今日のうた

思いつくままに書いています

目をそらさないで!

2023-06-19 14:48:12 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
YouTubeを開いたら、「あなたにお薦めの動画」として
昨日アップされた次の動画が入っていた。
YouTubeで下の文字をコピペして検索すると出てきます。
もし被害者があなたの息子だったら、
もし被害者があなたの孫だったら・・・。
目をそらさないで観てください。
削除されることもあると思うのでお早めに!

BBCドキュメンタリー「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」
【日本語字幕つき】


追記
英国人記者が見た「日本特有の問題」ジャニーズ性加害問題がうつす日本
【5月25日(木)#報道1930】|TBS NEWS DIG



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残り時間の

2023-05-25 16:53:00 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
車を運転していると気になる看板を見かける。
「残り時間の美容室」
これは人生の残り時間が少ない高齢者のための美容院なのだろうか。
もしそうなら何と傲慢なネーミングだろう。
だがHPを調べてみると、どうも普通の美容院のようだ。
残り時間にはどういう意味が込められているのだろう。

山本文緒著『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』を読む。
余命4か月と宣告された著者が綴ったほぼ4か月にわたる日記だ。
できるだけ感情を排して日々の暮らしが描かれているように感じる。
だからこそ余計に一日一日の暮らしがつよく伝わってくる。
4か月というと短いが、120日の間、死と向き合って暮らすのは
しんどいだろうなと思った。
いずれ通る道と思いながら読んだ。

早川千絵監督「PLAN 75」を観る。
国が一人の人間に死を選択するよう仕向ける。
どんな理由があろうと、生きていく道が閉ざされていようと、
「死を選ぶ」ことは本人だけでなく身近な人にとっても
割り切れるものではない。
たとえ「死」を選択したとしても、そこには計り知れない
迷いがある。決して国に強要されるものではない。
ラストシーンの夕日が、この世のものとは思えないほど
美しかった。

ラジオだったか、面白い言葉を見つけた。
年を取ると「今が一番若い」と思うが、
若い人は「今が一番年を取っている」と感じるそうだ。
納得です!

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やがて海へと届く

2023-05-08 10:38:38 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
岸井ゆきのが出演している映画やドラマは間違いない、という
信念が私にはある。観ていて風呂あがりのような安心感があるのだ。
そんなに本数を観ているわけではないが、「愛がなんだ」「恋せぬふたり」
「アトムの童(こ)」「日曜の夜ぐらいは・・・(2話放送中)」など。

2022年公開映画、中川龍太郎監督「やがて海へと届く」も
期待を裏切らないものだった。
アニメーションで始まるので間違えてDVDを借りたのかと思った。
中川監督は詩人だそうで、とにかく映像が綺麗でそれぞれのピースが
自然で、最後にピタッと完成する。
岸井は作品によってさまざまな表情を見せる。
岸井をはじめとして登場人物は押しつけがましさがなく、
控えめだが自分の人生をしっかり見ている。
中川龍太郎監督1990年生まれ、岸井ゆきの1992年生まれ、
そしてコック長役の中崎敏(はや)1991年生まれ。
この映画で知った中川、中崎、若い才能はこれからが楽しみだ。

岡田惠和(よしかず)脚本「日曜の夜ぐらいは・・・」では
清野(せいの)菜名を知った。
抑えた演技で内面を豊かに演じていて、彼女も楽しみな役者だ。
ただ残念なのは、悲しい場面では悲しい顔、うれしい場面では
うれしい顔といった紋切り型の演技で、しかもオーバーアクションが
目立つ女優がいることだ。観ていて心がざわついてくる。
彼女はドラマの合間のCMにも出ていたので、スポンサーからの圧力
なのか、あるいはプロダクションからの圧力なのか、いいドラマなだけに
とても残念だ。

