1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

NEC2万人超削減、日立は7000人

2009-01-31 10:00:28 | 経済指標メモ
 NECと日立製作所が2009年3月期の連結決算の見通しを下方修正しました(日経、神
戸新聞朝刊)。NECは純損益が2900億円の赤字に転落、日立は最終損益が7000億円もの
赤字になるとのこと。7000億円の赤字はこれまでの日本の製造業で最大で、日立の自
己資本の3分の1が吹き飛んでしまうそうです。これにともなってNECは2万人超の人員
削減、日立は7000人の配転・削減を行うと発表しました。電機各社の人員削減の一覧
です(日経朝刊)。

NEC    国内外で2万人削減(うち正社員1万人、国内6000人)
ソニー   国内外で1万6000人以上削減(正社員8000人、国内で希望退職募集)
日立製作所  国内外で7000人を配転・削減(正社員は原則配転、非正社員は契約延長せず)
東芝   国内で非正社員4500人削減
三洋電機  国内外で1200人削減(正社員600人、非正社員600人)
JVC・ケンウッド  国内で560人の早期退職募集
村田製作所  国内外で非正社員4500人削減
日東電工   中国・タイなどで2000人を削減

フランスの労働組合のように、日本の労働組合も「労働者は自分たちに責任のない
経済危機のために賃金や雇用の不安の犠牲を払わされている」と主張し、立ち上が
るときだと思う。


フランス ゼネスト(3)

2009-01-31 09:32:29 | 経済指標メモ
 企業の人員削減と賃金カットに抗議して29日に行われたフランスのゼネスト。警察
発表によると、フランス全土で108万人もの労働者がデモに参加しました。労働組合の
発表では250万人です(今朝の神戸新聞)。

サルコジ大統領の発言
「かつてない規模で世界に広がった(経済)危機に対して(労働者が)不安を抱くのは当然である。」

 2月に大統領と労使代表との話し合いが行われ、フランス政府の構造改造計画を今年
どのように進めるかについて検討が行われるそうです。引き続き注目したいと思います。

  
         写真は神戸新聞


 これと関連しますが、ユーロ圏の12月の失業率は前月比0.1ポイント悪化し8.0%
になりました。失業者数は1250万人となり前月から140万人増えました。スペインの
失業率は14.4%、不動産バブルの崩壊で東欧や南米からの移民労働者が職をうしな
っているそうです(日経朝刊)。

12月失業率4.4% 雇用・生産の悪化加速

2009-01-30 19:55:16 | 経済指標メモ
 12月の完全失禦率は前月から0.5ポイント悪化し4.4%になりました。41年ぶりの
大幅な悪化だそうです。有効求人倍率も0.72倍で前月を0.04ポイント下回りました。
正規社員に限った有効求人倍率も0.03ポイント悪化し0.47倍になりました。新規求人
倍率は製造業で前月比43.7%も悪化しました。非正規化から正規社員へ、人員削減の
荒波が押し寄せています。

       



 また厚生労働省の調査によると、10月から3月までの間に職を失う非正規労働者の数
は12万4000人となり、前月調査の8万5000人から4万人も増えました。 

 経済産業省が発表した鉱工業生産は前月比9.6%低下し84.6になりました。3か月
連続の低下で下げ幅は過去最大です。1月 9.1%低下、2月 4.7%低下、ひきつづ
き大幅な低下が予測されています。1月以降の生産の低下、さらなる雇用の悪化へと
つながっていくのでしょうね。

       

与謝野経済財政担当相の記者会見

「生産で今ほど鋭角的な落ち込みは経験したことがない。失業率や有効求人倍率の
悪化も極めて深刻な問題だ。」
「底入れ時期は今は予測不可能だと思う。」

そんなことは言われないでもわかっているわけで・・・
この状況を受けて、政府としてどうするのかということを語るべきだと思う   



フランス ゼネスト(2)

2009-01-30 08:42:01 | 経済指標メモ
 29日のフランスのゼネスト。フランス全土で数十万人が参加し、200のデモ行進
が行われたそうです(日経朝刊)。地下鉄やバスが運行本数を大幅削減、国鉄の運
休は6割に達しました。空港、郵便局などの公的機関の労働者だけでなく、銀行、
自動車などの民間部門の労働組合員も参加しました。

