

こんな分りきったことに、安倍政権はなぜ関わろうとするのか。
目先の事柄だけでなく、なぜもっと大局的に物事を考えられないのか。

2015年8月22日の「折々のことば」を、安倍首相に是非、読んで欲しいと思います。

「目的を手近(てぢ)かな低いところにおくから、高遠の目的と、
 そのために必要とされる多くのものとは、一切きりすてられてしまふ」  田中美知太郎
(敬称略)

追記1
『はるまち』という雑誌をご存知ですか。
湯浅誠さんたち編集スタッフが作っている、生活保護を受けている方々を支援する雑誌です。
『はるまち』の由来は、
「春を待つ」と「春待草(スミレに似た花)」をかけました。
待っている「春」は、すべての人が人として尊重される世の中。
近年、生活保護はダーティーなイメージで覆われています。
でも、明るく、尊厳をもって生きたいと願うのが人間です。
その「開花」を表現できればと思っています。 (引用ここまで)

生活保護を受けていた、あるいは受けている人へのインタビューや、
ゲストのトーク・エッセイ、フォト・ジャーナリスト安田菜津紀さんのフォト・エッセイ、
ヨガあり、レシピあり、ほけん室だよりあり、読み物としてかなり面白いです。
6号までは既刊ですが、遡って購入できます。
私は7~10号までの通常定期購読を申し込みました。(1セット4冊分、1200円送料込)
今日、7.8号が届きました。
ブックマークに入れたブログから購入すると、1冊200円から購入出来ます。
(8号のみ送料込)
7号のゲストは、香山リカさん、8号は安倍昭恵さんです。
ブックマークの下から2つ目に入れましたので、一度、ご覧になって頂けたらと思います。


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国っていうのも嘘つくんやな (言葉は人を動かす追記 2~7)

2015-08-20 06:00:04 | ②一市民運動
追記が長くなりましたので、独立させます。

追記2
【あかりちゃん第2弾】が出ました。「●【あかりちゃん#2】HIGE MAX
あかりのデス・ロード 」
個別的自衛権のこと等がよく解ります。ブックマークに入れましたので、
是非、ご覧ください。

もう一つ、「教えて!あかりちゃん~武藤貴也センセイに訊いてみる編」をご覧になると、
なぜ安倍晋三が「自主憲法制定」にこだわっているのかが分ります。

https://www.youtube.com/watch?v=3YveQAhcI_Y

更にもう一つ、「教えて!あかりちゃん~核兵器は運べるの?編」

https://www.youtube.com/watch?v=umMIG7CbDfI
(2015年8月17日 記) (敬称略)

追記3
第1弾の「●【あかりちゃん】ヒゲの隊長に教えてあげてみた自民党の
アニメ動画のパロディー版」
視聴回数が100万回を超えました。1,004,702回(2015年8月18日現在)。
すごい拡がりです。

追記4
鶴瓶さんと樹木希林さんのテレビ対談を探していたところ、武田康弘さんのブログに
見つけました。勝手ながら使わせて頂きます。

鶴瓶さん:「人間の【のりしろ】が無くなってきた」
樹木希林さん:「国っていうのも嘘つくんやな」
お二人の言葉が重いです。ブックマークに入れさせて頂きましたので、是非、ご覧ください。
「●鶴瓶さんと樹木希林さんの戦後70年・テレビ対談『国っていうのも嘘つくんやな』
 鶴瓶さん、お見事ー『いまの政府、止めなきゃ、絶対ダメですよ!』」
(2015年8月20日 記)
          ↓
 残念ながら削除されていました。(2016年5月9日 記)

追記5
【安倍政権NO!】の動きが拡がっています。
たくさんの、たくさんの人々のメッセージを見ることができます。
ブックマークに入れましたので、是非、ご覧ください。
「●安倍首相へのメッセージ いろいろな分野から、たくさんの方々が【安倍政権NO!】の
 メッセージを寄せています。必見です!」

http://abe-no.net/approval/
(2015年8月21日 記)

