1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「CLAPTON」

2010-09-30 21:13:24 | 音楽
エリック・クラプトンのひさびさの新譜「CLAPTON」を聴いています。
ウィントン・マルサリスにアラン・トゥーサン、シェリル・クロウなどゲストも豪華。
いいです、このCD。
クラプトンも65歳なんやね。ラスト曲の「枯葉」・・・いい意味でほんまに枯れてる!!


ひさしぶりの六甲山

2010-09-26 19:24:54 | 日記
今日は、少しすずしくなったので六甲山を歩いてきました。



住吉川から



白鶴美術館のまえをとおって



くたくたになりながら



ガーデンテラスへ。



新しくできた六甲枝垂れ。






快晴。



ヴォーリズ六甲山荘によって



帰ってきました。久しぶりの山歩き。ほんまきつかった。体力低下を実感。

もっと体きたえなあかん

「シューマンの指」(奥泉 光)

2010-09-25 12:24:40 | 
 シューマンにあこがれる天才少年ピアニスト永嶺修人と、修人の影響を受けながら音大受験をめざす主人公の「わたし」。卒業式の夜の音楽室、修人が弾くシューマンの「幻想曲」が終わったとき、プールで女子高校生が殺害されるという事件がおきます。犯人は誰なのか・・・は、どうでもよかった。

 読み終わって、シューマンのピアノ協奏曲や幻想曲がたまらなく聴きたくなりました。本の中で主人公たちが語るように、ショパンやリストに比べると確かに人気がないですよね。僕も、この小説を読むまでは、クララとの間に8人も子供がいたことも、彼が平凡な日常生活を生きようとしたことも、精神を病んで46歳で死んでしまうことも知りませんでした。

 主人公たちが語るシューマンの音楽への批評を通して、シューマンが好きでたまらない作者の想いがとてもよく伝わってきました。おもしろかったです。

 さっそくアマゾンでアニー・フィシャーのピアノ協奏曲を予約。



みんなで食事

2010-09-23 17:30:21 | 日記
 今日は、トーアロードにあるシェ・ローズで、四女の「就職内定よかったね食事会」。四女の彼と、ハイチから無事に帰ってきた長女、それから三女も集まってくれました。わいわいと楽しいひと時でした。









 さて次は、12月に、次女の帰国パーティーかな。

「数えずの井戸」(京極夏彦)

2010-09-22 20:05:28 | 
 ご存じ「番長皿屋敷」をベースにした700ページをこえるぶ厚い本。ひきこもりの連休中に読んでいました。一枚、二枚、三枚、数えるからこそ足りなくなる。有名な怪談を心の欠落感の物語へとアレンジして見せたところに作者の工夫があるのだろうけれど・・。

 心の欠落感の物語としては苦悩がうすぺらいし、エンターテイメントとしてはなぜお菊が殺されるのかがよくわからなかった。うーん、評判の割にはイマイチかな。



「ナイト・トレイン」(オスカー・ピーターソン)

2010-09-21 20:37:46 | 音楽
上原ひろみが敬愛するオスカー・ピーターソンのCDが2枚、1100円で発売されると聞いて、会社帰りにさっそく購入。

「彼の音楽は無条件で誰をもハッピーにする。生きている喜びをそのままスイングさせるとオスカーの音楽になる。」というのは、小曽根真の言葉。たしかにそう思う。



ラストの「自由への賛歌」。ぐっと胸に迫るものがありました。

ひきつづいてもう一枚。「We Get Requests 」を聴こうっと。




「印象派とモダンアート」

2010-09-20 16:27:17 | 美術館
 サントリーミュージアムで開かれている「印象派とモダンアート」に行ってきました。国会議事堂とウォータールーを描いた、モネのロンドンの連作6点が見どころだったかな。その他ピサロやシスレーからシャガール、ルドン、ルソー、ピカソなどなど、近代の巨匠の作品がたくさん展示されていました。



 「花束の回廊」というコーナーがあって、ルドン、スーチン、マティス、ルオー、シャガール、キスリング、ビュフェなど、11人の画家の花の絵が展示されていました。花を描いてもシャガールはシャガール、ルオーはルオー、ルドンはルドンということが実感できて、なかなか粋な企画だと思いました。



   ボーシャン「夏の庭」



    ルドン「花」



これは僕の大好きなルソーの「パッシイの歩道橋」。



「ふたつの枷」(古処誠に)

2010-09-19 08:40:03 | 
ニューギニア、ビルマ、サイパン、フィリピン。敗戦の直前・直後の日本陸軍の姿を描いた四つの中篇集です。現地の民衆との確執と交流、敗者へのまなざし。組織の崩壊、統一指揮の不在、規律の弛緩、上司と部下の確執、村八分。何の治療もほどこされずマラリアで死んでいく戦友たち。作者は、圧倒的な敵の武力の中で、なんらの展望も見出せないまま日々を生き延びていく兵士たちの姿を、一兵士の目を通して描いていきます。

丹念な調査に基づいて書かれた力作です。「責任感が強いのは結構だが、つきあわされるのはたまったものではない」これは、組織内の保身のために、成算のない夜襲を果たそうとする上官を、隊員の命を守るためにうしろから撃った部下の言葉。個と組織の問題、戦争の悲惨さをじっくり考えさせてくれる好著。これもおもしろかったです。結構、重たかったけど。



「パスタマシーンの幽霊」(川上弘美)

2010-09-18 07:45:25 | 
22の短編集です。せつなくて、どこか悲しい物語がたくさん出てきます。でも、読者の心に重くのしかかってこないところが川上弘美の魅力なのでしょうね。人間の心というのは、右か左にすっぱり割り切れるものではなくて、残余をいっぱい抱えてゆらいでいるのだなぁと納得させられる文章もたくさん出てきます。二三紹介。

