J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

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研修会・勉強会18

2021-12-26 00:01:33 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 イベント参加レポです。
 少し前になりますが、10月10日にオンラインで開催されたJ1仙台の市民後援会主催の「講座ベガルタ」に参加してきました。オンラインのメリットで遠い宮城県にも気軽に参加できるようになりました。これがサポカンとかだったら、他サポとしてかなり気を使うところですが、「講座」という勉強会の様子だったので、申し込んで参加いたしました。まずは市民後援会さんのウェビナー開催レポ。
     
【「講座ベガルタ」を開催しました】
「今回は『ベガルタ仙台とSDGs』をテーマにして、クラブの取り組みについて佐々木社長にご講話いただきました。ビデオを使ったSDGsの基礎知識の紹介から始まり、クラブ内での話し合いのプロセスや取り組みの具体例についてのお話がありました。さらに経営ビジョンについての説明もしていただきました。質疑応答では参加の皆さんから活発な発言があり、あっという間に予定の時間となりました。」
引用:ベガルタ仙台・市民後援会公式HP

 自分なりにレポをしてリスペクトしてみたいと思います。
 まずは市民後援会の三船理事長の開会挨拶。クラブを取り巻く環境を勉強する目的で、今まで様々な講演を行ってきたとの事。今回の参加者数は17名。J1クラブの後援会なので、もうちょっと来ているかと思っていただけにちょっと意外でした。今回の講演者は佐々木社長さん。そのお話を書き起こしてみました。
   
【SDGsって何だろう?】
 今年9月16日にクラブ基本指針の策定について発表。他の多くのJクラブがSDGsに関する事業に取り組んでいるが、うらましいとは思えない。やっている格好をしているだけのところが多い印象があった。いろいろ拝見したが、事例の紹介はしているが、どうしてSDGsに取り組まなければならないのかという事に触れているクラブはほとんど無かったように思う。SDGsへの取り組みを長続きさせるために発表に至った。この後に一番わかりやすいという国連の動画を上映。

【SDGsについての見解およびクラブとしての視点】
 国連全加盟国が一致して採択。7割以上の国が環境問題(エコ、気候変動)を抱えているが、SDGsに関しては政治や宗教の影響がある場合が多く、なぜSDGsに取り組まないといけないのかという根本的な部分が抜け落ちている気がする。
 J1仙台では「why-HOW-What」というテーマで、若手スタッフを中心にプロジェクトチームを作ってクラブとして追及していった。日本はなぜSDGsに取り組まなければならないのか。まず挙げられるのが「高齢化社会の到来」。少子高齢化から深堀していく。日本は先進他国に比べて極めて高齢化率が高くなり、そのスピードも早まっている。特に仙台市副都心(泉区:ユアスタ所在)を襲う急速な高齢化率に注目。
 仙台市におけるJリーグIDからの調査によれば、ユアスタ来場者の1/5が泉区在住であり、一気に高齢化する。仙台市は政令指定都市・中核都市の中で最も高齢化率の高い都市であり、今後も高くなり続けば可処分所得の減少が影響し、来場者の減少を招くことになる。
 その環境の中で今のユアスタは高齢者に優しいスタジアムとは言えず、来場できない、来場しない人がこれから増えてくる。仙台市のこの事象を自分ごととして考えられるかどうかで、今後の取り組み方が変わってくる。深堀りすれば、労働力不足から女性の労働力が必要になってくる。
    
【クラブとしての取り組み姿勢】
 本業のプロセスが優先されるが、自分達の仕事の中で考える事が大切であり、SDGsの目標は自社の経営課題になる。「三方よし+未来よし=四方よし」を指針として取り組んでいく。トップオブマインドになることで、ブランド戦略の大きなアイテムを持てる。「じぶんごと」にできるか。RISE(コンサルグループ)(CSRパートナー)は、J1仙台が市民クラブだからスポンサーになった経緯があり、一緒にSDGsの手伝いをしたいという事で、すぐにスタッフを5人派遣してアセスメントしてくれた。17の目標のうち、得意なものを絞り、5つの目標を決めた。
 「スローガン2021」を定め、みんなで取り組むとする。市民クラブとしてSDGsの啓蒙活動(チラシ配り)から始めていく。リミテッドユニ(3試合限定ユニ)もあって、将来的に古着が発生していくので、いつか衣類を必要としている国に送る案があり、SDGsに貢献できる。
 社員クレド(約束)も実施している。自分はどの目標で何を推進するかカードにして全員が携帯している。エコーステーション事業などは長年取り組んでいる事業があるので、あえて宣言にせず、基本方針とした。

【今後について】
 SDGsの取り組みについて、次世代に残したい大切なものに我々が選ばれるよう活動していきましょう。経営ビジョンもSDGsであり、過去に批判されたこと(資金不足等の経営問題)も入れている。5年後のあるべき姿として「シャレンなら仙台」「地域密着なら仙台」を定着させたい。「ノンフットボールビジネス」の開拓として、クラウドファンディングをやっていきたい。パブリックカンパニー(株式公開企業)の宿命として、位置づけが大きく、求められるものが大企業並みに大きいことが挙げられる。

 以上が抜粋で、その後の質疑応答で参加者である、サポーターやボランティア、海外在住サポから様々な質問・意見が寄せられ、丁寧に回答されていました。
 佐々木社長さんの印象で、何となく「企業人」というイメージが薄かったので、プロフィールを調べてみるとやはり、お役人系でした。現在65歳。郵政省OBからゆうちょ銀行におられ、市民後援会でも活躍されていました。1999年に事務局長、翌年に理事長に就任されました。そして去年12月に社長就任と、後援会のトップがそのままクラブのトップに就いたという異色の人材でした。
 金融機関におられたので、財務にも強いでしょうし、後援会も長かったのでファン・サポーター目線でも事業を進められるという、ある意味理想的な経営者ではないでしょうか。

 ただ、仙台さんは一昨季は11位だったのに昨季17位と、本来ならばJ2降格順位でフィニッシュしています。今季は19位に終わり、残念ながらJ2降格が決まってしまいました。そんなコロナ禍でも大変で、J2降格危機という環境変化の中で経営トップに就任された佐々木社長の気苦労も大変だと思います。
 当ブログでも「付加価値が高い公共財Jクラブ」として評価が高いクラブ。特に市民後援会は他クラブの模範として素晴らしい支援体制だと思います。「講座ベガルタ」もプロサッカークラブ「ベガルタ仙台」がどのような方向性をもって活動していく必要があるか、市民レベルの勉強会を行うことにより、「Jリーグ百年構想」や「スポーツ振興基本計画」等の理解促進を図ることを目的として、2003年から開催されています。本来ならば物理的に参加できないところが、コロナ禍でのオンライン開催という事で参加させていただき、本当に勉強になりました。機会があり許されるならば、また参加させていただきたいと思います。10月の話ですが、市民後援会様にちょっと見てもらっていて、アップが遅くなりました。
ベガルタ仙台市民後援会関連②:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150329
    〃        ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121122
同 講座ベガルタ関連:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20171017
J1仙台関連:
#がんばろう日本 #ThankYouHealthcareWorkers #ThankYouCaregivers

コメント
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