「ケイコ目を澄ませて」を早く観たいのだが、まだDVD化されて
 いないようだ。

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地球が静止する日

2023-04-17 10:14:02 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
NHKBSプレミアムで「地球が静止する日」を観る。
1951年の作品で監督はロバート・ワイズ。
SF映画なので多少の古さはあるが、脚本がしっかりしていて
思わず引き込まれた。
高度な文明を持つ宇宙人が地球人に同化してゆく様や、
少年とのやり取りは愉快だ。
彼らは地球人に警告するために遣わされたのだが、
世界の為政者は聞く耳を持たず、科学者に訴えることになる。

そして
「地球上の指導者たちが核兵器や戦争による殺戮で、他の天体を脅かす
 ようなことがあれば、自分たち宇宙警備隊(?)が地球を一瞬にして
 滅ぼすであろう」とのメッセージを残して円盤で去っていく。

メッセージは古びていないどころか、今まさに必要なものだ。
私が1歳の時、つまり戦後6年しか経っていない時に
アメリカがこのような映画を作っていたことに今更ながらに驚く。
太平洋戦争を始めた為政者は、こんな大国と戦争をして勝てるとでも
思っていたのだろうか。


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ZERO LANDMINE

2023-04-13 16:12:18 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
You Tubeのお薦めに「The making of ZERO LANDMINE」が
あったので観た。
これは2001年4月30日にTBSの特別番組として放送されたもので、
地雷ゼロキャンペーンとして坂本龍一が世界のミュージシャンとともに
楽曲を作りあげる1年間の記録だ。

そのため坂本はアフリカに飛び、チベットに飛び、韓国に飛び、
そしてアメリカに帰り、多くのミュージシャンと楽曲を完成させる。
最後に衛星放送を交えての1度きりのコンサートは圧巻だ。
私は胸をえぐられるほどの衝撃を受け、知らずに涙がこぼれていた。
そして世界はまだまだ捨てたものではないと強く思った。

①The making of ZERO LANDMINE
        ↓
 https://www.youtube.com/watch?v=uk97NU-brbM

②The YFO#96 ZERO LANDMINE Segment Arrangement
Extend to support Zero Landmine 2022 50 min
           ↓
https://www.youtube.com/watch?v=a6sm0LtWoUM&t=1813s

※①は1時間43分、②はダイジェスト版で50分です。


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ケイコ 目を澄ませて

2023-02-04 08:37:33 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
「愛がなんだ」の岸井ゆきのが、「ケイコ 目を澄ませて」の作品で
「2022年 第96回キネマ旬報ベストテン」の主演女優賞に選ばれた。
この映画は日本映画作品賞や助演男優賞(三浦友和)、そして
読者選出 日本映画1位、読者選出 日本映画監督賞(三宅唱)を受賞した。
おめでとうございます。
私はこの賞を一番信頼している。公平だと思えるからだ。
早くDVD化されて欲しいです。

以前から日本アカデミー賞は映画会社の思わくや、2020年に亡くなった
日本アカデミー賞協会・前会長の思わくなどが入り交じり、
受賞を素直に喜べないことが何度もあった。今年はどうなるのだろう。

第46回日本アカデミー賞の優秀作品賞に、「PLAN 75」と
「ケイコ 目を澄ませて」は入ってはいなかった。やっぱりね~!
日本アカデミー賞協会に、若き映画人を育てようという気持ちが
あるのだろうか。

ちなみに三宅唱(しょう)監督は38歳で、「Playback」や
「きみの鳥はうたえる」の作品がある。
以前このブログでも取り上げている。
      ↓
https://blog.goo.ne.jp/keichan1192/e/d492d184e3fedf773e437b43b13a54d7


追記1
第46回日本アカデミー賞の優秀脚本賞に「PLAN75」の早川千絵監督、
優秀主演女優賞に倍賞千恵子、そして最優秀主演女優賞に岸井ゆきのが
選ばれました。おめでとうございます。
心よりお喜び申し上げます。
(2023年3月14日 記)

追記2
「ケイコ目を澄ませて」を観る。
忘れられない作品になりそうだ。
この映画の前後に岸井ゆきのへのインタビューがあるが、
映画の人物とインタビューを受けている人物が同一人物とは
到底思えなかった。
彼女は150センチと小柄だ。
ボクシングで女性の最軽量は46・26(アトム級)だそうで、
そのために体重を7-8キロ増やしたという。
ただ太ればいいというわけではなく、糖質制限をし、
タンパク質を多くとり、戦う体にしていったそうだ。
聞こえないということがどういうことなのか、
ましてリングで聞こえないで戦うということがどういうことなのか、
映画ということを忘れて観ていた。
(2023年9月25日 記)


