1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

2月失業率 4.9%

2010-03-31 17:03:25 | 経済指標メモ
総務省が30日に発表した2月の失業率(同)は、前月と同じ4.9%でした。また、厚生労働省が同日発表した求職者1人に対する求人数を示す2月の有効求人倍率(季節調整値)は0.47倍で、前月より0.01ポイント上昇しました。数値は、わずかばかり改善しましたが、引き続き厳しい雇用情勢が続いています。

男女別の失業率は、男性が前月と同じ5.2%で、女性は0.2ポイント低下の4.4%。完全失業者数は、前年同月比25万人増の324万人で、16カ月連続で増加しました。就業者数は6185万人で、前年同月比80万人減少しました(25か月連続の減少)。理由別では倒産やリストラなど勤め先の都合による失業者は16万人増の110万人。自己都合は5万人増の101万人となりました。

正社員の有効求人倍率は、前月と同じ0.29倍で、依然として低水準にあります。雇用の先行きを示す新規求人倍率(季節調整値)も前月比0.01ポイント悪化の0.84倍となりました。15~24歳の完全失業率は9.2%で、1年前に比べ0.3ポイント上昇しました。

先月も書いたけれど、一度職を失うと新しく仕事を見つけるのが非常に難しい状況と、若年層の高い失業率が続いています。

ギョウザ事件、中国内の「格差」背景に

2010-03-30 17:09:50 | 経済指標メモ
今朝の日経新聞を読んで、とても重たい気持になったニュースです。中国製冷凍ギョーザ中毒事件で犯行を供述した製造元の元臨時従業員呂容疑者は、正規従業員との賃金・待遇での格差是正をもとめて天洋食品に正社員化を要求。それを会社側が拒否。そのことによる不満の蓄積が今回の犯行につながったそうです。

 天洋食品では低賃金と長時間労働に対する労働者の不満が鬱積していたとのこと。1日10時間労働の週休1日。臨時従業員には、基本給や残業手当などの給与制度もなし。元女性従業員は、「いくら働いても月額1200元(約1万6000円)以上はもらえなかった」と語っています。

 呂容疑者の出身は山西省に近い貧しい山村で、石炭の採掘量が減少するなど、地域経済が衰退し「河北省でもっとも貧しい」地域の一つだそうです。中国の製造業は、低賃金で働く労働力を求めて、工場の進出先を給与水準の高い沿海部から内陸部に移してきました。また、呂容疑者と同じ境遇の出稼ぎ労働者が2億3000人存在しています。

 臨時や派遣など、安価な労働力を再生産しながら成長を追い求めてきた中国と世界経済の矛盾と問題点が明らかになったニュースでした。


「センチュリー・ユースオーケストラ 第2回定期演奏会」

2010-03-29 00:16:28 | 音楽
 今日は、いずみホールで開かれた「センチュリー・ユースオーケストラ第2回定期演奏会」に行ってきました。第1回定期演奏会から、あっという間の1年。今年も三女がビオラで参加です。


    すっかり春らしくなった大阪の空


      いずみホール


        開演前のミニコンサート


           演奏前の会場

 今日のメインは、チャイコフスキーの交響曲第4番でした。三女が演奏するチャイコフスキーの4番を聴くのはこれが3回目。前にも書いたことがあるけれど、チャイコフスキーの第4番は、第1楽章の憂鬱で重苦しい雰囲気といい、第2楽章の切なさといい、第3楽章の弦のピチカートから第4楽章のクライマックスへとむかう迫力ある展開といい、僕の大好きな曲のひとつです。

 今日のプログラムで知ったのだけれど、チャイコフスキーは、第4楽章について次のように述べているのですね。

 「この世は暗黒だけではなく、この楽章で示されているように多くの素朴な人間の喜びがある。その喜びの存在を認め、悲しみを克服するために生き続けることができる」

 とても素敵な演奏だったと思います。若さが持つエネルギーと演奏することの喜びがしっかりと伝わってきました。

 センチュリー・ユースの年齢制限は29歳まで。社会人になっても、この活動は続けていくと三女は言っているから、もう何年かは、無事に一年がすごせたことの喜びと、演奏の感動を味わうことができると思いました。

「悲しみを聴く石」(アティーク ラヒーミー)

