1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「スタンリー・クラークトリオ」コンサート

2010-11-30 23:11:07 | 音楽
ブリーゼ・ブリーゼで開かれた上原ひろみのコンサートに行ってきました。
スタンリー・クラークのベースに、上原ひろみのピアノ、レニー・ホワイトのドラム。

上原ひろみの超絶技巧の演奏を、余裕を持って受け止めるスタンリー・クラークの懐の深さに脱帽。
そうこれは、スタンリー・クラークトリオのコンサートなのです。「Jazz in the Garden 」のCD
を聴いたときも同じ感想をもったけれど。

上原ひろみとスタンリー・クラークのコールアンドレスポンスもとても楽しかったです。

でもね・・・、上原ひろみの躍動感(生きているという実感のようなもの)がトリオという組織の中に
埋没してしまったようにも思いました。サイドプレイヤーだから、仕方ないか・・・。

これで、上原ひろみのコンサートは7回目。会場がオールスタンディングにならなかったのは
これがはじめてでした。

明日は

2010-11-29 19:43:42 | 日記
明日はイギリスから次女とパートナーのZ太君が一時帰国。
しばらくは、にぎやかな毎日になりそうです。

そして、三女と三女の彼のだいごろー君と一緒に、上原ひろみのコンサートに
でかけます。早いもので、京都のコンサートホールから一年がたったのですね。

どちらもとても楽しみです(^_^)。

어느 쪽도 매우 즐거움입니다. ちなみにこれはnurian の訳。こうはいわんやろな・・・
즐거움は楽しむの名詞形の「楽しみ」。입니다、は断定のていねい形。

어느 쪽도 몹시 기다려집니다.こちらのほうがよさそうな気がする。기다려집니다は「待ち遠しい」のていねい形。これは、ヤフーの日韓翻訳。

ちなみに英語のlook forward to doing は、nurianでは 즐거움으로 기다리다 「楽しみに待つ」と訳されている。

ただいま帰国

2010-11-27 21:00:37 | 旅行
韓国出張から帰ってきました。4日間で、蜜陽、昌源、水源、光陽、ソウルと回ってきました。
毎度の事ながら、ハードスケジュール。お疲れです。

昨日と今日は、ソウルは氷点下。朝鮮半島の緊張感も、日々生活を送っている人々にとっては
まだまだ遠いことであったような気がします。



これは、今も開発が続く



光陽(クゥワンヤン)港のコンテナ埠頭。プサンにポハンにクゥワンヤンに。韓国の拠点港湾の開発は、目を見張るものがあります。



光陽港コンテナ埠頭公社の人たちにごちそうになった




いいだこのしゃぶしゃぶ。初めて食べたけど、これはおいしかったです。



そしてこれが、インチョン空港で買ったnurianの電子辞書。日韓の文章の翻訳を試しているけれど、とんでもない訳がでてきます。文章の翻訳はまだまだやね・・・。

「ごくろうさまでした」は、「극히 납님이었습니다.」と訳されるのだけれど、これは「극히=極」と「납=蝋」と「님=さま」をたして、断定の過去形「이었습니다」を加えたもの。극히 납님이었습니다.と言っても、誰にも理解されないだろう。

「悪と仮面のルール」(中村文則)

2010-11-22 21:22:51 | 
「邪」の家系を継承するために産み落とされた少年が、愛した少女を守るために、自らの父親を殺害するところから物語は始まります。

物語が進むにつれて、「邪」の家系とは、原油やウランなどの利権を第三世界から強奪するために、戦争を起こし、たくさんの民衆を殺戮することで、膨大な利益を上げてきた軍産複合体の世界的な支配のシステムであることが明らかになっていきます。

物語の後半部。整形手術によって顔を代えた主人公は、「邪」の家系の中枢人物である兄から、「数万の命をすくうために俺をを殺せ」という言葉を投げつけられます。

「早く。大丈夫だ。・・・このように膨らんだ化け物を目の前にしたのだ。お前は許される。お前がした殺人も、私のような悪を消滅させることで、全て許されるのだ。お前の罪の全ては、消えるのだ。こらからの、数万の人間の命を救うことで」

これは、ドストエフスキーの「罪と罰」でのラスコーリニコフの問いに他なりません。はたして主人公は兄を殺すのか? ネタばらしになるからその結果は書かないけれど・・・。