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くれなずめ

2023-01-28 09:22:35 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
今泉力哉監督「愛がなんだ」に成田凌が出ているが、
松居大吾監督、成田凌、若葉竜也、藤原季節出演の
「くれなずめ」も面白かった。
どうしようもなくアホで真面目で愛おしい青春。
それが30代になろうと50代になろうと70代になろうと、
年を取ればとるほど尊いものに思えてくる。
このような群像劇が私は好きだ。
この映画は成田凌の愛らしさから成っている。

今泉力哉監督の映画、宮沢氷魚、藤原季節出演の「his」もよかった。
宮沢氷魚や藤原季節も好きな役者だ。

昨日観た今泉力哉監督の映画「街の上で」に出ている若葉竜也って何者?
この映画は下北沢を舞台に、ここにたむろする若者の群像劇だ。
若葉竜也の演技とは思えない揺蕩(たゆた)い感、見ていてイライラする
ほど時間がゆっくり流れる。
見られている意識はないようで、何ごともないような肝の据わり具合。
眼が離せなくなって一気に観た。
ウィキペディアによると、若葉竜也は大衆演劇のチビ玉三兄弟の
一人だそうだ。

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お父さんと伊藤さん

2023-01-25 17:12:19 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
老後は時間がたっぷりあるので映画は観放題、本は読み放題
になると思いきや、そうはならないようだ。
パソコンに長く向かっていたり、読書をすると眼が痛くなる。
おまけに片頭痛が起きる。
必然的にラジオや音楽を聴く時間が増えるのだが、
眼と相談しながら好きな映画を観ている。

生きるエネルギーがなくなってくると、深刻な映画を
観ることが難しくなる。
映画が発する怒りに応えられなくなるのだ。
そんなわけで気楽に観られる映画を観ている。
最近観た映画で面白かったのは次の4作だ。

①お父さんと伊藤さん(2016年公開)
黒沢久子脚本、タケダユキ監督。
息子の家から出ていくことになったお父さん(藤竜也)は
娘(上野樹里)のアパートに転がり込むことになる。
だが娘は20歳年上の彼と同棲していた。
娘の彼(リリー・フランキー)はバイト先のコンビニでは
年下の店長に怒られるし、どう見てもカッコいいとは言い難い。
娘はなぜ好きになったのだろう。
ところがいろいろなことが起こると、リリー・フランキーが
頼り甲斐のある哲学者のように見えてくるのだ。
お父さんが取った最後の決断は潔くて参考になった。

②エール!(2014年公開、フランス映画)
エリック・ラルティゴ監督。
アカデミー作品賞を取った「コーダ あいのうた」はこの作品のリメイク。
生命力溢れるポーラ役のルアンヌ・エメラが最高に素晴らしい。
演技とは思えないくらいすべてが生気に満ちている。
この映画を先に観たので、「コーダ あいのうた」は
万人受けを狙ったようで物足りなかった。

③愛がなんだ(2019年公開)
角田光代原作、今泉力哉監督。
私は岸井ゆきのと成田凌が好きだ。
ルアンヌ・エメラもこの二人も映画の中でしっかり生きている。
大満足な映画だ。

④月はどっちに出ている(1993年公開)
梁石日(ヤン・ソクイル)の自伝的小説が原作。
崔洋一(さいよういち)監督。
主演は岸谷五朗とルビー・モレノ(懐かしい)
方向音痴のタクシー運転手が迷子になると会社に電話する。
すると社長は「月はどっちに出ている?」と聞くのだ。
東京タワーの右だったり(?)、富士山の左だったり(?)。
この映画を観てから「月はどっちに出ている?」のフレーズが
頭を離れない。

