1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

2月失業率 4.4%  有効求人倍率 0.59倍

2009-03-31 21:07:34 | 経済指標メモ
 朝に続いて厳しい数字です。厚生労働省が31日に発表した2月の有効求人率は0.59倍
前月を0.08ポイント下回り、2003年2月以来の低水準となりました。総務省が発表した2月
の完全失業率は4.4%と前月比0.3ポイント上昇しました。
 新規求人数は前年同月比30.1%の大幅減。製造業はなんと61.1%の減。新規求人数は、
景気の先行指標の一つです。
 昨年の10月から今年の6月までに職を失ったり、失う予定の非正規労働者の数は、
192,061人で、2月調査から34,255人も増えました。100人以上の離職状況だけをまと
めた厚労省の調査では、昨年10月から今年4月までの正社員の離職は、12,502人で
前月調査を2,000人上回りました(日経夕刊)。

 非正規労働者から正規社員へ、厳しい雇用状況が続いています。



       有効求人倍率のグラフ(青線)



       失業者数と失業率のグラフ


OECD加盟国の失業率  来年末10%も

2009-03-31 08:40:37 | 経済指標メモ
 OECDは、2010年までに加盟30カ国の平均失業率が10%近くに悪化するとの予測を
明らかにしました。2009年1月時点の実業率は6.9%。2年足らずで3%悪化することに
なります。現在の失業率は次の通りです(日経朝刊)。

OECD平均  6.9%
日本 4.1%
米国 7.6%
ユーロ圏 8.2%
ドイツ 7.3%
フランス 8.3%
スペイン 14.8%

朝から、厳しい数字です。

話変わるけれど、伊藤若冲の動植綵絵全30幅がまた見れるのですね。
上野の東京国立博物館で10月から。何度でも見たい、楽しみやなぁ。

鉱工業生産指数5ヵ月連続減

2009-03-30 20:15:56 | 経済指標メモ
 経済産業省が30日発表した2月の鉱工業生産指数は68.7となり、前月に比べて
9.4%低下しました。五か月連続のマイナス。前年同月比は38.4%の低下で過去最大の
落ち込みとなりました。

輸送機械  前月比 -23.2%  前年同月比 -57.5%
一般機械  前月比 -15.2%  前年同月比 -48.5%
電気機械  前月比 -10.4%  前年同月比 -34.2%
鉄  鋼  前月比 - 9.6%  前年同月比 -48.4%
情報通信機械  前月比 -9.2%  前年同月比 -37.2%
金属製品  前月比 -8.9%  前年同月比 -27.4%

製造工業生産予測指数は、3月は前月に比べ2.9%上昇、4月も3.1%上昇するという
見込みだけれど、世界の経済を見ていると大きく回復するようには思われない。

経産省
「経済の不確実性が高く、(2月が生産の)底という判断はできない」

アメリカの商業不動産バブルの崩壊、中欧・東欧の危機の深刻化とEUへの波及、ロシアの失業
とインフレの拡大、中国での失業の拡大などなど。最近のニュースだけでも不確実性がいっぱいです。





センチュリー・ユースオーケストラ 第1回定期演奏会

2009-03-29 20:44:59 | 音楽
 今日は、いずみホールで開かれた「センチュリー・ユースオーケストラ 第1回定期演奏会」に
行ってきました。三女が、ビオラで参加です。

 

 センチュリー・ユースオーケストラは、大阪センチュリー交響楽団と財団法人関西テレビ青少年
育成事業団の共催事業として2007年に設立されました。現在中学一年生から29歳までの88名
が在籍しているそうです。

  

 

 今日のメインは、ドヴォルザークの交響曲第8番でした。娘がひくドヴォルザーク第8番を聴くのは二回目。
この曲、第1楽章や第4楽章の冒頭でビオラが結構活躍するのですが、二回目となると娘の表情にも余裕が
感じられて、落ち着いて聴くことができました。

 センチュリー・ユースオーケストラの演奏。ノリの良さがとても印象的で、未来に向かっていくエネルギーが
伝わってきました。第4楽章の後半部、あまりのノリのよさに、心が弾けていました。とても良い演奏だったと思います