2010-03-28 11:22:48 | 
 「悲しみを聴く石」(アティーク ラヒーミー)を読みました。著者はフランスに亡命したアフガニスタン出身の映像作家・小説家です。舞台は内戦が続くアフガニスタン。ソビエトとのジハード(聖戦)で英雄となり、その後の内戦で仲間との内輪喧嘩により首に銃弾を受け、意識不明になった夫。その夫の傍らでコーランの祈りを唱えながら看病を続ける妻。物語は、ひとり取り残された妻が、意識不明の夫に向けて語りかけるという形で進んでいきます。

 この本の原題の「サンゲ・サブール」といいます。「サンゲ・サブール」とは、ペルシア語で「忍耐の石」という意味です。その魔法の石に向かって、人に言えない不幸や苦しみを打ち明けると、石はそれをじっと聞き、飲み込み、ある日、粉々に砕ける。その瞬間、人は苦しみから解放されるというペルシャの神話から取られています。

 妻は、「聞いて、サンゲ・サブール」と夫に呼びかけながら、子供を生むための道具として、差別され虐げられてきたアフガン女性の悲しみと心の傷を告白していきます。語ることを通して、妻の心は次第に解放されていくのです。妻は、「意識」を失った夫に向き合うことを通して、男の付属物としての女性の地位は、「意識」=「共同の観念」によって作られたものでり、生身の「身体」としては、男も女も対等であることを、自覚していきます。身体の底からこみあげてくる境遇への怒りと情念がすさまじかったです。

 そして、最後に語られる衝撃の事実。ラストのシーンは、とても迫力がありました。アフガニスタン人にしかかけない小説。おもしろかったです。




キャパ嬢らがデモ行進

2010-03-27 07:46:05 | 経済指標メモ
 ひさしぶりの日本の労働運動のニュースです。昨年12月に結成された個人加盟の「キャパクラユニオン」。がんばっておられるのですね。昨日の共同通信配信。キャパクラユニオンのメンバーら約150人が26日、キャバクラやガールズバーなど飲食店がひしめき合う国内最大の繁華街、東京・歌舞伎町周辺をデモ行進したという記事が載っています。メール1通で解雇されたり、説明なく賃金が減らされたりする「夜の常識」を改善するよう訴えたとのこと。


     写真は共同通信配信より

 こうして写真を見ると、ほんとうに楽しそうにデモをしておられます。継続は力なり。罰金やセクハラ、賃金未払いなど、さまざまな悪条件をやめさせるためにがんばっていってもらいたいと思いました。

「Highway Rider」(ブラッド・メルドー)

2010-03-26 20:50:13 | 音楽
 今週は連日の会議。しゃべりすぎて、声もかれ気味。少々お疲れ。こんな時は、本屋さんによって、レコード屋さんによって、帰ってきます。レコード店で視聴盤を聴いてさっそく買った一枚。

 ブラッド・メルドーの4年ぶりのスタジオ録音。メルドーのピアノ・トリオに、室内管弦楽団に、ジョシュア・レッドマンのサックス。全曲、ブラッド・メルドーのオリジナルです。興奮気味の心が、すーっと静まってゆくような美しい曲がならんでいます。そういえば、上原ひろみも去年の暮れにオーケストラと共演していたけれど・・・今が旬の二人のジャズピアニストが、同じ方向を向いているのがとても面白く思えた一枚でした。しかし、去年暮れの上原ひろみのオーケストラとの演奏、聴きたかったなぁ。



「幸せになるための恋のレシピ」

2010-03-25 20:45:04 | 映画
 「幸せになるための恋のレシピ」を見ました。名作「アメリ」のオドレイ・トトゥが主演の映画です。画家を目指して清掃員のバイトをしながら、寒い屋根裏部屋に暮らす女性カミーユと、貴族出身のフィリベール、彼の同居人でコックのフランク、そして養護施設で一人くらすフランクの祖母ポレット。そんな4人が、ひょんなことで知り合って一つ屋根の下で暮らし始めるお話です。

 原題は"ensemble ,c'est tout"といいます。「一緒にいること、それがすべて」とでも訳すのだろうか・・・

 屋根裏で一人暮らしていたときは拒食症気味でゴツゴツしていたカミーユが、フィリベールやフランクと出会い、暮らし、ボレットの介護をするうちにふっくらと丸くなっていきます。カミーユが、80歳を超えているだろうボレットのヌードをデッサンするシーン、これはよかった。一緒にいることのぬくもりがじんわりと伝わってきました。