崔監督は2022年11月に73歳で亡くなった。
最近は70代で亡くなる方が目につく。
映画「PLAN75」を早く観たいのだが、DVDになるのはまだ先らしい。

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椿の庭

2022-09-28 10:21:06 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
テレビで気になるCMがある。
70代後半の女優Yが、どうみても20代か30代にしか見えない姿で、
婉然たる笑みを浮かべてビールの宣伝をするのだ。
今は技術が発達してどのようにも見せることが出来るようだが、
私はこのCMを観るといや~な気持ちになる。

政治家もそうだが、永い間イエスマンに取り囲まれていると
自分を客観視できなくなるのだろうか。
あるいは70代か80代になるであろう古くからの
ファンが、女優Yの老いを許さないのだろうか。
それとも彼女がそう思い込んでいるだけなのだろうか。
いずれにせよ、どの世界でも力を持つ人に周りは何も
言えなくなるようだ。

そんなことを考えている時に、『椿の庭』という映画に出会った。
2021年公開の上田義彦監督、富司純子(ふじすみこ)主演の
この映画は映像が素晴らしい。(後で上田監督が写真家であることを知る)
海の見える高台に建つ古民家を移築したこの家は自然の美しさの中にあって、
四季折々の花々を楽しむことができる。
ここでの生活を楽しんでいたであろう夫の四十九日から映画は始まる。
説明やせりふは極力省かれているが、富司純子のふとしたせりふや表情から、
亡き夫との生活が伝わってくる。

富司純子の存在感が素晴らしい。
しわや首のたるみまで品があり、これまでの凛とした彼女の生き方を
伺い知ることができる。
毅然としているがゆえの亡き娘との葛藤が、ちいさなベビーシューズや
出さずに保管されていた古い手紙などから伝わってくる。
そしてゆったりとその世界に浸ることができる。

夫の弟役の清水紘治が、兄さんの家でいつもかかっていたと語る
ブラザース・フォアの「Try to Remember」のレコードが切ない。
         ↓
https://www.youtube.com/watch?v=KAn4L0l_-SU

沈恩敬(シム・ウンギョン)の透き通るような素足と椿。
せりふではなく映像がここでの生活を雄弁に語っている。
このような素晴らしい映画が日本では評価されずに外国で評価される。
このことが一映画ファンとしては悲しい。
日本の映画界は政治の世界同様、力が支配しているのだろか。

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82年生まれ、キム・ジヨン(映画)

2022-03-10 14:38:42 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
2019年製作の映画「82年生まれ、キム・ジヨン」を観る。
ジヨンを演じるチョン・ユミと、その夫を演じるコン・ユに好感が持て、
小説を読んだ時よりも心に切々と伝わってきた。
ジヨンを案じるオモニを演じるキム・ミギョンがすばらしい。

ジヨンの母親は兄さんたちの学費を稼ぐために進学を諦め、
工場でミシンを踏み続けてきた。
自分の娘には同じ思いをさせまいと育ててきたが、家族を含め
あらゆる場所でジヨンは差別を受ける。
父親からして息子と娘では扱いが違うのだ。
母親が父親に言った言葉が痛々しい。

「息子しか眼中にないの? 娘はやりたいこともできず衰弱している」

子育ての疲れも重なり、精神的に参ってしまったジヨンは
夫の実家で”憑依”を経験する。
コーヒーショップでは子連れというだけで「ママ虫」と暴言を受け、
再就職もままならず、何ともやるせない。
だがジヨンは理解ある夫とともに一歩ずつ歩き出す。
ふたりを応援したくなった。

ジヨンが精神科医に話す次の言葉が、ジヨンの閉塞感を言い表しているので
引用します。

「誰かの母親、誰かの妻として 
 時に幸せを感じます
 でもある時ふと閉じ込められている気分に
 出口が見えたと思ったら 
 また壁が立ちはだかっていて
 他の道にも壁が現れる
 ”最初から出口はないんだ”と思うと
 腹が立つんです」            (引用ここまで)


2019年7月31日のブログ「82年生まれ、キム・ジヨン(小説)」
            ↓
https://blog.goo.ne.jp/keichan1192/e/e4a0b976ddbca4cb7c8608341af9c087

