1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「akiko」(矢野顕子)

2008-11-30 22:03:00 | 音楽
 今日は、矢野顕子の先月発売のCD「akiko」を買いました。矢野顕子は、
「JAPANESE GIRL」の「丘を越えて」を聴いて以来、とても気になっている
ミュージシャンの一人です。と言ってもこの前に彼女のCDを買ったのは、
15年ぐらい前の「SUPER FOLK SONG」だけれど・・・だいぶ前ですね(^^;
あの時も、CD屋さんで佐野元春の「Someday」やブームの「中央線」が、曲目
の中に入っているのを見て、どんなアレンジで歌うんだろうと思って買ったのを
覚えています。

で、今日も、なにげなくCDをながめていたら、なんとLed Zeppelin の
「Whole Lotta Love」とThe Doorsの「People Are Strange」・・・というわけで
買ってしまいました。

「Whole Lotta Love」も「People Are Strange」も、期待通りの名演だと思いま
した。「Whole Lotta Love」は、えっ、これって和太鼓のリズムって思うような
ドラムではじまって、パワー全開のピアノとギターへと続いていきます。なかなか
素敵なアレンジでした。

同世代なんやね。。。
歌詞を見ていて・・・彼女も、トランジションの真っただ中やね。うーーん、ちょっと心配。



中小企業の景況感最悪

2008-11-30 20:58:43 | 経済指標メモ
 商工中金の調査によると、中小企業の11月の景況判断指数が、前月比2.5ポイント
低下して35.1になったと、今日の朝刊に載っていました。1985年の調査開始以来、
最低の数字だそうです。自動車などの輸送機械で15ポイント低下、金属製品が11
ポイント低下、電気製品6ポイント低下、どれもこれまでの日本を支えてきた基幹
産業です。
 また、政策公庫総合研究所の11月の中小企業景況調査では、従業員を減らそうと
考えている企業の割合が、10月の9.6%から14.3%に跳ね上がったそうです。
 ほんとうに寒い冬ですね。たえなあかん。

「世界金融危機」(金子勝、アンドリュー・デウィット)

2008-11-29 19:49:22 | 
「世界金融危機」(金子勝、アンドリュー・デウィット)を、読みました。今、全世界を襲っている金融危機発生のメカニズムが、具体的な数字と統計情報によって、とてもわかりやすく書かれていました。
 筆者は、まずはじめに、今回の金融危機の根源が、証券化という手法と「影の銀行システム」の崩壊にあることを指摘します。「影の銀行システム」とは、銀行や証券会社の傘下にあるヘッジファンドや投資ビークルが、「金利が相対的に低いABCP(債務担保コマーシャルペーパー)という短期の債券を発行して、これで、利回りの高い長期のCDO(債務担保証券)を買う。そうするだけで、短期金利と長期の利回りを利用して、自動的にもうかることになる。さらには、今度は購入したCDOを裏付けに、また短期のCPを発行して、また長期のCDOを買う・・・というように、永遠に膨らませていく」ことが可能になるシステムのことです。住宅バブルの崩壊とともに、このシステムが崩壊してしまったために、損失の確定する出来ない状況になってしまいました。
 第二に、「影の銀行システム」の崩壊によってもたらされた信用収縮は、実体経済の景気減速を生み、それがさらなる信用収縮を生み出していくという悪循環が金融危機を急速に進化させていることを指摘します。「まずは金融機関の損失が拡大して信用収縮が起き、企業倒産が増え、消費も設備投資も抑えられて景気が悪化する。すると、住宅価格がさらに低下してデフォルトが増え、また金融機関の損失が拡大信用収縮がひどくなる。」
 そして、第三に地球温暖化に伴うエネルギー転換の波と、原油と食料品価格の高騰。これら三つの要因が複合してグローバルな同時不況をもたらしつつあるというのが、筆者の分析です。
 このブログでも気になる経済指標をメモするようにしているけれど、住宅価格の低下、企業倒産数、消費と設備投資の減少、雇用情勢の悪化など、筆者が予想した通りの事態が、もっと急激な速度で進んでいるように思います。筆者の予想がはずれたのは、原油価格が50ドル以下に下落したことぐらいかぁ。これについても、筆者は、今回の原油価格の上昇が、投機よりも、ロシアや中国での需要の増大であり、「石油価格が下落するとすれば、相当に深刻な世界同時不況がくる場合しかない」と書いています。ロシア、中国、ブラジル、インドにも、今回の危機は直撃しています。石油価格の下落は、すでに深刻な世界同時不況に突入していることを表しているのかもしれませんね。
 2009年4月から、サブプライムローンにかわって、比較的優良だとされているオルトAの金利の切り替えが始まります。オルトAの債務不履行の増加と商業用不動産のバブルの崩壊。アメリカの自動車リース市場も、大変の状況になっているそうです。メーカーは、3年で自動車を売るのですが、リース3年後の販売価格が急落して、リースのビジネスから損失が出ているそうです。
 最後に筆者は、小泉「構造改革」を批判しながら、この危機を乗り切るために、①雇用や年金・医療などの社会保障を早急に立て直すこと、②内需の減少を防ぐために、所得の再配分を強化すること、③大規模な自然再生エネルギーへの転換、④食糧自給率を高めるためる農業支援を強化すること、⑤ドルの暴落に備えて、東アジアレベルで、通貨や貿易の連携を強める政策を急ぐこと、を主張しています。たしかに、その通りだと思いました。