追記6
安倍政権が進めている政策の根源には、第3次アーミテージ・ナイ・レポートがあるという
山本太郎議員の意見を支持します。全てはここから始まっていると思います。
日本は今後、アメリカのリモート・コントロールから脱却するのか、しないのか。
脱却する方向に進むのであれば、これからどうしたらよいのか。
国が国民一人一人が問われていると思います。
ブックマークに入れましたので、是非、ご覧ください。
「●今回の安保法制は第3次アーミテージ・ナイレポートに始まる2015年8月19日
「特別委員会」での山本太郎議員の質疑「今回の安保法案は、
第3次アーミテージ・ナイ・レポートの完コピだ!」
                    ↓
http://www.taro-yamamoto.jp/national-diet/5047
(2015年8月21日 記)

追記7
第二次安倍政権になってから、NHKのニュースが酷すぎる。
いつから安倍政権の私設放送局になったのか!
何のために国民は高い受信料を払っているのか!
なぜ今も、籾井会長が辞任しないのか!
先日、駅でNHK不払いステッカーを配っていた。
改めないのであれば、来年から一括払いを止めようと思う。
(上質なドキュメンタリーはアーカイブスで観られるし……)

2015年8月25日に、元NHKプロデューサーがNHKを告発しています。
「NHKは安倍さんと心中するな!永田浩三さんアピール」
是非、永田さんの悲痛な叫びを聴いてください。

https://www.youtube.com/watch?v=TV5KQnaOLe0


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言葉は人を動かす

2015-08-15 09:21:02 | ②一市民運動
安倍首相の「70年談話」を読み、日本人という・同じ地球に住むという・
同じ時代を生きるという・同じ人間という・・・あらゆる角度から見ても、
何ら共通点が見出せない言葉の羅列に絶望していた。

2015年8月14日、国会前での奥田愛基さんのスピーチを、書き起こしを読みながら聞き、
細胞が蘇るのを感じた。
そして時代を超えて、世代を超えて、言葉は人を動かすことが出来ると確信した。

「奥田愛基さんのスピーチ」をブックマークに入れましたので、是非、ご覧ください。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/258019

【スピーチ全文掲載】「今のあなた方のようにこそ、我々は生きていたかったのだ」
終戦70年前夜、SEALDs奥田愛基さんが涙の朗読──
特攻隊を志した86歳男性から若者らへのメッセージ

追記1
これまで日本人が共通の認識としてきた歴史認識や憲法の解釈を、一政治家が
変えようとしている。
日本人が生きている土台を、ブルドーザーではぎ取られてしまうような危機感を覚える。
2015年8月15日の朝日新聞「座標軸」では、このことを的確に分析している。

【政治は歴史を変えられない 論説主幹 大野博人】
「首相は、談話で『歴史の教訓の中から、未来への知恵を学ばなければ』とも
 『歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈(かれつ)なもの』とも述べた。
 しかし、その言葉とは裏腹に、あえて談話を出すのは、歴史から教訓を受け取るより、
 歴史認識を変えたいという考えがあるからだろう。

 そして、カギとなる言葉の使い方から透けて見えるのは、『戦後レジーム』に対抗するため、
 旧体制を少しずつ名誉回復しようとするかのような姿勢だ。
 主語をぼかし、一般的な言い回しの中に入れる――。
 
 だが、それで歴史は変わらない。政治は歴史の前に謙虚であるべきだ。
 昨日、そう言ったのは首相自身である」  (引用ここまで) (敬称略)

危機感を煽られると、人は冷静に考えられなくなることがある。
以前、安倍晋三著『美しい国へ』を読んだ知人が、「このままでは日本は中国の植民地になる。
子どもたちは自分の国を失ってしまう」と本気で心配していた。

国際情勢は変わってきているのだから、今なんとかしないと大変なことになる。

「ラブ&ピース」では戦争を防ぐことはできない。世界はもっと苛酷なので
集団的自衛権は必要だ。

原発がないと日本経済は立ち行かなくなる。

ホルムズ海峡に機雷が敷設されたら、日本は存立危機に陥る・・・等。

危機感を煽る言葉は、身の回りに溢れている。
たとえば、なぜ「ラブ&ピース」では戦争を防ぐことができないのか。
「世の中、そんな生易しいものではない」とか、「世界情勢は変わってきたのだ」とか、
「世界を知らない」とか、人を威圧する言葉ではなく、具体的に解りやすく説明して欲しい。
なぜ集団的自衛権で戦争を防ぐことができるのか。なぜ「ラブ&ピース」ではできないのか。
取り返しのつかなくなる前に、是非説明して欲しい。