「わたしは、さびしがっているんだ。正確にいうなら、さびしがっていることを、ふだんはほどんど気にしていない、ということ自体を、さびしがっているのだ。」

「好き、とはほんのわずかだけちがう、でも、好き、にすごく近いもの。」

「45年。自分で大事なことを決断できる自由を得られるようになるこの時まで、ずいぶん長かったようだけれども、でも、そうでなかったかもしれない。まだまだこれからも、ちゃんとあたしの人生は続くのだから。」

「大声で「ばかやろう」と叫び、壁にお皿を投げつけた。投げつけたけれど、力は加減していたので、お皿はわれずにころんと落ちた。」

「自分には、濃い感情や、濃い存在理由やらがないことが、悲しかった、世界でいちばんだめな女かも。今この瞬間は少なくとも。
そうでないことは知っていた。でも、いっそのこと、世界でいちばんだめなほうが、まだよかった。薄いのだ。薄くて、その他っぽくて、何もなくて。
少し、泣いた。涙は出なくて、洟ばかりが、出た。」

「力は加減した」とか、涙ではなくて「洟ばかりが、出た」とか、こういった文章が効いてるんだろうな・・・おもしろかったです。


永源寺によって

2010-09-13 17:36:14 | 日記
佐川美術館から東近江市にある永源寺によって帰ってきました。



いつもゴロゴロしているせいか、この坂を登っただけで息切れ。年齢を感じました



重要文化財の山門



葦ぶきの屋根が美しい方丈



臨済宗のお寺。ここで道元の正法眼蔵を勉強するそうです。



暑さのせいか苔も元気がなかったです。

あぁ・・・やっぱりもっと歩かなあかん。



佐川美術館へ

2010-09-12 17:57:15 | 美術館
ここ二三ヶ月、暑さに負けて休みの日は家でゴロゴロ。これではあまりにストレスがたまるということで・・・
早起きして佐川美術館に行ってきました。



佐川美術館というと、池の中に作られた茶室



池の下に作られた通路を通って茶室へ。



壁に映る水紋。



茶室に座ってみた比叡の風景はとても美しかったです。写真撮影ができなかったのがとても残念でした。



茶室の写真は、(株)竹中工務店のホームページから。


「川は静かに流れ」(ジョン・ハート)

2010-09-11 17:39:10 | 
 「ラストチャイルド」を読んで、即、図書館で予約したジョン・ハートの「川は静かに流れ」。こちらも一気に読んでしまいました。

 「ラスト・チャイルド」と同じで、こちらのほうにも「家族の崩壊」というテーマが、物語の底流に流れています。舞台も、同じノースカロライナのソールズベリー。「ラスト・チャイルド」では、かつて多くの黒人が白人に殺された川にある中州が物語の大切な場所になるのですが、こちらのほうでは、多くのネイティブアメリカンが殺害され、血によって川が赤く染まったレッドリバーというところが殺人事件の現場になります。

 荒廃していく農業と原子力発電所を受け入れるかどうかで対立する町の人々。アメリカ社会が抱える困難と負の歴史を、さらりとおりこんでしまうところにジョン・ハートのおもしろさがあると思いました。

 殺人の罪を着せられた故郷を離れた主人公が、5年ぶりに故郷に帰るところから物語は始まりまるのですが、故郷で主人公を待っていたのは新しい殺人事件だったというミステリー小説。犯人は、これも「ラスト・チャイルド」と同じで、なんどかそれらしき人にいきあたって、最後の最後に明らかになります。

 おもしろかったです。でも、三冊目はもう読まんでもええかな。


「モウリーニョの流儀」(片野道郎)

2010-09-06 20:39:19 | 
 昨日、いっきに読んでしまいました。モウリーニョがインテルに就任した1年目のシーズン(2008-2009)の闘いのノンフィクションです。

 サイドを効果的に使ったワイドな展開の4-3-3から、ボールを前線にすばやく送り、2次攻撃で一気にフィニッシュに持ち込む、より縦に早い展開の4-2-3-1へ。イタリアサッカーの現実に自らを「最適化」させながら、セリエAのタイトルを勝ち取っていく姿が、とてもおもしろかったです。チャンピオンズリーグでマンチェスターユナイテッドに打ちのめされるあたりは、読んでいてどきどきしました。

 この1年があって、メンバーをがらりと入れ替えて、今年のインテルがあったんやね。モウリーニョは、やっぱりすごい。レアルのモウリーニョは、どんな闘いをするのかな?人前で知ったかぶりして講釈をたれてしまいそうや・・・




「アマリアの別荘」(パスカル・キニャール)

2010-09-05 12:43:43 | 
 47歳の女性音楽家が主人公の物語です。この物語は、長年連れ添ったパートナーの浮気現場を目的するところから始まります。一緒に暮らした家の売却、放浪の旅、ナポリ近郊の別荘での生活、別荘で一緒に暮らした少女の死、母親の死と自分を捨てた父との再会、おさななじみの男性の死などなど。喪失と孤独の中で、他者に寄りかかりすぎることなく生きていこうとする主人公の姿が、心に残る小説でした。

 そして今日の一説は・・・・

 「共生においては、一方が他方にもたらすものの割合に応じて、不可抗力的にどちらかがどちらかを搾取するようになる。もしたまたま、どちらか一方が相手の優位に立とうとすることがあるならば、相手を窒息させることがある。
 共生は平衡関係ですらない。それはきわめて不安定な抗争状態である―ブルゴーニュ地方の空における天気のように。
 平等はかつて実現されたこともなく、実現される可能性もなく、やってきては消え去り、またやってくることを繰り返しているに過ぎないが、ひたすらそれを追い求めることで、共生はかろうじて脈打ち、生き続けることができるのだ。」