鉱工業生産3.1%低下

2008-11-28 20:30:20 | 経済指標メモ
 今日政府が発表した10月の主要経済指標。どの数字も実体経済が急速に悪化して
いるのをあらわしていますね。

鉱工業生産前月比3.1%の低下   
自動車などの輸送機器、IT関連の電子部品・デバイス、半導体製造装置などの一般機器が不調

有効求人倍率 0.80倍 4年5カ月ぶりの低水準

在庫指数109.4 前月比で1.7%の上昇で過去最高

「非正規」3万人が、来年3月までに失職

内定取り消し331人 7年ぶりの高水準

消費支出3.8%減 8か月連続マイナス

小売業販売額0.6%マイナス 2か月連続

それから韓国では新財閥のC&グループが倒産しました。

米連邦準備理事会(FRB)、リスク760兆円・・・大丈夫???

2008-11-28 00:02:45 | 経済指標メモ
金融危機に対応するために連発した救済策や安定化対策により、米政府と
米連邦準備理事会(FRB)が投融資や保証を通じて潜在的に抱えるリスクが
8兆ドル(760兆円)を超すという記事が載っています。

企業からのコマーシャルペーパーの購入18,000億ドル、住宅ローン担保証券・
消費者ローン債権の買い取り8,000億ドル、シィティーグループの不良債権の
政府保証2,500億ドル、ファニーメイ・フレディマック支援2,000億ドル、
AIG支援1,500億ドル、ベアー・スターンズ救済290億ドルなど、合計で
8兆ドル。

FRBが買い取った住宅ローン担保証券やコマーシャルペーパーの資産価値が
目減りする危険性はとても大きくて、これが目減りするとFRBが巨額の損失を
抱えることになります。大丈夫かな・・・・大丈夫とちゃうやろなぁ。

以下は、日銀の元理事の言葉です。
「通貨を発行するFRBが損失を負えば、ドルの信認性の低下は必至。政府が
穴埋めしても、今度は財政が悪化し、やはり同じ結果になる。」

上原ひろみコンサート 最高!!!

2008-11-27 00:06:50 | 音楽
 今日は、サンケイホールブリーゼであった上原ひろみの「ビヨンド・
スタンダード」日本ツアーに行ってきました。メンバーは、上原ひろみ(p,key)、
トニー・グレイ(b)、マーティン・ヴァリホラ(ds)、ジョン・シャノン(g)。

「朝日の如くさわやかに」から始まって、「My Favorite Things」、「上を向いて
歩こう」、「Caravan」、「I've Got Rhythm」などなど。肘打ち、鍵打ち、こぶし
打ち。上原ひろみの超絶技巧に酔ってきました。
 最後はオールスタンディング。アンコールの後に、「本日の演奏は終了しました」
のアナウンスが流れても、アンコールがなりやまなくて、「Kung Fu World
Champion 」をもう一曲。この曲のジョン・シャノンのギターも最高でした。
個人的には、CDのデヴィッド・フュージョンスキーのギターよりジョンのほうが
いいと思いました。

 今日は、前から2列目の上原ひろみのピアノのすぐ前の席。上原ひろみのコンサー
トは、今日で3回目だけれど、ユニットの熟成度、パワー、音楽に向き合う真摯な姿勢、
どれをとっても今日のが最高だったと思いました。

 感激、感涙、生きてる実感。来年もぜったいに行こっと。



「出星前夜」(飯嶋和一)