※追記が長くなりましたので「国っていうのも嘘つくんやな(言葉は人を動かす追記2~7)に
 独立させました。


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言葉に対する責任はあるのか

2015-08-07 17:26:02 | ②一市民運動
2015年8月6日の広島平和記念式典挨拶で、安倍首相は歴代の首相を
はじめ自身も3度言及した「非核三原則」には触れなかった。
これに対して菅官房長官は、「核兵器のない世界の実現に向け、国際社会の取り組みを
主導する決意を表明したし、『非核三原則』は当たり前のことだから言う必要もない」と
苦しい言い訳をした。

非核三原則=「核兵器を持たず・作らず・持ち込ませず」が
今の日本で、果たして当たり前といえるだろうか。

8月6日朝日新聞より、
8月5日の参院特別委員会で中谷防衛相は、「核兵器は(他国軍に)提供できるのか」
との質問に、「弾薬に分類される」と述べ、法律上は提供可能との認識を示した。
戦争中の他国軍への後方支援を定めた「重要影響事態法案」と「国際平和支援法案」では、
自衛隊は武器の提供はできないが、弾薬の提供はできるとしている。

●核兵器は弾薬なのだ。

また、法案では後方支援の「輸送」任務に、何を運ぶかの制限がないことも問題となった。
弾薬も武器も輸送できるため、「核兵器、化学兵器、毒ガス兵器は輸送可能か」と問われた
中谷氏は、「法律上は排除していない」と答えた。

後方支援の「補給」をめぐっても、中谷氏は、核兵器を搭載した戦闘機や原子力潜水艦への
補給は「法律上除外する規定はない。現に戦闘行為が行われていない現場であれば
給油はできる」と認めた。(引用ここまで)

こんな何でもありの可能性を残し、ずぶずぶの法案を通してよいのだろうか。

8月14日には「70年談話」が控えている。
小学生にも解る「反省」と「謝罪」の違いが、どうも安倍首相や有識者会議の方々には
理解できないようだ。
「反省」=「自分の行いを省みること」、つまり自分に関することだけなのだ。
「謝罪」=「罪や過ちをわびること」、つまり他者に対する行為なのだ。

「これまでの談話を引き継ぐと言っているし、『謝罪』は当たり前のことだから
 改めて言う必要もない」とでも思っているとしたら、大間違いだ。

また、安倍首相が過去の村山談話などに盛り込まれた「侵略」との表現を踏襲しない方向で
調整していることがわかった。
せっかく良い方に向かおうとしている外交を、後退させることになるのは明らかだ。

こんなに国民に心配をかけ、国民を危険にさらし、国民を苦しめる政権は
今まであっただろうか。
毎日、こういうことばかり書いていると、脳が融けてしまいそうだ。
猛暑の中、集会やデモに参加する人たちが、健康を害しませんようにと祈るばかりです。

※8月7日の「報道ステーション」で、御厨貴(みくりやたかし)さんが
 次のように述べている。

 「総理のやり方は横綱相撲ではない」

 私には「紙相撲」に見えてくる。・・・「軽い」「危うい」「その時任せ」「実態の乏しい」

 また今日の国会でも、「総理大臣の、私が言っているのですから」が出た~。
 だから国民は心配なんです。「アンダー・コントロール」もあったことだし……。


(画像はお借りしました)


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日本の名誉ある役割とは 追記1~3

2015-08-05 04:52:01 | ②一市民運動
長くなりましたので、追記1~3を独立させます。

追記1
ツイッターを見ても、フェイスブックを見ても、いろいろな場所で声や行動が挙がっている。

「民主主義ってなんだ」

「民主主義ってこれだ!」

来年から選挙年齢が18歳に引き下げられる。
まだ早いなんてとんでもない。選挙権を持つからこそ、より一層選挙に関心を持つようになる。
より一層、政治を学び、社会の矛盾に敏感になれる。
暑っ苦しい、閉塞日本に、すずしい風が吹いてきたのを感じる。
(2015年8月1日 記)

追記2
「16歳が訴える!」をブックマークに入れさせて頂きました。是非、ご覧ください。
「私たちは戦争に加担したくない。そんな形で人を殺したくない」
高校生らが安保法案に反対して
デモ~酷暑の中、主催者発表で5000人が参加!

