今日のうた

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“医師の罪”を背負いて~九大生体解剖事件~

2015-12-18 16:33:27 | ②一市民運動
※下のドラマの拡大版、終戦ドラマ「しかたなかったと
言うてはいかんのです」が、NHKBSプレミアムで再放送されます。
【放送予定】 2021年9月4日(土)22:30~0:00
(2021年9月4日 記)


※九大生体解剖事件を題材にしたドラマ
「しかたなかったと言うてはいかんのです」がNHKで放送されます。
【放送予定】 2021年8月13日(金)総合 22:00~
(2021年8月11日 記)


重く辛い内容に続けて観ることが出来ず、何回かに分けて観た。
これからどんな政権が誕生しようとも、
永久に保存しなければならない傑作だと思う。
「負の遺産」を遺し続けてこそ、そこから学び続けることができるのだ。
「戦後生まれで、歴史を持ち出されても困る」といった論理は
絶対に通用しない!

蒼井優と妻夫木聡に、何度泣かされたか分からない。
蒼井優の笑顔に、何度救われたか分からない。
心に残った言葉を引用させて頂きます。

死刑判決を受けた軍人の言葉
「何もしなかった罪ということもあるんじゃないだろうか」

主人公の医師の言葉
「人間の命に対して 仕方ないはなかとです。
 決して仕方なかったと言うてはいかんのです」(引用ここまで)

良質なドキュメンタリー番組がめっきり減ってしまったNHKだが、
ドラマでは素晴らしい作品を残している。今後も期待します。
(2021年8月16日 記)



NHK ETV特集「“医師の罪”を背負いて~九大生体解剖事件~」の再放送が、
今晩あります。 12月19日(土)午前0時00分~午前1時00分

概要は
終戦間際の1945年5月17日から6月2日まで4回に分けて、九州帝国大学医学部で
米兵の捕虜を使った生体実験が、秘密裡に解剖学実験室で行われた。
墜落したB29の搭乗員8人が、海水を使った代用血液を注入されたり、
片方の肺を切除されたりして死亡したのだ。
本土決戦が始まれば輸血用の血液が足りなくなることが懸念された。
そこで海水を使った輸液で代用できないか、また片肺でも人間は生きられるか、といったことを
実験したもので、「九大生体解剖事件」と呼ばれている。
(遠藤周作の『海と毒薬』のモティーフとなった事件だそうです)

5月17日2人 肺 代用血液
5月22日2人 心臓 胃 肝臓 代用血液
5月25日1人 脳
6月2日3人  肝臓 代用血液       
こうして8人の命が奪われた。

終戦をむかえ、GHQはアメリカ人捕虜の行方に重大な関心を寄せていた。
九州を統括していた軍幹部は隠蔽工作をし、人体実験で亡くなった捕虜は広島に送られ
原爆で死亡したことにされた。
だがGHQが隠蔽を見破り、事件に関わった医師や看護婦14人に次の刑が下された。
(石山教授は拘置所で自殺した)、

絞首刑3人
終身刑2人
重労働9人(3~25年)
終戦から5年が経ち、この14人は釈放されたが、自ら事件を語ることはなかった。

当時、19歳の医学生として生体実験の現場に立ち会った
東野利夫(とうのとしお)さん(89)は、戦後、福岡市内で産婦人科医院を営みながら、
国内外で事件関係者に取材を重ねながら、ずっと事件と向き合い続けてきた。
そして50年近くかけて調査し、集めてきたぼう大な資料を、九州大学病院キャンパスに
開館する予定の『九州大学医学歴史館』に提供を申し出て、話し合いが行われた。
ところが、2015年4月に開館した『九州大学医学歴史館』には、
東野さんの資料は一点も展示されなかった。
住本英樹医学部長は、「一次資料にあたるものがない?」といった理由等で、
展示しなかったと言う。
(彼の言葉はよく聞き取れないし、どういうわけか、ここには字幕が入っていない。
 それに私には、彼の目が泳いでいるように見えた)
『九州大学医学歴史館』↓

https://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2015/2015_03_20.pdf

(『九州大学医学歴史館』ではなく、『九州大学』に替えられていました。
 2018年11月24日にはファイルが見つかりませんになっていました)

2015年7月中旬、東野さんは生涯をかけて集めた資料の数々を、ご自分の産婦人科医院で
4週間にわたって展示された。
現在医療に従事している方、将来医療に携わる志のある方など、
およそ1500人の来場があった。

次に、心に残った東野さんの言葉を引用させて頂きます。

「戦争は理屈がどうあれ 結果的に両方とも体に傷つき 心に傷つき
 悲惨と愚劣以外の何もない」

「戦争がいかに人間を狂わすか ぜひこれを この事件を参考にしてもらいたい
 事実をはっきり 生の事実を残さないとね」

「医者が正常な人を実験手術で亡くしたのだから
 反省と追悼の念を起こすのが当然だと思うわけですけど
 それができなかったです 今まで
 いかにきちっと総括できるか そこが問題です」

「当時を知る人は他にいない
 事件を風化させてはならない
 辛くとも語り継いでいかなくてはならないと
 それが私の課せられた運命だと思っています」

東野さんが仰っているように、「戦争は敵も味方もなく、人間を惑わせ、狂気に駆り立てる」
歴史を直視することなく、まるで無かったことのように葬り去ることは、
また同じ過ちを繰り返すことになりかねない。
戦争という極限状態に置かれたら、私自身、どうなってしまうのか、何をするか分らない。
はたして、「自分は絶対にそのようなことはしない」と言い切れる人がいるだろうか。

そのためにも負の遺産として、東野さんの資料を『九州大学医学歴史館』に展示して
欲しいと思います。東野さんの資料は、九州大学だけでなく、日本にとっても、
将来にわたって保存されるべき貴重な資料だと思います。

東野さんのお話は、次の YOU TUBEでも観ることができます。↓
「“戦争の狂気”九大生体解剖事件 2014/8/15 (あの戦争を語り継ぐ) YOU TUBE」
 ※削除されました。(2018年11月24日確認)

https://www.youtube.com/watch?v=l-hNXvw26hE

改めて、NHKのドキュメンタリーは素晴らしいと思いました。
こうした良質なドキュメンタリーは、国民の宝です。
いろいろな圧力があるかもしれませんが、国民が味方です。
これからもこの姿勢を貫いてください。

※「テレビのまとめ」を一部参考にさせて頂きました。


追記
東野さんは2021年4月13日にお亡くなりになりました。
(2021年5月29日 記)



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