メスキータでひときわ高くそびえ立つ中央礼拝堂です。
この礼拝堂の建築が始まったのは、コルドバがキリスト教徒の手に戻ってから約300年後となる16世紀とのこと。
コルドバのキリスト教徒達は、このメスキータのイスラム芸術を理解し、キリスト教会となった後も、そのままの姿で3世紀近くも保存してきましたが、時の王カルロス5世がメスキータを1度も見ることなく、この礼拝堂建設の為の改築を許可してしまったのだとか。
コルドバ市民の必死の抵抗もむなしく建築されてしまった中央礼拝堂ですが、建築開始後にこの地を初めて訪れたカルロス5世は、「どこにでもある礼拝堂を作る為に、世界で唯一の建築物を壊してしまった。知っていれば決して手をつけさせなかったのに」と嘆いたと言われています。
(礼拝堂建築はその後も18世紀中盤まで約250年もかけて続きます)
アルハンブラ宮殿中心部にも場違いな?カルロス5世宮殿を建設し、あっちこちで「やってもーた」をしている迷建築王のカルロス5世ですが(汗)、礼拝堂建築に関わった建築家エルナン・ルイスとその子孫達は、メスキータのイスラム芸術との融合に苦心し、1000本以上あったと言われる円柱の森は約850本まで減ったものの、破壊を最小限に留めたと言われています。