以下はラスコーリニコフ問いへの回答と思われる主人公の言葉の抜粋です。

「もしあなたが、人間では解決できないことを、通過したのだとしたら。・・・人間の命を損なうことを、経験したのだとしたら・・・外国では、神という概念がある。」という整形手術をした医師の言葉に対して、主人公は次のように答えます。

「そうやって救いを模索することも、正しいのだと思います。でも僕は、それを抱え続けることが、解決しないことが、僕にとっての正しさのように思うのです。・・・他人の命を損なう、あの執拗で厄介な感覚を、僕はずっと抱えていこうと思います。それが、僕にとっての正しさということになります。」

そして、同じ邪の家系に生まれた青年にたいしては、

「僕たちのような存在からしか、生まれないものもある。僕のような存在でしか、考えられないことも。・・・そうだろう?だらか、どんな存在だって消える必要はないんだよ。」と語り、

愛した少女に対して、あなたが生きているから世界を肯定できると答えます。

「あなたがいたから、あのような父親の下であっても、あのような暗い屋敷の中でも、生きていくことができた。あなたとの日々があったから、あなたがどこかで存在していると思ったから、死のうとしたときもあったけれど、踏みとどまることができた。あなたのような人がいたから、こんな世界でも、少しは肯定できた。生きていくことができた。あなたとの記憶が詰まった自分の意識を、消したくない。いつまでも自分のままでいたい。」

親鸞にドストエフスキー、僕が最近読んできた本と重なるところがたくさんあって、とてもおもしろかったです。世間の評価は、いまいちのようだけれど。




「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール  スイス発-知られざるヨーロピアン・モダンの殿堂」 

2010-11-21 17:07:29 | 美術館
兵庫県立美術館で開催されている「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール スイス発-知られざるヨーロピアン・モダンの殿堂」に行ってきました。スイスのヴィンタートゥール美術館所蔵の作品が90点展示されていました。

どれもが日本初公開。ゴーギャンは絵を書き始めたころはこんな絵を描いていたのかとか、このモネはいまいちだなとか、スイスの画家ってはじめてみるなとか、建築家のル・コルビジェはこんな絵をかいていたのかなどと思いながら、展覧会を見てきました。



このシスレーも美しかったし、



ゴッホにクレーにピカソにブラック、ユトリロなど、有名どころの作品も並んでいたけれど、胸にずしっとくるインパクトは中程度でした。

今日の一枚は、



僕の大好きなルソーのこの絵(赤ん坊のお祝い)。大人をも萎縮させる赤ん坊のふてぶてしさと生命力。心打つものを、こんなにも大きく書いてしまうところにルソーのルソーたる所以があるのでしょうね。




モランディのこの絵もよかった。




ハンク・モブレー「ソウル・ステーション」

2010-11-20 09:32:54 | 音楽
職場を去っていく方たちの送別会も終わって、今日はハンク・モブレーの「ソウル・ステーション」を聴いています。激動の二ヶ月が終わって、しばしの一休み。

「温泉ジャズ」という言葉があるのをはじめて知ったのがこのCD。ハンク・モブレーの演奏は、たしかに、温泉につかっているような、リラックスした気持ちになります。つかり続けていると体全体がふやけてしまって、もういいよって感じになるのだろうけれど。今日のような土曜日には、ぴったりかな。

ウィントン・ケリーの小気味良いピアノと、アート・ブレーキーのドラムもとても素敵です。

来週は、24日から27日まで、韓国出張。プサンからスゥオンに行って、ソウルまで。ハードな出張になりそうです。



大卒内定率、最低の57.6%=「就職氷河期」下回る

2010-11-16 22:55:54 | 日記
ネットのニュースを見ていたら、大卒内定率、最低の57.6%という記事が出ていました。女子は55.3%とのこと。1996年以降で最悪の就職戦線となっているそうです。

よく通ったね、四女。

しかし、暗いなぁ、世の中。若い人たちが普通に働ける世の中に、一日も早くなってもらいたいと思いました。

「罪と罰2」(ドストエフスキー)

2010-11-15 22:36:24 | 
第2巻では、第1巻で金貸しの老女とその義理の妹を殺害した、主人公ラスコーリニコフの殺害の動機と、思想が明らかになります。

