ふたりの ナマケモノ (講談社の創作絵本)高畠 純講談社このアイテムの詳細を見る |
先日は、とても巨大なナマケモノの化石が出ましたね。そう、ナマケモノの先祖は、大昔に巨大な体で、ゆったりとした時間を過ごしていたようです。
ナマケモノ達が、他の生き物と違って、ゆっくりと流れる時間を生きていることも、進化の結果、彼らなりに自然界に適応した姿なんですね。
ただし、他の生き物たちの時間の物差しでナマケモノ達を見たら、その生き方は、ひどくもどかしく感じるかも知れません。
でも、物差しというのは、あくまでも自分を中心に作られたものですから、生物の多様性を認める上では、決して単純にその優劣がつけられるものではありません。お互いの生き方を尊重する、そんな姿勢の大切さを子どもの時から、理解してもらいたい、そのために意味のある1冊だと思われます。
お話は、木にぶら下がっている2匹のナマケモノの生活の場面を、いくつか選んで描いたものです。彼らのマイペースぶりが、静かな笑いを誘ってくれます。そして、あまりにもせっかちに生きている私達に、何か大切な事を教えてくれているようです。
最後のエピソードが一番好きです。他の動物たちが、ナマケモノのようにぶら下がりたい。そして、ゴリラが登場した時は、結末がどうなるのかわくわくしたものです。その結末は、何とものどかで、マイペースで生きていく意味を問いかけてもいるようでした。