2008-11-25 22:27:04 | 
 「出星前夜」(飯嶋和一)を読みました。寛永14年(1637年)に、過酷な圧政に抗して立ち上がった島原民衆の物語です。
当時、島原の民衆は、通常の二倍を超す年貢に苦しんできたそうです。年貢の軽減を申し出者は、圧政の事実を覆い隠す
ために「キリシタン」として処刑されていきました。寛永14年の闘いを、「キリシタン一揆」として位置づけたのは、民衆への圧
政とそれを生み出した幕藩体制の問題点を覆い隠そうとした支配者の側であり、闘いの本質は、民衆の生きるための闘い
であったと著者は主張しています。

 飯嶋和一の4年ぶりの作品。1,200枚、ほんとうに力作だと思いました。読み応え十分、読み終わった後でホット一息ついた
所です。

 島原・天草の民衆の闘い、九州の諸大名と幕府を相手に、4か月も持ちこたえたのですね。はじめて知りました。支配者の
圧政に抗して立ち上がった民衆の記録として、とてもおもしろかったし、アフガニスタン民衆などの闘いを「イスラム原理主義」
という切り口だけで見ることの危うさを思い起こさせてくれる一冊でした。

アジア企業、雇用の削減本格化

2008-11-24 21:52:56 | 経済指標メモ
アメリカ、日本、ヨーロッパだけではなくて、アジアの国々でも
雇用の本格的な削減が始まっているのですね。以下、今日の日経より。

香港
香港上海銀行  全職員の2%にあたる450人を削減
中堅不動産仲介業者「利嘉閣」  全社員の3割にあたる400人を解雇

シンガポール
最大大手商銀DHSグループホールディングス  全社員の6%にあたる900人を削減
政府系海運大手、ネプチューン・オリエント・ラインズ 全世界の拠点で1000人削減

マレーシア
大手保険会社、CIMBアヴィヴァ  200人の希望退職

インドネシア
国営製鉄クラカタウ・スチール  従業員2500人一時帰休

タイ
ゼネラル・モータース現地法人  250人削減

マカオ
カジノ景気の減速による開発計画凍結のため、建設労働者11000人解雇

韓国
C&造船所 操業停止

何度も書くけれど、実体経済への影響は、これがまだ入り口。
とても不安になるけれど、がんばるしかないですよね。


「この自由な世界で」(ケン・ローチ)

2008-11-23 21:27:44 | 映画
 「この自由な世界で」(ケン・ローチ)を見ました。イギリスが抱える移民労働者や不法滞在者の問題を真正面からみすえた、ケン・ローチ渾身の一作でした。

 1992年にロンドンに行った時、早朝、パブの前に集まった日雇い労働者の人たちが、手配師のバンに乗って建設現場や倉庫などに送られていく光景を見たことがあります。彼らの給料は、週払いでパブで支払われていました。労働者の人たちは、給料を受け取るや、飲み代として、貴重な生活費をパブにすいとられていくとのことでした。当時は、アイルランドやスコットランドからの出稼ぎ労働者がほとんどで、狭いアパートに身を寄せ合って暮らしていました。
 で、この映画が製作された2007年。ポーランドや東欧の国々、イラン、チリなど、世界中のあらゆるところからロンドンにやってきた人たちが、パブの前から建設現場に向かう姿が描かれていました。住む家もなく、家族4人でせまいトレーラーに住む不法滞在者。建設現場で機会に巻き込まれて死んで行く移民労働者などなど。ロンドンの底辺で働く人々を、ケン・ローチは追いかけていきます。1990年代、不況で苦しんでいたイギリスが、2000年代に経済的に立ち直った裏には、低賃金で働く多数の移民労働者の存在があったのですね。

 この映画の主人公アンジーは、小学生の子供を持つ30代のシングルマザーです。これまでに30以上の職場を転々とし、せっかくうまく生き始めた人材派遣会社も、上司のセクハラに抗議したために首になってしまいます。そこで彼女は、友人と二人で人材派遣会社を設立し、移民労働者の日雇い派遣を始めるのです。違法を承知で不法滞在者を雇い、昼夜交代で彼らに部屋を貸し、税金と社会保険だと偽って労働者の給料をピンハネする。気まぐれに不法滞在者の家族を助けながら、邪魔になると入国管理局に通報して追い出してしまう。
 そんな彼女を、ケン・ローチは不良娘を見つめる親のような視線で描いています。「いくら<自由な>世界でも、法に背いたり、人をだましたり、踏みつけたり、不当に搾取したりして、自分だけが金銭的に豊かになるのは、そら、おまえ、やっぱり間違ってるやろ」って、ケン・ローチの声が聞こえてくるのです。
 アンジーの父親役のコリン・コフリンは、リバプールの港湾労働者で運輸一般労働組合(TGWU)の組合員だったのですね。アンジーへの「おまえが、今、移民労働者を低い賃金で派遣していることが、お前の息子が大きくなったときのお前の息子の低賃金を準備しているのだ」というコリン・コフリンの言葉が、イギリスの若い世代に、伝わってくれたらなぁて、心から思いました。
 移民労働者の給料を踏み倒したために、移民労働者のボコボコにされたアンジーが、移民労働者への未払い賃金を稼ぐために、ウクライナにわたって、新しく人材派遣会社を設立するところでこの映画は終わります。
 そうやね、アンジーには、もうこの生き方しかないのかもしれない。「この自由な世界で、虐げられてきた女性が、人材派遣会社を設立することは、なんにも悪いことではないし、立派なことなんだとも思う。ただし、働いている人の尊厳と、当たり前の生活がしたいという切実な気持ちを踏みにじることさえしなければね。がんばれよ、アンジー」って、父親になったような気分で声をかけたくなった一作でした。ケン・ローチ、さすがやわ。