スピーチの書き起こしを読みながら、高校生の声を聞いていると、今の日本に対して
黙っていられない気持ちが、ビンビン伝わってくる。
「おかしいことは、おかしい!」「変だと思うことは、変!」「いけないことは、いけない!」
一人一人が声を上げたら、日本は絶対に変わると思う。そして騙されない知恵も必要だ。
(2015年8月4日 記)

追記3
8月4日の新聞には、礒崎陽輔首相補佐官と、武藤貴也衆院議員の二人の言葉が載っている。
●礒崎陽輔首相補佐官の言葉

「考えないといけないのは我が国を守るために必要な措置かどうかで、法的安定性は関係ない」

「必要かどうかも議論しないで 法的安定性を欠くとか法的安定性でね、国守れますか、
 そんなもので守れるわけないんですよ」

礒崎陽輔は、『日本会議』国会議員懇談会・政策審議会副会長です。
また、安倍首相の政策実現をサポートするキーマンとして、安保政策や憲法改正で
重要な役割を担ってきた。

●安保関連法案に反対する学生団体「SEALDs」について、武藤貴也(36歳)の言葉

「彼ら彼女らの主張『だって戦争に行きたくないじゃん』という自己中心、極端な利己的考えに
 基づく。利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、
 非常に残念だ」

ウィキペディアによると武藤貴也は、「『基本的人権の尊重』という思想によって
『滅私奉公』の概念は破壊されてしまったとしており、『基本的人権の尊重』という
言葉の根底には、身勝手な『個人主義』が存在している」としている。
また安倍チルドレンで、『文化芸術懇話会』の一員。『憲法改正論』のパネリストでもある。

7月23日の彼のブログには【日本国憲法によって破壊された日本人的価値観】と題し、
次のように述べている。
「憲法の三原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)を批判し、
 戦後の日本は三原則を疑うことなく『至高のもの』として崇めてきた。
 私はこの三つとも日本精神を破壊するものであり、大きな問題を孕んだ思想だと
 考えている」(引用ここまで)

言葉を失うとはこのことだ。この二人の発言は、自民党内では氷山の一角なのだろう。
また、こういう人たちが安倍政権を担っているのかと思うと、鳥肌が立つ。
「戦後レジームからの脱却」ではなく「戦前に回帰」し、まさに戦争がしたいとしか
私には思えない。(2015年8月4日 記)  (敬称略)

※昔の子どもがはやし立てる時に使った言葉がある。

「ごめんで済むなら 警察いらない」

「大きな誤解を与えてしまった」と、自分の言葉を早々と撤回し、陳謝する。
任命責任者である首相は、「極めて遺憾であるが、今後とも任務を遂行してもらいたい」と
早い幕引きをはかる。(武藤貴也は、ツイッターの言葉を撤回しないそうです)

国会議員という立場をどう考えているのだろう!
自分の言葉には最後まで責任を持て!
責任が持てない言葉なら使うな!

昔の子どもだった私は、声を大にして言いたい。

「ごめんで済むなら 警察いらない」


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過去から学ぶ

2015-08-01 16:37:09 | ②一市民運動
2015年7月26日放送の、テレビ東京「池上彰の教科書に載っていない
20世紀 戦争を考えるSP」を観る。

ちょうど2年前の2013年7月29日に、麻生太郎副大臣は、次のように語っている。
「ナチス政権下のドイツでは、憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって
 ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。
 あの手口、学んだらどうかね」

この番組では過去から学んだ事例を挙げている。
麻生太郎が言った通り、今の政権とヒトラーとの類似点がいくつもあり興味深かった。

(1)まずは経済政策で国民の支持を得る。
   1929年世界恐慌。1932年には失業者が600万人いた。
   まずヒトラーが手がけたのは大規模な公共事業の実施だ。
   アウトバーン(高速道路)を建設し雇用を生み出し、失業者を50万人まで減らした。
   フォルクスワーゲン(国民車)の設計を依頼したのもヒトラーだ。
   これで国民のふところが潤い、仕事を得ることができた。

(2)恐怖を煽り、共通の敵を作る。
   国民を熱狂させるために共通の敵を作り、みんなを団結させた。
   まずは「マルクス主義打倒」、次は「社会民主主義打倒」、次は「民主主義打倒」、
   最後は「ユダヤ人打倒」と、次々に新たな敵を作っては潰していった。