 楽団員の中に、あの子はきっと中学1年生だろうなっという方がいたのですが、健気にバイオリンを弾く姿を見ていると、
この子たちは、僕たちの社会の宝物なのだと思いました。センチュリー・ユースオーケストラ、大阪センチュリー交響楽団や
音楽を愛する人々、そして大阪府民の方に支えられて第2回、第3回の演奏会を開けるようになったらいいのにと心から
思いました。

 とてもすがすがしい一日でした。

そうそう、大阪城公園にも春が顔を出していましたよ。






「チェーン・ポイズン」( 本多孝好)

2009-03-29 11:49:54 | 
 「チェーン・ポイズン」( 本多孝好)を読みました。36歳のOL、聴覚をうしなっ
た天才バイオリニスト、最愛の妻子を惨殺された会社員。植物性の毒物によって
自殺した三人の謎を追う雑誌記者の物語です。
 読みだして、最後まで一気に読めたからおもしろかったんやと思う。最後に、どん
でんがえしもあるし。でもね、なんかあと味悪いです。自殺という重たいテーマを
扱うにしては、三人の自殺へと至る経緯と心があまりに軽く扱われてるからやろなぁ。

 さて、今日は、いまから大阪城公園近辺へ。桜、咲いてるんかな。

「人間の未来-ヘーゲル哲学と現代資本主義」(竹田青嗣)

2009-03-28 13:39:57 | 
 「人間の未来-ヘーゲル哲学と現代資本主義」(竹田青嗣)を読みました。「国家と権力の廃絶、資本主義のほかの経済システムへの置き換えによって、現代社会の根本的矛盾を克服できるという希望は、まったくの錯誤であり、どんな可能性も」もっていないという、きつーい一撃からこの本は始まります。
 実際は、あとがきに書かれている言葉だけれど、僕は、このあとがきを読んで、この本を読んでみようという気になりました。続いて二発目。「資本主義の本質は、人類史上初めて現れた、”持続的に社会生産を増大する経済システム”であるという点にある。」
 「資本主義は自らの墓掘り人を生みだす」というマルクスの言葉を読みなれてきた僕にとって、この二発は、結構インパクトのあるものでした。100年、200年先のことはわからないけれど、今、何をすべきで、何ができるのかということを考える上では、重要な指摘であると思いました。 

 あとがきからこの本を読んで、今読み終えたところです。大切なことは、①「人々の自由」を解放してゆく方向に向けて、私たちが進んで行くことができるのか否か、②すべての人間が、宗教、信条、共同体的出自、言語、職業、その他の条件によって差別されず、つねに対等なプレーヤーとして承認しあう社会作っていけるかどうか、③そして、そのような社会の実現にとって必要な条件と課題は何かという仕方で問題を提起することにあるという筆者の想いは、とてもよく伝わってきました。

「大多数の人民がひとたび『自由』への欲求を自覚しそれを望む限り、国家の『正当性』の根拠は、それが人々の『自由』を解放してゆく方向をとるか否かに定位される。」

 筆者は、ヘーゲルの「自由の相互承認」、ハンナ・アーレントの「多数性」と「公共のテーブル」を紹介しながら、人間的『自由』の本質が社会の中で発現するための根本条件として、①生活の多様性とそれにともなう欲望とその価値の多様性、②それらが開かれた仕方で関係し合う多くの空間が確保されること、③多様な欲望が社会的な活動の営みを通して自分を実現する道筋を持つこと、④この営みについての相互評価の可能性、そして重要なこととして、⑤権力の市民的制御を上げています。

「人間的『自由』の可能性の唯一の原理は、国家=権力の廃絶ではなく、むしろ、人民権力=市民国家の成立ということだけである。」

 今、個人的には労働者協同組合の可能性も追求したいと思っているけれど、組合員の多様性、関係し合う空間、多様性が実現する道筋、相互の評価、そして経営の組合員による制御、この五つは、労働者協同組合の組織原理を考える上でとても大切なものだと思いました。