 オドレイ・トトゥのために作られた映画なのでしょうね。それが一番の感想です。



「横道世之介」(吉田修一)

2010-03-24 12:46:25 | 
大学に通うために、長崎県から上京した19歳青年の一年間の物語です。時代は、1986年。サンパ同好会にはいったり、ホテルのルームサービスのバイトを徹夜でしたり、ガールフレンドと巡り合ったり・・・・。あの時代にどこにでもいたような学生の日常が語られていきます。「三丁目の夕陽」をみているような、とてもなつかしい気持になりました。

 主人公の横道世之介、なかなか素敵な青年なのです。主人公のすべてが凝縮されている言葉。

「いろんなことに、『YES』って言ってるような人だった」
「・・・もちろん、そのせいでいっぱい失敗するんだけど、それでも『NO』じゃなっくて、『YES』って言ってるような人・・・」

 今朝、電車の中で最後まで読んで、うるうるしてしまった。久しぶりやなぁ・・このうるうるは。


みんなで食事

2010-03-23 19:28:43 | 日記
 昨日は、元町駅前にある「ディ・シャイナー」で、長女と、三女と、三女の彼と、四女といっしょに食事会。















 そらの思い出話や、それぞれの近況や、60こえたあとの僕の学生生活の夢や、ちょっぴりシャイな四女の彼のことなどなど。あっという間の二時間半でした。また、食べにいこうね。

「太陽を曳く馬(下)」(高村薫)

2010-03-22 00:43:39 | 
下巻では、座禅中に行方不明になり事故死した僧侶が、オウム真理教の元信者だったことが明らかになります。大企業の社葬や研修、都心の一等地からの土地収入でなり立っている曹洞宗の寺で起こった事故死。同じ宗教者として、オウムを認めるか否か。僧侶たちの動揺と論争を通して、高村薫は、「オウム真理教とは?」「仏教とは?」そして「現代において宗教とは何か」を問うていきます。とても重たい問いがならびます。

「私たちに分からなかったのは宗教としてのオームではなく、それに真剣に帰依した若者がこの国に存在することです。」

「私たちがいま見つめるべきは、たしかに死んだあとに落ちる地獄ではなく、突然地下鉄車内で五千人もの人が毒ガスの被害を受けるような生き地獄のほうだろう。そしてそのような生き地獄をもたらしたのが、仏教の慈悲を語る集団なのだ。さて、非道なのは彼らなのか、それとも、慈悲の殺人まで可能にする仏法のほうか。」

「どんな集団にも嫉妬はあります。閉鎖性も、遺物の排除も、正統と異端の争いもありますが、それらの原理がなぜ、仏教集団でこんなに尖鋭化するのか、私どもにはわからない。」

 「正法眼蔵」からオウム真理教の教理、龍樹、ヒンドゥー哲学、チベット仏教、マックス・ウェーバーからラカンまで。高村薫、オウムと9.11以降、この世界に向き合うために、必死で勉強したのですね。えらいなぁって思いました。高村薫は、自らの分身である主人公の福澤彰之に、次のように語らせます。

「私たちとしてはオウムに対しては、問いを立て続けるほかないのです。」

「解くことがでいない限りにおいて、どんなふうにでも開かれうる可能性を孕んで、なにがしかのかたちが生まれてゆく動力そのものでもあるような問いです。解くものではなく、問いであることが唯一、私が生きていることの証であるような問いです。」

 この小説は、主人公福澤彰之が死刑囚である息子にあてた手紙で終わります。

「君が殺した娘さんと青年も、すべて己が生命の<いま>と一つになって逝ったのであれば。そのときこそ、圧倒的な自然から生まれ、再びそこに呑みこまれて消える私たちが、唯一、世界そのものになるときだというのであれば。生命あるものはみな、いつかは牛が屠所に曳かれてゆくようにして死ぬとブッダが言った時代から遠く離れて、死に向かうときこそ、人が人であることの全面肯定の意思を表明する時だというのだあれば(どんなにいいだろう!)。」

 「問いであることが唯一、私が生きていることの証であるような問い」を、これからも問い続けていこうとする高村薫の決意と、地下鉄サリン事件と9.11同時テロの犠牲者への鎮魂の思いがしっかりと伝わってくる小説でした。おもしろかったです。僕も、「正法眼蔵」を読んでみよっと。