「かりにケプラーたかニュートンとかの発見が、いろんな事情がかさなり、もうどうしても世間に知られそうにない、ということになったとします。しかし、それがひとりの人間、もしくは十人、百人、あるいはそれ以上の人間の生命が犠牲になることで世間に知られるようになるとしたら、ニュートンは自分の発見を全人類の前に明らかにするため、その十人なり百人の人間をなきものにする権利がある。いや、それどころか、彼の義務といってもいいくらいなんです。」

「彼ら(ごく少数の天才たち)は自分の思想のために、もし、死体や流血といった事態を踏みこえる必要があれば、僕の考えでは、彼らの心の中の良心に従って、流血を踏みこえる許可を自分にあたえることができるんです」

スターリンが、ポルポトが、最近ではオーム真理教が、これと同じような考えもと、たくさんの人の命を奪ってきました。いまもなお、重たい問いであると思います。

第2巻は、ここがひとつのハイライト。もうひとつのハイライトは、娼婦ソーニャがラスコリーニコフに新約聖書から「ラザロに復活」を朗読する場面。「ラザロに復活」については、亀山郁夫がていねいに解説してくれています。

はたして、ラスコリーニコフに復活の救いはあるのか・・・

ラスコーリニコフを犯人だと確信する予審判事ポルフィーリーと、ラスコーリニコフの対決も、とても読み応えがありました。


第3巻をさっそく予約。



紅葉が美しかったです

2010-11-14 17:37:25 | 日記
今日は午後から、再度公園からトゥエンティクロスを通って森林植物園まで歩いてきました。



山道の紅葉が



とても美しかったです。



再度公園の



紅葉も



森林植物園の






紅葉も今が見ごろ。今年の紅葉は2年ぶりに美しいとのこと。1年がたつのは早いものだと思いながら、ゆっくり歩いてきました。




これは川原で見つけた



沢蟹君です。



「リー・モーガン Vol.3」

2010-11-13 10:08:17 | 音楽
最近の土曜日は、いつもこのパターン。韓国ドラマを見て韓国語の勉強をして、そのあとはジャズを聴く。

今日は、Gyaoで配信されている「1%の奇跡」を見て、リー・モーガンを聴いています。バド・パウエルも天才だと思うけど、リー・モーガンも天才だと思う。

「リー・モーガン Vol.3」は、リー・モーガンが18歳のときの演奏。

25歳で夭折したクリフォード・ブラウンにささげた「クリフォードの想い出」は、何度聴いても胸にぐっと来るものがあります。リー・モーガンも33歳の若さで死んでしまうんだけどね。



エデン(近藤史恵)

2010-11-10 17:07:30 | 
走行距離 3,000キロ、三週間にわたる世界有数の自転車レース、ツール・ド・フランスが舞台の物語。

チーム間の駆け引き、エースを勝たせるために自分を犠牲にするアシスト、チーム存続にスポンサーさがしに苦闘する監督。薬物依存への誘惑などなど。自転車レースの過酷さと醍醐味が十分堪能できる本でした。で、今日の一言は・・・


「叩きのめされたとしても楽園は楽園で、そこにいられること、そのことが至福なのだ。」



『教行信証を読む』(山折哲雄)

2010-11-08 21:30:37 | 
「自分は『愛欲の広海』に沈没する悲しい愚者である。名利の世界に迷い、本心では浄土への往生も仏の悟りの境地ものぞんではいない愚かな人間である。」

これは、教行信証に書かれている親鸞の言葉だそうです。煩悩にまみれた自らの姿をみつめながら、悪人は念仏を唱えることでほんとうに救済されるのかを問い続けた親鸞の鬼気迫る姿がとてもよく伝わってきました。良い本だと思います。


「教行信証」というのは、「教」の章、「行」の章という目次立てを書名としたもので、書名自体が作品の主題を明示したものではないそうです。なぜ親鸞は作品の主題を書名とすることができなかったのか、本書を読み進むに連れて明らかになっていきます。

五逆の罪を犯したものと、仏の教えを誹謗するものとは、救いの対象から除外するとした「大無量寿教」の立場を無批判に継承した尊敬する師法然を、乗り越えていく親鸞の苦闘が心に残る一冊でした。