なんかまとまりのない感想になってしまったなぁ。


中小の資金繰り さらに厳しく 緊急保証活用52%

2009-03-28 09:29:25 | 経済指標メモ
 業績が悪化する中小企業の間で、政府の資金繰り支援策である緊急保証制度を活用
する動きが広がっているという記事が、今朝の日経に載っています。
以下は、日経新聞がまとめた第4回「中小企業経営者調査」での回答です。

資金繰りが「年末より厳しい」と回答した企業  41%
2月単月の売上高が前年同月より3割以上減った企業  54%
2008年度の売上高が減収となる企業  61%
政府の緊急保証制度を活用している企業  52%
2009年度の経常損益見通しが「減益・赤字」と回答した企業  67%
資金確保のために新規取引銀行を開拓している  29%
私募債発行など直接金融の利用を実施・検討している  8%
2009年度は「設備投資」をしない  37%
設備投資を前年度より減額する  68%

人ごとではないけれど、中小企業もそこで働く人々も、ほんとうに厳しい状況におかれています。

木曜日の団体交渉でも、僕たちが知恵と持てる力を振りしぼって、どのように生き延びていくのかということが
話の90%をしめました。

「チープ・スリル」(ジャニス・ジョプリン)

2009-03-27 22:47:00 | 音楽
 今日は、ひさしぶりにジャニス・ジョプリンの「チープ・スリル」を聴いています。
すごいなぁ、「Summertime」と「Ball & Chain」。しぼりだす声と燃え尽きてしまいそうなシャウト。

 今にも倒れてしまいそうな自分を、必死で支えようとしている緊張感がひしひしと
伝わってきます。心に刺さるなぁ、この緊張感。ごっつい痛いわぁ。

 もう一発、パールの「Me & Bobby McGee」も聴きたくなった。




米の商業不動産空き室率深刻に

2009-03-27 19:40:01 | 経済指標メモ
 日経新聞夕刊。アメリカの商業不動産の空き室率が一段と上昇しているという記事
がのっています。2008年10‐12月期のオフィスビルの空き室率は14.5%と直近の底で
ある07年7-9月期(12.5%)以降上昇に歯止めがかからないとのこと。ショッピング
センターのの空き室率も8.9%で前期比0.5%上昇したそうです。
 その結果、不動産大手の資金繰りが悪化し、ローンの延滞率も急上昇。ドイツ証券
は、今年2月に1.6%に上昇した商業用不動産向けローンの延滞率は「09年末までに3.5%、
10年には5-6%に上昇する」と予測しています。ローンの延滞は、ローンの出してであ
る金融機関の財務悪化へとつながります。ちなみに米商業用不動産ローンの残高は
7000億ドル(68兆6000億円)。その5%は350億ドル(3兆4000億円)です。
 商業用不動産二位のゼネラル・グローズ・プロパティーズは10億ドルの借入金が返
済期限を過ぎたうえ、約270億ドルにのぼる債務返済の資金手当てがついていないとの
こと。
 この記事を読んで、2009年4月からはじまる比較的優良だとされているオルトAの金利の
切り替えと商業用不動産のバブルの崩壊が、アメリカの金融危機をさらに悪化させると指摘
していた金子勝の「世界金融危機」の記述を思い出しました。

 世界の経済、そうかんたんには復調しそうにないです

中国出稼ぎ農民2300万人失業&中・東欧政権相次ぎ崩壊

2009-03-26 08:45:38 | 経済指標メモ
 中国国家統計局は、農村からの出稼ぎ労働者(農民工)2億2542万人のうち約
2300万人が失業中だと発表しました。二月初めの集計では約2000万人でした(日経朝刊)。
一月で300万人もふえたのですね。中国の雇用の悪化も深刻です。

そして中・東欧。金融危機の深刻化が政権を揺さぶっています。

チェコ  自動車生産落ち込み 議会下院が内閣不信任案可決
ハンガリー  09年マイナス成長 首相が辞任発表
ラトビア  失業率10%以上 反政府デモ激化 内閣総辞職
ルーマニア EUやIMFから総額2.6兆円の特別融資を受ける
リトアニア 政府の歳出削減に抗議する反政府デモ
ウクライナ ロシアからの融資を検討中 大統領と首相の対立激化

アメリカの住宅価格が下げ止まりの兆候かという記事も載っているけれど
在庫も増えてるし、どうなんかな?