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生きていればきっと笑える時がくる

2021-06-17 11:28:33 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
追記
YOU TUBEで次の動画を見つけました。
私は上野千鶴子さんに同意します。

「シリーズ【コロナ禍の五輪開催を考える】
「(五輪開催で)“戦死者”がひとりでも出ないように祈るような気持ち」
 社会学者・上野千鶴子 #Tokyo2020
        ↓
https://www.youtube.com/watch?v=60jlR4a4GrE
(2021年6月18日 記)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ETV特集「生きていればきっと笑える時がくる」を観る。
【SEALDs】を創設した奥田愛基(あき)さんのお父さんが牧師で、
ホームレス支援をされていることは知っていた。
今回、ETV特集で奥田知志(ともし)さんの活動を知った。
NPO法人「抱樸(ほうぼく)」代表の奥田さんは、北九州市で
ホームレス支援を始めて33年、これまでに3600人以上の人が
路上生活から自立するのを手助けしたという。

支援はホームレスの人だけではない。居場所のない若者や
悩みを持つ若者にも手を差し伸べる。

中学生に襲われたホームレスの人が、次のように語ったという。
「たとえ家があっても誰からも心配されない。
 家があっても帰る場所がない。
 それはホームレスの俺と一緒」

奥田さんは、
「ハウスレス問題とホームレス問題は違う」とそのおじさんから
 教えてもらったそうだ。

困っている人がいたら、手助けしたい気持ちはある。
だが奥田さんのように、埋められないものを抱えた人に対して、
命がけで埋めていくことは私にはできない。
何があっても人を見捨てない、関わろうとする。
ご自身がお話になるように、人間が好きなのだと思う。
大変なことはしょっちゅうだし、いろいろな人間がいる。
だから人間が面白いのだ、と。   (引用ここまで)

そういえばアベノマスクを送った先は、確か北九州市だった。
そちらに届いたのだろうか。

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響子

2021-06-13 11:59:23 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
若い頃はあんなに眠かったのに、今は朝の5時がくるのが待ち遠しい。
時間は有り余るほどあるが、PCに向かったり読書をしたりすると
すぐに眼が疲れて頭が痛くなる。
1日が長すぎる。4時間程をどなたかにさし上げたいくらいだ。
それでいて気がつくとすぐに土曜日が来ている。

老後をどうやって過ごしたらいいのか、参考になる人が身近にいない。
母は62歳で亡くなっているが、それより9歳も長生きした私には
参考にならない。
父は若い頃から商売は母任せで、数学をしたり本を読んだり
短歌をしたりしていたので、亡くなる73歳のいつからが
老後だったのか分からない。

音楽も聴いたし何をしようか悶々としていたところ、
YOU TUBEで向田邦子のドラマを見つけた。
これが脳裏に焼き付いて離れないほど強烈なものだった。

「響子」
「向田邦子新春シリーズ」とあるのが、こんな濃厚なドラマを
TBSは新春早々家族が観ている茶の間に流せたのだろうか。
今だったら、BPO(放送倫理・番組向上機構)が黙ってはいないだろう。
脚本・筒井ともみ、監督・久世光彦(くぜてるひこ)。
石材店が舞台だが、みな石に取りつかれている。
主人公の響子は石を打つ時の音から付けられた。
響子役は田中裕子、その夫は労咳(ろうがい)で寝たきりだが、
この夫役が筒井康隆だったのには驚いた。
母は加藤治子、父方の祖父は森繁久彌、そしてアル中の職人に小林薫。

母と祖父は通じている。祖父も寝たきりで母は枕元に正座している。
その時の祖父の手の動きと目の表情、そして母の着物のしわが
やや動き、母は恍惚とした表情を浮かべる。
動きはこれだけで数分間の出来事だ。たったこれだけのことで、
永年の二人の関係を赤裸々に描いている。

田中裕子と小林薫も石に取りつかれた二人だ。
思い余って石を口に含んだ田中は、その石を小林に口移しにする。
こちらも森繁・加藤に負けず劣らず、ショッキングなシーンだ。

