1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

明日から土曜日まで

2010-05-31 19:42:42 | 日記
明日から土曜日までプサンとソウルに出張。
金曜日までの予定が、今日になって、一日延びてしまいました。
行く前から、お疲れモード。というわけで
ブログは、日曜日あたりまでお休みです。

2日は、韓国の統一地方選挙。日本の選挙よりも、もっともっと熱くもえるらしい。
それを見るのが、少しだけ楽しみではある。

「ルノワール 伝統と革新」

2010-05-30 09:33:00 | 美術館
 国立国際美術館で開かれている「ルノワール 伝統と革新」展に行ってきました。初期から後期までのルノワールの作品、約80点が展示されていました。歳をとるにつれて、ルノワールの絵が、豊満で、やわらかくて、明るい色彩になっていくのがとてもよくわかりました。リューマチに苦しみながら、描き続けるという苦痛はあっただろうけれど、画家としては、精神的にゆらぐことがなく、充溢した老後を生きたのだろうと思いました。

 これは好みの問題だけれど、ルノワールの絵を一通り見終わったあとで一番感じたことは、悲しみやせつなさ、苦しみや不安が絵から伝わってこないということでした。同じ美術館で見たモディリアーニの絵は、とても哀しかったけれど・・・。

 「絵とは、好ましくて、楽しくて、きれいなもの。そう、きれいなものでなければいけないんだ。」これは、ルノワールの言葉。悲しみや苦悩を描かない、それがルノワールの絵なのでしょうね。

 きれいなものというと、今回の展覧会での僕のお気に入りは次の3枚でした。



「ブージヴァルのダンス」。黄色の帽子に青いスーツ。赤い帽子に薄いピンクの服、黄色の腰帯。この色彩が、なんともいえず美しかったです。モデルの女性は、ユトリロのお母さんだとか。ユトリロの絵も哀しい。



「シャトゥーのセーヌ河」。この絵を見ていると、ルノワールが印象派の画家であったというのがよくわかります。



それと「花瓶の花」。



台湾・鴻海精密工業 中国工場の基本給20%引き上げ

2010-05-29 08:48:03 | 経済指標メモ
 今朝の日経新聞より。EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、台湾・鴻海精密工業は28日、中国各地の工場で働く現場従業員の基本給を、平均20%引き上げることを明らかにしました。鴻海傘下の富士康科技は主力生産拠点である広東省深圳市で45万人の従業員を抱えており、中国全土で従業員は80万人に達します。
 ソニーや任天堂、米アップル、ヒューレッドパッカードなどが富士康科技に生産を委託しています。深圳市にある富士康科技の主力工場では、今年に入ってから労働者の自殺が相次いでいます。深圳工場の基本給は現在、最低賃金と同じ月900元(約1万2000円)ですが、これを22%引き上げ月1100元にするとのこと。
 26日、鴻海は深圳工場を初めて内外のメディアに公開しましたが、その夜にも12件目の自殺が発生。27日にも従業員が手首を切って自殺を図ったとのこと。
 わが家にも任天堂のwiiがあり、ipadがほしいなどと思っているけれど・・・それらの機器が、労働集約型の工場で、劣悪な環境、低賃金で働いている労働者によって生み出されていると思うと、資本は利潤をもっと労働者に還元すべきだと思いました。


中国 労使間のトラブル多発 賃上げ圧力強まる

2010-05-28 22:16:01 | 経済指標メモ
 ホンダの部品工場でのストライキは続いていますが、今朝の日経新聞。中国で労使間のトラブルが増発しているという記事が載っています。2009年に発生した労働争議の件数は約60万件で、2006年の2倍に増加しました。若年層を中心に、賃金や残業などへの不満が高まっていることが背景にあるとのこと。日系を含む多くの工場でストライキが頻発しているそうです。
 
 中国では、好調な経済の後押しを受けて、今春以降最低賃金の引き上げが行われました。しかし、「日本などから派遣された社員と中国人工員の給与格差は過大」とのこと。労働者側の賃上げ圧力が強まっています。



 同じく日経新聞。EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、台湾・鴻海精密工業の中国の中核子会社「富士康国際」の工場で従業員の自殺が相次いでいる問題で、同社に生産を委託している任天堂が労働環境の実態調査を進めているという記事も載っています。


 

ホンダ ストで中国工場停止

2010-05-27 19:53:29 | 経済指標メモ
 今日の日経新聞の朝刊と夕刊。ホンダは、中国広東省仏山市にあるホンダの変速機工場で、賃上げを要求した従業員のストがあり、中国国内の完成車を生産する全工場の操業が止まったことを明らかにしました。

