1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

川上さとみ 「スウィートネス 」

2008-02-29 23:46:50 | 音楽
 日本のジャズ、最近は、女性ピアニストががんばっているなぁと思うのです。
上原ひろみに山中千尋。西山瞳に安井さち子。大西順子も復活しているようだし。
 一週間の終わりの夜は、川上さとみの「スウィートネス 」を聴いています。
この人の良さは、オリジナル曲のメロディーラインの美しさにあると思うのです。
一音、一音、大切に弾いているのが感じられて、とても落ち着いた気持ちになるのです。
このCD、バックのドラムとベースも、とても味があります。
 明後日からは、韓国出張。
韓国に旅立つ前は、上原ひろみを聴いて、パワーをもらっていこっと。

イカナゴのシンコ漁解禁

2008-02-28 20:34:49 | 日記
 僕は、神戸の舞子で生まれました。明石・舞子・垂水・淡路島の春の名物は、
なんといってもイカナゴの釘煮なのです。商店街には、イカナゴの釘煮があふれます。
今日の神戸新聞の夕刊の一面トップは、「播磨灘に春の訪れ イカナゴシンコ漁解禁」という記事でした。
まだまだ寒いけど、春はもうすぐなんだなって思いました。

 神戸新聞、新自由主義に警鐘を鳴らす内橋克人や高村薫の論評をのせたり、
憲法を守ろうという集いを紹介したり、きらりとひかる地方紙であると思っています。

「私たちは、脱走アメリカ兵を越境させた...」(高橋武智)

2008-02-27 23:50:56 | 
 「私たちは、脱走アメリカ兵を越境させた...」(高橋武智)を読みました。ベトナム戦争の時に、日本で脱走したアメリカ軍兵士を、日本国外に越境させる活動を行った「ジャテック」の記録です。「ジャテック」は、アメリカのベトナム侵略に反対する、自立した市民の活動組織「ベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)」(1965年~1974年)の非公然部門です。
 筆者の高橋さんは、ジャテックの中心的な活動家ですが、自分たちの呼びかけに応えて脱走してきたアメリカ兵士を、国外に脱出させるルートを開拓するために、単身ヨーロッパに渡ります。ストックホルム、フランクフルト、パリ、ミラノ、ローマ、オランダ、コペンハーゲン、オスロ、ロンドン・・・。五ヶ月間のヨーロッパ放浪を通して、筆者は、1930年代から連綿と続くヨーロッパの国際連帯運動とのつながりを作り出していきます。パリで、アリジェリアの民族解放運動を支援した伝統をもつ組織から偽造パスポートの作り方を学び、オスロで偽造に使うスェーデン人のパスポートを入手します。日本に戻った筆者は、偽造パスポートを作り、多くの仲間の協力の下に二人の脱走兵を、伊丹と羽田から、パリへと脱出させることに成功します。
 この本は、「べ平連/ジャテック」の運動を、中心でになった筆者が、具体的な活動とその意義を、後の世代の人たちに伝えるために、運動終結から30年後に、ようやく書き下ろしたものです。脱走してきたアメリカ軍兵士をかくまい、安全な国に、市民の力で送り届けること。それは、筆者が言うように、ベトナム人民の闘いに連帯する、具体的なひとつの闘いであったと思うのです。そして、自立した国外・国内の市民が力を合わせることで、国家が管理する国境を越えれたこと、これも、大きな成果だったと思うのです。差別と抑圧に抗して闘う人たちへの共感と、大国の横暴に対する怒り。それが、世界の人たちをひとつにしたことがあったということも、決して忘れてはならない歴史の事実であると思うのです。
 今は、決して楽観的には語れないけれど、資本の差別と抑圧に抗する民衆の闘いが、世界の隅々で連綿と続いているということを、あらためて実感できる一冊だったと思います。
 インターネットで予約できるようになってからは、本は図書館で借りています。この本の印税は、30年前に金銭的にお世話になった人たちのお役に立てたいと、筆者は書いていました。明日、一冊買って、本箱にしまっておきます。

 

千葉西高校の皆様に 心からありがとうございます

2008-02-26 19:50:53 | 自然エネルギーと省エネ
下の写真は、2005年に「千葉県立千葉西高等学校」に設置していただいた風車です。
       
        

この三年間、校長先生が先頭に立って、発電量のデーターを整理してくださいました。
去年からは、風車の発電量のデーターが、無線LANを使って、リアルタイムに理科教室
で見れるようになりました。

今日、千葉西高校のホームページにおじゃましました。
風車の写真や、発電量のデーター、「環境にやさしい千葉西高校風力発電機についての報告
それに風車の動画がアップされていました。
風車をこんなにも大切にしていただいて、涙が出そうになるぐらいうれしかったです。

千葉西高校のみなさま、ほんとうにありがとうございます。それから
去年の11月の定期点検で翼を交換して以降、発電量がおちていることを
おわびいたします。1日も早く、もとの状態にもどしたいと思います。



せめて挨拶は韓国語で

2008-02-25 20:41:40 | 旅行
Eチケットが届いて、気持ちは韓国。
せめて、挨拶は韓国語でしたいなぁと思い
今日から、勉強を始めました。

はじめまして   
처음 뵙겠습니다.

