サッカー日本代表主将の長谷部選手に、1つの転機が訪れています。
偶然目にした記事で、長谷部選手は現在、所属するVfL Wolfsburgの1軍チームの練習に参加することを許可されず、事実上の戦力外通告を受けているようです。
昨シーズンのブンデスリーガでも、長谷部選手を高く買ってくれていたはずの、鬼軍曹マガト監督からも便利屋扱いで、レギュラー定着とは言いづらい状態が続いていました。
しかも今季は年齢的にも29歳となり、故障者が続出しない限り、チームで置かれた立場的には、ベンチ入りさえも厳しい可能性があります。
そこで自分は言いたい。
「まこっちゃんは日本に帰って、これからの日本代表選手達の為に、"新しい道"を作って欲しい」と。
前にこのブログでも書きましたが、日本と欧州間の移動は非常に肉体的な負担が大きく、試合直前に帰国しても、コンディションは優れず、プレーにも大きな影響をおよぼし、結果として代表チームにも、所属チームにとってもプラスになりません。
これは世界のサッカーの中心地、欧州からみた場合、日本という世界の東の果ての国に生まれた宿命ではありますが、今や10代~20代前半から欧州のクラブチームで選手達がプレイし、日本代表に選ばれる選手の半数以上が欧州で生活している現状から言えば、これからの日本代表の未来を考えた場合、少なくともシーズン中のW杯アジア予選で、ホームゲーム等の東アジアで行われる試合は、国内組中心で戦っていくようにしていかなくてはいけないと自分は思っています。
若い才能溢れる選手達が、欧州のクラブチームでレギュラーとして活躍することは、間違いなく日本のサッカーにとって、大きなプラスです。
一方で国内のプロリーグであるJリーグでは、空洞化を危惧する声があちこちから聞こえています。
しかしこれまで日本に戻ってきた選手は、ごく一部の例外を除いて、欧州で活躍できなかった選手や、怪我等があって万全の状態でのプレイが難しい選手等、帰ってきても日本代表でレギュラーを狙うのは難しいイメージがありました。
だからこそ5シーズン以上欧州でプレイし、一定の結果を出してきた選手達に言いたい。
これからは20代後半でサッカー選手として油が乗っている状態で日本に戻って、欧州で得た経験をJリーグに還元し、日本代表のレギュラー選手として、W杯のアジア予選でチームを引っ張っていって欲しいと自分は考えます。
そういう意味で、長谷部選手にはその先駆者になってもらいたいと。
今日も海外組18名に召集レターを送付した話題がニュースになっていましたが、9月のホームでの対イラク戦に、シーズンが始まったばかりの欧州組を何人も呼んでいるようでは、長い目でみたこれからの日本サッカー界と日本代表の未来を考えると、本当はいけないと自分は思っています。
欧州で活躍する若い選手達は、チームでの地位を確立して高いレベルでの経験を積むこと、シーズンを通して戦えるコンディションを整えることを最優先し、それを大舞台の本番で代表チームに還元する。
日本に戻ってきたベテラン選手は、積み上げた経験をJリーグに還元し、W杯予選で日本代表チームを引っ張り、本大会でも欧州組と激しいレギュラー争いを演じるだけの地位を、代表チームで確立する。
これこそが、近未来の日本サッカーが目指すべき姿ではないでしょうか。
長谷部選手もドイツに渡って、次の冬で丸5年(今週末から6シーズン目に突入)となります。
フルシーズン初参加となる2季目にレギュラ-選手として、ブンデスリーガのマイスターシャーレを手にした後、マガトがチームを去り、崩壊していくチームの中で、さらに干された時期もあり、欧州サッカーの光と影を経験してきました。
また自分も昨年、長谷部選手を応援する為に、実際にヴォルフスブルクを訪れて実感しましたが、ここは旧東ドイツとの国境に程近い町で、英語も殆ど通じません。(東や南ドイツは、一部のビジネスマンを除いて、本当に英語が通じないです)
自分も南ドイツで3年過ごした経験があるからわかりますが、お金を出してもまともなサービスが受けれないドイツでは、これは本当に大変なことなんです。
これは同じドイツ在住でも、デュッセルドルフやフランクフルト近郊にしか住んだことのない人には、絶対にわからない大変さだと思います。
(こんなことを書くと、"ドイツはまだマシだ"と、さらにマイナーな日本人が殆どいない非英語圏の国で生活している人達に、怒られそうですけれど)
いよいよ今週末にブンデスリーガも新シーズンが開幕しますが、日本サッカー界の功労者であり、まだまだ頑張ってもらわなくてはいけない長谷部選手に、悔いの無い決断をして欲しいと自分は思います。
P.S.
まこ様へ。
ドイツじゃ日本人の彼女はできないから、そろそろ帰っておいでよ。(<まったくもって大きなお世話)
※写真:ヴォルフスブルク駅前のParkstrasseからみたフォルクスワーゲン・アレーナ(2011年撮影)