日常の中にひそむ情念をこのドラマは見事に描き切っている。
映画「天城越え」の田中裕子はよかったが、このドラマでも
他の追随を許さない素晴らしさだ。

田中裕子、黒木華、松坂桃李、二宮和也、自己主張をし過ぎない
美しい顔の役者は、どんな役でも様になると思った。

追記1
「岸辺のアルバム」もYOU TUBEで観られることが分かりました。
(2021年6月14日 記)

追記2
向田邦子原作、久世光彦監督・ディレクター、岸惠子主演のドラマ
「言うなかれ、君よ別れを」をYOU TUBEで観る。
こんな素晴らしいドラマをテレビで放送していたことに、ただただ驚く。
小林薫がこれまでとは違ったいい味を出していた。
状況劇場をやめるという小林を引き止めるために、唐十郎が包丁を持って
説得に行ったという逸話も頷ける。
(2021年7月3日 記)

追記3
若い頃に観たかった映画に「忍ぶ川」がある。
当時は照れがあって映画館に行けなかった。
今は便利だ。昔の映画をDVDを借りて観ることができる。
三浦哲郎原作、熊井啓監督、栗原小巻・加藤剛主演。
熊井監督だけに社会性のある作品だ。

私が小さい頃には、住処のない一家がお寺に住んでいた。
家賃の代わりに酒盛りの際、飲食を提供する手伝いをしていた。
割烹「忍ぶ川」で働く栗原の父親も病気で、故郷の神社にひとり
住まわせてもらっている。そして栗原が仕送りをしている。
当時は貧しくても、今よりも情があったように思う。

「純愛」という言葉が恥ずかしくなく言える映画だ。
シャンシャンと鈴を鳴らしながら、雪の中を馬ぞりがやってくる。
その音に障子を開けて二人で見るシーンは、想像以上に美しかった。
バレリーナを目指していたという栗原の体は、神々しくさえあった。
その後、栗原は演劇に移っていったようだが、もっと映画が観たかった。
(2021年7月28日 記)


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精神0

2021-06-09 08:43:21 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
なぜこの国では「選択的夫婦別姓」が認められないのだろう。
別姓にしたい人だけがするのに、なぜ人がすることにすら
反対する人がいるのだろう。
なぜこの国では「LGBTなど性的少数者をめぐる
『理解増進』法案」が、国会に提出されないのだろう。
なぜ人間の存在価値は生殖にあると信じているガラパゴス人間が、
いまだ政治の中枢にいるのだろう。
まるで時間が止まってしまった国のようだ。

「夫婦別姓確認訴訟」で話題になった想田和弘監督の
「精神0」を観る。
82才になる精神科医、山本昌知・芳子夫妻を撮った
ドキュメンタリー映画だ。
山本医師が引退することになり、患者にそのことを伝えることから
映画は始まる。
「ずっと先生に診てもらってきたのに、これからどうすればいいのか」、
という患者の話を、決して急かさず、はしょらず、じっと聞いている。
余計な口出しもしない。そして的確なアドバイスをする。
これほどじっくり人の話を聞いたことが、私にあっただろうか。

認知症の妻に対しても、決して怒らず、急かさず、余計な手出しはせず、
じっと見守っている。そして自分が出来ることをする。
カメラは二人をただ撮り続ける。
妻が自分の家の玄関の戸が開けられない時も、夫の疲れが極限に
達している時も、夫が日本酒の栓を開けられない時も、
カメラは静かに撮り続ける。

植木の陰にエサがそっと置かれ、野良猫がそれを食べる様子を、
駐車場で毛づくろいする様子を、カメラはじっと撮り続ける。

説明は要らない。いろいろな人の言葉や状況から様々なことが分かる。
押しつけがましい感動も要らない。二人の後姿を観ることで
いろいろな感情が心に溜まっていく。

石井裕也監督と鶴瓶さんの対話をYOU TUBEで観た。
その中で石井監督は、「分かりやすい映画は観て楽しかった、
で終わってしまう。そして1週間も経たないうちに忘れてしまう。
今は分かりやすい映画が多すぎる。
だがその時は分からなくても、ずっと心に残る映画がある」
鶴瓶さんは石井監督の「ぼくたちの家族」を絶賛していた。
確かにいい映画だった。