イラク撤退求めワシントンでデモ &ロシア全土で「怒りの日」デモ

2010-03-21 12:17:08 | 経済指標メモ
 今朝の神戸新聞。世界の民衆のデモのニュースが二つ。イラク戦争開戦から丸7年を機に、ワシントンで20日、市民ら数千人がイラクやアフガニスタンからの米軍即時撤退を求め、ホワイトハウス前や市街地をデモ行進しました。参加者は「ブッシュ前大統領を今すぐ訴追せよ」などと訴えるプラカードを持って行進したとのこと。アフガンへの増派を表明しているオバマ大統領への反発も強く、参加者の一人は「オバマ大統領は本質的に前政権の政策を継続しているだけだ」と批判しています。これも、「貧困大陸アメリカⅡ」(堤未果)で紹介されたオバマに戦争をしない大統領になってもらうための活動の一環なのでしょうね。

 そしてロシア。経済危機による失業などで国民の不満が高まる中、ロシア各地で20日、野党勢力がプーチン首相の辞任や減税などを求め、反政府デモを実施しました。全土で少なくとも8,000人が参加しました。デモは野党勢力「連帯」が主導し、野党の共産党や「ヤブロコ」なども一部地域で参加。車の輸入関税の引き上げで日本車の輸入が急減し、失業が相次いだ極東のウラジオストク、モスクワ、カリーニングラード、イルクーツク、サンクトペテルブルクでデモと集会が行われました。

 ついでにもうひとつ日経新聞から。英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の客室乗務員が加盟する労働組合が20日、人員削減や昇給凍結の見直しを求め、3日間のストライキに突入しています。


写真は共同通信より。ロシアウラジオストクの反政府デモ

解決したのですね トヨタのGM合弁工場「NUMMI」の閉鎖問題

2010-03-20 07:26:08 | 経済指標メモ
 去年の8月から閉鎖撤回の闘いが続いていたトヨタのGM合弁工場「NUMMI」。18日までに、従業員組合が投票で同工場の閉鎖を承認したという記事が日経夕刊に載っています。これによって4月1日の工場閉鎖がきまりました。トヨタは、従業員への「財政支援金」を従来計画の2億5000万ドル(約226億円)から3000万ドル積み増すとのこと。
 全米自動車労組(UAW)は、声明で「(閉鎖は)望んだ結果ではないが、合意内容は組合員への打撃を和らげる」と述べています。トヨタの閉鎖発表から7ヶ月間。長い間ごくろうさまでした。

中国沿海部、最低賃金上げ

2010-03-19 19:51:26 | 経済指標メモ
今朝の日経新聞。中国沿海部の地方政府が、労働者の最低賃金引き上げに踏み切るという記事がのっています。外資系製造業が集積する広東省は17日、最低賃金を平均で21%引き上げると発表。福建省や浙江省も2割前後の賃上げを決めたとのこと。

この結果、広東省広州市の最低賃金は月860元(約1万1500円)から1030元に上昇。現在は月960元の上海市でも15%程度の引き上げられます。沿海部の最低賃金は月800元台が多かったのですが、軒並み1000元前後になる見込みです。

昨年末から沿海部では人手不足を背景に人件費が急騰しており、今回の最賃の引き上げは実勢相場を後追いした形です。賃金の上昇は、景気対策のインフラ工事で内陸部での就職先が増え、出稼ぎに来る労働者(農民工)が減ったことが原因です。多くの出稼ぎ労働者が職を失った去年2月から、大きな変化です。


ギリシャ 電力会社で48時間スト。労組が緊縮策に反発

2010-03-18 12:37:10 | 経済指標メモ
昨日の共同通信ですが、ギリシャで16日、政府の緊縮策に反発する国営電力会社職員らが48時間ストに突入し、首都アテネや第2の都市北部テッサロニキなど同国の広い地域で一時停電したという記事が載っています。

 電力会社はストに備え、ブルガリアやセルビアなど近隣国から緊急に電力を輸入したが、なお不足しているとのこと。国営病院の看護師もストを行いました。

 日本では、17日、自動車や電機など大手大企業の賃上げ回答がありました。ほとんどの企業で定期昇給のみのベースアップゼロ。日本の労働組合、存在感がどんどん希薄になっていきます。


         写真は共同通信より