さて今日は、春闘の団体交渉。
会社内では経営側。労働組合から、きついおしかりを受けるんだろうな。





輸出額 過去最大の減少率更新

2009-03-25 17:28:01 | 経済指標メモ
 財務省は25日、2月の貿易統計(速報)を発表しました。世界的な景気悪化を受けて輸出額は、
前年同月比49.4%減の3兆5255億円となり、過去最大の減少率を4カ月連続で更新しました。
昨年10月以降、急激な減少が続いている輸出。2月は、1月(45.7%減)に比べ減少率がさらに
拡大して「輸出半減」の状況。自動車が7割減となったほか、半導体など電子部品が5割減となるなど、
主力輸出品の落ち込みが引き続き深刻です。



 地域別では、対米輸出が前年同月比58.4%減、対欧州も同54.7%減と過去最大の減少率
を更新。対アジアも同46.3%減少しました。



 輸出依存度が高い日本経済にとって、前月同様に厳しい統計数字です。

今日はやっぱりこれやなぁ

2009-03-24 23:23:12 | 日記
 はい、WBCです。昼休み、テレビの前に若い人たちが全員集合。この時は、
3-2だったような気がする。1時から、仕事・・・でもしかし、ワンセグ携帯を
もって屋上へたばこを吸いに行く者、パソコンで一球中継をちらちら見ている者。
なかなか仕事に身が入らない様子。
 14時すぎ。イチローがバッターボックスに立つ前に、そんなに気になるのなら、
テレビを見たい者は、みていいよってことにしたとたんに、イチローが勝ち越し打。
10回裏は、事務所にいる者全員で、ダルビッシュを応援。
 まぁ、不思議なもので、そんな雰囲気の中にいると、勝っても負けてもどっちでも
ええやんと言っていた僕も、負けるよりは勝った方がええわなぁに変わって、最後に
は、イチローはさすがやわって言っていた。
 イチローがインタビューで、神が舞いおりたって言っていたけど、この感覚、わか
るような気がしました。窮地に追い込まれれば追い込まれるほど、「神」をみる瞬間
があるよう気がする。これまでの人生で、二回、そんなことがあったかなぁ。

「善き人のためのソナタ」&「君の涙ドナウに流れ」

2009-03-23 20:48:59 | 映画
 この連休で旧社会主義国での民衆への弾圧を描いた二つのDVDを見ました。一つは、ハンガリー民衆の悲劇を描いた「君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956」。1956年、ハンガリー民衆は、ソビエト・ロシアの抑圧に抗して立ち上がります。表現の自由、工場での自主管理と労働組合結成の自由、農地の私有と耕作の自由など、当たり前の要求を掲げた闘いなのですが、ソビエト・ロシアは戦車と圧倒的な軍事力で圧殺してしまいます。映画は、学生運動の活動家の女性とオリンピックを目指す水球選手との出会いと別れ、銃弾によって倒れていく民衆の姿を通して、ハンガリー民衆の悲劇を描いています。


   


 そしてもう一つは、1984年の東ドイツにおいて、民衆への監視と反体制活動家の弾圧を担ってきたシュタージュ(国家保安局)の実態と、自由への民衆の希求をえがいた「善き人のためのソナタ」。シュタージュの職員である主人公は、著名な劇作家と恋人が反体制活動を行っている証拠をつかむために、24時間の盗聴と監視を続けます。監視と盗聴という行為を通して、映画は、表現の自由すらなく、自由と尊厳を求める人びとを自殺へと追い込んでいく東ドイツ社会の実態を明らかにしていきます。
 24時間の盗聴を続ける中で、主人公は、権力を利用して劇作家の恋人の性を凌辱しスパイになることを強要する腐りきった大臣や、官僚組織での出世のためには部下を踏みつけにする上司の姿、そして権力の手先として働き、ストレスを売春婦を抱くことで発散している自分の姿へ疑問を感じはじめます。そして東ドイツの実態を世界に伝えようとする反体制活動家たちの活動に共感を覚えるようになります。
 反体制活動の証拠をつかんが主人公は、はたして、どう行動するのか?権力の手先として生き続けるのか、自由と尊厳を求める人たちとともに生きようとするのか?スリリングな展開で物語は進んでいきます。