 ドイツでも鉄道の労組が10%の賃上げを求めてストを実施。ルフトハンザの労働
組合も、前日の28日からストに入りました。

 ドイツの1月の失業者数は、前月に比べて0.9%上昇し、8.3%になりました。失業
者数は、前月に比べて38万7000人急増し、348万9000人です。


    
      (写真は日経新聞より)

フランス全土できょうゼネスト

2009-01-29 18:00:05 | 経済指標メモ
 今日の日経朝刊。フランス全土で29日、雇用の維持や賃上げを求めるゼネストが実施
されるという記事が載っています。
 鉄道やバス、航空などの交通部門に加え、学校や病院などの公的機関は機能が停止
する見通しだそうです。自動車などの民間部門の労働者も参加する可能性があるとの
こと。今後の動きに注目です。

民主労働連盟(CFDT)のシェレク委員長の言葉
「仏労働者は自分たちに責任のない経済危機のために賃金や雇用の不安の犠牲を払わ
されていると感じている」

09年の世界の失業者 2億3000万人

2009-01-29 17:52:25 | 経済指標メモ
 今朝の神戸新聞。ILO(国際労働機関)が、金融危機に伴う世界経済の急速な悪化で
2009年の世界の失業者が2億3000人、失業率が7.1%になるという年次報告を発表しました。
これまでで最悪の数字だそうです。2008年の失業者数は1億9000人、失業率は6.0%、
今年1年で4000万人もの方が職を失うことになります。

 同じく神戸新聞。IMFの見通しによるとサブプライムローンの影響による世界の金融
機関の損失が2兆2000億ドル(約200兆円)に達するそうです。去年の10月の予想では
1兆4500億ドル、4月の予想では9450億ドルでした。9ヶ月間で2.3倍にふくらみました。
世界の金融危機、まだまだそこは見えません。

「地下室の手記」(ドストエフスキー 安岡治子訳)

2009-01-29 00:02:03 | 
 「地下室の手記」(ドストエフスキー 安岡治子訳)を新訳で読みました。自意識という殻に閉じこもって、他人と自分自身に呪詛の言葉を吐き続けながら生きてきた男のモノローグです。この前読んだのは30年ぐらい前かな、とにかく暗い小説だったという記憶だけが残っていました。
 他者にうけいれられたいと思えば思うほど、正反対の行動をとってしまう主人公姿がとても痛々しかったです。今回読んで一番印象に残ったのは、理性では決して割り切れない欲求や感情を、たとえそれが苦しくとも、トータルに背負って行こうとする主人公の生へと向かうエネルギーの大きさでした。

「人間はいついかなる時も、いかなる人間であっても、決して理性や利益が彼に命じるようにではなく、自分の望みどおりに行動することを好んできたのである。自己の利益に反することを望むこともありうるし、ときにはまったくそうならざるを得ないこともあるのだ。自分自身の自由な欲求、たとえどんなに突飛なものであれ、自分自身の気まぐれ、ときには狂気と見まごうばかりにまで掻き立てられた自分の妄想、こうしたものこそがすべて、例の計算し損なわれ、いかなる分類にもあてはまらず、あらゆる体系や理論を木っ端微塵に砕き飛ばしてしまう、もっとも有力な利益なのである。」

「理性はたしかに素晴らしいものさ。それは議論の余地がない。だが、理性はしょせん、理性に過ぎないわけで、人間の理性的側面にだけ応えるものだ。そこへ行くと欲求は全生活、というか、それこそ二、二が四の理性からそれではどうしても割り切れず、むしゃくしゃと頭を掻きむしることまで、ありとあらゆるものをひっくるめた人間の全生活の現れなのだ。そして我々の人生は、この現われにおいて、しばしば取るに足らぬ下らぬものであることが判明するのだが、とは言え、ともかくもそれは人生であり、単に平方根を求める算術などとはわけが違う。例えば、俺はごく当然のこととして俺の生きる能力すべてに応えるために生きたいと望むのであり、俺の理性的能力、つまり全体の二十分の一やそこらの能力のみに応えるために生きたいとは思やしない。理性が知っているものとは何か?理性が知っているのはただ認識しえたことだけであるが、人間の本性は、すべてを含んだ全体として、意識的にも無意識的にも活動するものであり、ときには間違うこともあるが、ともかく生きているのだ。」