 操業が止まったのは、主力セダン「アコード」などを生産する広州市の「増城工場」・「黄埔工場」と、「シビック」などを生産する「武漢工場」、広州市にある輸出専用工場の4工場です。

 ストライキが起こった変速機工場の従業員の1ヶ月の賃金は平均で1,500元(2万円弱)。ホンダの完成車工場並みの2,000~2,500元(2万6000~3万3000円)への賃金引上げを、労働者は要求しているとのこと。ストは先週の17日に第1回目が行われました。今後の動きに注目です。



「ブルー・セーター 引き裂かれた世界をつなぐ起業家たちの物語 」

2010-05-26 20:10:21 | 
 「ブルー・セーター 引き裂かれた世界をつなぐ起業家たちの物語 」(ジャクリーン・ノヴォグラッツ)を読みました。ジャクリーン・ノヴォグラッツは、貧困層のためのベンチャーキャピタルとして、世界で注目を集めているアキュメン・ファンドのCEOです。アキュメン・ファンドの活動について、筆者は次のように書いています。

 「私は、自分たちが始めようとしているものを、貧困層のためのベンチャーキャピタルファンドと考えるようになった。慈善資金を集めたうえで、出資、貸付、資金援助―必要なことを何でも―行って投資する。投資先は、低所得層に安全な水、医療、住宅、代替エネルギー源などのサービスを提供する、ビジョンを持った投資家の率いる企業だ。さらに、基本的な事業計画から経営陣の雇用にいたるまで、多岐にわたる支援を提供して、そうした起業家と市場の結びつきを支援する。」

 アキュメン・ファンドは、インドで25万人の貧困層に安全な水を提供している起業家、遠隔治療を行う医師、27万人以上の農民の収入を倍増させた農業用品デザイナー、アフリカで年間2000万人もの貧困層にマラリア対策の蚊帳を提供している起業家などに投資し、大きな成功を収めているそうです。

 著者のジャクリーン・ノヴォグラッツは、25歳でチェースマンハッタン銀行を退職し、アフリカにわたりました。ルワンダで貧困層の女性のためのマイクロファイナンス(銀行)を設立し、貧困女性が自立して働ける場として、「ブルーベーカリー」を立ち上げました。

 「ブルー・ベーカリーをビジネスにする前、女性たちは自信がなく、人頼みで、長いあいだ絶望的に貧しかった。援助金が大量に流れ込むと、変化につながるのと同じくらい、腐敗と不正につながるきっかけも生まれた。」

しかし、

 「大くの実験、失敗、挫折を重ねたが、小さなベーカリーはプリスカのリーダーシップの下で繁盛しつづけた。彼女は、ニャミランボに少なくとも一つ、自らの価値によって運営される場所を創り出した。商品を売ってコストをカバーし、女性たちに自分で人生をコントロールできると教える場所。」

 「ベーカリーの物語は、人間が目をとめられ、責任を求められ、成功しているときに起きる変貌の一つだった。私は、自立する手段を提供された女性たちが、尊厳を獲得していくのを目の当たりにするという特権に恵まれた。ほんとうに責任をともなうビジネスを起こすことが、どれほどの力を持つかを発見した。」

 職場の主人公となることで、自信と尊厳を獲得していく・・・このあたりは、倒産からはじまった僕たちの経験と相通じるものがあって、とてもよくわかるのです。しかし、このブルーベーカリーも、80万人が犠牲となった「ルワンダの虐殺」で崩壊してしまいます。メンバーのある者は虐殺者となり、ある者は犠牲者として命を失います。人間の尊厳を取り戻すという同じ目的をもった仲間が、なぜ、互いに殺し合わなければならなかったのか?かつての仲間を訪ねながら、筆者は問い続けます。

 ルワンダの悲劇が二度とおこらないように、そしてすべての人が尊厳をもって生きていける世界になるように。「貧困のない世界」を目指して、数々の困難にもめげす前進していく著書の姿がとても印象的な一冊でした。






あかん

2010-05-24 23:19:17 | 日記
このブログには、あまりサッカーのことは書かないのだけれど・・・
日韓戦、2-0で惨敗。さすがにがっかり

パクチソンの世界標準のプレー、フィジカルの力強さ、ゴール前の高さ、カウンター攻撃のスピード。
どれをとっても、韓国のほうが一段も二段も上だった。

中村も本田も遠藤も、ぜんぜん機能してないし。守備はずたずた。
どこかおかしい。チーム内でなにかあるのかな。
どうなるんやろ。ワールドカップ。

テレビざんまい

2010-05-23 23:25:09 | 日記
今日は雨。4週間続けた山歩きもお休み。朝から、録画していたテレビ番組を見ておりました。ひさしぶりのテレビざんまい。見た番組は・・・