   

 二つともとても重たい映画でした。むきだしの暴力によって(ハンガリー)、真綿で首を絞められるような監視と精神への拷問によって(東ドイツ)、自由と尊厳をもとめる多くの命が失われてきたのですね・・・とてもせつなかったし、歴史の重さを感じないではおれません。

 映画の面白さとしては、「善き人のためのソナタに」、一票。

 二つの映画を見ながら、僕は、「悪童日記」を書いたアゴタ・クリストフのことを思い返していました。「ハンガリー動乱」では、数千人が死亡し20万人以上が亡命したといわれています。アゴタ・クリストフも西側に亡命した一人です。彼女は、「悪童日記」のなかで、自分の文体について次のように語っています。

「感情を定義する言葉は、非常に漠然としている。その種の言葉の使用を避け、物象や人間や自分自身の描写、つまり事実の忠実な描写だけにとどめたほうが良い。」

 あまりの悲しみに直面したとき、こころがこわれてしまわないように、しっかりと生きていくには、感情をひとまずはカッコに入れて、客観的な事実として物象や人間や自分自身をとらえかえす必要があったのかもしれません。それぐらいに、アゴタ・クリストフの悲しみは大きいのだと思いました。

「X&Y」(コールドプレイ)

2009-03-22 12:19:40 | 音楽
 娘がボーイフレンドを家に連れてきてくれました。とてもうれしかったです。
男の子がいないので、とりわけそう思うのかな。僕が最近コールドプレイが気に
いっているのを聞きつけて、DVDやCDをいっぱい持ってきてくれました。
二人でロックの話、楽しかったです。また、遊びに来てね。

 今日は、彼が持ってきてくれた「X&Y」を聴いています。メロディーラインが美しい
曲が並んでおります。FIX YOU 名曲やね

When you try your best, but you don't succeed 君がベストを尽くして、うまくいかない時
When you feel so tired, but you can't sleep とても疲れて、ねむれない時

And the tears come streaming down your face そして涙が流れ落ちる

But if you never try you'll never know でもねトライしなければ、君の本当のよさは
Just what you're worth けっしてわからないんだよ

Lights will guide you home 光が君を家に導いて
And ignite your bones 冷え切った体をあたためてくれる
And I will try to fix you そして僕が、こわれてしまった君を立ち直らせてあげる

すごいラブソングやなぁ。






 

「悪童日記」(アゴタ・クリストフ)

2009-03-21 13:04:17 | 
「悪童日記」(アゴタ・クリストフ)を読みました。長女と次女から、「ぜったい読んでね」といわれた一冊です。作家のアゴタ・クリストフは、ハンガリーに生まれ育ち、1956年の「ハンガリー動乱」で西側に亡命しました。

 衝撃のラストシーン。言葉を失うなぁ・・・おもしろかったわ>長女&次女ー

 第二次世界大戦前後のハンガリーの田舎町。<おおきなまち>から戦火を避けるために<ちいさなまち>に住む祖母のもとに疎開してきた双子の少年たちの物語です。過酷な状況の中でしたたかに生きる二人の目を通して、戦争の悲惨さ、ユダヤ人の大量虐殺、大国による民族の抑圧と差別、人間の持つ悪-幼児への性虐待、裏切り、盗み、偽善、嘘などなど-が、冷徹に描き出されていきます。

 二人の少年は、他人に寄生せず自らの力で過酷な現実を生き抜いていくということを、自分たちに課します。他人に寄生して生きようとする者に対しては、父親であれ母親であれ、厳しく切り捨ててしまいます。一方で、小さな町の中で「魔女」と恐れられてきた祖母に対しては、深い共感を示します。「魔女」とは、寄生するものを切り捨てていくときに派生する冷徹な倫理なのです。

 少年たちが実践する冷徹な倫理から 第二次大戦中はドイツ、戦後はソビエト・ロシア、二つの全体主義国家によって抑圧、蹂躙されてきたハンガリー民衆の苦難の歴史が、しっかりと伝わってきました。


 これって、続編があとふたつあるんやね。つぎもよもっと。