私は、kazenotikaraです。
저는 kazenotikara라고 합니다

これからもよろしくお願いします。
앞으로도 잘 부탁합니다.

まずは、この三語。

ハングル文字は、とても合理的にできていますね。
語順は、日本語と同じ。
発音、とっても難しそう。

これが、僕の今日の感想です。






「エレクトラ 中上健次の生涯」(高山文彦)

2008-02-24 21:08:20 | 
 「エレクトラ 中上健次の生涯」(高山文彦)を、今、読み終えたところです。クラシックの名演奏を聴いた後に訪れる、一瞬の静寂にも似た感動に浸っています。10年の歳月をかけて、この本を書き上げた高山文彦氏に、「ごくろうさま。ほんとうに感動しました。」という言葉を贈りたいと思うのです。
 中上健次は、娘さんに、「もし不正義があり、そのためだというなら、不正義と戦って欲しい。しかし、戦いは、暴力を振るうことだろうか?違う。人間の存在の尊厳を示すことだ。そのためには英知が要る。豊かな感受性が要る。」という言葉を贈ったそうです。この本は、作家中上健次が、人間としての、自らの存在の尊厳を示そうとして苦悩・格闘した記録です。新宮の被差別で私生児として生まれ、若い頃に兄の自殺を体験した中上健次にとって、人間の尊厳を示すとは、天皇制の最底辺で抑圧されてきたの民の存在から目をそらさず、彼らの無念を描き抜いていくことでした。
 筆者は、中上健次の家族や編集者、友人への丹念な取材を通して、中上健次の「等身大」の姿を、浮かび上がらせています。この本を読むと、ひとつの文学作品ができあがるまでに、作家と編集者との、英知をかたむけた命がけのバトルがあるということがよくわかります。ひとつの作品が完成するまでに、ボツになったいくつもの作品があることも。
 筆者は、中上健次は「作家となる宿命を背負ってこの世に生を享け、その宿命を誠実に生きて死んだ稀有な作家である」と書いています。人間の尊厳を示すために、作家として生き、自らの命を削っていった中上健次の生き様が、とてもとても痛々しい一作でした。

カササギの街

2008-02-24 11:32:21 | 旅行
3月2日から6日まで、韓国への出張が正式に決まりました。
2日の朝に関空を出て、夕方に麗水到着。
3日、4日は麗水で、韓国の企業と打ち合わせ。
5日にソウルに移動して、午後から韓国の設計会社と協議
6日の夕方にソウルから関空に帰ってきます。

今日の日経新聞に、詩人の長田弘が、「ソウルはカササギの街である」って
書いていました。高い大きな欅の街路樹と木の上のカササギの巣。そして
路上で売られている冬の柿。これは、へたをとって冷たくした完熟柿を、
シャーベットのようにスプーンで掬って食べるとおいしいらしい。
午前中にカササギが飛ぶのを見ると、いい1日になるそうです。
6日の朝は、早起きして、ソウルの街を歩きながら、
カササギが飛ぶのを見て、柿を食べます

ファブリッツィオ・ボッソ 「ニュー・シネマ・パラダイス」+中国茶

2008-02-23 23:05:09 | 音楽
神戸大丸にショッピングに行く前に立ちよった中古CD店で
ファブリッツィオ・ボッソの「ニュー・シネマ・パラダイス」を
買いました。ファブリッツィオ・ボッソは、イタリアの若手トランペッターです。
僕も、年を取ったものだなぁと思いながら、今、聴いてます。
この手の音楽は、若い頃には、あまり聴かなかったと思うのです。
ファブリッツィオ・ボッソ。ミュートをうまくつかいながら、
ストリングスをバックに、なかなかおだやかで、気持ちの安らぐ演奏を
聴かせてくれます。週末の夜、しばし仕事を忘れ、ゆっくりとした気分で聴くには、
ぴったりの音楽であると思うのです。