○サッカーの欧州チャンピオンズリーグ決勝 バイエルン×インテル
○日曜美術館 「ピカソを捨てた花の女~かつての恋人が語る巨匠の姿~」
○「”スコラ”坂本龍一 音楽の学校」 ジャズ第3回と第4回
○美の巨人 「アンリ・ルソー「ジュニエ爺さんの馬車」

インテルのミリートの二得点、ロッペンのドリブル、エトーのスピード、監督モウリーニョの采配・・・どれもすごかった。
 
とりわけ一押しは、「”スコラ”坂本龍一 音楽の学校」。坂本龍一とジャズピアニストの山下洋輔、音楽評論家の大谷 能生が、ジャズの歴史をとてもわかりやすく、そして楽しく解説していました。先月のバッハの4回もおもしろかったけど。

ジャズの第3回は、チャーリー・パーカーのビバップとモードジャズを生み出したマイルス・デイビスのお話。そして第4回はオーネット・コールマンとコルトレーンのフリージャズの話。ワークショップのコーナーでは、アマチュアの中学生や高校生が、山下洋輔や坂本龍一の指導を受けて、モードジャズやフリージャズを実際に演奏してみせます。このコーナーが、なかなか楽しいのです。そして最後には、山下洋輔と坂本龍一のセッションのおまけまでついています。とても贅沢な番組。

来月は、「ドラムとベースの成り立ち」という話で、坂本龍一、細野晴臣、高橋幸宏がおそろいになるようで・・・YMOの曲が聴けるかもしれない。



「ぼくたちが聖書について知りたかったこと」(池澤夏樹)

2010-05-22 23:02:31 | 
 「ぼくたちが聖書について知りたかったこと」(池澤夏樹)を読みました。聖書の研究家秋吉輝雄と作家池澤夏樹の対談集です。日本という島国にうまれ、広大な砂漠も見たことがない僕にとって、「へぇーそうだったんだ」という指摘がいっぱいでてきます。いくつかを箇条書き。

①ヘブライ語には過去形がない。
②ユダヤ人にとって歴史というのは過去から現在に縦に連なるものではなく、並列的に横軸としてとらえている。「すべての時代」が今に同居している。
③ユダヤ人がディアスポラ(離散状態)でなかった時期というのは、紀元前1000年のダビデの時代から現在までの3000年間で、長く見て400年ぐらいしかない。
④従ってパレスチナがユダヤ人の永遠の故郷だというのは歴史的事実というよりもむしろイデオロギーの産物である。
⑤ヘブライ語の「おとめ」は「若い娘」という意味で、「処女」という意味を持たない。マリアを処女だとしたのは、ヘブライ語をギリシア語の翻訳するときに、「パルテノス」と訳した誤訳にはじまる。
⑥紀元前二世紀のユダヤ人にとって、聖書というのは、まさに完璧な民族文学全集だった。自分たちに関する文献をあれだけもっている民族はほかにいなかった。
⑦文字、言葉を尊重するということがユダヤ人の生き方の土台としてあっただろうし、その力でいままでそれが続いてきた。ユダヤ人のアイデンティティーの基礎というのは、結局すべて聖書によるのではないか。

 現代の世界で大きな影響力を持っているユダヤ人のアイデンティティーの土台としての聖書・・・とても大胆な仮説です。ユダヤ人を知るために、聖書もよまなあかんなぁと思った一冊。おもしろかったです。






「JASMINE」(Keith Jarrett/ Charlie Haden)

2010-05-21 21:42:50 | 音楽
 最近お気に入りのCDです。キース・ジャレットが自宅のスタジオにチャーリー・ヘイデンを招いて録音したものです。キース・ジャレットもチャーリー・ヘイデンも、ぼくの大好きなミュージシャンの一人です。

 自宅のスタジオというと「A Melody at Night with You」を思い出すけれど、こちらのほうも心あたまる演奏が続きます。キース・ジャレットは、ライナーノートに「ジャスミンは、美しい香をもった夜に咲く花です」と書いています。ジャスミンの香って、とても幸せな感じがして、落ち込んだときに前向きな気持ちにしてくれるって、ネットには書いてあるけれど、どんな香がするんだろう・・・