私は「精神0」を観た時に、石井監督の言葉を思い出した。
善意の安売り、感動のオンパレードのような映画は観たくない。
いい映画は多くを語らなくても、ゆっくりと静かに
観客の心に降りてくる。そして留(とど)まる。

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今ここにある危機とぼくの好感度について

2021-05-30 11:25:31 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
NHKドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度について」が終了した。
前にも書いたが、このドラマは「ジョゼと虎と魚たち」の渡辺あやが
脚本を担当している。この脚本が抜群にいい。
この脚本を採用したNHKがいい。
今、まさにこの時期に放送されるべき作品だ。
ドラマの舞台となっている帝都大学を日本国家に、帝都大が主催する
「次世代科学技術博覧会」をオリンピックに置き換えれば、
今の日本の状況にぴったりと当てはまる。

内容は、帝都大学の研究所から「サハライエカ」が逃げ出す。
この蚊が在来種と交わったことで、人間にアレルギー反応を
引き起こし、人によっては死に至らしめる蚊が発生する。
だが大学は「次世代科学技術博覧会」を控え、このことを
隠蔽しようとする。もし漏洩したら大学は最大規模の損失を出し、
評判がガタ落ち、文科省からの交付金は大幅に削減され、
大学は存続の危機に陥る、というのだ。
だからどんなに追及されようとはぐらかし、証拠を廃棄し、
すべて無かったことにしようとする。マスコミ対策も怠りない。
まさに真実は闇に葬られようとしていた。
感染者が次々と出ているのに、だ。
「次世代科学技術博覧会」が成功裡に終わりさえすれば・・・。

ここに松重豊演じる総長が、松坂桃李演じる何とも頼りない広報担当と、
あらゆる妨害を排して真実を公表する。
総長の言葉が素晴らしく、今の日本にとっても重要な言葉なので
引用させて頂きます。

「弟子が孔子に問うた。『もし先生が政治を志すとしたら
 何をなさいますか』
 孔子の答えは『必ずや名を正す』というものだった。
 俺の解釈は、
 病気を認めるしかない。  
 病名を付けなければ治せない。
 どんなに嫌でも、正しい名を付けなければ
 病気を重くするし、死にかけているなら
 まずそれを認めるしかない。
 どんなに嫌でもまず病名を知らなければ
 治療が始まらない。
 問題には正しい名を付けなければ
 それを克服することが出来ない。

 帝都大は過ちを犯した。
 ゆえにしかるべき責任を取らなければならない。
 蚊の流出が真実なら、どんなにつらくとも、それを
 証拠不十分と言い換えてはならないのだよ。
 「次世代科学技術博覧会」も人命には代えられない。  
 帝都大の尊厳、賠償、存在の危機を考慮しても  
 その名に恥じない選択をしなければならない。
 私は学者だ。誇りをもって孔子の教えに従うまでだ。
 
 我々がこのまま生き残って行けるとは、私にはどうしても思えない。
 なぜなら腐っているからだ。
 今や組織としては腐り切っている。。
 不都合な事実を隠蔽し、虚偽でその場をしのぎ、
 それを黙認し合う。
 何より深刻なのは、そんなことを繰り返すうちに
 我々はお互いを信じ合うことも、敬(うやま)い合うことも
 出来なくなっていることです。
 お互いに信頼も敬意も枯れ果てたような組織に、
 熾烈な競争を生き残っていく力はありません。

 もし本当にそれを望むなら
 我々は生まれ変わるしかない
 どんなに深い傷を負うとしても
 誠の現実に立ち向かう力
 そしてそれを乗り越える力
 本当の力を一から培(つちか)っていかなければならない。
 たった今から、おそらく長く厳しい闘いになる。
 これはその第一歩です。     (引用ここまで)