このエネルギー。いったん吹き出せば制御不能になる、ふつふつと煮えたぎるマグマのような不気味ささえ感じてしまうのです。

「美しき生命~プロスペクツ・マーチ・エディション」(コールド・プレイ)

2009-01-28 00:10:06 | 音楽
 今日はコールドプレイの「美しき生命~プロスペクツ・マーチ・エディション」を聴いています。
久しぶりに買ったロックのCDです。去年発売された「美しき生命」と「プロスペクツ・マーチ」の
2枚のCDが入っています。タイトル曲の「美しき生命」はテレビのCMでもおなじみの曲です。
なかなかよくできた構成のCDだと思いました。

   

   

「美しき生命」はイントロ曲の「LIFE IS TECHNICOLOR」から始まって
「DEATH AND ALL HIS FRIENDS」までの10曲(+ボーナストラック2曲)。
最後の曲の「DEATH AND ALL HIS FRIENDS」は、イントロ曲の「LIFE IS TECHNICOLOR」
の旋律をなぞって終わります。ライナーノーツが書くように、このCD自身が循環しているのです。

「DEATH AND ALL HIS FRIENDS」の歌詞ですが・・・・

No I don't want a battle from beginning to end   
はじめから終りまで闘いなんて嫌だ
I don't want a cycle of recycled revenge
使い古しの復讐をくりかえすなんて嫌だ
I don't want to follow death and all his friends.
死とその仲間たちの後をついていくなんて嫌だ

この歌詞を読んで、イスラエルの爆撃によって命を失った1000名をこえるガサの人々のことが
頭に浮かびました。

イスラエルによる爆撃→パレスチナからの反撃→イスラエルからの爆撃→パレスチナからの反撃・・・・

終わることのない循環。

そして、もう一つの負のスパイラル

輸出の減少→生産の削減→設備投資と雇用の削減→賃金のカット→消費の冷え込み→生産の削減・・・

現代という時代を、「循環」という構成で切り取って見せたCDだと思いました。


米欧企業 人員削減加速 一日で7.5万人

2009-01-27 20:39:11 | 経済指標メモ
 今日の日経夕刊。米欧の企業で人員削減が加速しているという記事が載っています。26日のたった一日で
75,000人の方が職を失いました。みんなで渡ればこわくない、この際削減できるものは削減してしまえという
企業の思惑が透けて見えてきます。一覧表メモです。

キャタピラー  建設機械  20,000人削減
テスサス・インストルメント  半導体  3,400人削減
ホーム・デポ  ホームセンター  70,000人削減
スプリント・ネクステル  通信  8,000人削減
ファイザー  製薬  19,000人削減
GM  自動車  2,000人削減
フィリップス  電気  6,000人削減
ING  金融  7,000人削減
コーラス  鉄鋼  3,500人削減

アメリカの主要企業の人員削減は、12月に16万6千人、1月に18万7500人に達しています。

ブログを使って

2009-01-27 00:47:19 | 日記
 このブログを読んでくださっている労働組合の方から、ブログの記事を使って労働組合の機関誌にのせる文章を、400字から600字で書いてほしいという依頼を受けました。で、書いたのが次の文章です。最近書いたブログから、あっちとりこっちとり。どうなんだろうな、こんな内容でいいんだろうか・・・。まぁ、しかし、今の僕の素直な思いだから、これでよしとしよ。


「ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展」
 有吉玉青の「恋するフェルメール」という本に、「絵は見るものではなく、見に行くもの。誰かと並んでみるもの」という名言が出てきます。僕にとって忘れられない絵の一枚は、元○○研究所のMRさんとスペインのバスク地方にある労働者協同組合の街モンドラゴンに行った時に、マドリッドのプラド美術館で見たベラスケスの「ラス・メニーナス」です。マルガリータ王女に女官たち、ベラスケス本人と鏡にうつる国王夫妻。ガイドさんの説明を聞きながら、この絵のもつ謎と魅力にひきこまれてしまいました。今でも僕は、ベラスケスの絵を見ると、MRさんと一緒に行ったモンドラゴンの青空と労働者協同組合へのMRさんの熱い想いを思い出します。
 先週の金曜日、会社からの帰りに兵庫県立美術館で開かれている「ウィーン美術史美術館所蔵―静物画の秘宝展」に行って来ました。ウィーン美術史美術家所蔵の静物画75点が展示されていました。ハプスブルグ家が集めた17世紀のオランダ・フランドル地方やスペインで描かれた作品たちです。
 花、果物、野菜、魚、貝殻、狩猟の獲物、解体されてつるされた羊、楽器などなど。75点の静物画を見ていると、画家たちが描こうとしたもの(描いてしまったもの)が伝わってくるように思いました。静物とは、すでに命をうしなったものたちなのです。
 画面いっぱいの華やかな花と机の上にはかなく散った花びらを描いたヤン・ブリューゲルの「青い花瓶の花束」。隆盛を誇ったハプスブルグ家が世界中から集めてきた貨幣や財物を右側に、左側に5つの髑髏を描いたペレダの「静物・虚栄」。華やかさとは、はかなさなのだと絵が語りかけているように思いました。
 今回の展覧会でずばぬけてよかったのは、ベラスケスの「薔薇色の衣装のマルガリータ王女」でした。画面左側に描かれた花のもっこりとした質感とひと筆で描いたようなタッチ。75展の静物画の最後におかれたマルガリータの絵からは、政略結婚のために14歳でハプスブルグ家に嫁ぎ22歳で死んでしまったマルガリータのはかなさが伝わってくるように思いました。
 僕たちがモンドラゴンに行ってから早いもので12年が経ちました。「協同労働の法制化」を後押しする法案を、この春の国会に提案しようという動きもあります。マルガリータをみながら、あの「ラス・メニーナス」を思い、モンドラゴンと労働者協同組合について何かを始めてみたいという気持ちになりました。


日にち薬かな

2009-01-26 19:21:28 | 日記
 ご心配おかけしています。今、お医者さんに診てもらって帰ってきました。
肋骨にひびが入っている可能性もあるので、しばらくは無理をしないで胸をいたわる
ようにって言われました。痛みは、3週間ほどは続くそうです。ブレストバンドとか
いうので、胸を固定しています。なんか、たいそうな気もするけれど・・・
 あさってもう一度来るように言われました。日にち薬なんでしょうね。

 この程度ですんで、ほんとうによかったです

 HITOMIさん、rottataさん、ハリーさん。あたたかいコメント、ありがとうございました。

「経済学批判要綱 序説」(マルクス  横張誠ら訳)

2009-01-25 14:47:57 | 
「経済学批判要綱 序説」(マルクス)を読みました。経済学批判要綱は、亡命先のロンドンでの「15年間の研究成果として」1857年8月から1858年5月までに執筆された一連の経済学批判の草稿のことです。「経済学批判要綱 序説」は、その中の最初の50ページほど。短いけれど、新しい経済学を打ち立てようとするマルクスの苦闘が生き生きと伝わってきて、胸をわくわくさせながら読みました。

 まずはじめにマルクスは、社会の中で生産する諸個人を出発点とすることを確認します。これは、「食うこと」、「飲むこと」、「住まうこと」、「着ること」など、人間が生きていくということを社会の分析の出発点にしようとした、「ドイツイデオロギー」の考察を継承するものだと思います。

「社会の中で生産する諸個人―したがって諸個人の手でなされる社会的に規定された生産こそが、当然ながら出発点である。」

 次にマルクスは、「生産と消費」、「生産と分配」、「生産と交換」のかかわりについての考察を進めていきます。「生産と消費」の分析はすごいと思いました。さわりの分だけをノートです。