 「夜遅くに、愛する人と二人でゆっくり腰掛けて聴いてほしい。このCDは偉大なラブソング集です」これも、キース・ジャレットの言葉。うーん、わかる気がする。


岸壁表示灯

2010-05-20 23:17:40 | 自然エネルギーと省エネ
3日間の広島・愛媛出張からただいま帰宅。今日は、久しぶりの仕事ネタ。
出張の途中で立ち寄った淡路島の富島漁港。



漁船を係留する突堤の先に、



わが社が開発した岸壁表示灯がついています。



太陽光でおこった電気を、電気二重層コンデンサに蓄えて、LED照明灯を照らします。

設置して1年。漁師さんに「ちゃんと点いてますか?」って聞いたら、「点いてるで」という返事。小さいものだけれど、ちゃんと働いていてくれて一安心。よごれを掃除して、帰ってきました。

「幸せはシャンソニアン劇場から」

2010-05-18 20:58:17 | 映画
経済不況の中で倒産してしまったパリの街角にあるミュージックホール、シャンソニアン劇場。そこで25年間働き続けてきた主人公たちが、自分たちの職場を守るために、劇場を占拠し、自力で再建していこうとするお話です。仲間を裏切らないという気持ちや、父と子の絆の深さに、ぐぐっと感動。個人的には、この手の映画、大好き。自分の職場ことと重なって、見終わった後で拍手を送っておりました。

この映画、フランスで大ヒットしたんですね。こういう映画を見ると、フランスの労働運動も、まだまだ捨てたもんじゃないと思う。




神護寺へ

2010-05-17 20:33:23 | 日記
愛宕山登りが予想より早く終わったので、






東海自然歩道を通って、神護寺へ行ってきました。




ながーい石段を上って



神護寺到着。



楼門。



五大堂。



空海がすんだといわれている大師堂。



薬師如来像がある金堂。



もみじのシーズンには、たくさんの人が訪れるのでしょうね。参拝客も少なくて、とても落ち着いた気持ちになりました。



愛宕山

2010-05-16 19:18:45 | 日記
今日は、京都にある



愛宕山(924m)に登ってきました。



愛宕神社の表参道を頂上へ。



参道には一丁ごとにお地蔵様が祀られています。歩く励みになりました。



五合目あたりからの眺望。保津峡あたりかな。



急な石段を登って



頂上付近にある愛宕神社到着。風もさわやか、緑も美しくて、とても歩きやすい道でした。



愛宕神社の境内は桜が満開。



頂上付近からの眺望。京都市内。



下山道でよった月輪寺。



明智光秀が植えた石楠花と



島流しになる前に、親鸞がうえた時雨桜。昨日、「歎異抄」を読んだばかり。「業縁」を感じる。親鸞もこの道を歩いたのですね・・・。

「歎異抄」(阿満 利麿 訳・注・解説)

2010-05-15 21:14:06 | 
 「歎異抄」(阿満 利麿 訳・注・解説)を読みました。「念仏には無義をもて義とす」(念仏においては、計らいを捨てることが道理にかなっているのです)という本願念仏の思想を、全存在をかけて極めて行った親鸞。親鸞没後25年、親鸞の教えに違う言説(「異」)が広がるのを嘆き(「歎」)、親鸞の言葉に立ち返ろうとした唯円。そして、「原文」「注」「現代語訳」「解説」という形で、この本を編集した著者阿満利麿。思想と向き合う人たちの崇高さと覚悟が伝わってきます。
 
 筆者は次のように語ります。「念仏者は、けっしてこのんで差別や排除を批判しようとするのではない。しかし、本願念仏の教えに忠実であればあるほど、世俗社会の秩序が隠そうとする不条理や欺瞞を見抜くことになる。その結果、時に、政治的弾圧を蒙ることになる。そうした場合にこそ、念仏者は本願念仏の教えを貫くという覚悟を必要とする。」

 「石、瓦、つぶて」のごとき、社会の底辺に生きる人々を「われら」とよび、権力の弾圧によって島流しとなり、「非僧非俗」の在家主義を貫いた親鸞の生き方と、次の言葉がずしりと重い一冊でした。

 「わがこヽろのよくてころさぬにはあらず。また害せじとおもうとも、百人千人をころすこともあるべし」(自分の心がよくて人を殺さないのではありません。反対に、人を害しないでおこうと決めていても、「業縁」がはたらけば、百人でも千人でも殺すことになるのです)。