総長の言葉は、今まさに私たちが問われていることです。
決まってしまったことは変えられない、
動き始めたことは止められない、
どんなに状況が変わっても、どんなに反対が増えても、
終わった後に悲惨な結果が待ち受けていることが明白でも、
決めたことは突き進む。

「NO!」と言えない国民では、今も太平洋戦争の時と同じです。
原発しかり、リニアモーターカーしかり、辺野古埋立てしかり、
そしてオリンピックしかり・・・。このままでは将来、
日本はとんでもない国になってしまうだろう。
ドイツ在住の日本人医師が、「五輪変異株」について言及していた。
新型コロナウィルスは未知の病です。
今後、どういった変異を遂げていくのか、誰にも解らない。
高齢者で持病のある私は、「オリンピックには殺されたくない!」
という思いが、日に日に強くなってきている。

※いまだ監視されているようで、妨害が入りました。
 しばしブログをお休みします。
(2021年6月1日 記)

追記
「7/22 コロナ禍の五輪開催を考えるVol.5 なぜ私たちは
 反対の声をあげるのか #いまからでも五輪中止を」
            ↓
https://www.youtube.com/watch?v=OU5jo6FTyLk&t=8399s

 
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ロング、ロングバケーション & 春との旅

2021-05-23 17:16:42 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
コロナで死が一歩近づいたように感じるこの頃、
借りる映画も老いを扱ったものが多くなった。
だからと言って死を真正面から扱った映画は、今は観たくない。

①ロング、ロングバケーション(原題はThe Leisure Seeker)
leisureの原義は、好きなように行動する自由が認められている。
バケーションよりもleisureの方が映画に合っている。
ハリウッド映画の名優、ヘレン・ミレンとドナルド・サザーランドが
夫婦役で出ているのでアメリカ映画と思ったら、イタリア映画だった。
全身に散らばったガンを患う妻と、アルツハイマーで記憶が飛ぶ夫。
子どもたちはそれぞれに入院と施設を進めるが、そんなものくそ食らえ
とばかりにキャンピングカーで自由に生きることを選ぶ。

自由はもちろん責任が伴う。
夫はおもらしをするし、すぐに居なくなる。
妻のことも忘れるし、昔の恋人の名前で呼んだりする。
車はパンクするし、レスキューを待っていれば強盗にだって遭う。
その度に、妻は独り言のように怒りや罵りの言葉を発する。
こうすることで、気持ちを整えているのだろう。

冒険の楽しみもいっぱいだ。知らない人と自分たち家族の
昔の幻灯(8ミリ?)を観たり、夫の教え子と出会ったり、
たまにはホテルに泊まって二人でワインやダンスを楽しんだりする。
今は手を煩わす夫だが、永い年月、夫を尊敬し愛してきたのだろう。
ヘレン・ミレンの、何が起きても笑い飛ばす強さ、軽やかさ、
賢さ、逞しさ、そして愛情深さに惚れ惚れした。
笑いながら観ているうちにしっかり心に刻まれる、まさに職人芸を
見る思いだ。ジャニス・ジョプリンの曲(Me & Bobby McGee)がいい。
自由でいたけりゃ責任が伴う。このことをしっかり心に刻み付けた。

②春との旅
こちらは日本のどこにでもいる、仕事は出来ても一人では生きられない
男の物語だ。
原作・脚本・監督小林政広。仲代達矢演じるおじいさんは漁師をして
いたが、今は足が少し不自由で、二十歳の孫の世話になっている。
妻は病死、娘は自死、孫は学校が廃校になり給食の職を失う。
孫の自立を妨げるおじいさん。見ていてイライラする。
自分の面倒を看てくれる兄弟を探して、孫とおじいさんの
旅が始まる。孫役の徳永えりがいい。

メーキングビデオの中で、監督は次のように語っている。
「スタッフをはじめ、役者にやさしくしてはダメだ。
 やさしくすると役者がダメになる」
突き放し、遠くから見守る。徳永は暗闇の中、朝まで一人で海を
見ているように命じられる。
誰も助けてはくれない。頼れるのは自分だけ。
こうした環境の中で、彼女は成長していったようだ。
いい監督に出会うことは、役者冥利に尽きるだろう。

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