        

「アキレスとカメ パラドックスの考察」(吉永良正)

2008-11-22 23:27:03 | 
 「アキレスとカメ パラドックスの考察」(吉永良正)を読みました。ゼノンの
アキレスとカメのパラドックスについては、高校生の頃から、もやもやした思いを
持ってきました。無限等比級数の和の公式で解けるのだと言われても、僕には、や
っぱり、アキレスはカメに、どこまで行っても追いつかないと思えたのです。

 で、この本。題名を見て思わず手に取ってしまいました。アキレスとカメの図解も
あって、とても読みやすい本でした。しかし、パラドックスの謎がすっきりとけたか
というと、ますますわからなくなったというのが、正直な感想です。

 筆者は、次のようにこの本をまとめています。「数学的世界では、有理数に話を限
定するかぎり、アキレスはカメに追いつけないケースもありえます。」ほうら、やっぱ
り追いつけないんだと、ほっとするのですが・・・次に「しかし、『連続の公理』を要請
して実数にまで話を広げれば、アキレスはカメに追いつき、パラドックスは解消さ
れる。」と続くのです。

連続と不連続の話。アキレスとカメが一生懸命走っていて、アキレスがカメに追い
つこうとした瞬間に、両者がブラックホール(不連続)に落ちていくという図解つき
で説明されるのですが、よう、わからんのです、はい。

50代でわからん話は、この先もわからんのやろなぁ・・・。連続と不連続の本を、
読んでみようかなと思いながら、もやもや気分。

しかし、論理的に考え抜いて、このようなパラドックスを作り出したゼノンって、
すごい人だと思いました。

「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」

2008-11-21 20:55:07 | 美術館
 今日は東京出張。午後少し時間があったので、上野の国立西洋美術館で開かれて
いる「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」を見てきました。
 ヴィルヘルム・ハンマースホイは、20世紀の初頭に活躍したデンマークの画家です。

誰もいない曇り空の風景と・・青空は20点余りの風景画のうち、たった一つ。
あとはどんよりとした曇り空でした



視線を合わせない3人の女性・・・沈黙。



後ろ姿の女性と





日差しの差し込む誰もいない部屋



どの絵にも、静寂が支配していました。

正面を向いた肖像画の前では、青白い顔と生活に疲れた目のせいか、
少しかまえて絵を見てしまうのですが、後ろ姿の女性の絵を見ていると
そっと近付いて何をしているのか見たくなるような、軽く肩を抱いて
小さく声をかけたいような、そんな気持ちになりました。

誰もいない部屋の絵も、見ているうちに、静かなその部屋の中にいるような、
日差しのほうに歩いて行くような気もちになりました。

ハンマースホイは、「誰もいないからこそ美しい」と言ったそうですが、
「誰もいないからこそ、見ている僕がいるのだ」という気持ちにさせてくれる
展覧会でした。

いすゞ 非正社員全員削減 ひどいなぁ、許せんわ

2008-11-20 20:34:16 | 経済指標メモ
 今日の日経朝刊。いすゞが、国内にいる1,400人の非正社員全員との契約を打ち
きると発表しました。年内に全員削減、半数強は契約期間中の解雇になるそうです。
ちょっと、ひどすぎるんちゃうかな。何のための契約期間なんだろう・・・働いている人
は、せめて契約期間中は雇用は守られていると思って生活のプランを立てているはず
だし。正月早々に、職を失う人の姿を思い浮かべると、いすずのこの仕打ちに限りなく
腹が立つのです。経営者は、働いている人の痛みに思いをはせたことがあるのだろ
うか?
せめて会社の責任として、期間満了まではすべての非正社員を雇用すべきだと思い
ます。

