神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

恋文の技術

2009-04-07 21:44:43 | SF
『恋文の技術』 森見登美彦 (ポプラ社)




手紙形式で書こうかと思ったけど、挫折したのでやめた。
この本を読んでも恋文の技術なんぞは会得できません。

そもそも、なんでSF原理主義者が森見登美彦なんかを読んでいるのかといわれれば、どこかにもてない男子は『四畳半神話体系』を今すぐ読めと書いてあったからで、早速ハードカバーで入手(まだ文庫化前だった)して読みふけり、なんとSFなことであるなぁと、そして、なんともてない大学生の日常を生き生きと描き出しているのかと、さらに、なんと我が大学生活の不毛だったことよと思い返し、なんだかわけがわからないが、「僕なりの愛ですわい」と叫びたくなったからである。

それがどうしたことか、『夜は短し歩けよ乙女』の黒髪の乙女がかわいらしくて評判をとったことで調子にのって、森見氏はなんと結婚までしてしまったではないか。本書ではコマツザキも谷口軍曹も彼女持ちで、もてないオーラを醸し出している主人公のイチロー・モリタでさえ、既にフラグが立ってるではないか。しかも美人で頭が良くて宇宙飛行士志望の小柄な妹持ちとは羨ましすぎる。

ああ、それにくらべ、我が社会人生活のなんと不毛なことよ。

この八方ふさがりでライフアンドワークバランスの著しく崩れた現状を打開するために、文通でもしようかと思えば、いったい文通相手などどこにいるものか。いったい、小柄でぷにぷにした黒髪の乙女など、どこにいるのだ。

この際、赤い風船に手紙でもつけて飛ばすしかないものか?

……でも、よく考えてみたら、このブログこそが我が赤い風船だったような気がする……。