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透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

怒った顔より笑った顔の方がいいよね/絵本『わらっちゃった』

2010-04-13 01:47:07 | 絵本・児童文学
わらっちゃった (おひさまのほん)
大島 妙子
小学館

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 僕たちが子ども頃は、あんまり怒ると角が生えてくるなどと大人達に言われたものだ。最近は、昔話も放っておけば消え去る運命となる時代となってしまった。昔からの言い伝えなど、次の世代に伝えられることなく消滅していくのだろうか。庶民の間の日本文化も大事にされたらいいのになと思いつつ、本書を読む。

 3人組というのは、ずっこけ三人組、お笑い三人組、わんぱく三人組など、数字としては、好まれるものなのだろう。でも、この3人という人間関係、かなり厄介なものである。僕の子ども時代にも苦い経験がある。
 仲良しの状態の時は良いのだが、喧嘩でもしようものなら、困った事が起こりかねない。2対1に分かれてしまったら、二人ははじめは優勢な立場に置かれるが、あとで後悔するか、1人と絶交ということになる。仲間外れになった1人の悲しみはいうまでもない。あるいは、本書のように、対立する二人の間におかれた1人の立場は微妙である。

 「あたし」とあけみちゃんは、学校の帰りに喧嘩をしてしまった。間に入ったシーちゃんは、すっかり困ってしまった。
 「あたし」は、その日は、ずっと頭にきていた。何をやっても、あけみちゃんの事が悔しくて仕方ない。ところが、頭に何かが生えてきている。それが、怒れば怒るほど大きくなっていく。ついに、鬼の角となった。「あたし」は鬼になったしまった。どうしよう。その時、洋服ダンスの戸が開いて、誰かが「あたし」を中に引っ張り込んだ。箪笥の中は、不思議な世界への入り口になっていた。「あたし」を引っ張り込んだのは、シーちゃんだった。でも、良く見ると、三つ目だった。「お化け寄席」が始まっちゃうから急ごうって。
 寄席はお化けが出演していて、面白くて思わず笑ってしまった。楽しい時間が終わった時、観客の中にあけみちゃんもいることに気がついた。最初はにらめっこ。でも、お互いに鬼の顔をしていることで大笑い。いつの間にか、頭ももとへ戻っていた。元の姿に戻った3人は、現実の世界に帰って行った。
 でも、翌日も、また、あけみちゃんと喧嘩をしてしまった。


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1 コメント

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Unknown (アルギンにっこ)
2010-04-13 22:17:14
読みたくなりました。

今度探して読んでみます。
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