 「①[消費が生産を二重に生産するのは、まず]消費においてようやく生産物が現実の生産物になるからである。たとえば着物は着る行為によってやっと現実の着物になる。
・・中略・・・②「①[消費が生産を二重に生産するのは、また]消費が新しい生産の欲求を創造するからである。消費は生産の衝動を創造する。・・中略・・欲求がなければ生産もない。だが消費は欲求を再生産するのである。」

 「生産は直接に消費であるだけでもなければ、消費は直接に生産であるだけでもない。さらにまた生産が消費のための手段になるだけでもなければ、消費が生産のための目的になるだけでもない。・・・中略・・・生産と消費のそれぞれは、たんに直接[媒介なし]に他方のものになるだけでもなければ、さらにまた他方を媒介するだけでもなく、両者のそれぞれがおこなわれることで、他方を創造し、他方のものとして自らを創造しもするのである。消費こそが、生産物を生産物として完成させ、生産物を解体して、その自立したものとしての形態を失わせることで、生産の行為をようやく完成させる。また、消費は、生産者が生産の最初の行為で展開し発揮した構想と才能をさらに繰り返し展開発揮させてみたいとの欲求を通じて、それを熟練した技能にまで高めることで、生産の行為をようやく完了させる。・・中略・・他方、生産は、消費の一定の様式を創造し、そしてさらに消費の刺激、消費能力それ自身を欲望として創造することで、消費を生産する。」

 これらの考察を通してマルクスは、生産、消費、分配、交換が、一全体の構成要素をなしており、生産がプロセスの始まりであると結論します。

「われわれが到達した結論は、生産、分配、交換、消費が同一のものだというのではなく、それらがすべて一全体の構成要素をなしているということ、一つの統一体内部における諸区別を形成しているということである。生産は、生産の対立した規定において、自らを包括するのみならず、他の諸契機をも包括している。プロセスは繰り返しつねに生産から始まる。交換と消費が全体を包括するものたりえないことは、おのずから明らかである。・・中略・・したがって何らかの規定を受けた生産は何らかの規定をうけた消費、分配、交換を規定し、さらにこれらさまざまな諸契機相互の何らかの規定をうけた関係を規定する。むろん生産もまた、その一面的な形式では(諸契機の関係全体のなかの一面をなすという形式では)、これ自身が他の契機によって規定される。」

 以上を確認したうえで、「経済学の方法」の考察に移ります。マルクスは経済学の方法には、具体的なものから抽象的な諸規定に至る下向の道と、抽象的な諸規定から具体的なものに至る上向きの道があることを確認し、後者の道が学問的ん正しい方法であると指摘します。

「第一の道は、経済学がその成立の時点で歴史的に歩んできた道である。たとえば17世紀の経済学は、つねに人口、国民、国家、複数の生きた全体から始める。しかし、つねに、分業、貨幣、価値などのように規定的で抽象的、一般的な関係を、分析によって探り出すことで終わる。これら個々の契機が多かれ少なかれ確定されて抽象されたのちに、労働、分業、欲望、交換のような単純なものから国家、諸国民の間の交換、そして世界市場にまで上向する経済学の体系がすぐに始まった。この後者こそがあきらかに学問的に正しい方法である。」

「具体的なものは、それが多くの規定を統合したものだからこそ、具体的である。つまり多様なものを統一したものだからこそ、具体的なのである。したがって、具体的なものは現実の出発点であり、それゆえまた直観と表象の出発点であるにもかかわらず、思考においてはそれは多くの規定のプロセスとしてあらわれ、出発点としてではなく結果としてあらわれる。」

 経済学のカテゴリーの順序については、「ある一定の生産こそが、それ以外の生産の順位と影響力を規定している」とした上で、経済カテゴリーが相互に持っている関係にもとづいて順序は決定されるべきだと主張します。

「経済カテゴリーの順序は、経済カテゴリーが近代市民社会の中で相互にもっている関係のいかんによって決定されるのである。」

最後に、資本主義社会を分析するための編成区分を明らかして序説を終わります。

「編成区分はあきらかに次のように行うべきである。①一般的抽象的な諸規定。②市民社会の内的編成を形成し、基本的な階級の土台をなすカテゴリー。資本・賃労働・土地所有。それら相互の関連。都市と農村。社会の三大階級。それらの三大階級の間での交換。
流通。(私的)信用制度。③国家の形態による市民社会の統合。自己自身との関連での考察。「不生産的」階級。租税。国債。公債。人口。植民地。移民。④生産の国際関係。国際分業。国際的交換。輸出入。為替相場。⑤世界市場と恐慌。

