「悪童日記」(アゴタ・クリストフ)を読みました。長女と次女から、「ぜったい読んでね」といわれた一冊です。作家のアゴタ・クリストフは、ハンガリーに生まれ育ち、1956年の「ハンガリー動乱」で西側に亡命しました。
衝撃のラストシーン。言葉を失うなぁ・・・おもしろかったわ>長女&次女ー
第二次世界大戦前後のハンガリーの田舎町。<おおきなまち>から戦火を避けるために<ちいさなまち>に住む祖母のもとに疎開してきた双子の少年たちの物語です。過酷な状況の中でしたたかに生きる二人の目を通して、戦争の悲惨さ、ユダヤ人の大量虐殺、大国による民族の抑圧と差別、人間の持つ悪-幼児への性虐待、裏切り、盗み、偽善、嘘などなど-が、冷徹に描き出されていきます。
二人の少年は、他人に寄生せず自らの力で過酷な現実を生き抜いていくということを、自分たちに課します。他人に寄生して生きようとする者に対しては、父親であれ母親であれ、厳しく切り捨ててしまいます。一方で、小さな町の中で「魔女」と恐れられてきた祖母に対しては、深い共感を示します。「魔女」とは、寄生するものを切り捨てていくときに派生する冷徹な倫理なのです。
少年たちが実践する冷徹な倫理から 第二次大戦中はドイツ、戦後はソビエト・ロシア、二つの全体主義国家によって抑圧、蹂躙されてきたハンガリー民衆の苦難の歴史が、しっかりと伝わってきました。
これって、続編があとふたつあるんやね。つぎもよもっと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/0a/d422c59c1a5d3b428324c886bc38b60b.jpg)
衝撃のラストシーン。言葉を失うなぁ・・・おもしろかったわ>長女&次女ー
第二次世界大戦前後のハンガリーの田舎町。<おおきなまち>から戦火を避けるために<ちいさなまち>に住む祖母のもとに疎開してきた双子の少年たちの物語です。過酷な状況の中でしたたかに生きる二人の目を通して、戦争の悲惨さ、ユダヤ人の大量虐殺、大国による民族の抑圧と差別、人間の持つ悪-幼児への性虐待、裏切り、盗み、偽善、嘘などなど-が、冷徹に描き出されていきます。
二人の少年は、他人に寄生せず自らの力で過酷な現実を生き抜いていくということを、自分たちに課します。他人に寄生して生きようとする者に対しては、父親であれ母親であれ、厳しく切り捨ててしまいます。一方で、小さな町の中で「魔女」と恐れられてきた祖母に対しては、深い共感を示します。「魔女」とは、寄生するものを切り捨てていくときに派生する冷徹な倫理なのです。
少年たちが実践する冷徹な倫理から 第二次大戦中はドイツ、戦後はソビエト・ロシア、二つの全体主義国家によって抑圧、蹂躙されてきたハンガリー民衆の苦難の歴史が、しっかりと伝わってきました。
これって、続編があとふたつあるんやね。つぎもよもっと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/0a/d422c59c1a5d3b428324c886bc38b60b.jpg)