大丸から帰りに、南京町の中国茶の店「椿茶藝館」で一休み。
白毫銀針茶を注文しました。中国茶、これもまた、飲み方からして
ゆったりしてますよね。一煎目で香りを楽しんで
二煎目で味。僕は、三煎目で終了したけれど
五煎目ぐらいまでは、おいしく飲めるとのこと。

というわけで、今日は、すっかりリラックスしております。





Free Hugs 、声かけてみたいけど勇気が出ません

2008-02-22 22:10:41 | 日記
大阪駅で、今日も朝、見かけたのです。
二十歳代の男性と女性が、「Free Hugs ハグしませんか?」という
プラカードを胸の前に掲げて、立ってはりました。
男性は、ずっと前から一人でがんばってて
それに、最近から女性が加わって。
僕は、いつも気になっているのです。
中年のおじさんの僕は、
どうせハッグするなら女の子とがいいな、などと思いながら
声がかけれないんです。
しかし、辛抱強く、寒さに負けず立ってはります。
どんなことでも、持続するってたいしたものだと思うのです。
そうや、月曜日に見かけたら、
「毎日、がんばってるね」って、声でもかけてみよっと。

「きみを想う夜空に」(ニコラス・スパーク)

2008-02-21 22:12:17 | 
 「きみを想う夜空に」(ニコラス・スパーク)を読みました。2006年、世界で一番読まれた恋愛小説だそうです(アメリカで600万部)。アメリカ陸軍の青年と女子大学生の純愛小説。僕は、この手の本は、やっぱり苦手です。途中で何度も、読むのが嫌になりました。
 主人公の青年兵士が、あまりにピュアーで、まじめで、高潔なのです。不道徳な僕には、「こんなはずないやん」という違和感の連続。たとえば、夏の避暑地での運命的な出会いと二週間の二人だけの濃密な時間。一年後の再会と彼女のアパートのベッドでの何日もの二人だけの夜。それでも二人は、手を握り、キスをし、腕枕をするだけのピュアーな関係なのです。
 今この時代に、どうしてこのような「純愛のスーパーヒーロー」を登場させる必要があったのか、それを考えながらこの本を読んでいました。作者は、この本を書く喜びとして「軍隊に入って任務を果たす、誇りと高潔さをもつ人物を描きたかった」と書いています。
 アメリカの貧困に苦しむ移民労働者にとって、市民権を得る一番簡単な方法は、軍隊に入隊することだそうです。彼らが銃を持つのは、アメリカの「正義」や「誇り」のためではなく、貧困に打ち克つためなのです。銃を取りイラクで闘った兵士たちのPTDS(心的外傷後 ストレス 障害)と、沖縄でのアメリカ軍兵士による少女への暴行に象徴されるモラルの崩壊。そしてアメリカが世界に押しつけようとした「正義と大義」の正当性の崩壊。
 アメリカの軍隊と社会が抱える、このような苦悩が生み出したフィクションのヒーロー、それがこの物語の主人公ジョンであるように、僕には思われるのです。この本の原題は、「Dear John」といいます。悪と闘うスーパーマンが、私たちの弱さの裏返しであるように、「親愛なるジョン」は、誇りを持てなくなったアメリカ社会を映す鏡であると思いました。

あらい浜風公園の風車

2008-02-20 23:04:51 | 自然エネルギーと省エネ
一昨年の11月に高砂市の「あらい浜風公園」に設置した10kwの風力発電機です。
こちらのほうは、翼の直径が7mあります。東扇島の風車は、4kw。
風力発電機の発電量は、直径の二乗に比例して大きくなります。年間の発電量は、
一般的な家庭の2軒半分です。設置して1年3ヶ月。今月末に定期点検を行います。

        

公園のビオトープの循環ポンプの電源に利用されています。
この風車は、運転状況を遠隔監視しています。


東扇島 防災拠点2

2008-02-19 20:40:43 | 自然エネルギーと省エネ
千葉、銚子、川崎、横浜と一泊二日の出張に行ってきました。ただいま帰宅。
東扇島の小型風力発電機の設置が終わりました。



翼の直径4m、背の高さ10mの風車です。
月末の東京電力の立ち会いが終わり次第、発電を始めます。
年間の発電量は、平均的な家庭一軒分ぐらいです。
公園のオープンは、4月。
そのころには芝生とか植栽もできあがっていることでしょう。

とまらない「通訳/インタープリター 」(スキ・キム)