「phoebe snow LIVE」(Phoebe Snow)

2008-11-19 20:27:54 | 音楽
 25年ぐらい前によく聴いていたミュージシャンの一人に、Phoebe Snow がいます。
昨日、会社帰りにCDショップをのぞいたら、Phoebe Snow が2008年の7月に開いた
コンサートのライブアルバムを発見。即、購入しました。
 彼女のオリジナルの"IF ICAN JUST GET THROUGH TONIUGHT"や"POETRY MAN"や、
ジャニス・ジョプリンの”PIECE OF MY HEART"など、11曲を歌っています。聴いて
いると、あの頃が思い出されてとてもなつかしくなるのです。昨日から、5回は聴いた
かな。声にあの頃のようなハリはなくなったけれど、いいものはいい、僕のお気に入
りのCDの一枚になりました。
 25年ぐらい前というと、長女と次女が年子で生まれたころで、Phoebe Snow にも
幼い盲目の娘さんがいらっしゃいました。彼女の歌を聴いていると、娘さんを思いやる
母親の心情がひしひしと伝わってきたように思います。
 さっき彼女のホームページを見たら、去年の3月に娘さん、亡くなられていたの
ですね。ショックやったやろね・・・ご冥福をお祈りします。それと、再び歌い始めた
Phoebe Snow に・・・これからもよい歌を聴かせてもらいたいと思いました。

  

  Phoebe Snow


「マルクスを活用する」(高橋洋児)

2008-11-18 21:55:23 | 
 高橋洋児の「マルクスを活用する」を読みました。書名にマルクスという名前がある本を読みのは、ほんとうに久しぶりです。高橋洋児は、「マルクスの考えたこと(思考成果)および考え方(思考法)のうち、現代の時代状況にアクチュアルな意義を持つと思われるものに光をあてた」と冒頭で述べています。
 もう一度確読み直してみたいと思うほど刺激的な本でした。とりわけ、「経済学批判要綱」の本論を俎上に載せて、マルクスの「問題の立て方・解き方」を明らかにし、「世界市場の形成の論理」や「資本の文明化作用」、「自由時間」、「資本制生産様式の、いったい何が問題なのか?」を論じた、中盤から後半にかけた叙述はとっても迫力がありました。
 高橋洋児は(マルクスは)、「問題解決の正しい方法」として次の三要件が揃っていなければならないと主張します。①問題の実情把握、②問題点が克服されたと仮定した場合の改善像ないし変革像、③問題解決の具体的な方向づけ、あるいは実行可能な具体策の提示。この三要件、確かにその通りだと思うのです。日々実感するのですが、実行可能な具体策を提示するというのは、自分で責任を背負うことであり、とっても覚悟がいることです。提示した以上は逃げるわけにはいかないし。高橋洋児は、この三要件に準拠しながら、マルクスの未来社会論のユートピア性を明らかにしていきます。

「語られている言葉のビューティフルさに酔ってはいけない。語られる際の論理に厳格でなければならない。これはマルクス自身の一貫した教えである」

以下、労働組合運動にかかわる人たちへの(広い意味で僕への)高橋洋児からの問題提起です。僕は、傾聴すべき、とても深い内容だと思います。

「労使双方の骨折りの労苦の中身が違っていることを確認する。」
「終始『骨折りの労苦』の量と質を問うことで交渉の道筋は鮮明になる」
「経営者はオレたちのお陰で報酬を得ているとする誤った観念を清算する必要がある。オレたちだけでは何ほどのものでもない」
「成果主義を採用するのなら経営者にも成果主義を適用すべきである」
「骨折りの労苦に応じた処遇をする」
「労使双方が文字通り相互依存関係にあることを踏まえて相手の骨折りの労苦を理解するように努めること」
「非正規労働者の骨折り労苦をも正当に評価しうるシステムを構築すること」
「労働組合が”労労対立”を放置したままでいるのは自己矛盾と頽廃の極みである。」


GDP 2期連続マイナス 景気後退局面

2008-11-17 23:35:09 | 経済指標メモ
 7-9月期のGDPは、前期比0.1%減、年率換算で0.4%の減少となったという
記事が、今日の夕刊に載っています。企業の設備投資や、輸出、個人消費も落ち
こんだそうです。
 アメリカもヨーロッパも、7-9月期はマイナス成長。新聞にも書いてあるけれど、
世界同時不況へと進んでいるようです。これが実体経済悪化の入り口で、まだまだ出
口がみえない状況・・・とても暗い気持ちになります。