 この構想がのちの「資本論」へとつながっていくのですね。「資本論」の第一部の発刊は1867年。「経済学批判要綱」からさらに10年後。マルクスの経済学研究の25年の苦闘の成果が資本論なのです。すごいなぁ、この持続する力、この執念。へこたれんと持続することやね、何事も。

それはないやろ・・・車にあてられた

2009-01-24 23:41:04 | 日記
 飲み会の後、ほろ酔い気分での帰り道。家のすぐそばの横断歩道を歩いていたら
右折してきた車にあてられた。。。横断歩道を歩いていたのに、それはないやろって、
さすがに、運転していた人にかみついてしまいました。
 あたった瞬間に、飛ばされて、胸を打ったんやろね・・・・痛かったです。
お医者さんへ行って、レントゲンを撮ってもらって、警察に行って、ただいま帰宅。
胸の骨に異常がなかったので、一安心。痛みは少し残っているので、お医者さんから
は、月曜日にもう一度来るように言われています。
 あぁ、びっくりした。宝くじとかTOTOとか、もっといいものにあたればいいのにね。

ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展

2009-01-23 20:46:06 | 美術館
 今日は、会社からの帰りに兵庫県立美術館で開かれている「静物画の秘宝展」に行って来ました。
ウィーン美術史美術家所蔵の静物画75点が展示されていました。17世紀のオランダ・フランドル地方や
スペインで描かれた作品です。

 花、果物、野菜、魚、貝殻、狩猟の獲物、解体されてつるされた羊、楽器などなど。

 

 

 75点の静物画を見ていると、画家たちが描こうとしたもの(描いてしまったもの)が伝わってきました。
静物とは、すでに命をうしなったものたちなのです。

   

 華やかな花たちと机の上にはかなく散った花びらと。

  

 隆盛を誇ったハプスブルグ家が世界中から集めてきた貨幣や財物と骸骨たち。

     

 今日見た中でずばぬけて良かったベラスケスのマルガリータ王女です。画面左側に描かれた花のもっこりとした
質感は、なんとも言えずよかったです。静物画の中におかれたマルガリータの絵からは、政略結婚のために14歳で
ハプスブルグ家に嫁ぎ22歳で死んでしまったマルガリータのはかなさが伝わってくるように思いました。



日銀見通し 2年連続マイナス成長

2009-01-23 08:31:13 | 経済指標メモ
 今日も新聞の一面、暗い記事ばかりです。日銀が、2008年度と09年度の経済成長率がそれぞれマイナス1.8%、マイナス2.0%になるという予測をまとめました。消費者物価指数も09年度が前年度比1.1%低下、10年度も0.4%低下を予想。「先行見通しは極めて不確実性が高い」というのが白川総裁の言葉です。
 輸出の減少→生産の削減→設備投資と雇用の削減→賃金のカット→消費の冷え込み→生産の削減・・・というスパイラル、まったく底が見えないです。

 今回の不況の引き金となったアメリカの住宅バブルの崩壊。こちらも底が見えません。08年の年間住宅着工件数は90万4300軒で、前年比33.3%の減少。12月の着工件数は、前年同月比45.0%も低下しピーク時の2割にまで落ち込んだそうです。住宅価格のさらなる下落と不良資産の増加は、アメリカの消費と金融をいっそう冷え込ませるのでしょうね。

 ソニーの営業赤字が2600億円になるという記事。去年の10月の時点では2000億円の黒字を予想していました。1週間ほど前に、赤字が1000億円規模になると発表したばかりでした。非正規社員1000人の削減と正社員の早期退職を募集するとのこと。

 トヨタも海外で1000人を超す正社員を削減。トヨタにとっては、「聖域」としてきた正社員の雇用削減です。

 マイクロソフトも5000人を削減すると発表。

ひとごとではないです。知恵を振り絞って、のりこえなあかん。