2008-02-17 21:30:10 | 
今日は、ひさしぶりに六甲山にでも登ろうと思っていたのですが
雪が降りそうなので、挫折。
昼過ぎから、「通訳/インタープリター 」(スキ・キム)を
読み始めたら、とまらなくなってます。五分の三ぐらい読んだところ。
両親の死の秘密を、主人公が追いかけてるんだけど、
やめれない・・・・この本、ほんとうにおもしろいです。
主人公は、五歳の時に韓国からアメリカにやってきた韓国人女性。
アメリカで通訳の仕事をしています。妻子ある白人男性との恋と、両親の死。
白人、東洋系の移民、ヒスパニック、黒人。
アメリカ社会がかかえる格差と貧困がリアルに描かれています。
そして、その中で自らのアイデンティティーに苦しむ「移民1.5世」の
若者の不確かさも。
明日は、早起きして千葉に出張。寝不足で飛行機に乗るんだろうな。
今から、愛犬そらの散歩に行って、お風呂に入って
本の続きを読みます。

今、午前1時。最後まで読んでしまいました。
おすすめの本です。

「戦争格差社会アメリカ-ヒロシマ記者が歩く」(田城明)

2008-02-16 20:18:05 | 
 今日は、田城明さんの「戦争格差社会アメリカ-ヒロシマ記者が歩く」を読みました。筆者は、現在、中国新聞社の特別編集委員をされています。
 9.11以降、アメリカは、軍事的・政治的・経済的に世界を支配するために、年間60兆円にも及ぶ軍事支出を行ってきました。イラクに侵攻し、15万人のイラクの民衆を殺戮するとともに、国内においては教育・福祉・医療・防災などの予算を削減し、貧富の格差を拡大してきました。
 アメリカでは、国民の7人に一人が健康保険非保持者。統計上、1世帯4人家族で年収2万ドル(約240万円)以下を「貧困層」とするそうですが、黒人や中南米系のラティーノが多く住むニュージャージー州キャムデン市では、人口の44%が貧困層に所属するそうです。 
 この本は、「愛国者法」という法律によって、不当に逮捕され人権を踏みにじられているアラブ系アメリカ人やイスラム教徒の人たち、イラクから帰還し職や家族を失いホームレスになった元兵士、反戦退役軍人とその家族、イラクで劣化ウランにおかされ、障害のある子供が生まれた帰還兵、いまなおハリケーンカトリーナの被害に苦しむニューオリンズの被災者、貧困に苦しむ黒人やラテンアメリカからの移民など、約100人近い人たちへのインタビューを通して、「自由と民主主義の国」アメリカで進行している人権抑圧と貧困の実態を明らかにしています。
 この本を読むと、「他国を抑圧する民族は、自らも決して自由にはなりえない」という、使い古された言葉の意味が、ほんとうによく分かります。イラクの民衆とともに、アメリカの民衆の心と体も、傷ついているのです。
 軍産複合体の新型核弾頭開発計画や生物兵器実験と闘い続けている人たち、イラク派兵に反対し続けているイラク退役軍人の人たち、教育現場で「お金は、戦争にではなく、貧しい人たちを助けるために使わなければならない」と教えている人たち、大資本のメディアから独立し、地域で、劣化ウラン弾におかされた人を支援している新聞社や、民衆の立場に立った放送を続けている人たち。アメリカとこの世界を、少しでもよくしていこうと地道な取り組みを続けている人たちへのインタビューに、小さな希望が見えたように思いました。僕も、何かを始めねば。
 
 
 

「ゲルニカ-ピカソが描いた不安と予感」(宮下誠)

2008-02-16 00:21:31 | 
 今日は、「ゲルニカ-ピカソが描いた不安と予感」(宮下誠)を読みました。ピカソのゲルニカを、書かれた時代背景、製作過程、美術史における位置、オリジナリティー、歴史画、戦争画の順に、丹念に考察した本です。
 ピカソの愛人の一人であるドラ・マールが撮った製作途上の8枚の写真(第2章)は、ゲルニカの絵が、「夜なのか、昼なのか、屋外なのか、屋内なのかが曖昧にされ、無時間性と無場所性の境涯に置かれ、普遍化されていく」過程がとてもよくわかりました。
 筆者は、ゲルニカは「加害者が描かれていない戦争画」であり、「歴史画でありながら無時間性が支配」していると指摘しています。ゲルニカがもつ異様さと多様性と自己矛盾。そして、それが表す不安と不確かさ。たしかに、現在の戦争においては、爆撃によって命を奪われる被害者たちには、加害者の姿は見えないのです。そして、ゲルニカ以降、生の不安は、時代を超えた普遍的なものになってしまったのです。
 「一枚の絵を考えることは、世界をよりよく理解することにほかならない。」
 「作品とは、あなた自身を映す鏡である」
 「肝心なのは作品を通して新たなあなたを見いだしていくことだ」
絵を見ることの楽しさと、その意味を伝えたいという作者の思いが、ひしっと伝わってくる本でした。