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透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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新旧2冊の『東京見物』

2010-04-17 00:06:50 | 絵本・児童文学
東京見物
和田 誠
講談社

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 2009年12月17日に創業100周年を迎えた講談社から記念出版の一環として、昭和12年4月1日発行の絵本『東京見物』の復刻版と、当時の愛読者だった和田誠氏の現代版『東京見物』の2冊のセットが刊行されました。

 2冊を読み比べることで、帝都東京と、現代の東京の変化を知る事が出来ますが、当然、時代背景を読み取ることが出来ます。
 昭和12年という時代を感じ取ることは、当時の日本を積極的に評価して、改憲まで狙っている人々の底流を知ることにもつながるようです。
 小田実氏、加藤周一氏、そして井上ひさし氏といった憲法9条の会の発起人の方が、相次いで亡くなられています。世の中の右傾化を敏感に感じ取り、運動を進められた結果、日本の各地に、草の根のレベルまで9条の会が生まれ、活動を続けています。亡くなられた発起人の方たちの思いを受け止めるて、運動を深めていくことが、私達に対する課題でもあるのです。

 復刻版の絵本を読んでいくと、当時の、国家主義、軍国主義の思想が如何に国民の間に広められていったかの一端を見ることが出来ます。当時の大日本雄弁会講談社の絵本の宣伝が、表紙裏に書かれていますが、講談社の絵本を読むと「忠君愛国の心が強くなります」と強調されています。最初の宮城と呼ばれていた皇居の二重橋の場面では、二重橋の近くで拝礼をしている人々が描かれています。また、帝国議事堂(国会議事堂)の場面では、国会から出てくる近衛兵の騎馬隊の姿が描かれています。開演式の後の情景です。
 紹介される広瀬中佐の銅像など、軍国主義化する日本の姿を現しています。

 なお、そうした局面とは別に、当時の帝都の様子を知ることも、興味のあることです。上野動物園の様子を鳥瞰図の形で描いた場面では、当時の、動物園の様子がよくわかります。どんな動物がいたのかなど、参考資料になるでしょう。しかし、この動物園でも、戦争突入後、動物の命を奪うことが行われ、「かわいそうなゾウ」の話の出来事も起こる訳です。

 他にも、デパートにエスカレーターがあったことなど、色々な発見がありました。

 この復刻版とセットになる、和田誠氏の『東京見物』と見比べる楽しみもあります。お茶の水周辺の景色は、基本的に変わっていないというのも、発見でした。登場する銅像も、軍人ではなく、フーテンの寅さんなのが、いいですね。戦時中だったら、寅さんは非国民となっていたでしょう。山田洋次監督の「かえべえ」に出てきた、どうしようもない大阪の厄介者のおじさんも、寅さんに通じるところがあり、当時の、風潮に反発するあたりが、あの時代の酷さを際立たせていたことなどを、思い起こしていました。

 和田氏の選んだ東京見物スポットは、必ずしも、復刻版に全て対応するものではありませんが、今を象徴する場所が選択されていました。

 どちらの本の巻末にも、解説にあたる絵と文章が載っていますが、東京の人口をはじめとした資料を比較することが出来ます。

 2冊を比べての色々な発見は、読者それぞれによって受け止め方が違うものなのでしょう。

 次の100周年があるとしたら、その時に書かれる『東京見物』は、どんな内容になるのでしょうか。


ついにネットカフェからも締め出される!?この夏ワーキングプアが“住居”を失うワケ/気になるニュース

2010-04-17 00:00:59 | 格差社会・貧困化社会
ついにネットカフェからも締め出される!?この夏ワーキングプアが“住居”を失うワケ(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

 ネットカフェを舞台とする犯罪が多発するという理由で、3月30日に、東京都は、都議会で「インターネット端末利用営業の規則に関する条例」を、一部野党の反対を押し切って可決しました。この条例の内容によると、ネットカフェ業者は利用客の本人確認とその記録などの作成・保存が義務づけられることになります。施行は7月1日からということです。

 日本社会の貧困化の進行は止まらず、派遣村が作られた前後で、ネットカフェ難民の存在が問題となりました。政府による派遣法の改正案も、財界の意向を反映してか、抜け穴だらけのもので、今後も、派遣切りの事態は改善される様子が見えません。今、職を失ったり、低賃金の非正規労働で生きている若者を中心としたワーキングプアは、定まった住居がないことが、深刻な問題となっています。彼らの行き場の一つが、ネットカフェでした。最近は、女性の利用者の姿も目立っているようです。
 元々、定住の場所がないために、本人を確認する証明となるものを持っていない利用者が多いものと思われます。今回の規制により、本人確認が出来ない利用者が、ネットカフェから追い出される事態が、試行開始の7月1日以降の夏から起こりうる事になります。
 彼らは、一体、どこへ行けばよいのでしょうか。貧困ビジネスの囲い屋たちの絶好のターゲットになることは、絶対に避けなければなりません。


 『議論の発端となったのは、2006年に警察庁が開催した「総合セキュリティ対策会議」だ。

 この会議の報告によれば、2005年中に警察が認知した不正アクセス行為592件のうち、未検挙の事件は277件。そのうち139件がネットカフェ利用者によるものだった。このため「ネットカフェ利用者の“匿名性”が犯罪捜査の障壁になっている」と問題視された。

 とくに注目されたのは、ネットオークション詐欺や、スパイウェアで入手した秘密情報による不正アクセス行為や詐欺。また、ネットカフェからネット掲示板に自殺予告が書き込まれた事案でも、どの利用者が書いたかわからず、保護できなかった、という。

 とはいえ警視庁の報告書によると、ネットカフェでの犯罪の8割以上が置き引きなどだったことから、一部の利用者の間では「単にロッカーを設置すれば解決するのでは」といった声も上がっている。

 最大の問題は「利用客の本人確認」にあたり、運転免許証など身分証明書が必要になることだ。というのもネットカフェを常宿とする人には、運転免許証や社員証はおろか、健康保険証すら所持していない人が多いからである。

 現在、公安委員会で本人確認の方法についての細則を検討中だが、まかり間違えば都内のネットカフェから締め出しを食う人々が大量に溢れるかもしれない――。

 そもそも、住居がないためにネットカフェを寝ぐらとしている人は、どのくらいいるのか。

 厚生労働省が2007年8月におこなった調査の推計によれば、全国でおよそ5400人。ただし、NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの理事、稲葉剛さんは次のように話す。

「調査はおもに昼間おこなわれたようですが、その時間帯はみんな日雇い仕事や就職探しのため、外出していることが多い。ネットカフェにはあまり残っていないのでは」

 また、調査時から3年たった今ではさらに人数が増えているはずだ。

 もやいの相談窓口に、こうした人々からSOSが寄せられるようになったのは2003年の夏頃からという。2005年あたりからどっと数が増え、以後は増加の一途だ。』