かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

森を歩こう A walk in the light green forest

2022-05-01 22:01:08 | 日記

たしか53年くらい前の朝のラジオ番組で、毎日のように軽快なポップ音楽が流れていた。その音楽を聴きながら母の作った朝ご飯を食べていた。この曲が「森を歩こう」という名の音楽であることは知っていたが、あとからドイツのホルスト・ヤンコフスキーというジャズミュージシャンが作った作品で、1665年ころ世界中にヒットした軽音楽だと知った。また、この曲は長いことNHKFMの夕方の音楽番組のテーマ曲として使用されていることも知った。が、オイラにとっては短い間だが、小さな島で父母と暮らした中学の2年間の朝に聴いた音楽の思い出となっていて、今となってはどのような番組だったのか調べようもないし、あるいは記憶違いかもしれない。

「森を歩こう」は、妙に明るい音楽で、これを聴いて森を歩いているような晴れ晴れとした気持ちになるかといえば、オイラの性格はひねくれているのか、当時の気持ちとして決してそうではなかった。むしろ、「ああ、また学校に行くのか」という、なにかしら憂鬱で億劫な心持になった。小さな島ではあるが、家から歩いて30分近く、海沿いの道を歩き、ある地点から急な坂道になり、島で最も高い標高、と言っても100メートルはないだろうが、学校まで毎日歩いて通った。

この音楽の原題は、「A walk in the black forest」でそのまま訳すと「黒い森の中の歩き」ということになりこれも日本語的には何やら「暗い」のだが、おそらく暗いということはなくドイツの針葉樹の森を散歩しようという明るいイメージで作られた音楽で「森を歩こう」という邦訳はそんな気持ちに添ったものなのだろう。

こんな遠い日のことを思い出しながら、雨の5月1日、ひさびさこの音楽をYoutubeで聴いてみた。下記のレコードが当時の音源だったか分からないが、当時のラジオから流れる音楽だったような気もする。久々に聴いてみて「憂鬱で億劫」な気持ちにはならなかった。むしろ、5月になって晴れれば毎日でも新緑の森に足を運びたくなった。なぜだか理由は分からないが、この音楽がもつウキウキ感が50年の鬱屈にまさるものだからだろう。

そしてオイラは、この音楽を胸に抱きながら、決して「The black forest」ではなく「The light green forest」を歩こうと思う。1年で一番快適な5月の広葉樹の森を歩きたくてしょうがない。

森を歩こう A walk in the black forest

 

       

          青麻山のブナ

 

 

       

         青麻山のイヌブナ

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