トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

月と星を育てる話/『つきとうばん』

2010-05-04 02:32:51 | 絵本・児童文学
つきとうばん
藤田 雅矢
教育画劇

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 はじめは、この世界の物語だと思った。でも、絵本を読み進めていくうちに、異世界の話だと分かってきた。

 その世界では、「つきとうばん」という仕事が、一生のうちに一回は回ってくる。ある冬の夜、郵便屋さんによってそれが、ある親子の家に届けられた。月と星の種がである。
 春になると、父さんが種をまく。その世界では、夜空には、収穫までは月も星もない。「ぼく」からみた、月と星の栽培の記録。その世界では、村ごとに空の様子が違うようだ。畑では、苗が夜になると光ります。やがて、月と星の苗は、つぼみを付け、実をならせました。この星も月も実が食べられるのです。親子が星を食べた時、二人の頬は、星の色々な色で光りました。
 それから、父さんは月と星を空に投げました。僕も、たくさんの星を投げました。残った月や星は、畑で育てることができない遠くの町に持っていきます。
 でも、その年は、父さんがうっかり手を滑らせて、二つ目の月を空に投げてしまいました。月が二つの夜空の年になりました。
 やがて、夜空に輝いていた月と星は、秋風が吹くころになると、空から落ちてきました。月は、おいしいパイになります。村人の楽しみです。その年は、大きなパイができました。月と星の種は、次の当番の人の家に届けられます。
 僕は、父さんに次に「つきとうばん」が来るのはいつかなと聞きました。
 僕が、父さんぐらいの年になった頃かなと答えました。

 この世界とは違っているが、どこかでつながっているような気のする異世界でのファンタジー。

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