(3)演説で「平和」「自由」「取り戻す」を何度も使う。
   「ドイツ民族の栄光を取り戻す」
   「我々ドイツそしてオーストリアで、あるいは北で西で、あらゆる場所で、ドイツ国民を
    そして祖国を、正しい動きに戻そうではありませんか」
   「我々が再び立ち上がりたいのであれば、天才的な独裁者が必要である」
   「平和のための独裁」
   「平和を愛するとともに、勇敢な国民になってほしい」(若者に向けて)
   「総統は我々に勝利を約束する。我々に平和を保障してくれる」
    (ナチス党大会で、側近ルドルフ・ヘスの開会宣言)
   「労働が自由をもたらす」(ダッハウ強制収容所の入り口に書かれた言葉)など。
   また、ジェスチャー(指を立てるなど)を使ったり、集会を夜に開くなど、
   幻想的な雰囲気の中で国民の熱狂を演出した。

(そういえば、「日本を取り戻しゅ」というのもあったっけ)

(4)憲法を変えずに、憲法の解釈を変える。
   「ワイマール憲法」は、第一次世界大戦後に制定されたドイツの憲法で、
   当時、世界で最も民主的な憲法と言われた。
   ところがヒトラー内閣は、1933年に「全権委任法」を成立させる。
   これにより、国会が立法権を政府に委譲することになる。
   憲法は変えないでおいて、憲法の下で新しい法律をつくり、憲法の効力を
   無くしてしまう。つまり憲法は変えずに、憲法の解釈を変えた。

(憲法解釈でのあまりの一致に、コメンテーターが笑いを堪えているように見えたのは、
 私の思い過ごしだろうか)

次に、心に残った言葉を引用します。
(1)アドルフ・ヒトラー
   「大衆の多くは無知で愚かである。嘘を大声で十分に時間を費やして語れば、
    人はそれを信じるようになる」

   「私は、我が民族の復活がおのずから達成されるとは思っていない。
    国民自らが、全力を尽くすべきである。
    自由や幸せな生活が突然、天から降ってくることはない。
    全ては我々自身の意志と行動に掛かっている。
    我が国家、我が民族以外の助けを望んではならない!
    ドイツ国民の未来は、我々自身の中にこそ存在するのである。
    国民自身が国民を向上させるのだ。
    勤勉と決断と誇りと屈強さによって、
    ドイツを興した祖先と同じ位置に上ることが出来るのだ」 (首相就任演説)

(2)ワイツゼッカー元独大統領
   1985年5月8日、ワイツゼッカー元大統領はドイツ連邦議会で
   次のように演説している。

   「後になって過去を変えたり、起らなかったことにするわけにはまいりません。
   過去に目を閉ざすものは結局のところ、現在にも盲目になるのです。
   非人間的な行為を心に刻もうとしないものは、新たなそういう危険に陥りやすい
   のです。ユダヤ人はそれ(非人間的な行為)を心に刻んでいます」

(3)メルケル首相
   2015年5月3日、メルケル首相はダッハウ強制収容所解放70年式典で、
   次のように演説している。

   「私たちは決してこの歴史を忘れてはいけない。常に謝罪し続けることが必要だ。
    国としてまた市民としての義務により、私たちドイツ人は全てのナチス犠牲者に
    対して責任を負っています。
    ここダッハウ強制収容所の犠牲者に対しても同様です」

(4)91才のナチス元兵士
   「ヒトラーは労働者にパンを与え、アウトバーンを建設した。
    それによって人々は仕事を得ることができました。
    奴は狂っていました。
    そしてドイツの全ての国民を狂わせました。
    なぜ誰も奴を止めることが出来なかったのか・・・なぜ・・・どうして・・・。

(5)池上彰
   「ドイツの子どもたちは必ず強制収容所の歴史を学ぶ。
    過去にあったことをきちんと認識しなければいけない。
    そうした姿勢を示すことで、周りの国々の信頼を得ている」

2015年5月、ナチス発祥の地であるミュンヘンに、「NS文書センター(ナチス資料館)
が作られた。
ここは過去にナチスが行ったことの、加害者の歴史の記録を展示している。

番組の最後では、ミュンヘン大学での反ナチスの運動(白バラ運動)で、
命をかけてナチスと闘い、犠牲になった若者たちへの記念碑が映しだされた。
それは地面に埋め込まれた、反ナチス運動の「散らばるビラ」だった。   (敬称略)

コメント (2)
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